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  • 自殺に関与すると犯罪!?

    2017年11月10日

    2017(平成29)年10月末、神奈川県座間市のアパートの一室から9人の遺体が見つかった事件。
    みなさんご存知のように、その後の続報で自殺サイトの関係が指摘されています。

    自殺サイトとは、インターネット上で一緒に自殺する者を募ったり、自殺の手段を教えたりするサイトで、過去にはサイトを通じて知り合った人が集団自殺するケースが社会問題化したり、複数人が殺害されるという事件も起きています。

    そこで今回は、自殺に関連する法律について解説します。

    「ネットで知り合った男性と自殺図り死なす 自殺幇助容疑で33歳男を逮捕」(2017年11月10日 産経新聞)

    車の中で練炭を使い、同乗の男性と心中しようとしたとして、山梨県警南アルプス署は自殺幇助(ほうじょ)の疑いで、自称住所不定、無職の容疑者の男(33)を逮捕しました。

    報道によりますと、事件が起きたのは、2017年11月4~5日。
    男は、南アルプス市芦安芦倉の河川敷に駐車中の軽ワゴン車の中で練炭を燃焼させ、当時38歳の都内在住の男性と一緒に自殺を図り、男性を一酸化中毒で死亡させたとしています。

    5日午後3時25分頃、通りがかりの男性が河川敷に不審な車を発見。
    これを聞いた別の男性が車内を確認後、「人が倒れている」と警察に通報。
    同署員が駆けつけたところ、容疑者の男は意識があったため甲府市内の病院に搬送され、体調の回復を待って8日に逮捕したようです。

    容疑者はインターネットを通じて男性と知り合ったと供述し、容疑を認めているということです。

     

    まずは関係する条文を見てみましょう。

    「刑法」
    第202条(自殺関与及び同意殺人)
    人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処する。

     

    自殺関与については、「自殺教唆罪」と「自殺幇助罪」があります。

    人を教唆(きょうさ)するとは、そそのかすことです。
    そそのかして決意させて、自殺させた場合は自殺教唆罪です。

    人を幇助(ほうじょ)するとは、手助けをすることです。
    すでに自殺の決意をしている人を幇助して自殺させた場合は自殺幇助罪になります。

    同意殺人については、人の嘱託(頼んで任せること)、依頼を受けてその人を殺害した場合は「嘱託殺人罪」、人の承諾、同意を得てその人を殺害した場合は「承諾殺人罪」となります。

    自殺関与と同意殺人の違いとは、行為者が直接手を下したかどうかで区別されます。
    たとえば服毒自殺の場合、自殺を決意している人に毒薬を提供すれば自殺関与となり、自殺を決意している人から依頼を受けて毒薬を飲ませれば同意殺人となります。

    座間の事件では、被害者が自殺を決意していない場合や自殺を決意していても、同意や頼まれもしないのに殺してしまった場合などは殺人罪になりますが、仮に被害者が自殺を決意していれば、容疑者の行為、被害者が死亡に至った経緯や原因によって、上記の4つのいずれかが適用されることになるでしょう。

    冒頭に紹介したニュースの事件では、同意に基づいて心中を試みたが一方が生き残ったため、死亡した男性の自殺を幇助したとして、容疑者が自殺幇助の疑いで逮捕されたということです。

    入水や首吊り、服毒、焼身、飛び降りなど、古今東西さまざまな心中事件が起きていますが、一方が生き残ったケースでは、たとえ自身が手を下して相手を殺害したのではなく、自らも自殺を試みたのだとしても、法律的には犯罪性が消滅する理由にはならないということは覚えておいてください。

  • わら人形で脅迫罪に

    2017年10月02日

    古今東西、「呪い」の道具にはさまざまなものがあるようですが、日本人にとってなじみの深いアイテムといえば、「わら人形」でしょう。

    「丑の刻参り」は、呪いたい人間の髪の毛などを入れ込んだわら人形を作り、丑三つ時の深夜の2~3時頃に白い装束を着て、念を込めながら樹木に五寸釘でわら人形を打ちつけます。

    日本人なら誰もが一度は目にしたことのある夏の風物詩……ではありませんね。

    じつは、わら人形を作ると逮捕される可能性がある、ということを今回は解説します。

    「脅迫容疑  41歳男逮捕 通学路に“わら人形”つるす」(2017年9月28日 毎日新聞)

    警視庁小松川署は、小学校の通学路に「死ね」などと書いた紙をつけた「わら人形」をつるしたとして、東京都江戸川区の無職の男(41)を脅迫容疑で逮捕しました。

    事件があったのは、9月26日午前5時頃。

    容疑者の男は、自宅近くの歩道橋に「クソがきどもここからとびおりてみんな死ね」と書いた紙を付けた人形1体をつるし、通学路にしている区立小学校の児童を脅したということです。

