メルマガ | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜 - Part 19
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
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  • 謝る人の2つのタイプ

    2014年10月13日

    人に迷惑をかけた時、損害を与えてしまった時は、その相手に謝る必要があります。

    しかし、謝ることが得意な人、進んでやりたいという人はあまりいないでしょう。

    謝ることは気持ちの良いものではありませんし、極度の緊張を迫られます。

    また、謝罪には常に相手がおり、その人が許してくれるかどうかはわかりません。

    最近、社会的に責任ある立場の人が、いわゆる「謝罪会見」で頭を下げる光景をよく見ます。

    会見を行うことによって、世間の怒りが緩和される成功例もたまにありますが、会見時の言動で余計に反感を買うことも多いようです。

    謝罪が失敗する理由、良い謝罪の仕方を考える際、まず「謝る」ということがどのような行為なのかということから考えなくてはなりません。

    人が謝る理由には、2つのタイプがあります。

    まず一つは、「謝らないと気がすまないから謝る」というタイプです。

    「謝りたい」という気持ちは、その人の誠実さを示しているようにも見えます。

    しかし、このタイプの謝り方は、相手が何について怒っているのか、ということを度外視し、自己満足の謝り方になりやすいという特徴があります。

    よく、深く頭を下げて謝っても相手が許してくれないとき、「ここまで謝ってるのになんだ!」「じゃあどうしろと言うんだ!」と「逆ギレ」する人がいます。言うまでもなく、こういった態度は相手の気持ちを逆なでします。

    最近の謝罪会見でも、席上で自分の感情を爆発させて謝罪しながら、記者から厳しい追求を受けると態度を変え「あなたにはわからないでしょうね」と言い放った方がいました。会見が逆効果になってしまう事例には、このパターンが多いような気がします。

    謝罪のもうひとつのタイプは、相手の傷付いた心を癒すため、相手の精神的なバランスを取り、心の不全感を補完するために謝るタイプです。

    私は弁護士として、交通事故の損害賠償に関する業務を行っています。

    交通事故の被害者の多くは、道を歩いていたところ、いきなり車にはねられて大怪我をしたり、大切な人を失ったりといった、不条理極まりない損害を受けています。精神的なショックも相当なものです。

    被害そのものは取り返しのつかないものです。しかし、交通事故の被害者の気持ちは、加害者が直接謝ったことで変わります。そして、いいかげんに謝った場合、火に油を注ぐことになります。

    被害が大きい場合は、一度謝っただけでは許してもらえないことがほとんどです。怒鳴られたり、追い返されたりすることもあります。

    ここで、上の1つめのタイプの謝り方なら、「俺が土下座すればいいのだろう」と謝罪に伺い、その場で怒鳴りつけられるようなことがあれば「ここまで謝っているのに」となるでしょう。

    しかし、相手の気持ちを慰謝することが目的で謝っている人は、一度や二度門前払いされても、相手の気持ちが癒されるまで何度でも謝罪するはずです。

    謝罪を繰り返すうち、次第に被害者の気持ちには変化が生じます。

    もし、誰かに謝らなくてはならない場面に直面した場合、自分本位の謝り方をしていないか、相手の気持ちになって考えられているかを、常に自分に問うべきですね。

    その姿勢が謝罪の態度に表れることで、被害者の心は少しずつ癒され、精神のバランスが回復して、許す気持ちが芽生えるのです。

     

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  • 本田宗一郎に学ぶ 成功するのになぜ下積みが必要か?

