ブログ | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜 - Part 61
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
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  • 交通事故数が過去最高

    2004年12月30日

    2004年の交通事故の件数が、952,191件で前年比4,198件増だそうです。負傷者数も1,183,120人で、ともに過去最悪だったとのことです。(記事)事故数より負傷者数の方が多いのですね。やはり危険です。
     
    交通事故はなくなりませんね。特に今年は高齢者が多かったようです。高齢者の場合、死亡してしまうことが多いので、くれぐれも気をつけてください。
     
    運転者は、高齢者には信頼の原則が働きにくいということを認識して、高齢者が歩行ないし自転車で走行しているのを見つけたら、充分注意してください。信号が青でも過失が認められる可能性が充分あります。
     

  • 個人情報個別法見送り

    2004年12月29日

    平成17年4月1日に個人情報の保護に関する法律が施行されますが、更に医療、金融、情報通信の3分野の情報保護については、特に個人情報の機密性が高いことから、個別法制定の動きがありました。
     
    しかし、国民生活審議会は27日、これら3分野の「個別法」制定を見送る方針を報告しました。結局、業界ごとの個人情報保護のガイドラインの整備や、検査、監督の強化などで個人情報の保護は十分図れるとし、個別法は現時点では「不要」と結論づけたとのことです。(記事)
     
    個人情報保護法施行後の状況を見ながら、必要があれば制定しようという動きです。4月1日の施行に向けて、各分野とも、かなり危機意識が高まっています。

  • 修習生釈放

    2004年12月28日

    裁判所のトイレ盗撮の疑いで、建造物侵入を被疑事実として逮捕された司法修習生が処分保留のまま釈放されたようです。(記事)
     
    ビデオカメラから指紋が検出されなかったことや、ビデオの登場人物が特定できなかったことなどが理由のようです。
     
    もし、彼が無実の罪をきせられていたのであれば、当初自白してしまったという事実は重大なことを意味します。司法修習生は、今後裁判官、検察官、弁護士等の法律実務家の道に進むわけですが、一旦自白して調書を取られると、よほどのことがない限り覆らないことを充分知り尽くしているわけです。その修習生が、真実と異なる自白をさせられてしまうという取り調べの実体は極めて問題の大きいものだと思います。
     
    真実(必ずしも歴史上の真実とは限らないのですが)は、今後の捜査で明らかになるでしょうが、密室での取り調べの怖さを感じました。

  • メールアドレス流出

    2004年12月25日

    テレビ朝日で、1月24日、視聴者40人のメールアドレスが流出したそうです。(記事)
     
    平成17年4月1日より、「個人情報の保護に関する法律」が施行されます。現在、企業は、この法律対策にてんやわんやの状態です。
     
    今回は、委託先の通信販売会社が誤って40人分のメールアドレスを流出させてしまったようですが、個人情報保護法では、このメールアドレスで個人が識別できる場合には、テレビ朝日の責任が問われます。個人情報の取り扱いを委託している場合には、委託者は、委託先の個人情報管理まで監督する義務があるのです。
     
    したがって、業務を遂行する上で、個人情報を取り扱うことがある会社は、しっかりとした社内の情報管理体制を構築しておかないと、仕事をもらえなくなる可能性があります。社内の情報管理体制がしっかりした会社と、そうでない会社があった場合、仕事を委託する会社は、間違いなく情報管理体制が整った会社を選ぶことになるでしょう。
     
    あなたの会社は大丈夫ですか?
     

  • クレサラ相談減少か

    2004年12月21日

    今日は午前中、弁護士会が運営する四谷クレサラ相談センターに相談員として行ってきました。午前中は2時間で4人(30分ずつ)まで相談が受けられるのですが、今日は、2人だけでした。
     
    数年前は、待合室に相談者があふれかえっており、予約待ちの状態だったのに比べれば、ずいぶん状況が変わりました。センターの事務の方に聞いたところ、閑散とした日がちょくちょくあるそうです。
     
    原因としては、司法書士がクレサラ事件に参入するようになり、頑張っていること、弁護士の広告が解禁になって、クレサラ相談の広告により、クレサラ相談センターを通さずに直接自分の事務所に誘導できるようになったこと、たまっていた多重債務者が一通り破産ないし個人再生してしまったこと、等が考えられます。
     
    これに加え、景気回復の兆候でもあれば良いのですが。

  • 改正本人確認法初適用

    2004年12月19日

    転売目的で銀行口座の売却を勧誘した(改正本人確認法違反・50万円以下の罰金)と盗品譲り受け罪(有償の場合、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金で、19日、に2名を逮捕しました。(記事)
     
    改正本人確認法を適用したのは、初めてだそうです。「振り込め詐欺」には、預金口座と携帯電話の匿名性が不可欠です。この預金口座について、他人名義の預金口座の取得を防止しようとするのが改正本人確認法の趣旨です。
     
