弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
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    全てを知れば・・・

    2025年03月03日

    前田は、小学校6年生の担任を務める厳しい教師だった。

    前田のクラスの生徒に英彦がいた。

    英彦の父親はすでに他界しており、母親が働いて英彦と幼い英彦の妹達を育てていた。

    英彦は、以前は、活発で成績も良かったが、急に授業中に居眠りしたり、宿題を忘れることが多くなった。

    ある日、前田は英彦がまた宿題を提出しなかったことに腹を立て、授業中にこう言った。

    「英彦、何度宿題を忘れたら気が済むんだ!?学校を舐めるんじゃない!」

    英彦は下を向いて黙り込んだ。その様子に前田はさらに苛立ちを感じたが、そのまま授業を進めた。

    数日後、英彦の母親から前田に電話があった。

    「英彦がご迷惑をおかけしているようで、申し訳ございません。実は、今、病院からなんですが、私が入院しているので、英彦が家事の全てと妹たちの面倒をみてくれているので、夜は疲れ果ててしまって、宿題ができないようなんです」

    前田は衝撃を受けた。英彦がそんな大変な状況に置かれているとは全く知らなかったのだ。

    「自分の言葉が彼をさらに追い詰めていたかもしれない」と深く反省した。

    前田は、英彦にきつく叱ったことを謝罪し、英彦をサポートするような指導方法に改めた。

    そして、「表面的な行動だけで生徒を評価するのではなく、その背景にある事情を理解する努力が必要だ」と強く思うようになった。

    私達は、相手の言動・行動に対して、即座に反応して怒りの感情が湧きますが、相手の事情がわかると、怒りの感情がすぐに消え去ってしまうことがあります。

    相手に怒る前に、「何か事情があるんじゃないか?」と自分に質問し、相手に質問することで、怒りの感情を抑えられる可能性があります。

    「全てを知れば、全てを許すことになる」

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