    わら人形は高さ約12センチで、枯れたマツの葉を束ねて自作したもの。近くの防犯カメラに人形を取り付ける様子が映っていたようで、男は「子供の声がうるさくて頭にきてやった」と容疑を認めているということです。

    では、条文を見てみましょう。

    「刑法」
    第222条(脅迫)
    1.生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
    2.親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

     

    脅迫罪は、相手に危害を加えることを告げるだけで成立します。
    その方法は口頭や書面のほか態度などでもよく、また直接ではなく間接的な手段でも相手が知ることができれば成立するとされています。

    脅迫罪について、過去には次のような判例があります。

    ・対立する派閥の中心人物宅に宛てて、現実に出火もないのに「出火御見舞申し上げます。火の元に御用心」等と書いたハガキを送った。
    (最判昭35・3・18集14-4-416)

    現在、選挙に向けて、政党間で火花が散っておりますが、くれぐれも出火見舞いのハガキを出さないよう気をつけていただきたいと思います。

    ・相手の住宅付近にある物に火をつけて燃焼させた。
    (仙台高秋田支判昭27・7・1判時22-237)

    ・相手の自宅付近の人目につく場所に加害内容を記載したビラを貼って、その内容を認識させた
    (大判大8・5・26録25-694)

    ・刃物を着衣の下に隠し持って相手に危害を加えるような態度を示して脅迫した。
    (大判昭6・12・14集10-763)

    ・村八分の通告は相手の名誉に対する加害の告知であると認められた。
    (大判昭9・3・5集13-213)

    ・相手方一族の社会的罪悪を攻撃する旨の記事を掲載した雑誌を送付することは加害内容として十分具体的であると認められた。
    (大判大1・11・28録18-1445)

    ・祈祷師が祈祷を信仰している者に対して、神の力で加害する旨の告知をするのは畏怖させるに足りる程度の害悪の告知だと認められた。
    (最決昭31・11・20集10-11-1542)

    色々な脅迫の形がありますね。

    ついカッとなって、「殺してやる」とか、相手に危害を加えるようなことを言ってしまう人がいますが、場合によって、脅迫罪が成立するかもしれません。

    日頃より、感情のコントロールに心を砕いて生活することが大切ですね。

  • 人に対する暴言は、犯罪を構成する

    2017年04月06日

    近所の人に7年間も暴言を浴びせ続けた女が逮捕されました。
    容疑は、県迷惑防止条例違反です。

    「“うそつきばばあ”何度も暴言疑い…86歳逮捕」(2017年4月5日 読売新聞)

    兵庫県警西宮署は、西宮市の無職の女(86)を県迷惑防止条例違反の疑いで逮捕しました。
    容疑は、今年の1月10日~2月16日に、同じ通りに住む近所の会社員の女性(61)に対し、「うそつきばばあ」、「謝れ」などと叫ぶなどの嫌がらせを繰り返した疑いということです。

    同署によると、容疑者の女は、女性が自治会役員だった2010年頃、自宅の前にごみ捨て場が移設されたことに立腹し、女性が出勤する際などに罵声を浴びせるようになったということです。

    2016年の春、女性は自宅前に防犯カメラを設置。
    映像には平日はほぼ毎日、容疑者が叫ぶ様子が映っていたようで、同署は映像などから容疑を裏付けたとしています。

    同署は、「女性から相談を受け、何度も注意したが、やめなかったため逮捕した」としているということです。
    86歳が61歳に対して「うそつきばばあ」と言うのも、何かムチャな気がします。

    それはともかく、この事件を法的に見てみましょう。

    迷惑防止条例は、現在では全国の47都道府県すべてで定められており、それぞれ正式名称が異なっていたりします。
    兵庫県では、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」となっています。

    この条例は、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為などを防止し、県民生活の安全と秩序を維持することを目的としています。(第1条)

    該当する条文は、次の通りです。

    第10条の2(嫌がらせ行為の禁止等)
    1.何人も、正当な理由がないのに、特定の者に対し、執ように又は反復して行う次に掲げる行為(ストーカー行為等の規制等に関する法律第2条第2項に規定するストーカー行為を除く。)をしてはならない。

    (4)著しく粗野又は乱暴な言動をすること。

    2.警察本部長又は警察署長は、嫌がらせ行為により被害を受けた者又はその保護者から、当該嫌がらせ行為の再発の防止を図るため、援助を受けたい旨の申出があり、その申出を相当と認めるときは、当該申出をした者に対し、必要な援助を行うものとする。
    これに違反した場合は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。(第15条)

    今回のような他人への暴言で逮捕にまで至ることは少ないと思われますが、ではなぜ今回は逮捕になったのかというと、近年、迷惑行為や嫌がらせ行為に対する罰則が強化されたからだと思われます。

    上記の第10条の2は、盗撮等を禁止するための第3条の2(卑わいな行為等の禁止)とともに、2016(平成28)年3月23日の条例改正により追加され、7月1日から施行されています。
    そのため、報道にもあるように、被害者から相談を受けた警察が何度も注意したにも関わらず、容疑者が嫌がらせ行為をやめなかったために逮捕されたということだと思います。

