メルマガ | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
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  • ダビデとホイス

    2026年11月02日

    旧約聖書にダビデとゴリアテの話があります。

    ペリシテ軍のゴリアテという戦士は身長3メートルに達しよういう巨漢であり、巨大な槍を持っています。

    イスラエル軍からは、誰もゴリアテに挑もうとしません。

    その時、羊飼いの少年であるダビデが立ち上がりました。

    イスラエルのサウル王は、攻撃されてもダメージが少なくなるようにと鎧兜を与えられましたが、ダビデはそれを脱ぎ捨てて、投石器と滑らかな石を携えてゴリアテとの戦いに臨みました。

    ゴリアテが突進してくると、ダビデは投石器で石を投げ、みごとにゴリアテの眉間に命中させ、ゴリアテを打ち倒すことに成功します

    身体の大きな者、力の強い者には勝てる気がしません。

    その常識からすれば、ゴリアテの方が圧倒的に有利です。

    しかし、ダビデは、身体の大きさ、力の強さで勝負しませんでした。

    誰もが力対力の勝負をすると思い込んでいたところに、投石器という武器を投入したのです。

    自分の土俵に引きずりこんだ、ということです。

    格闘技が好きな人は鮮明に憶えていると思いますが、1993年、アメリカで第1回のUFC(だいたいなんでもあり)が開催されました。

    ボクサー、レスラー、その他様々な格闘家が参加した中で優勝したのは、ブラジリアン柔術のホイス・グレイシーでした。

    ホイスは、自分より体重のある3人の対戦相手を破っています。

    初戦の相手は、プロボクサーのアート・ジマーソンでした。

    それまでは、なんどもありの格闘技というと、立った相手を殴り倒したり、蹴り倒したり、あるいは掴んで投げる、というイメージでした。

    しかし、ホイスは、タックルで寝技に持ち込む戦法で、3試合すべてで相手から降参を奪って優勝したのです。

    この事例も、「相手の得意な土俵で戦わず、自分が勝てる土俵に引きずり込む」ということです。

    大切なのは、相手より強くなることだけではありません。

    相手の強さが、何によって支えられているのかを見極めることです。

    そして、そこではないところに自分の強さを見つけることです。

    「努力の量を増やす前に、自分が勝てる場所を見つけよう」
    ( -`д-´)パワーッ!

  • 老女のスープ

    2026年10月26日

    北風が路地を吹き抜けるたび、ゴウタは膝を抱える腕に力を込めた。

    両親を亡くし、金もなく宿からも追い出された夜だった。

    「誰も自分を必要としていない」

    意識が朦朧としはじめたころ、頭の上から湯気の匂いが降ってきた。

    「ほら、冷めないうちに」

    古びた食堂をひとりで営む、老女だった。ひと口飲むと、喉の奥から順に、自分の体の輪郭が戻ってくるのがわかった。

    老女が倒れたのは、ひと月も経たない夜だ。

    「あたしが寝込んだら、あの子たちはどこで温まればいいんだろうね」

    「僕が作ります。教えてください」

    枕元から出てきたのは、角の黒ずんだレシピ帳だった。最初のページに、四つの短い文が並んでいる。

    一、誰の、どんな顔が見たいのかを決めてから火をつけること。
    凍えた子の笑顔。その一瞬を先に決めれば、今日何を仕込むかは逆にたどれる。

    二、鍋は嘘をつかない。
    アクを取らなければ苦味が残り、時間をかけた分だけ甘みが出る。手をかけた分しか、味は返ってこない。

    三、褒められるために作らない。
    「うまいと言わせたい」と思って作った日のスープはなぜか薄い。扉を開けて入ってくる人を幸せにするために作ること。

    四、自分はできると信じ切ること。
    疑いながら混ぜた鍋は、どこかで必ず手を抜いている。

    最初の一週間は散々だった。玉ねぎを焦がし、塩を入れすぎ、火を強めすぎて濁らせた。

    「やっぱり無理だ」という声が、そのたびに背中から囁く。それでも彼は、閉まった扉の前に立ち尽くしていた子供たちの手を思い出し、冷たい水で赤くなった指で鍋に向かった。うまくやろうとするのをやめて、ただ工程を積み重ねた。

