アザラシとアライグマ
深い森の川辺に、アザラシとアライグマがいました。
彼らの仕事は、泥を固めて立派なダムを築くことです。特にアザラシは、伝統的な技術を完璧に身に着けており、誰からも尊敬される仕事をしていました。
ある時、アライグマは川の流れが以前より速くなり、泥だけでは土台が削られやすくなっていることに気づきました。
「これからは泥だけではダムが削られてしまうんじゃないか?石を組み込んでみよう」と、新しいダムの建造法を研究し、石組みのダムを作るようになりました。
一方、アザラシは相変わらず、泥で立派なダムを作り続けました。
「今までこのやり方で成功してきたんだ。やっぱり伝統的なダム作りが一番だ。」と、過去の成功体験に縋り、古い手法を繰り返す毎日でした。
やがて、上流で大きな地滑りが起き、川は未曾有の激流となりました。
石を取り入れ、変化に備えていたアライグマのダムはびくともせず、彼は新しい環境でさらに大きな成果を上げました。
しかし、アザラシの泥のダムは一瞬で崩壊しました。
仕事場も、積み上げた実績も、すべてが濁流に飲み込まれていきました。アザラシは泥水に溺れながら叫びました。
「なぜだ、昨日まではうまくいっていたのに!」
アライグマは言いました。「古くならないものなんかないよ」
変化を拒み、学びを止めたアザラシに、手を差し伸べる者はもう誰もいません。
アザラシは言います。「いぢめる?」
彼はすべてを失い、荒れ果てた川岸で、二度と戻らぬ「泥の時代」を嘆きながら、静かに力尽きていきました。
アザラシは、心理学の「有能さの罠」にはまっています。
これは、過去の成功体験や高い能力に固執するあまり、新しい手法を取り入れず、変化に対応できなくなり成長が止まってしまう組織や個人の現象です。
会社の上司とか、いませんか?
また、「現状維持バイアス」も働いています。
これは、人間(アライグマ?)には、変化を「損失」や「リスク」と捉え、未知の選択よりも現在の状態を維持しようとする強力な心理的慣性があります。
今、AIがすごいスピードで進化し、世の中が変化しています。
有能さの罠や現状維持バイアスにはまって、AIを遠ざけていると、この寓話のアザラシのようになってしまうかもしれません。
AIは、避けるものでも、依存するものでもありません。
AIを使いこなして時代の変化についていけるように、常に自分をアップデートしたいものです。
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