    なお、今回のような暴言を浴びせる行為を公然と行えば、その内容によっては刑法の侮辱罪に問われる可能性もあります。

    「刑法」
    第231条(侮辱)
    事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

    公然とは、不特定多数の人に知られる状態なので、たとえば今回の事件に当てはめてみると、被害者以外の近所中にも聞こえるように拡声器などを使って叫んだりすると、侮辱罪に問われる可能性もあるということです。

    過去の判例では、2006年、山梨県大月市のスナックで20代の女性客に対して「デブ」と数回言った市議会議員の男が、「29日間の拘留」を言い渡されているそうです。

    生きていれば腹の立つこともありますが、怒りの感情に流されて相手に対して暴言などの嫌がらせをすると犯罪になる可能性がある、ということは知っておいてほしいと思います。

    「……おまえの仕事は、当分黙っている事だ……」(ゴルゴ13)

  • 悪ふざけが犯罪に!?

    2017年03月02日

    “バカッター”と呼ばれる人たちの、ツイッターへの“悪ノリ投稿”が問題になっています。

    今回は、ほんの冗談やいたずらのつもりでも、それが人の業務を妨害するような度を越したものであれば犯罪になる、ということを解説します。

    「威力業務妨害 悪ふざけツイッター投稿 20歳男2人逮捕」(2017年2月28日 毎日新聞)

    牛丼チェーンの店内で嘔吐(おうと)する映像などをツイッターに投稿していた男たちが逮捕されたようです。

    報道内容から事件の経過をさかのぼってみてみます。

    ・2017年2月28日、千葉県警船橋署は、飲食店で悪ふざけした様子をツイッターに投稿して営業を妨害したとして、同県船橋市の会社員の男(20)と無職の男(20)を威力業務妨害の疑いで逮捕した。
    事件が発覚したのは、ある1本の電話からだった。

    ・2017年2月17日、千葉県船橋市にある牛丼チェーン店に外部の人間から電話が入った。
    その内容は、「店内で『男気水飲み勝負』をしたという投稿がネット上で拡散されている」というものだった。

    ・同日、運営会社が千葉県警船橋署に相談。
    捜査の結果、次のことがわかった。

    ・犯行が行われたのは、2017年1月3日の朝。
    2人の容疑者は、友人ら数人と共謀して牛丼チェーン店内で、じゃんけんの勝者が大量の水を一気飲みしては水差しの中に嘔吐し、その様子を撮影。
    動画をツイッターに投稿して不特定多数が見られる状態にしていた。

    同店は消毒作業のために一時的に閉店したということで、2人は「ハメを外しすぎた」と容疑を認めているということです。
    人の業務を妨害する罪として、刑法には2つの罪が規定されています。
    ひとつは「偽計業務妨害罪」、そしてもうひとつが「威力業務妨害罪」です。

    「刑法」
    第233条(信用毀損及び業務妨害)
    虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
    第234条(威力業務妨害)
    威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
    虚偽の風説の流布とは、客観的真実に反する内容の噂を不特定多数の人に伝播させることで、偽計とは人をあざむく計略のことをいいます。

    たとえば、「ラーメン50人前」などとウソの注文をすると偽計業務妨害罪に問われる可能性があるわけです。

    また、2016年4月に熊本市で最大震度7の地震が発生した際、「動物園からライオンが逃げた」というウソのツイートを投稿した20歳の会社員が逮捕されています。

    詳しい解説はこちら⇒「オオカミ少年が逮捕!」
    https://taniharamakoto.com/archives/2356/

    さて、今回の容疑は威力業務妨害罪です。
    威力とは、法的には次のように定義されています。

    「人の意思を制圧するような勢力をいい、暴行・脅迫はもちろん、それにまで至らないものであっても、社会的、経済的地位・権勢を利用した威迫、多衆・団体の力の誇示、騒音喧騒、物の損壊・隠匿等、およそ人の意思を制圧するに足りる勢力一切を含む」

    料理を扱う飲食店で、嘔吐を繰り返し、その様子を撮影してネット上で公開するとは、もはや“いたずら”などではなく“威力”による犯罪であると判断されたということでしょう。

    近年、インターネットやSNSの進化にともない、さまざまな“悪ノリ投稿”が問題となり、多くの逮捕者が出ています。

    たとえば、学校や市役所などへの爆破予告や無差別殺人予告、無言電話や脅迫電話、飲食店やテーマパークなどの娯楽施設等での迷惑行為などです。
    中には、スーパーマーケットの店内で数十匹のゴキブリをまき散らして逮捕された事例もあります。

    詳しい解説はこちら⇒「いたずらが犯罪になる場合とは?」
    https://taniharamakoto.com/archives/1405

    なお、ここまでは刑事事件の話になりますが、さらに容疑者たちは民事事件として牛丼チェーン店側から損害賠償請求をさせる可能性もあります。

    一時閉店したために得られなかった売上や消毒作業にかかった清掃料金、また精神的苦痛への慰謝料など、20歳の青年にとってはけっして安くはない損害賠償金を請求される可能性があります。

    仮に、損害賠償金を支払えないとなれば給料は差し押さえられ、それどころか刑事事件で有罪ともなれば会社から解雇される可能性もあるでしょう。

    本人たちにとっては悪ふざけのつもりでも、悪質な迷惑行為やネットへの投稿などは犯罪となり、大きな代償を払うことになりかねません。

    悪ふざけは、かわいい程度にとどめておきましょう。

  • 市長と副市長の賭けマージャンは犯罪になるか?

