メルマガ | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
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  • リフレーミングで問題解決

    2024年04月22日

    こんにちは。

    弁護士の谷原誠です。

    ディズニー・ワールドは、夢の国として、世界中で大人気です。

    人気すぎて、アトラクションの待ち時間が長いことです。

    人気のアトラクションになると、何時間も待つ、ということもあるようです。

    そこで、ディズニーの経営陣は問いを立てます。

    「どうすれば入場者の待ち時間を短縮できるだろうか?」

    ・同時に入場できる人数を増やす。

    ・アトラクションの時間を短縮する。

    ・アトラクションの準備と終了後の時間を短縮する。

    など、色々なアイデアがあるでしょう。

    しかし、どれも限定的です。

    そこで、また、新しい問いを立てようとします。

    質問力によって、問いの立て方で思考の方向が決まってしまいます。

    どんな問を立てればよいでしょうか。

    ディズニーの経営陣は、次のような問いを立てます。

    「どうすれば入場者に待ち時間を楽しんでもらえるだろうか?」

    先程の問とは全く違う思考が広がっていくでしょう。

    待ち時間にアトラクションに関係する映像を見せたり、入場までの空間を楽しめるようにしたり、待ち時間の目安を示したり、などが考えられます。

    悪知恵が働く人は、質問力を犯罪のアイデアに使うこともあります。

    振り込め詐欺グループは、「どうすれば人を騙すことができるのか?」という問いを立てます。

    この問によって、トークスクリプトに磨きをかけたり、演技力を磨いたり、という方向に行動していきます。

    この問いを「どうすれば騙されやすい人を見つけられるか?」と変えると、どうなるでしょうか。

    今度は、老人のリストや過去に詐欺に遭ったことのある人のリストを探し出すでしょう。

    行動が全く変わってくるわけです。

    このように、何かを考える場合には、どのような問いを立てるかによって、全く違う結論に到達することになりますので、どのような問いを立てるかは、とても重要です。

    このように問題解決の場面で異なる見方で問題を捉え直すことを「リフレーミング」ともいいます。

    リフレーミングをするためには、質問力が鍵を握る、とういうことを憶えておきましょう。

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  • イエスを引き出すちょっとしたコツ

    2024年04月15日

    あなたが通勤のために駅を歩いている時、クリップボードを持った学生が近づいて来ました。

    そして、「アンケートに記入していただけませんか?」とお願いされました。

    あなたは応じますか?

    実は、アメリカでこの実験が行われました。

    アンケートへの記入に応じた人は、57%だったそうです。

    では、この応諾率を上げるには、どうしたらいいでしょうか。

    答えは、まず、「ちょっとお願いがあるのですが」などと言い、相手が「いいですよ。何ですか?」などと答えた後に、アンケートのお願いをする、という方法です。

    これにより応諾率は、84%になったということです。

    これは、心理学の一貫性の法則が働いているためです。

    依頼を受けた相手は、「いいですよ」などと協力的な立場を表明してしまった結果、その立場に縛られ、その後の依頼に応諾する確率が上がった、ということです。

    したがって、相手に何かをお願いする場合には、お願いする前に、相手から何らかの協力的態度を引き出すと、成功率が上がる、ということになります。

    そのためには、協力的な言動をするような「質問」をするのが有効ということになります。

    ところが、実験はこれで終わりませんでした。

    アンケートに応じてもらった後に、「あなたはこの行為の代償としてお金を請求できるとしたら、いくら請求しますか?」と質問したそうです。

    そうしたら、「いいですよ」と答え、一貫性の法則に縛られてアンケートに答えた人は、そうでない人よりも高額のお金の請求をしたということです。

    つまり、心理学の法則により罠にはめられ、コントロールされたことに対する仕返しをしようとするのだということです。

    このように、短期的に相手を動かすことができるテクニックは存在するのですが、それを多用することで、長期的な関係を悪化させる可能性がある、ということを憶えておかなければなりません。