    2014年05月18日

    今回は、本田宗一郎さんについて取り上げてみたいと思います。

    説明するまでもないでしょうが、本田さんはホンダ自動車の創業者。「ドリーム」「スーパーカブ」など、革新的な国産オートバイを開発し、四輪自動車へ進出。ホンダを世界的企業に育て上げました。

    本田さんから感銘を受ける部分はいろいろありますが、今回は、「下積み」に関する考えを紹介します。少し長いですが、本田さんの言葉を引用しましょう。

    「『下積みは嫌だ、すぐに華々しい仕事がしたい』という人がいるが、そういう人は苦労した経験がないので、ちょっと嫌なことがあると、すぐに諦めて挫折してしまう。

    下積みが長い人は根性が据わっているので、ちょっとやそっとのことではへこたれない」(「私の履歴書 本田宗一郎 夢を力に」(日経ビジネス文庫)より)

    実に本田さんらしい言葉です。

    本田さんは、旧制小学校を卒業後、自動車修理会社に就職しましたが、そこでまず社長から命じられたのは「子守」。

    車に触らせてすらもらえず、赤ちゃんをあやすだけの仕事は半年続きました。

    その後、修理の仕事を任されるようになると、堰を切ったように仕事に打ち込み、めきめきと頭角を現しました。独立後は、ピストンリングやエンジンを製作。自社製エンジンを自転車に搭載したバイクを開発して、その名を知られるようになりました。

    10代から20代にかけての下積み時代は本田さんの財産となりました。会社が大きくなり、大学卒の技術者が入社するようになっても、本田さんの知識・技術には誰も太刀打ちできなかったといいます。

    技術面だけではありません。戦後の物資不足、資金繰り、法規制など数々訪れた危機に際しても、持ち前のパワーで会社を引っ張っていきました。

    そのパワーの土台となったのが、一見技術者としては不要にも思えるものも含めた下積み時代なのだと思います。

    昨今、下積みという考え方自体が廃れてきているようにも感じられます。ネットベンチャーなど、短期間で脚光を浴びるビジネスがもてはやされたことも影響しているのでしょう。

    確かに、社会に出てすぐに華々しい成功ができればそれにこしたことはありません。しかし、障害がゼロである仕事はありえません。仕事が大きくなれば障害もまた大きくなります。

    困難にぶつかったとき、下積みを経ていない人は乗り越え方がわかりません。失敗を繰り返しながら、自分なりの成功体験を作り上げた人こそ、困難を乗り越えることができます。

    私にも下積み時代と意識している時代があります。司法試験に合格して2年の研修期間はもちろん、弁護士としての活動を始めてからも依頼者との関係に苦労したり、裁判や交渉で窮地に陥った体験、また仕事をいただくことの苦労、などを経験しました。

    20代のころ、資金繰りがつかずに弁護士業務の他に、司法試験予備校の添削をバイトでやったこともあります。

    資格を持っているだけでは何の役にも立ちません。社会の現実とぶつかり、失敗を繰り返しながら、徐々に物事を知っていかなくてはなりませんでした。

    ビジネスの世界は、浮き沈みが激しいものです。下積みを経ている人は、たとえ今、全てを失っても立ち上がります。

    苦労を知らない人がゼロになってしまうと、再び積み上げることができず、潰れてしまいます。

    時代は変わっても、下積みが成功を磐石にするための土台となることを確信しています。

    今、下積みで苦しい思いをしている人は、すでにそのこと自体が、成功へ向かって階段を上っているのだ、と思うようにしましょう。

    最後に本田さんの言葉をもう一つ紹介します。

    「成功は99パーセントの失敗に支えられた1パーセントだ」

    以上です。

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  • 就職活動における体育会系の強みとは?

    2014年05月08日

    ビジネス誌などで、会社の人事担当者の声がよく紹介されています。その中で、採用の際に評価が高くなる人の特徴として挙げられるのが「体育会系」です。これはなぜなのでしょうか。

    実は、私自身も体育会系です。明治大学時代は体育会の器械体操部に所属し、4年間練習に明け暮れた経験を持っています。

    そして、私の事務所に所属する弁護士21人の弁護士のうち、大学体育会にいた弁護士は6人。

    そもそも体育会で弁護士になる人の割合は相当に低いので、私の事務所の体育会率は、かなり高い割合といってよいでしょう。

    採用基準には様々なものがあり、それぞれを勘案し、結果的に体育会系の人が増えたという面ももちろんありますが、体育会に所属していた人材が結果的に評価が高く、採用されています。