    2016年12月28日

    今回は、現役の市長と副市長が市役所の開庁中に賭け事をしていたという報道について法律解説します。

    この行為、犯罪になる可能性はあるのでしょうか?

    「飯塚市長、賭けマージャン 平日昼に、副市長と」(2016年12月22日 西日本新聞)

    福岡県飯塚市の市長と副市長が、平日昼に市庁舎を離れ、賭けマージャンを繰り返していたことがわかったようです。

    新聞社の取材に対し、市長は、「市長になってから行っていた。何回かはわからない。開庁中に(役所を)抜け出してマージャンをしていたのには道義的責任がある」と回答。

    また、副市長は、平日午後の公務が入っていない時、秘書に「昼から休む」と告げてマージャンを楽しんでおり、「決裁が滞ることはなく、公務に支障はなかったが、道義的責任は残る」と話しているということです。

    報道によると経緯は次の通りです。

    ・市長は地元食品メーカーの社長から2006年に初当選(現在、3期目)。副市長は市財務部長を経て2010年から現職

    ・市長は就任以降の約10年間、副市長は数年前から市内にある元店舗に訪れており、店は2人が来る時だけ開いていた。

    ・メンバーには、2017年4月に市施設の指定管理者となる事業者の社長も含まれていた。市長と副市長とは以前からの知り合いで、「指定の口利きをお願いしたことは一切ない」と話している。

    ・今年に入り、副市長が面識のない人物から自身が店に出入りする画像を提示され、「善後策を福岡市内のホテルで考えましょう」と迫られたため、飯塚署に相談していた。金銭的な要求などはなかったという。

    ・市長は、会見で記者から賭けマージャンの違法性を指摘されたところ、「金を賭けずにマージャンをする人が世の中に何%いるのか。(賭けることを認めないと)マージャン人口が減るのでは」、「違法である可能性があることはわかっているが範囲があり、今回は許される範囲内だと思う」と強弁。
    また、副市長は、「ゲーム感覚だった。ゴルフでチョコレートを賭けるようなもの」、「平日の開庁時間に賭けマージャンをしたことは道義的に責任がある。ただ、楽しみは何かないと。違法というのは違うと思う」と述べ、2人とも賭けを正当化するかのような発言もあった。

    ・賭けのレートは、「大きく動いても1日に1万~1万2000円程度。社会通念上許される範囲だと思っている」、「メンバーである知人には便宜供与を図ったことは一切ない」、「急に辞めるのは無責任だ。自分の任期はぴしっと(やる)」と市長が発言。

    ・ところが、12月26日の定例記者会見では一転。2人とも発言を撤回し、謝罪。市政治倫理審査会を年明けに設け、辞職を勧告された場合は従うと発言した。
    今回の賭けマージャンが賭博罪に該当するか、どうか、検討してみましょう。

    「刑法」
    第185条(賭博)
    賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
    ポイントとなるのは、「一時の娯楽に供する物」です。

    判例や通説では、一時の娯楽に供する物とは、食事、飲み物、お菓子、タバコなど、その場で消費してしまうような物のことをいいます。

    厳密にいえば、法律では1円でも賭けをすれば違法です。
    「金銭そのものは、一時の娯楽に供する物とはいえない」とする判例もあります。(最判昭和23年10月7日刑集2巻11号1289頁)

    したがって、判例の立場からすると、今回の賭けマージャンは、賭博罪が成立する、ということになるでしょう。

    ただ、一般的には少額の金銭を賭けている分には、警察が動くことは少ないでしょう。

    そうであるからといって、賭けマージャンが許されるわけではありません。

    この犯罪が守ろうとしているのは、国民一般の健全な勤労観念や国民経済等の公益ですから、それらを損なわないような明確な金額など、一定の線引きも必要ではないか、と思います。

  • 「公然わいせつ罪」と「身体露出の罪」の違いとは?

    2016年12月03日

    「裸」というと、みなさんはどういうものをイメージするでしょうか?