    雪の夜、小さな女の子が震えながら扉を押した。差し出した器を両手で包み、ひと口飲んだその頬に、ゆっくりと赤みが差す。大きな目から涙がこぼれた。

    「……あったかい」

    胸の奥で、長いあいだ凍りついていた何かが音を立てた。

    褒められて得た喜びではない。自分はここにいてもいいのだという、静かな感覚だった。

    その夜、彼は同じスープを老女の枕元へ運んだ。ひと口飲んだ老女は、しばらく黙ってから言った。

    「……あんた、ちゃんとレシピ通り作ったね」

    境遇が彼を不幸にしていたのではない。世界を拒み、手を止めていた自分が、そうしていたのだ。

    今日も路地裏には、スープの匂いが漂っている。運命を恨んで泣いていた青年は、もういない。

    アドラー心理学で語られる「他者貢献感」とは、「自分は誰かの役に立っている」という主観的な実感のことです。

    アドラーは、他者とのつながりや社会への貢献を重視し、人は共同体の一員として他者に貢献することを通じて、人生の意味や充実感を見いだせると考えました。

  • ストレスのネガティブを消す

    2026年10月19日

    今回は、ストレスの扱い方です。

    仕事(家事含む)をしていると、どうしてもストレスを感じる場面があるでしょう。

    ストレスを受けると、私たちの身体には、どのような影響があるのでしょうか。

    ストレスを感じると、身体はそれに対処するため、交感神経を活性化させます。

    その結果、心拍数が増え、血圧が上昇するなど、身体はいわば「緊急事態に備えるモード」に入ります。

    同時に、脳からの指令によって副腎からコルチゾールというホルモンが分泌されます。

    慢性的なストレスは、睡眠障害や抑うつ症状、高血圧、心血管疾患など、さまざまな心身の不調や疾患のリスクと関連することが知られています。

    また、コルチゾールが長期間にわたって過剰な状態になると、筋肉のタンパク質の分解を促進するなど、筋肉量に悪影響を及ぼす可能性があります。

    さらに、慢性的な心理的ストレスは、体内の酸化ストレスの増加と関連することが報告されています。

    酸化ストレスとは、活性酸素などによる酸化作用と、それを抑える抗酸化作用とのバランスが崩れた状態です。過剰な酸化ストレスは細胞やDNAなどを傷つけ、心血管疾患をはじめとするさまざまな疾患の発症や進行に関与すると考えられています。

    しかし、ストレスをプラスに転じる方法も研究されています。

    スタンフォード大学の認知心理学者アリア・クラムらが金融機関(UBS)従業員を対象とした企業実験(2013年)です。

    実験は、参加者をグループ分けし、1週間の間に数分間の短いビデオメッセージを見せました。

    促進グループ: ストレスが認知機能を高め、免疫を活性化し、プレッシャー下でのパフォーマンスを向上させる側面(歴史的事実や科学データ)を伝えるビデオを視聴。

    有害グループ: ストレスの有害性や健康被害を強調するビデオを視聴。

    結果: 促進グループの従業員は、わずか数分の介入にもかかわらず、不安感やうつ症状が減少しただけでなく、仕事におけるアイデアの創出、集中力の持続、協調性の向上、そして主観的な身体的健康感の有意な改善を示しました。

    つまり、ストレスは、それ自体が人間の心身に悪影響を及ぼすものではなく、ストレスをどう解釈するかにより、良くも悪くもなる、ということです。

    ということは、この性質を利用しない手はありません。

    具体的には、以下のようにします。

    「これは失敗や異常のサインじゃない。体がエネルギーを総動員して、この困難な状況に挑戦し、自分を成長させようと準備しているシグナルだ」

    スポーツなどの試合前の緊張状態と同じように考えればよい、ということですね。
    ( -`д-´)パワーッ!

  • パースペクティブ・ゲッティング

    2026年10月12日

    こんにちは。弁護士の谷原誠です。

    「相手の立場に立って考えなさい」

    これは、デール・カーネギーの時代から対人関係の黄金律とされてきた教えです。

    ビジネスの世界の名言でもあります。

    ヘンリー・フォード「成功の秘訣というものがあるとしたら、それは他人の立場を理解し、自分の立場と同時に他人の立場からも物事を見ることのできる能力である。」

    心理学やコミュニケーションの分野では、これを「パースペクティブ・テイキング(視点取得)」と呼びます。

    しかし、科学的な検証は、この直感的に正しそうなアプローチに潜む意外な「罠」があると主張しています。

    シカゴ大学のニコラス・エプリーらの研究によると、相手の視点を頭の中で「想像する」だけでは、相手の心を読む精度は上がらないどころか、かえって低下するという結果が出たそうです。