    その理由は、2つあります。

    体育会系の人が、表面的に「さわやか」であったり、あいさつができるなどといったことは、大した問題ではありません。それらはビジネスマナー研修で身につけられます。そして、もちろん業務の技術・知識については入社後に学ぶことができます。

    それよりも私が重視するのは、体育会系の特色となっている、ある種の「カルチャー」です。

    まず、体育会系の持つ人間関係のかたち。よく知られていることですが、体育会は上下関係に厳しく、上に対する礼儀については徹底的に教育されています。また、下に対しても自分が指導するのが務めであるとの認識があります。

    縦のつながりだけではなく、横のつながりも重要です。体育会系の人材は、同僚とチームを組み、グループワークを行う姿勢に優れ、組織での業務をスムーズに進めることができる傾向があります。

    もうひとつ、スポーツを高いレベルで真剣にやっていた人が持つ、重要な資質があります。

    それは、「自分の限界を超える」体験を繰り返しているということです。この限界には、体力的なこともありますが、精神的な部分が大きいと思います。

    どのような仕事でも、困難にぶつかることで、精神的に潰れそうになることがあります。その時に力になるのが、過去に限界を超えて頑張ったことでうまくいった、という成功体験です。

    この2つの観点で、体育会系の評価が高くなるのです。

    体育会系は学生時代、毎日練習があるので、あまり遊びに行けません。成績も芳しくない人が多いでしょう。寂しい思いもしてきていますが、その毎日の積み重ねが就職活動では有利に働くのです。

    読者の皆さんにも、体育会系の方、またそうではない方がいるでしょう。当然のことながら、ビジネスで結果を出すために体育会系であることは絶対条件ではありません。

    体育会系でないから評価が低い、ということではありません。

    体育会系の人が必死に練習をしている時、他の方は、他の様々な経験をしてきているはずです。

    それが、体育会系に勝つ強みとなるでしょう。そこを強調するのです。同じ土俵で戦ってはいけません。常に自分が有利な土俵を設定し、そこで戦うのです。

    体育会系は、あまりアルバイトができません。

    学生時代にバイトに明け暮れたなら、それは立派な社会経験で財産です。社会的に成熟した人格が形成され、即戦力として見られるかもしれません。

    そこで勝負です。

    無駄な経験はありません。自分の経験を如何に今後に生かしてゆくか、そこが重要だと思います。

    しかし、何もしてこなかった人、無為に過ごしてきた人は、就職活動でその報いを受けるでしょう。社会に出てからその報いを受けるでしょう。

    今の自分に出ている結果は、自分の過去の言動や行動の結果です。

    どんなことでもいいので、真剣に取り組むことが大切だと思います。

    「限界は、自分で考えているよりもはるか先にある」(長友佑都)

     

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  • 体育会は、就職に強いか?

    2014年04月01日

    私のメルマガからです。

    ビジネス誌などで、会社の人事担当者の声がよく紹介されています。その中で、採用の際に評価が高くなる人の特徴として挙げられるのが「体育会系」です。これはなぜなのでしょうか。

    実は、私自身も体育会系です。明治大学時代は体育会の器械体操部に所属し、4年間練習に明け暮れた経験を持っています。

    そして、私の事務所に所属する弁護士21人の弁護士のうち、大学体育会にいた弁護士は6人。

    そもそも体育会で弁護士になる人の割合は相当に低いので、私の事務所の体育会率は、かなり高い割合といってよいでしょう。

    採用基準には様々なものがあり、それぞれを勘案し、結果的に体育会系の人が増えたという面ももちろんありますが、体育会に所属していた人材が結果的に評価が高く、採用されています。

    その理由は、2つあります。

    体育会系の人が、表面的に「さわやか」であったり、あいさつができるなどといったことは、大した問題ではありません。それらはビジネスマナー研修で身につけられます。そして、もちろん業務の技術・知識については入社後に学ぶことができます。