    ヨーロッパのヌーディストビーチでは、みなが上半身裸のトップレスで自由と開放感を楽しむそうです。

    もうかなり昔、1970年代初頭の頃の話になりますが、「ストリーキング」というものが流行したことがありました。
    イギリスやアメリカなどで、多くの観客が集まるサッカーや野球のスタジアムなどの公共の場に全裸で乱入し、走り抜けるというパフォーマンスをするもので、当時は日本でも行われたようです。

    また欧米では、全裸で抗議活動や芸術活動を行うこともあります。

    さらには、露出狂と呼ばれる下半身などを人前に晒して興奮する性癖を持った人もいるようで、しばしば逮捕されるというニュースを見ることもあります。

    そこで今回は、裸に関する犯罪について「身体露出の罪」を中心に解説します。

    該当する法律は軽犯罪法です。

    「軽犯罪法」
    第1条
    左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。

    二十 公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者
    ポイントは次の3点です。
    ①公衆の目に触れるような場所
    ②公衆に嫌悪の情を催させるような仕方
    ③身体の一部を露出

    まず、場所についてですが、条文に「公衆の目に触れるような場所」とあります。

    「ような場所」ですから、必ずしも公衆の目に触れる公共の場所に限りません。
    公衆=多数の人の目に触れるような場所であれば、たとえば野外ではなく、道路に面した自宅の室内で多くの通行人から見えるような場合でも該当します。

    次に、仕方ですが、公衆に嫌悪感を催させるような、とあります。
    人が何に嫌悪や不快を感じるかは一概に規定できるものではありませんが、ここでは刑法の「公然わいせつ罪」と比較してみます。

    「刑法」
    第174条(公然わいせつ)
    公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
    「公然」とは、不特定多数、または多数の人が認識できる状態のことで、行為者がその行為を認識している状態、つまり故意にやっていることが要件として必要です。

    また、「わいせつ」の解釈も個人や文化によって違い、時代によっても変化していくものですが、法的には、「性欲を刺激し、興奮または満足させる行為」、「普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為」とされています。

    つまり、人に嫌悪や不快を感じさせる行為は軽犯罪法違反で、それよりもさらに度を越して性的羞恥心を害するような行為は公然わいせつ罪になる可能性があるということです。

    最後に、身体の露出についてですが、軽犯罪法では、「尻」、「もも」、「その他の身体の一部」とあります。

    「性器」の露出は前述のように度を越して性的羞恥心を害する行為となり、「公然わいせつ罪」となります。

    そこまで至らない露出で、人に嫌悪の情を催させる露出ということになります。

    条文には、「もも」とありますが、どうでしょうか?

    今、短いパンツやスカートでももを堂々と出して歩いている人は多数います。

    しかし、それで軽犯罪法が適用された例を知りません。

    軽犯罪法は、昭和23年にできた法律で、当時は「もも」を出すのは嫌悪されたのが、時代が変わり、嫌悪の対象ではなくなってきた、ということですね。

    数年前に人気アイドルグループのメンバーが公然わいせつ罪で現行犯逮捕された事件がありました。

    酒に酔って、公園で全裸になり、大声をあげて大騒ぎををしていたということでした。
    そのため、公然わいせつ罪が適用されたと考えられます。

    もし彼が、パンツだけでも履いていれば、軽犯罪法違反か、もしくは東京都の迷惑防止条例違反での逮捕になっていたと思います。

    これから忘年会シーズンです。

    お酒を飲み過ぎて、身体の一部又は全部を出したり、飲食した物を出したりしないようにしましょう。

    出していいのは、宴会の会費やカンパ、隠し芸くらいだと肝に銘じておきましょう。

  • 夫婦喧嘩で逮捕される時代です。

    2016年10月29日

    夫婦げんかは犬も食わぬ、ということわざがあります。

    しかし、夫婦喧嘩も行き過ぎると犯罪が成立してしまう可能性がある、という件について解説します。

    「夫婦げんかで妻を暴行 容疑の中学校教諭を逮捕」(2016年10月27日 産経新聞)

    京都府警亀岡署は、夫婦げんかで妻にコップを投げつけたり、殴ったりしてケガをさせたとして、町立中学校で保健体育と生徒指導を担当している教諭の男(33)を傷害容疑で緊急逮捕しました。

    事件が起きたのは、10月26日午後10時半頃。

    自宅で妻(33)と友人女性の3人で酒を飲んでいたところ、夫婦で口論に発展。
    その後、妻から顔に酒をかけられたことに激怒した男は、プラスチック製のコップを妻の顔に投げつけて鼻に傷を負わせたほか、頭を殴るなどして頭部打撲のケガをさせたようです。

    男は、「ケガをさせてしまったが、コップは投げてはいない」と容疑を一部否認しているということです。
    以前、お尻をめぐる夫婦間での暴行事件について解説しました。
    詳しい解説はこちら⇒「スパンキングは暴行罪か!?」
    https://taniharamakoto.com/archives/1688