    「振り込め詐欺」犯人が直接他人名義の預金口座を取得するのも大変なので、その仲介として「口座売買屋」が介在することになります。改正本人確認法の適用により、口座売買が割に合わないこととして、預金口座を売る人、仲介をする人がなくなれば、「振り込め詐欺」は必ず減少するはずです。
     
    口座の売買には、必ず預金通帳ないしキャッシュカードの受け渡しが行われます。郵送にしても、宅急便にしても、手渡しにしても、買う側は、どこかで現物を受けとらなければなりません。囮捜査が許されるかどうか、という法律論は別にして、警視庁が本気で取り組めば、口座売買の撲滅は不可能ではないでしょう。
     
    また、この記事で気になったのですが、預金口座を売った女性が詐欺罪で起訴されています。これは単なる推測ですが、預金口座は本来預金取引を行う目的で解説するはずであるのに、口座売買のために開設するという目的を隠して口座を開設し、預金通帳及びキャッシュカードの交付を受けたことが銀行との関係で詐欺罪に該当する、という法律構成ではないでしょうか。そうだとすると、口座を売ろうとして銀行口座を開設すること自体も詐欺罪が成立することになりますので、口座を売ろうと考えている人はやめた方が良いでしょう。
     
    更に、携帯電話会社には、プリペイド携帯電話に対する本人確認の徹底をお願いしたいところです。あるいは、携帯電話に関する本人確認法を制定していただいてもいいです。
     
    NTTドコモは、プリペイド廃止予定で偉い!(記事)

  • 裁判員制度は大丈夫か。

    2004年12月12日

    市民が刑事裁判に参加する裁判員制度が2009年までに施行されるのに備え、最高裁は今春以降、和解協議などで一般市民との対話に慣れた民事裁判官を、刑事担当へ“配転”させる方針を固めたそうです。(記事)
     
    興味深いので、yahooニュースの記事をそのまま引用します。
    「最高裁が昨年実施した裁判員制度の模擬裁判では、法律知識のない職員が裁判員役となったが、9人で話し合う評議で遠慮して発言しなかったり、量刑について意見を言いたがらなかったりする場面が続出。裁判長役の刑事裁判官からは「議論を深める能力の必要性を痛感した」という反省の弁が出た。また、法律用語について正確に説明しようとするあまり、裁判員にうまく意味が伝わらない問題も指摘された。

     こうした中、最高裁は、訴訟当事者の市民と直接議論したり、和解を促したりしている民事裁判官に注目。適任者を選び、刑事担当に配置替えしていくことにした。この中には、地裁の裁判長クラスなどベテランも含まれる見通しだ。」
     
    この最高裁のコメントを読んで心配になりました。
     
    どんな裁判であっても、間違いがあってはいけません。もちろん高裁、最高裁とあり、間違いがあることを前提に、その間違いが正されるような制度になっています。
     
    しかし、被告人の一生がかかっている刑事裁判で、遠慮して発言しなかったりして、誤った結論になってしまったらどうするのでしょうか。民事裁判官を配転して、その裁判官にあたればよいのかもしれません。しかし、刑事裁判官にあたったら、どうなのでしょうか。
     
    重要なことは、あらゆる裁判でミスを犯さないことだと思います。全ての裁判においてその手当をしなければなりません。そのためには、このような、刑事裁判官の評価を落とすような発表をする際には、同時に、「全裁判官に対人コミュニケーション能力向上に関する研修を義務づけた」とか、全ての裁判官が対人コミュニケーション能力や会議の進行能力を身につけるための制度を導入し、かつ発表すべきと考えます。全ての裁判結果が国民から信頼されるための制度設計をし、かつそれをアピールしなければならないのです。
     

  • ヤミ金被害でホームレスに。

    2004年12月09日

    ヤミ金から借金をして借金がふくれあがり、返済不能になってホームレスになる人が増えているそうです。(記事)
     
    ヤミ金は利息が10日で4割、5割なので、一度借りるとすぐにふくれあがってしまいます。そして、取立も、「殺すぞ。」「子供さらって殺すぞ。」「生命保険かけて早く死ね。」等辛辣を極め、職場や親族のところにも平気で電話をして怒鳴りまくります。実際に取立には来ないのですが、電話で精神的に追い込まれていきます。
     
    ヤミ金の帝王が逮捕され、警察も本腰を入れてヤミ金撲滅に動いたおかげでかなりヤミ金は減りました。しかし、減ったのは、一応貸金業の登録をして事務所を持った上でヤミ金を営んでいた人達です。
     