    それよりも私が重視するのは、体育会系の特色となっている、ある種の「カルチャー」です。

    まず、体育会系の持つ人間関係のかたち。よく知られていることですが、体育会は上下関係に厳しく、上に対する礼儀については徹底的に教育されています。また、下に対しても自分が指導するのが務めであるとの認識があります。

    縦のつながりだけではなく、横のつながりも重要です。体育会系の人材は、同僚とチームを組み、グループワークを行う姿勢に優れ、組織での業務をスムーズに進めることができる傾向があります。

    もうひとつ、スポーツを高いレベルで真剣にやっていた人が持つ、重要な資質があります。

    それは、「自分の限界を超える」体験を繰り返しているということです。この限界には、体力的なこともありますが、精神的な部分が大きいと思います。

    どのような仕事でも、困難にぶつかることで、精神的に潰れそうになることがあります。その時に力になるのが、過去に限界を超えて頑張ったことでうまくいった、という成功体験です。 

    この2つの観点で、体育会系の評価が高くなるのです。

    体育会系は学生時代、毎日練習があるので、あまり遊びに行けません。成績も芳しくない人が多いでしょう。寂しい思いもしてきていますが、その毎日の積み重ねが就職活動では有利に働くのです。

    読者の皆さんにも、体育会系の方、またそうではない方がいるでしょう。当然のことながら、ビジネスで結果を出すために体育会系であることは絶対条件ではありません。

    体育会系でないから評価が低い、ということではありません。

    体育会系の人が必死に練習をしている時、他の方は、他の様々な経験をしてきているはずです。

    それが、体育会系に勝つ強みとなるでしょう。そこを強調するのです。同じ土俵で戦ってはいけません。常に自分が有利な土俵を設定し、そこで戦うのです。

    体育会系は、あまりアルバイトができません。

    学生時代にバイトに明け暮れたなら、それは立派な社会経験で財産です。社会的に成熟した人格が形成され、即戦力として見られるかもしれません。

    そこで勝負です。

    無駄な経験はありません。自分の経験を如何に今後に生かしてゆくか、そこが重要だと思います。

    しかし、何もしてこなかった人、無為に過ごしてきた人は、就職活動でその報いを受けるでしょう。社会に出てからその報いを受けるでしょう。

    今の自分に出ている結果は、自分の過去の言動や行動の結果です。

    どんなことでもいいので、真剣に取り組むことが大切だと思います。

    「限界は、自分で考えているよりもはるか先にある」(長友佑都)

  • 信用できる人、信用できない人の見分け方

    2014年01月25日

    私のメルマガ「弁護士 谷原誠の仕事の流儀」からです。

    弁護士の仕事をしていたり、交渉術などの本を複数出していることからだと思いますが、時々、「信用できる人と信用できない人の見分け方はあるのでしょうか?」と聞かれることがあります。

    私は、そのような質問をする方に対しては、人間を「信用できる人」と「信用できない人」に分けてしまう考え方の危険性についてお話しています。

    私たちは、人付き合いをする中で、他人を自分の頭の中にある決まった型に当てはめようとします。初対面の人と話しているときは、「この人はどういう人だろう」と会話の中で探りを入れ、早い段階で、「○○タイプ」という「箱」に入れてしまいます。

    しかし、「初対面の印象は最悪だったけど、つきあってみると案外いい人だった」という経験がある方は多いでしょう。また、その逆もしかりです。人間のタイプなどというものはそうそうわかるものではありません。

    人をタイプ分けする癖を利用するのが詐欺師です。詐欺の事例をみると、詐欺師は必ず初対面では親しみ易く、悩み事にも親身に対応します。被害者は、「この人は信用できる」と完全に信じ込み、最後の最後で騙されます。

    騙しの手口自体を傍から見ると「なんでこんな嘘を信じたのだろう」と思われるようなものも多いものです。最初の印象が疑いの目を曇らせてしまっているのです。

    信頼できるか否か、ということは人で決まるのではありません。例えば、お互いに心から信頼しあっていた友人にお金を貸したところ、返済されず、ついには友人関係まで崩壊するという事例はごまんとあります。