    夫婦げんかがエスカレートしてしまい、口論の末、私立の中高一貫校の教諭の夫が妻のお尻を蹴って暴行罪で逮捕された、というものでした。

    2つの事件には、何やら共通点が多いような気もしますが、まずは刑法の条文を見てみましょう。

    「刑法」
    第204条(傷害)
    人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
    「刑法」
    第208条(暴行)
    暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
    この2つの罪の違いは、簡単に言うと相手がケガをしたかどうか、ということになります。

    今回の事件では、暴行を受けた妻が傷を負ったために、夫が傷害容疑での逮捕になったのでしょう。
    もしケガをしていなければ暴行容疑での逮捕になったと思われます。

    ちなみに、殴る、蹴るという行為だけが暴行になるわけではありません。
    相手をくすぐったり、刃物を突きつけたり、タバコの煙を吹きかけても暴行罪になる可能性があります。

    顔に酒をかけられれば誰でも腹が立つと思いますが、そこでこの夫が我慢をして手を出さなければ、逆に妻が暴行罪で逮捕されるという可能性もあったわけです。

    その酒が熱燗で、やけどしていれば、妻が傷害罪で逮捕、という可能性もあったわけです。

    男は、酒を顔にかけられて、

    「無礼な!」と怒ったのかもしれません。

    あるいは、「酒がもったいないだろ!」と、あまりの酒好きが高じて怒ったのかもしれません。

    いずれにしても、暴力はいけません。

    そして、世の中の人々は、たかをくくっていますが、このように、夫婦間でも、暴力は犯罪となることを肝に銘じておきましょう。

  • タクシー運転手が客を置き去りにして逮捕?

    2016年10月27日

    人の世では、「一体なぜ?」、「まさか…」ということが起きることがあります。

    今回は、タクシーの運転手が寝込んだ乗客を道路に捨てて死亡させたという事件を解説します。

    「客を道に放置→別の車にひかれ…タクシー運転手逮捕」(2016年10月24日 テレビ朝日ニュース)

    2016年8月未明、宮崎県都城市の市道で、酒に酔ってタクシー内で寝込んでしまった男性の乗客(38)を運転手(67)が道路の中央付近に放置。

    その後、走ってきた車にひかれて男性が死亡したとして、都城署はタクシー運転手の男を保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕しました。

    事件を知った容疑者は、「市内の繁華街で乗せて、自分が降ろした乗客が死亡したのではないか」と警察に出頭。
    容疑が固まったため、今回の逮捕に至ったということです。
    報道内容からだけでは詳細がわからず多くの疑問が残りますが、まずは今回の事故を法的に見ていきましょう。

    遺棄に関する罪は、刑法の第217条から第219条に規定されています。

    「刑法」
    第217条(遺棄)
    老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、1年以下の懲役に処する。
    第218条(保護責任者遺棄等)
    老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、3月以上5年以下の懲役に処する。
    第219条(遺棄等致死傷)
    前2条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
    「遺棄」とは、保護を必要とする者を保護のない状態にさらす犯罪であり、人の生命・身体に対する危険犯である、とされています。
    扶助を必要とする者に、老年者と幼年者がありますが、これは年齢のみで判断されません。
    たとえば幼児の場合、一般的には7歳か8歳未満と考えられていますが、過去の判例には、「14歳から2歳までの実子4人を自宅に置き去りにした母親の事案」(東京地判昭63・10・26判タ690-245)というものもあります。
    扶助を必要とするかどうかは相対的に判断されるということです。
    「病者」とは、病気や傷害などによって肉体的、精神的に疾患がある人のことで、その他にも判例では次のような状態の人も当てはまるとされています。

    ・麻酔状態にある者
    ・催眠術にかかっている者
    ・産褥期の女子
    ・飢餓者
    ・知的障碍者
    ・極度に疲労している者
    ・麻薬等の薬物により正常な意識を失っている者
    ・泥酔者
    「保護責任者」とは、刑法上では必ずしも親族などの扶養義務者とは限りません。
    判例では、看護やベビーシッターなど、仕事の性質上、当然その義務を包含する者も保護責任者になるとされています。
    それは、保護責任は法律上のものでなければならないとされているからで、具体的には、法令の規定や契約、慣習、事務管理、条理などによって発生します。

    たとえば、「契約」に基づく場合では前述の看護やベビーシッター、法律上の手続きが済んでいない養子などの判例があります。

    「条理」(物事の筋道や道理)に基づく場合では、「一緒に飲酒した後、他の通行人とケンカになり重傷を負った会社の同僚」、「同棲を始めた女性の連れ子」、「覚醒剤を注射したところ錯乱状態に陥った少女」などの判例があります。

    また、本来は保護義務を負っていなかったのに、義務が発生する場合もあります。
    たとえば、あなたが道で会った病気の人や泥酔者を介抱してあげたり、車で病院に連れて行ってあげたりという親切心で要保護者の保護を開始すれば、あなたに保護義務が負わされることもあります。

    ところで今回の事件では、道路の中央付近に乗客を置き去りにすれば、後続車にひかれることは当然予測しうるところですから、死亡との間に因果関係がある、と判断されたのでしょう。
    ちなみに、保護責任者遺棄致死傷罪の法定刑は傷害罪と比較して上限及び下限とも重いほうで処断されます。