    目指す境地は、テクニックで人を動かすのではなく、「好意と信頼」により人が喜んで動いてくれることです。

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  • 身体的認知で説得する

    2024年04月08日

    こんにちは。

    弁護士の谷原誠です。

    私達は、身の回りの小さなことに影響を受けています。

    「吊り橋効果」という言葉は聞いたことがある人が多いでしょう。

    異性と一緒に高い吊り橋を渡っている時に、恐怖や緊張からくるドキドキ感を感じたら、一緒にいる異性へのドキドキ感と勘違いしてしまう、という心理効果です。

    ハーバード大学の研究によると、登場人物の性格の評価をしてもらう実験で、やわらない毛布を触りながら評価した場合よりも、硬い木のブロックを触りながら評価した場合の方が、登場人物を頑固で厳格な性格と評価した人が多くなったということです。

    だとするならば、自分を柔軟で優しい印象にしたければ、相手をやわらないソファに座らせると有効だ、ということです。

    有効的な交渉をしたい時、クラブなど相手と有効的な関係を築きたい営業などの場合は、相手をやわらかいソファに座らせるという方法をとることで、効果を得ることができるでしょう。

    反対に、自分を厳格に見せたい場合には、自分が硬い木の椅子に座る、という方法もあります。

    この効果は椅子だけにとどまりません。

    イェール大学の研究では、学生をホットコーヒーを持つグループとアイスコーヒーを持つグループに分け、相手に対してどんな印象を持つか、という実験を行ったそうです。

    すると、ホットコーヒーを持ったグループは、相手を「やさしい」「おだやか」という印象を持った人が多く、アイスコーヒーを持ったグループは、「やさしくない」「利己的」という印象を持った人が多くなったそうです。

    だとすると、会議などを有効的に進めたい時は、相手に温かい飲み物を出す、という方法が有効ということになります。

    このように、身体が無意識に感じていることによって心理が影響を受けることを「身体的認知」といいます。

    交渉、説得、営業、会議、など、他人とのコミュニケーションで少しでも効果を出したい、と考えるのであれば、このような方法をとるのもよいでしょう。

    相手は決してコントロールされているとは思わないでしょう。

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  • 幸福感を高める11+1の方法

    2024年04月01日

    誰しも幸せに生きたいものです。

    しかし、自分で自分の心をコントロールして、幸福感を感じるのは難しいでしょう。

    自分で自分の思考をコントロールすることはできます。

    たとえば、「今とても苦しい状況にあるが、それでもあえて幸せに感じられることは何だろう?」などと自分に質問し、思考を誘導することはできます。

    しかし、それは思考であって、幸福感ではありません。

    では、どうすれば幸福感が高まるのでしょうか。

    それは、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンが増えると、幸福感が高まるのだそうです。

    「ブレイン・マッピング 最近科学が導く正しい脳の使い方」(増田勝利著)の中に、上の3つの脳内物質が増える11の方法が書いてありました。

    (1) 十分な睡眠
    (2) バランスのよい食事・咀嚼
    (3) 有酸素運動
    (4) 料理や家事など
    (5) 音楽や読書など
    (6) 自然環境
    (7) 家族や友人とのコミュニケーション
    (8) 脳トレ
    (9) チャレンジ
    (10) 人生の目標を明確にする
    (11) リラックス・ストレス発散等

    全部やるのは難しいかもしれませんが、1つでも2つでも生活の中に取り入れると、今よりも少し幸福感が高まるかもしれません。

    ちなみに、この中になくて残念ですが、筋トレをすると、筋トレが終わった後になんとも言えない幸福感を感じることができます。

    個人的には、有酸素運動より、限界を突破しようとするような強度の高い運動の方が、終わった後に幸福感が高まるように感じます。

    おすすめです。

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  • フランクリンの好意を得る方法

    2024年03月25日

    こんにちは。

    弁護士の谷原誠です。

    他人の好意を得る方法については、様々な方法が、多くの場所で解説されています。

    今回は、そのうちの「他人に頼みごとをし、その人が応じてくれた場合には、その人は、自分に対して好意を抱く」という方法について、心理学の観点から考えてみたいと思います。