    「お金を貸したら、あげたものだと思え」という格言や、「友人には絶対にお金を貸すな」と古くから言われるのは、そのような問題が繰り返されてきたことの裏返しでしょう。

    「信用できる人かどうか」という問いの立て方が、すでに誤りのもとを含んでいます。

    全てあらゆることにおいて信用できる人などいません。

    「この人は、お金を借りたら返す確率が高い」
    「人を見る目が信用できる」
    「仕事を最後までやり遂げる、責任感があるから、この仕事を任せてもやり遂げる確率が高い」
    など、人に何かを委ねるときは、その委ねる事柄を個別に見ていくことが重要なのだと思います。

    以上です。

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  • クレーム対処の注意事項

    2013年12月14日

    私のメルマガ「弁護士 谷原誠の仕事の流儀」より

     

    仕事において、誰しも避けたいのが「クレーム」への対応です。

    弁護士は紛争に介入する仕事なので、関わる全ての案件が多
    少クレーム色があると言ってもいいかもしれません。

    そこまでではなくても、あらゆる仕事に多かれ少なかれクレー
    ムは発生するものです。

    クレームの原因には、自分のミス、部下のミス、商品の欠陥、
    あるいは単なる言いがかりなど様々なものがあり、個別の事例
    によって対処法は変わってきます。

    しかし、どのケースにも共通して、避けなければならないこと
    があります。それはクレームから「逃げる」ということです

    。クレームは、対応が遅くなると、相手の怒りが増幅し、解決
    が困難になるという特徴があります。

    クレームをつける人は何らかの理由で「自分が不当な扱いを受
    けている」と感じています。そしてそれを誰かにぶつけたいと
    思っています。放置されればますますその思いは募ります。

    まずはその感情を受け止めてあげるのがスタートとなります。

    もう一つクレーム対応の基本として挙げられるのは「相手が感
    情的になっている時に理性的な話をしない」ということです。

    クレームの内容は誤解に基づくことも多いものです。

    しかし、相手が感情的になっている時に、相手が間違っている
    こと、こちらに正当性があることを理路整然と説明しても、相
    手は聞く耳を持たず、火に油を注ぐ状態になります。

    相手が感情で話している場合は、こちらも感情で返してあげま
    しょう。つまり、相手が何らかの不満を感じ、怒りを持ってい
    る状況について、感情的に同意、共感を示すことです。

    それにより、次第に相手の怒りのトーンは下がってきます。

    その状態になってから、こちらの言い分を理性的に話します。

    私たち弁護士が行うのは、双方の利害が対立する場面です。

    当然自分の主張を相手に受け入れてもらう必要があります。

    そのような場面でも、まず相手の感情を沈静化することが必
    要となります。

    双方が感情的になっていたら、解決の方向には向かわないのです。

    紛争の場面ですらそうなのですから、商取引の場面では余計
    気をつけなければならないとも言えますね。

    全てのクレーム対応の基本姿勢は、まず逃げないこと、そし
    て相手が感情で話しているのか、理性で話しているのかを見
    極めることです。

    そして、感情には感情で、理性には理性で対応します。

    この基本を守りながら、自分なりの対処法を確立していきましょう。

  • セールスされる時、何を考えているか?

    2013年09月29日

    弁護士として開業してから、事務所には毎日のように、様々な会社から物品・サービスに関するセールスの電話がかかってきます。

    私の事務所では、このような営業の電話に対して、大半は受付の段階で断っています。電話をきっかけに私が直接セールスの方と会うということは、ほぼ皆無と言って良いでしょう。