    保護責任者遺棄致死罪では3年以上の有期懲役となっています。

    そして、ひいて死なせてしまった後続車のドライバーは、過失運転致死罪にとわれることになりそうです。

    ご遺族としては、タクシーの運転手が刑事裁判で処罰されることを望むでしょうが、その他に民事損害賠償を請求することができます。

    タクシー運転手個人、タクシー会社(使用者責任)、後続車の運転手などに請求していくことになります。

    泥酔した人を道路の中央付近に放置するとは、ちょっと理解に苦しむ事件です。

    だんだんと年末が近づいてきて、酒を飲む機会も増えてくるかもしれません。

    このような事件に巻き込まれないよう、くれぐれも飲酒はほどほどに留めておいていただければと思います。

  • 暴言を吐くだけで犯罪!?

    2016年10月07日

    公共の施設や飲食店、鉄道やバスなどの交通機関で「はた迷惑」な言動をする困った人、いますよね。

    先日、ツイッターに投稿されたある動画が話題になっているという記事をネットで見ました。
    乗客である女性が、バス内の通路をふさぐように立っていたり、大声でわめいたりして他の乗客が迷惑をしているが、それがもう何年も続いているというものでした。

    他にも、電車の中で酒に酔って暴言を吐き周囲の乗客にからんだり、何か気に入らないことがあったのか…飲食店で暴れたり、という人に遭遇したことがあるという人はいるでしょう。

    ところで、こうした厄介で迷惑な人を取り締まる法律はあるのでしょうか?

    まずは、「軽犯罪法」が考えられます。

    「軽犯罪法」
    第1条
    左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。

    五 公共の会堂、劇場、飲食店、ダンスホールその他公共の娯楽場において、入場者に対して、又は汽車、電車、乗合自動車、船舶、飛行機その他公共の乗物の中で乗客に対して著しく粗野又は乱暴な言動で迷惑をかけた者
    軽犯罪法は、ちょっとしたはずみで人が犯してしまうような33種類の軽微な秩序違反行為について規定している法律です。

    これに違反すると、拘留(受刑者を1日以上30日未満で刑事施設に収容する刑罰)もしくは科料(1000円以上、1万円未満の金銭を強制的に徴収する刑罰)が科されます。

    条文にあるように、軽犯罪法5号でポイントとなるのは、「公共」、「著しく粗野又は乱暴な言動」、「迷惑をかける」の3点です。

    「公共」というと、通常は国や地方自治体などが所有、管理している場所や施設などを想像すると思います。
    「私」や「個」に対する「公」、英語の「パブリック」のイメージでしょう。

    しかし、ここでいう公共は少し意味が違います。
    不特定の、かつ多数の人が自由に出入り、利用できる性質のものをいいます。

    そのため、映画館などの劇場や飲食店、さらにはパチンコ店やゲームセンター、ボウリング場などの娯楽施設も当てはまります。

    また、「その他公共の乗物」にはケーブルカーやロープウェイ、エレベーターやエスカレーターなども該当すると考えてよいでしょう。

    次に、「著しく粗野又は乱暴な言動」について考えてみます。

    「粗野」を辞書で調べてみると、「言動が下品で荒々しく、洗練されていないこと」、とあります。
    「著しい」は、「程度が際立っていて目立つさま。はっきりとわかるさま。めざましい。あきらかだ。」とあります。

    あきらかに下品で荒々しい言動とは…どういうものか定義するのは難しいところですが、ここでは軽犯罪法よりも刑罰の重い「刑法」と比較して考えてみましょう。

    たとえば、刑法には「脅迫罪」(第222条)と「強要罪」(第223条)があります。

    「刑法」
    第223条(強要)
    1.生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
    第222条(脅迫)
    1.生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
    脅迫罪は、相手に危害を加えることを告げるだけで成立します。
    「殺すぞ!」とか「腕をへし折るぞ!」などと相手に言った場合は脅迫罪が成立する可能性があるわけです。

    一方、強要罪は、危害を加えることを告げて相手に義務のないことを行わせると成立します。
    たとえば、相手を脅して土下座をさせたり、引っ越しをさせたり、辞職願を書かせたりすると逮捕される可能性があります。

    詳しい解説はこちら⇒「強要罪と脅迫罪の違いとは?」
    https://taniharamakoto.com/archives/2223

    では、「傷害罪」や「暴行罪」はどうでしょうか?