    私たちは自分の経験や偏見というフィルターを通して相手の気持ちを推測してしまうため、「自分と同じように考えるはずだ」という過剰な自信を生み出したり、意見が対立している場面では相手の身勝手さを過大評価したりしてしまうというのです。

    例えば、誰かが「心が重い」と漏らした場合、その人の立場に立って、「どんな辛いことがあったのですか?」と声をかけるのは、相手の立場に立っているでしょうか。

    将来への不安を抱いているかもしれません。その場合、過去を尋ねても意味がありませんね。

    では、間違えないように、「元気出しなよ!」と声をかけるのはどうでしょうか。

    うつ状態だったら、どうでしょうか。逆効果かもしれませんね。

    このようなケースでは、自分では、「相手の立場に立っている」と信じ込んでいるわけですが、実は、どっぷりと「自分の立場に立っている」わけです。

    そして、自分の考えを押し付けていることになります。

    ここで検討すべきは、「パースペクティブ・ゲッティング(視点獲得)」というアプローチです。

    これは、相手の心を自分の頭の中で勝手に推測するのをやめ、直接質問する、という方法です。

    「どうしたの?」

    と自由回答を求めることで、徐々に核心に迫っていきます。

    ここでも質問力の重要性が発揮されます。

    この、想像から質問へのパラダイムシフトで、日常のコミュニケーションがスムーズになり、すれ違いを防ぐ鍵となるかもしれません。

  • 研究所が燃えて喜ぶ人

    2026年10月05日

    あなたの自宅や職場で火事があり、全てが燃えてしまったとしたら、どうでしょうか。

    私の事務所には、重要書類などが多く保管されています。

    もし、事務所の全てが燃えてしまったら、呆然自失となるに違いありません。

    「あの件は、どうリカバリーしよう」
    「この件、重要な証拠が燃えてしまった。どうするか」

    など、絶体絶命のピンチです。

    物事は、解釈によりどうにでもポジティブに変えることができる、そう信じていますが、さすがに全てが焼失するような事態は想定していません。

    ところが、世の中には、そんな事態でもポジティブに解釈し、前向きに生きていける人がいます。

    ある67歳の男が研究に没頭していた時、その研究所が火事にあって全焼してしまったそうです。

    全ての研究資料が焼失してしまいます。

    67歳でそのような事態になったら、自暴自棄になってもおかしくありません。

    しかし、男は言います。

    「これでむだな物はすっかりなくなった。これからまた新たな気持ちで新たな研究を始められる」

    その男の名は、トーマス・エジソン。

    大発明家です。

    また、次のようなエピソードもウィキペディアに掲載されていました。

    エジソンは聴力に障害があったが、彼自身はこの障害を苦にしていた様子はなく、逆に「周りの雑音に悩まされず研究に集中できるから、かえって好都合だ」と語っていたそうです。

    このように考えられたら、人生に不幸はなくなりそうですね。

    ネガティブ思考に悩んでいる方は、エジソンについて研究してみるのもいいかもしれません。

  • 蒔いた種だけが、いつか実る

    2026年09月28日

    カズサの祖父は、小さな畑を耕す農家でした。

    子どもの頃、カズサはその畑が好きではありませんでした。石ころだらけで、いつも半分が枯れているように見えたからです。

    ある春の朝、祖父が両手いっぱいの種を、惜しげもなく土にまいていました。

    「おじいちゃん、全部芽が出るの?」

    祖父は笑い、土のついた手でカズサの頭をなでました。

    「いや、十のうち九つは枯れる。どの種が実るかは、まいてみるまでわからん。だからたくさんまくんだ。枯れる九つがあるから、残った一つが実るんだよ」

    幼いカズサには、その意味はわかりませんでした。ただ「もったいないなあ」と思っただけでした。

    やがてカズサは大人になり、小さなパン屋を開きたいという夢を抱きました。

    けれど、一歩を踏み出せませんでした。「失敗したらどうしよう」「うまくいく保証があるなら、やるのに」。そう考えては先延ばしにし、本を読み、計画を書き直しました。

    準備をしている間は、安心していられたのです。

    そうして一年が過ぎ、三年が過ぎ、気がつけば十年が経っていました。カズサのパン屋は、まだ一度も開いていませんでした。

    祖父が亡くなり、久しぶりに帰ったカズサは、あの畑に立って驚きました。石ころだらけだった畑が、見渡すかぎり豊かな緑に覆われていたのです。

    近所の人が教えてくれました。「あんたのおじいさんは、毎年飽きもせず種をまいておった。枯らしても、また次をまいてな。何十年もかけて、この土を変えたんだ」

    カズサは立ち尽くしました。無駄に見えたあの種の一つひとつが、土を育て、次を生かしていたのです。祖父は、芽が出る保証など、一度も求めていませんでした。

    カズサは十年のあいだ、一粒もまいていませんでした。保証を探しているあいだ、カズサの畑は、ずっと空っぽのままだったのです。

    翌月、カズサはパン屋を開きました。

    最初のパンは、ひどい出来でした。

    次のパンも、その次のパンも、思うようにはいきませんでした。けれど焼くたびに、少しずつわかってきました。失敗した九つのパンが、たった一つのおいしいパンの焼き方を、教えてくれたのです。