    ただし、信頼する人からの紹介など、どうしても営業担当者の方と会うことを断れないこともあります。

    すると、最初からお断りするということを決めながら、セールスを受けるという、無駄とも思える時間を過ごさなくてはならなくなります。

    そういう時に、私は気持ちを切り替え、そのセールスの時間を少しでも自分のためになるように使えないか、と考えています。

    その方法の一つが、「相手のセールスの手法を分析する」ということです。

    セールスを受けていると、断ることは決めていても、時々相手の言葉に「おっ」と気持ちが引き込まれている自分に気づくことがあります。

    そのような瞬間がある場合に、相手がどのような流れで、どのような言葉を発したことが自分の感情が動く要因になったのか、ということを分析するのです。

    人を動かす方法には普遍性があり、業種は違っても応用することができます。

    特に、私のように弁護士業務をしていると、交渉や説得は非常に重要なテクニックになります。

    そのセールスの手法を、自分の業務に活かすことはできないかどうか、研究材料とするわけです。

    セールスにより自分の感情が全く動かず、しかもその理由が分かる時には、お話している営業担当者の方に、その理由を説明することもあります。

    自分の頭の中で分析したことを、誰かに向かって話すことで、思考が整理されることがあるからです。

    そして、自分が同じ過ちを犯さないように、自分を戒めることにもなります。

    みなさんにも、付き合いで行かざるを得ない飲み会など、無駄と思える時間があるのではないでしょうか。

    そんな時間も、視点を変えて見ることで、有益に使うことができるかもしれません。

    たとえば、嫌いな上司と飲み会に行かなければならない時など、上司との関係改善の場に変えてみてはいかがでしょうか。

    飲み会の間に、

    ・上司の人間的に良いところを5つ見つける。
    ・上司の尊敬できるところを3つ見つける。
    ・上司の経験で自分が参考にできる経験を1つは引き出す。

    こんな心意気で飲み会に参加すると、その上司との関係もいつの間にか改善してくるのではないでしょうか。

    人生、無駄な時間はありません。

    常に有意義に生きていきましょう。

    ニフティニュースで、私の新刊が紹介されました。

    ぜひ記事を読んでみてください。
    http://tinyurl.com/mhh272l

  • 「最近の若い者は・・・」は正しいか?

    2013年09月09日

    年配の人がよく言う決まりきったフレーズに「最近の若いものは…」があります。

    一世代下の若い部下を持つようになると、つい言ってしまいたくなる言葉でもあります。

    「最近の若いものは・・・」という言葉に、全く根拠がないわけではないでしょう。

    同じ時代に生まれ、似た社会状況の中で育った人に、ある程度共通した世代的特徴は確かにあるのだと思います。

    しかし、自分が関わっている人を「若者」というカテゴリに入れ込んで理解することにより、失ってしまうものもあるのではないかと思います。

    「最近の若いものは」という言葉を発する人には、その対象となっている個別の若者との関係性を、自分からどのように変えていくのか、という視点が欠落しています。

    「最近の若いものは」と言った瞬間に、その人に対して影響を及ぼして関係を変えていこう、という姿勢が失われてしまうのです。

    「最近の若いものは、物事がわかっていないから『仕方ない』」というように、うまくコミュニケーションをとれないことを相手の責任にして、関係をコントロールする権利を放棄してしまうのです。

    世代間の齟齬に対し、自分が何かしらのアクションを起こさなければ、相手が自発的に変わらない限り状況は変わらないことになります。

    これは言い換えれば、状況を全て他者に委ねてしまい、自分がコントロールする権利を放棄しているということです。

    若い人の行動に疑問を感じたとき、その人を若者という「箱」に入れ、閉じ込めてしまうのではなく、「この人がどうしてこのような行動をとるのか」ということを考え、改善のための方策を練ることが重要なのだと思います。

    その人を分析し、正しく行動させるために、何をどのように伝えていけばよいのかを考えるうちに、場合によっては自分が変わらなくてはならないという気づきを得ることもあるでしょう。