    第208条(暴行)
    暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
    第204条(傷害)
    人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
    法律上の「暴行」とは、人の身体に向けた「不法な有形力の行使」と定義されます。
    簡単に言うと、相手が傷害を負わなければ暴行罪、傷害を負えば傷害罪となります。

    これらのことから考えると、著しく粗野又は乱暴な言動で相手に迷惑をかけるといっても、直接相手に危害を加えてしまったり、周囲の物を壊してしまえば刑法違反になる可能性があり、それより軽い行為、たとえば相手にからんだり、大声を出して周囲の人に迷惑をかけたり、相手を傷つける意思なく物を投げたりなどをすれば、軽犯罪法違反になる可能性があるということです。

    ちなみに、前述のように、乗客である女性がバス内の通路をふさぐように立っていたり、大声でわめいたりすることがバス会社や運転手の業務を妨害した場合、威力業務妨害罪になる可能性もあります。

    「刑法」
    第234条(威力業務妨害)
    威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
    前条とは、第233条(信用毀損及び業務妨害)のことで、これを犯すと、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金を科せられます。

    暴力を振るわなければ大丈夫と思ったら大間違い。

    他人の迷惑になるような行為は犯罪になる可能性があるので、気をつけましょう。

  • コンサートのチケット転売で逮捕!

    2016年09月16日

    ファン心理に付け込んで金儲けをしていた女が逮捕されたようです。

    問題となったのは、アイドルのコンサートチケットの転売です。

    「嵐のチケットを無許可で転売、25歳女逮捕」(2016年9月14日読売新聞)

    アイドルグループ「嵐」のコンサートチケットを転売したとして、北海道警札幌中央署は、香川県善通寺市のブリーダーの女(25)を古物営業法違反(無許可営業)の疑いで逮捕しました。

    報道によると、香川県公安委員会の許可を受けていないにもかかわらず、女は2015年11月から12月の間に札幌市内の女性ら3人に対し、
    嵐のコンサートチケット5枚を計4回、インターネットの転売サイトで計7万円で売ったということです。

    女は、チケット交換サイトでコンサートチケットを入手した後、転売サイトに出品して高値で販売する手口で、2014年10月から今年4月までに、全国31都道府県の168人に嵐などのコンサートチケット299枚を販売し、約1000万円の売り上げを得た疑いがあるとして、同署で余罪を調べるということです。
    チケットの転売行為、いわゆるダフ屋行為については以前も解説しています。

    詳しい解説はこちら⇒
    「AKB総選挙とダフ屋行為」
    https://taniharamakoto.com/archives/155

    「チケット転売で逮捕!?」
    https://taniharamakoto.com/archives/1866

    これらの事件では、逮捕容疑は東京都迷惑防止条例違反(ダフ屋行為)でした。

    迷惑防止条例は、全国の各都道府県でそれぞれ制定されていますが、たとえば東京都の場合、第2条でダフ屋行為の禁止について規定しています。

    対象となるのは、乗車券や入場券、観覧券などのチケットで、転売目的で買うことも売ることも禁止されています。

    ただし、「公共の場所」等で買ったり売ったりしないと、迷惑防止条例で処罰はされません。

    インターネット上には適用がないわけです。

    この条例自体が、「公衆での迷惑」な行為を取り締まることを目的としたものなので、インターネット上は対象にしていない、ということですね。

    さて、今回の事件では古物営業法違反です。

    古物(こぶつ)営業法とは、どのような法律なのでしょうか?
    条文を見てみましょう。

    「古物営業法」
    第1条(目的)
    この法律は、盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るため、古物営業に係る業務について必要な規制等を行い、もつて窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することを目的とする。
    「古物営業法」は、1949(昭和24)年に制定されたもので、盗品などの売買や窃盗などの犯罪の防止等を目的としています。

    「古物」とは、一度使用された物品や美術品、商品券、乗車券、郵便切手、あるいは使用されない物品で使用のために取引されたものなどをいいます。(第2条1項)

    「古物営業」とは、たとえば次のようなことをいいます。(第2条2項1号)
    ・古物を売買、交換する営業
    ・委託を受けて古物を売買、交換する営業

    そして、この営業は許可制になっています。

    第3条(許可)
    1.前条第2項第1号に掲げる営業を営もうとする者は、営業所が所在する都道府県ごとに都道府県公安委員会の許可を受けなければならない。
    これに違反した場合は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます。(第31条)

    ちなみに、営業とは生業に限定されません。
    小遣い稼ぎでも「営業」になります。
    そして、営業とは「営利を目的として、反復継続する」ことです。

    今回の事件は、約1年半にもわたって168人に299枚もの大量のチケットを販売したということです。

    計算上は、約2.4日に1回のペースでコンサートに行くことになります。

    さすがに「299回全て自分でコンサートに行く予定で買ったけれども都合が悪くなったので、やむなく売った」とは言えないでしょう。

    「転売してお金を儲けるために反復継続してチケットを購入し、販売した」ということになるでしょう。

    このような転売が横行すると、コンサートに行きたいファンのチケット入手が困難になります。

    もちろん、高いお金を払えば手に入るのかもしれませんが、それでは、アーティスト達の本意ではありませんね。

    多くのアーティストが高額転売に苦言を呈しているところです。

    早く有効な防止策を考案してくれることを祈ります。合掌。。。