    ベンジャミン・フランクリンは、州議会の書紀に選出されましたが、翌年は、ある新人議員が演説をし、それに反対をしました。

    その新人議員はフランクリンのことを嫌っていると推測できます。

    そこで、フランクリンは、その新人議員に対し、彼が持っている稀少な本を貸して欲しい、と頼みました。

    すると、彼は、それを貸してくれました。

    フランクリンは、それに対して大変な感謝の手紙を添えて本を返しました。

    その後、議会であった時、新人議員の方から初めて話しかけてくれて、それ以降、フランクリンを支持する態度をとるようになり、友人関係になった、ということです。

    これは何が起こっているのでしょうか。

    この現象は、このメルマガで何度も出てきている「認知的不協和解消理論」で説明がつきます。

    新人議員の頭の中には、次のような不協和が生じてしまいました。

    ・フランクリンのことが嫌いだ。

    ・フランクリンに稀少な本を貸した(好意的な行動をした)。

    そうすると、新人議員は、この不協和状態を解消しなければなりません。

    しかし、本を貸した事実を消すことはできません。

    そこで、新人議員は、酸っぱい葡萄のキツネが、「どうせあの葡萄は酸っぱかったんだ」と考えを変えたように、「実はフランクリンは、いいヤツだ」と自分の考えを変え、自分の中の不協和を解消したのではないか、と推測できます。

    ですから、自分のことをあまり良く思っていない人の好意を獲得したければ、その人が自分に対して好意的な行動をとるような頼みごとをしてみることです。

    断られたら、また、他の頼みごとを考えて、頼んでみましょう。

    いつか、応じてくれるはずです。

    その時、その人の頭に、認知的不協和が生じることになるでしょう。

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  • 粘ると、こんな効果が・・・

    2024年03月18日

    質の高い、創造的なアイデアを生み出すには、どんな状態の時に考えるのがいいでしょうか。

    まず思いつくのが、しっかり睡眠を取った後の、フレッシュな脳と精神の状態で考えることです。

    これに関し、心理学者のブライアン・ルーカスは、次のような実験を行いました。

    学生たちに、感謝祭の晩餐にふさわしい、新しい飲食のアイデアを考えるための時間を10分2ラウンド設けました。

    その後、学生たちにお互いのアイデアを評価したもらったところ、どちらのラウンドの方が独創性が高いと評価されたのか。

    もちろん、事前予想では、最初にアイデアを出せる第一ラウンドです。

    しかし、結果は、第二ラウンドの方が多かった、ということです。

    おそらく第三ラウンドをやれば、第三ラウンドが多くなるのだと思います。

    つまり、創造性を発揮する場面では、すぐ思いついたものではなく、粘り強く、考え抜いた後、アイデアが湧いてくる、ということです。

    これは、このような楽しいアイデアの場面に限りません。

    私の経験でいえば、不利な裁判で、色々な法律構成、ストーリーなどを検討し、それでもうまくいかない、と逡巡していた時にアイデアが思い浮かぶことがありました。

    また、厳しい交渉をしていて、お互いがもう譲歩できず、デッドロックになっている状態で、しかしまだ交渉を決裂させたくない、ということで両者でウンウンと唸っているような時に、問題を解決する相手が浮かぶことがありました。

    そうであれば、日常のあらゆる場面で、問題解決のために思考する必要があるならば、安易に結論を決めず、粘り強くアイデアを出し、全て出し切ったと思ったら、さらにそこからアイデアを考えていく、というプロセスを踏むと、質の高い、創造的なアイデアが生まれる可能性がある、ということです。

    ・仕事で行き詰まった時

    ・人間関係で解決できないような問題に直面した時

    ・交渉

    その他、色々な場面で活用できると思います。

    ※但し、これは、「解決法」を考えるのであって、「悩んでいる」のとは根本的に思考が異なることに注意してください。悩みには創造性がありません。

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  • 他人に2回頼み事をすると、どうなるか?