    上司と部下は、同じ目標に向かって協力しあわなければならない関係にあります。

    上司の役割は、世代論を語ることではなく、目的を達成するためのマネジメントの手法を確立することだと思います。

    そして、そのためには、両者の関係を相手に委ねるのではなく、自分から行動し、関係に影響を与えてゆく姿勢が必要となるのです。

    このように、やりにくい相手だからといって、コミュニケーションを放棄してしまったら、何も変わりません。

    自分から関係を変えてゆく必要があると思います。

    その方法論をまとめてみました。

    私の新刊です。

    世の中から、人付き合いの悩みがなくなることを願い、書き下ろしました。

    明日あたりから書店に並ぶと思いますが、Amazonでは売り切れになることが多いので、今のうちに予約しておいていただけると嬉しいです。

    「図解「やっかいな相手」がいなくなる上手なモノの言い方」角川書店
    http://www.amazon.co.jp/dp/404110565X/

  • すぐに勉強・仕事を始める方法

    2012年07月21日

    昨日発行のメルマガより

    何かを始める時に、始めるまでに時間がかかる人がいます。

    受験生だったら、朝起きてすぐに勉強しなければならな
    いのに、テレビを観たり、ちょっと漫画を読んだり、だ
    らだらしてしまって、すぐに勉強できない。

    会社員だったら、会社に着いてすぐに仕事に取りかから
    なければならないのに、コーヒーを飲んだり、新聞を読
    んだりして時間をつぶしてしまう。

    昼休みの休憩をが終わってデスクに戻っても、まだ昼休
    み気分でしばらく雑談をしてしまう。

    基本的には、気持ちの問題ですね。

    自分がしなければならないことをどれだけ自覚している
    か、自分にとってどれだけ大事なことだと思っているか。

    でも、それを自覚するのは結構真剣に考えなければなら
    ないので、大変ですね。

    では、簡単にできる方法を一つご案内します。

    私が司法試験受験時代に行っていた方法ですが、夜寝る
    前に、翌日勉強を始める準備をしておきました。

    朝一番で読み始める教科書の該当ページを開いて机の上
    に置いておきます。

    座ればすぐに勉強を始められる準備をしておくのです。

    自分は机の前に座るだけ、あとは、読み始めるだけです。

    そうすると、「準備」というワンステップが省けますの
    で、それだけですぐに勉強に入れます。

    なかなか勉強や仕事が始められないのは、休息や遊びか
    ら勉強や仕事への切り替えができないからです。

    「準備」というワンステップを省くことで、切り替えを
    容易にします。

    もう一つは、他のことをしている時でも、次にすること
    を頭でイメージすることです。

    昼休みを取りながらも、終わりに近づく時には、「午後
    の仕事は、●●から取りかかろう」と軽くイメージする
    ことです。

    そうすれば、無意識に気持ちが切り替わり、すぐに仕事
    などに入れるでしょう。

    試してみてください。

    【メルマガは、下記より登録できます。ぜひ!】

  • スキップすれば、元気になるか?

    2012年07月19日

    本日発行のメルマガより~

    気分が落ち込んだ時に、元気になる簡単な方法があります。

    それは、「元気なふりをする」という方法です。

    気分が落ち込んだ時、私たちは、どんな格好をするでしょうか?

    代表的なのは、部屋の隅っこで、膝を抱えて体操座りをして、下を向く、というものですね。

    でも、そんな格好をしていたら、余計気分が落ち込んでしまいます。

    そんな時は、空元気を出して、大笑いをしながらスキップをすることです。

    気分が良くなります。

    人間は、心と体を一貫させようとします。

    心に思っていることは、無意識に表情や態度に表れる、というのは、ご承知のとおりです。

    だから、落ち込むと、膝を抱えて下を向きたくなります。

    そうすると、心が体を支配しているようですね。

    しかし、逆に、体を変えると、心はそれにつられて変化する、という法則もあります。

    嬉しそうにスキップをしながら、気分だけ落ち込ますのは、なかなか至難の業です。

    体につられて、心が晴れやかになってくるのです。

    ですから、気分が落ち込んだ時は、みんなで嬉しそうにスキップしましょう。

    この方法は、色々と応用できます。

    自分に自信がない方は、あたかも自信満々であるかのように振る舞いましょう。

    だんだんと自信がついてきます。

    「確信を持つこと、いや確信を持っているかのように行動せよ。」(ゴッホ)