    今、カズサの店には毎朝お客さんが並んでくれます。店の棚には土を入れた鉢を置き、祖父の畑の種をまいてあります。芽が出るかはわかりません。それでもカズサは、今日も水をやります。

    まいた種だけが、いつか実るのだと、もう知っているからです。

    —

    成功する人とそうでない人を分けるのは、才能ではないようです。

    「成功する保証があるなら動く」のではなく、「保証がなくても、まず種をまく」かどうかがポイントです。

    ユニクロを一代で築いた柳井正氏は、「十回新しいことを始めれば九回は失敗する」と語っています。九回の失敗は無駄ではなく、たった一つの成功を育てる土になるということでしょう。

    見返りを求めず、今日、最初の一粒をまきましょう。

    まいた種だけが、いつか実ると信じて。

  • なぜ偏った意見の人は自信満々なのか

    2026年09月21日

    私たちは、何かを判断する時には、情報を集めます。

    どのような情報を、どれだけの量集めるかは、判断結果に大きく影響することは明らかです。

    今回は、私たちが判断を誤らないために知っておくべき研究についてご紹介します。

    ハンター・ゲルバッハ教授らが、米国の成人1,261人を対象に行った実験です。2

    参加者は、架空の二つの学校を統合すべきかどうかを判断しました。

    一方のグループには、統合賛成・反対双方を含む7項目の情報を提示。別のグループには、統合に有利な情報または統合に不利な情報のどちらか一方を中心に、約半分の情報だけを提示しました。

    情報を半分しか与えられなかった人たちは、すべての情報を与えられた人と同じ程度に、

    「判断に必要な情報は十分にある」
    「自分は慎重で適切な判断ができる」

    と考えていました。

    当然、統合に有利な情報を与えられた人は、統合賛成、統合に不利な情報を与えられた人は、統合反対の結論です。

    そして、「大多数の人も自分と同じ判断をするだろう」と予想していました。

    分析では、情報が少ないグループの方が、むしろ判断への自信が強いという結果も出ています。

    一方で、後から欠けていた反対側の情報を見せると、最終的な判断は全情報を見たグループに近づきました。つまり、思い込みは強いものの、不足情報を適切に補えば修正可能であることも示唆されています。

    これは、何を意味しているでしょうか。

    不完全な偏った情報をのみを与えられると、人は、その情報に依拠し、強い自信をもって判断を下す、ということです。

    マスコミの偏向報道により、偏った意見ばかりを言う人を思い浮かべないでしょうか。

    今回の実験から私たちが学ぶべきことは、何か重要な判断をするために、情報を収集し、結論が見えた後、次の3つの質問をすることです。

    (1)まだ分かっていない事実は何か。
    (2)反対の結論を支持する人は、どんな情報を持っている可能性があるか。
    (3)この結論と矛盾する事実はないか。
    (4)この結論だとすると、当然にあるべき事実が欠けていないか。