    2024年03月11日

    他人に頼み事をするのは、断られた時には精神的にショックを受けるし、応じてもらうと借りを作った感じがして、どちらにしても、苦手な人が多いようです。

    そして、頼み事をしても断られる確率の方を高く見積もりがちです。

    では、同じお願いを2回した場合において、1回目を断った人が2回目も断る確率はどの程度になるでしょうか。

    「人に頼む技術」(ハイディ・グラント著、児島修翻訳)には、次のような実験が紹介されています。

    スタンフォード大学のダニエル・ニューアークらが行った実験で、スタンフォード大学の学生を被験者にして、キャンパス内を移動中の見知らぬ人に、1ページのアンケート記入を依頼する、というものであり、それを同じ人に2回頼む、というものです。

    彼らは、実験前の予想として、最初の依頼にノーと答えた人が2回目の依頼にイエスと答える確率はどの程度か、という質問を受け、18%と回答しました。

    しかし、実験を行ったところ、2回目の依頼にイエスと答えた人は、43%だったそうです。

    これは、私達は、他人からの頼み事を断ると、悪いことをしたような心の苦痛を味わうためと考えられています。

    2度も心の苦痛を味わいたくないために、2回目の依頼に応じてしまうのだということです。

    この結果から学べることは、他人に頼み事をして断られた時には、落ち込むのではなく、「よし。次に何かを頼む時には、応じてくれる確率が上がるな」と前向きに捉えることが可能となる、ということです。

    はじめに大きな要求をして断らせ、その後に本来の要求をすることでイエスと言いやすくなるという、「ドア・イン・ザ・フェース・テクニック」は、この性質を利用したものです。

    では、反対に、1回目の依頼にイエスと答えた人は、2回目の依頼には、イエスと言わなくなるのでしょうか。

    そうはなりません。1回目にイエスと答えた人は、2回目もイエスと言いやすくなった、ということです。

    これは、心理学の一貫性の法則に基づくものです。

    一度依頼に応じたら、「依頼に応じた自分」というアイデンティティが出来上がるので、それと矛盾する「ノー」をなかなか言えなくなる、ということです。

    ですから、他人の助けが必要な時には、臆することなく頼み、応じてくれたら感謝し、拒絶されたらまた頼む、ということで依頼に応じてもらえる確率が上がる、ということです。

    但し、何でもかんでも他人に頼めばいいというものではありません。

    相手がイエスと言ってくれれば本当に助かることで、かつ、できれば相手も他人を助けたことでポジティブな感情になるようなことを、そうなる頼み方で頼むようにしましょう。

    また、イエスと言ってくれた時には、感謝の言葉も忘れずに。

    自分も嬉しく、相手も嬉しいのが、真の「頼み道」です。

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  • 質問の抽象度を上げると?

    2024年03月04日

    質問には、質問された人の思考を方向づける力があります。

    よく挙げる例として、「どうしてこんなことができなかったんだ?」と質問されると、「できなかった理由」について考え始めます。

    しかし、「次回、どう準備すればうまくいくと思う?」と質問されると、次回の準備について考え始めます。

    この他、質問の抽象度によっても考える方向性が変わってきます。

    私達は、何かを考える時、自分に対して質問します。

    例えば、「能登半島を早く復興させるには、どうしたらいいだろう?」というような質問を自分にします。

    この抽象度をさらに抽象的にすると、「能登半島の人たちが不自由なく日常生活を送れるようにするためには、どうしたらいいだろう?」というような質問になります。

    復興はそのための手段になってきます。

    具体性を高くすると、「能登半島の漁業をできるだけ早く再開させるには、どうしたらいいだろう?」というような質問になります。

    そして、今の3つの質問は、自分にどの質問をするかによって、自分の思考が方向づけられ、同じテーマで考えてはいますが考える内容が異なってきます。

    したがって、私達は、自分に質問する場合には、思いついた質問をするのではなく、一つの質問を思いついたら、それを

    ・オープンクエスチョン、クローズドクエスチョンにする。

    ・ポジティブな質問にする、ネガティブな質問にする。

    ・抽象度、具体度を上げる。

    など、試してみて、最も最適な質問にすることが望ましい、ということになります。

    質問力は、深いですね。

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  • セルフブレインストーミング

    2024年02月26日

    ブレインストーミングという創造的な発想を促す方法があります。

    何人かでどんどんアイデアを出し、他人のアイデアを否定せず、最後に出てきたアイデアから結論をまとめていく、というようなものです。

    ブレインストーミングは創造的な発想を生み出すのに有効だという意見がある一方、社会心理学者のミヒャエル・ディールとウォルフガング・シュトレーベの研究では、創造的なアイデア発想の効果は否定されています。