    そういうヤミ金が徐々に消えていき、今は、一昔はやった「090」金融に逆戻りしています。いわゆる固定電話を使用せず、自分の居場所は空かさずに携帯電話と振込だけでやり取りをするのです。「090」金融には、警察も手を焼いているのが現状です。
     
    その背景には、プリペイド式携帯電話の普及と架空名義口座の存在があります。携帯電話各社は、プリペイド式携帯電話を得るのはいいですが、これだけヤミ金被害が社会問題になっているのですから、本人確認を徹底する等すぐに対応することが企業の社会的責任と考えます(総務省対策)
    架空名義口座対策は、「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律の一部を改正する法律」(2004年12月30日施行)の運用を見たいと思います。
     
    なお、仕方なくヤミ金に借りた方は、迷うことなく弁護士会のクレサラ相談センターにご相談下さい。きっと解決してくれます。
    弁護士会四谷法律相談センター 03-5214-5152
    神田法律相談センター 03-5289-8850

  • 信頼の原則か

    2004年12月08日

    大阪2003年2月、信号を無視した乗用車に車を衝突させ、乗用車の2人が死亡した交通事故があり、大阪地検は当初、相手の信号無視を重視し、互いが交通ルールを守ることを前提とした「信頼の原則」に基づき、不起訴処分にしたが、再捜査し、先月一転して在宅起訴したことが7日、わかったそうです。(記事)。

    交通事故における「信頼の原則」は、交通政策に関連します。法が交通法規を定め、それを遵守させるためには、交通法規を守っていさえすれば、法律違反を問われることがないようにする必要があり、そうすることにより、交通渋滞等もなくすことができます。しかし、信号が青だったとしても、それ以外によく注意して交差点に進入しないといけないとすれば、どうしても減速して交差点に進入しなければならなくなるでしょう。
     
    また、法規範に対する社会の成熟性も影響します。自分以外の人たちが、法規範を守るということを前提に行動してよいかどうか、ということです。信頼の原則は、「他人が法規範を守ることを前提に行動して良いですよ。」ということです。日本では、昭和40年代くらいに確立されてきました。
     
    今回、大阪地検が一転起訴したということは、スピード違反ということの他、たとえ青信号だったとしても、被害者車両が信号無視をして交差点に進入してくることが十分予見でき、かつ回避できたという事案だったことでしょう。
    ここで「被害者車両」という言葉を使っていますが、本件刑事事件でいう「被害者」という意味です。起訴された被告人は、自分が「被害者」だと思っているでしょう。
     
    しかし、いったん不起訴処分をしてから、検察審査会の議決が出る前に態度を翻すことには疑問があります。検事がきちんと捜査して、60キロだったら回避可能であったのか、交通政策上信頼の原則をどの程度適用すべきか、等を考慮した上で、刑事部長なり次席検事等の決裁も受けているのではないでしょうか。検察審査会の「不起訴不当」の議決が出てから再捜査するなら理解できますが、これでは、検察庁の処分に対する「信頼の原則」もなくなる可能性があります。

  • 司法修習生逮捕( ゜Д゜)

    2004年12月06日

    1月5日、隠し撮り目的で東京地方裁判所内の女性トイレ内にビデオカメラを設置したとして、建造物侵入の疑いで司法修習生(32)を逮捕した。(記事
     
    これはびっくりです。裁判所法によって、司法修習生の行状がその品位を辱めるものと認めるときは、司法修習生は罷免されることがあります。今回、事実がそのとおりであれば、罷免されるでしょう。今までの苦労がパーです。
    捕まったら当然罷免されることがわかっていても、自分が行動するときは、まさか自分が捕まるとは思わないものなのですね。
     
    警察は、住居侵入罪(刑法130条)で逮捕していますが、住居侵入とは、他人の看守する建造物等に管理権者の意思に反して立ち入ることを言います。司法修習生は、裁判所内に立ち入ることは許されているが、男性の司法修習生は、女子トイレに立ち入ることは東京地裁所長の意思に反しているということでしょう。
     
    ところで、この管理権者の意思に反するかどうかはとても微妙な判断です。
    過去の判例には、夫の不在中、妻と姦通する目的で妻の同意を得て住居に立ち入ったときは、住居権者である夫の意思に反するから住居侵入だとした判例があります(大正7年12月6日大審院判決)。妻が「あがってちょうだい。」と言っているのに住居侵入罪ですよ。ちょっと無理があると思いませんか?
     
    これを形式的に適用するとどうなるか。いわゆる「悪徳」訪問販売は、わざと皆夫のいないスキを狙って妻だけの時に家に上がり込んで販売しようとします。しかし、ほとんど夫はそれに同意しないでしょう。夫の意思に反していて、全員刑務所行きですよ。売るのに失敗してもです。
     
    法律家は、たまに無茶な解釈をしたりします。