シューシポスにさせない | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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シューシポスにさせない

2026年06月22日

今回は、部下や子供に対して、決してしてはいけないことをお伝えします。

行動経済学者ダン・アリエリーの実験です。

アリエリーは参加者にレゴの組み立てを依頼しました。1体完成するごとに報酬はわずかに減っていく。いつ辞めてもいい。

グループは二つ。

ひとつは、完成品を実験者が「ありがとう」と受け取り、丁寧に机の下へ並べていくグループ。

もうひとつは、参加者が次の作品を作っているその目の前で、前の作品を黙々と分解されるグループ。神話の王にちなんで「シーシュポス条件」

結果は前者は平均11体、後者はわずか7体で手を止めました。

別の実験では、作業結果を「承認する」「無視する」「シュレッダーにかける」の3条件で比較しました。

驚くべきことに、ただ目も通されずに放り置かれた人たちは、目の前でシュレッダーにかけられた人たちと、ほぼ同じダメージを受けていたのです。

無視は、破壊と同義なのです。

こんなことをしていないでしょうか。

部下に、「明日の会議で使うから、徹夜してでもデータ資料をまとめてくれ」と依頼。

部下は睡眠時間を削り、完璧な資料を完成させました。

しかし、翌朝、資料を届けに来た部下に、「気が変わって別の戦略で行くことになったから、その資料はもう必要ない。破棄しておいて」と目も見ずに伝える。

小さな子どもが一生懸命に絵を描いて完成させて持ってきたのに、見ることもせずに、「もう寝る時間だよ」と突き放す。

これらの瞬間、部下や子供は、「シーシュポスの山」に登ることになります。

モチベーションが打ち砕かれ、将来の仕事や勉強などの意欲を失ってしまう可能性があります。

対策は難しくありません。

アリエリーはこう書いています。「意味とは安上がりなものである。しかしそれを無視することは、極めて高くつく」。

必要なのは、差し出されたものに、目を通すこと。「見たよ」と頷くこと。

こんな簡単なことで結果が大きく違ってきます。

内容が良ければ、素直に称賛するとなお良いでしょう。

人は、自分の作業の意味を見出したいのだ、ということを忘れないようにしたいものです。

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