    4人グループで各自が個別にアイデアを出すグループと、グループセッションでアイデアを出し合ったグループとでは、個別にアイデアを出したグループの方がアイデアの総数や創造的なアイデアの数がかなり上回ったということです。

    私もブレイン・ストーミングは行いません。

    ただ、ブレイン・ストーミング類似の思考法は使っています。

    私の場合には、交渉の準備段階で使います。

    交渉の準備をする際に、自分の側で取りうる手段や条件について、1人ブレイン・ストーミング(1人なので、もはやブレイン・ストーミングではありませんが)をします。

    自分の側で取りうる手段や条件をできるだけたくさん出して、どのような状況で、どの手段や条件を出すか、また、どう組み合わせるか、などを検討します。

    また、相手の立場に立って相手の側で取りうる手段や条件について、1人ブレイン・ストーミングをします。

    その上で、相手がどのような状況で、どの手段や条件を出すか、また、どう組み合わせるか、などを想像して想定しておきます。

    そして、そのような場合に、自分の側では、どう対処するか、について検討します。

    交渉では、相手から想定外の主張や条件が出され、ドギマギすることがあります。

    しかし、このようなブレイン・ストーミングをしておくと、かなりのことが想定内となり、対処可能となって、落ち着いて交渉に臨むことができます。

    行き当たりばったりで交渉に臨んでいた人は、一度試してみていただければと思います。

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  • 諦めない弊害

    2024年02月19日

    私達は、目標ややるべきことなど、前向きなことに目を向けがちです。

    しかし、他方、「やめるべきこと」に目を向けることも大切です。

    心理学者であるカーステン・ロッシュは,癌を患った子どものために治療法を探している親を対象に、研究を行ったそうです。

    研究結果は、子どもの癌を治そうという目標に向けた決意が固い親ほどうつ病になりやすいことがわかったということです。

    反対に、目標を変えたり諦めたりする能力が高い人のほうがうつ病になる確率は低かったということです。

    達成不可能だとわかっていながら努力を続けるとストレスを感じ、コルチゾール値が高くなり、免疫機能も低下する、ということです。

    反対に目標を断念した人は、身体的、精神的によい状態にあることに気づいたそうです。

    やめるべきかどうか、悩んでいる人は多いと思います。

    ・今の仕事をやめるべきか。

    ・店を閉めるべきか。

    ・配偶者、恋人と別れるべきか。

    ・夢を諦めるべきか。

    そのようなやめるべきかどうかを悩んでいること自体が精神と健康に悪影響を及ぼすということです。

    これは、認知的不協和が生じているからと考えます。

    認知的不協和とは、自分の思考や行動と矛盾する認知を抱えていると、人は不快感を感じるというもので、人は、その不協和状態を解消しようとします。

    先程の例では、子どもの癌を治すという目標を持っていながら、それができない現状とのギャップにストレスを感じ、それがうつ状態を引き起こした、ということです。

    しかし、夢や目標に向かいながら、ストレスを感じることなく、突き進んでいる人もいます。

    この場合、夢や目標と現状との間にギャップがあるわけですから、ストレスを感じそうなものです。

    しかし、この場合には、認知的不協和はありません。

    なぜなら、この人は夢や目標を達成できると信じているからです。

    現在は、その過程にあると認識しており、夢や目標と現状が一本の線でつながっており、認知的不協和状態が生じていない、ということです。

    ですから、やめるべきかどうか悩んでいる時は、あるべき姿と現状との間が一本の線でつながっていることを信じることができるのであれば続け、信じることができないのであれば綺麗さっぱり諦める、というのがストレスを感じることなく生きるコツ、ということになります。

    但し、そのためには予断を排した冷静な現状分析が必要となります。

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