    ここでも、質問の力が私たちを正しく導いてくれるでしょう。

  • ペニシリンがYouTubeに。

    2026年09月14日

    1928年、ロンドンのフレミングは、ブドウ球菌を培養していたシャーレ(実験用の平皿)を実験台に置いたまま、夏の休暇に出かけました。

    9月に戻ってみると、そのうちの一枚に青カビのコロニーが一つ生えていました。

    普通なら雑菌が入った失敗作としてすぐ捨ててしまうところですが、彼は「カビの周囲だけ、ブドウ球菌のコロニーが溶けて透明になっている」という異変に気がつきます。

    「カビが何らかの抗菌物質を出している」そう考えたフレミングは、その物質を「ペニシリン」と名付けました。

    ペニシリンは実用化に至りませんでしたが、この発見が、のちに、世界初の抗生物質であるペニシリンとして、数千万から億単位ともいわれる人命を救うことになりました。

    ここで重要なポイントは、

    ・失敗の中で異変に気づく。

    ・その異変を他に応用できるかを考える。

    ということです。

    この思考は、ビジネスや人間関係、日常に生かすことができます。

    YouTubeは2005年に立ち上げられました。

    当初構想されていたのは動画による出会い系サービスです。自己紹介動画をアップロードしてパートナーを探す、というコンセプトでした。

    ところが、肝心の出会い目的の動画がほとんど集まりません。

    創業者たちは米国の掲示板サイトに「動画を投稿してくれた女性に100ドルを支払う」という広告まで出しましたが、それでも応募はなかったと伝えられています。

    完全な失敗です。

    しかし、創業者たちは、ある異変に気づきます。

    サイトには出会いとは無関係な動画であるペットや旅行の風景といった日常の記録が投稿されるようになっていました。

    人々が求めているのは「出会いの場」ではなく「動画を手軽に共有できる場所」だと判断した創業者たちは、出会い系という枠組みを捨て、誰でもどんな動画でも投稿・共有できるプラットフォームへと作り直します。

    その後、YouTubeはGoogleに買収され、現在、私は毎日、YouTubeを観ています。

    「失敗の中の異変は成功の種」

  • フェーディング・アフェクト・バイアス

    2026年09月07日

    「昔は良かった」
    「昔はもっとビジネスがやりやすかった」
    「昔は自由だった」
    「昭和の時代が最高だった」

    どうも、私たちは、昔のことを今よりも良い時代だったと思いがちです。

    これを「フェーディング・アフェクト・バイアス」と言います。

    過去を美化してしまうのです。

    フェーディング・アフェクト・バイアスとは、人間がネガティブな記憶に伴う感情を、ポジティブな記憶に伴う感情よりも早く忘却する心理的傾向を指します。

    但し、トラウマを生じるような自然に忘れることができないような出来事は、もちろん除きます。

    私も25歳で弁護士業界に飛び込んで、辛い日々を過ごしましたが、今となっては、「いやー、昔は辛かったなー」などと、いい思い出のように話します。

    過去の絶望や、肉体的な苦痛、対人関係での強い怒りといったネガティブな感情が、いつまでも経験した直後と同じ鮮度で心に留まり続けたとしたら、精神が耐えられないことから、このような心理的傾向が身についたのだと推測します。

    しかし、このフェーディング・アフェクト・バイアスにとらわれてしまうと、現在のネガティブな感情を比較して、「昔は良かったのに、今はなぜこんなにも辛いのか」「なぜ、私はこんな目に会わないといけないのか」などと、ネガティブな感情に支配される可能性があります。

    そうなると、自分がうまくいかない責任を他者や環境に押し付ける心理が生じてしまいます。

    それでは、自分が不幸となりますので、ここでも、幸せに生きられるよう、自分をコントロールすることが大切です。

    ・嫌だと感じたら、その中でも、少しでも良いところを探す。

    ・何かに失敗したら、多くの場合、それで時間が生まれるので、その時間で有意義なことを計画する。

    ・障害にぶつかったら、何とかそれを乗り越えられないか、本当に真剣に考える。

    とにかく、今の自分の不幸を呪わないことです。

    どうか、お願いします。

  • 怒りを飲み込んでしまう

    2026年08月31日

    あなたは、普段、怒ることがありますか?

    そして、怒りに任せて人を攻撃することがあるでしょうか。

    怒りによる言動・行動は、チームの心理的安全性を瞬時に崩壊させ、長年築き上げてきた人との信頼関係を一撃で破壊する危険性を孕んでいます。

    怒りに支配された状態での意思決定は、論理的な思考プロセスを欠如させ、致命的な選択をしてしまうことがあります。

    怒りのコントロール方法には、大別して「(1)そもそも怒りが発生しにくい人間になる」という予防的アプローチと、「(2)怒りが発生した時に対処する」という対症療法的アプローチの2つが存在します。

    (1)ができればいいのですが、簡単ではない。そこで、(2)になるわけです。

    以前に、認知的不協和解消理論を利用した怒りの制御法をご紹介しましたが、それでも難しいという声を聞きます。

    今回は、もっと実践しやすい方法です。

    名古屋大学大学院の川合伸幸教授等の研究です。

    今回は、実験の詳細は省いて方法だけお伝えします。

    怒りが湧いた時に、紙を用意し、そこに「怒りの状況や感情」を、客観的に紙に手書きの文章として書き出します。

    ここまでは、よく言われることですが、実験では、ただ書き出すだけでは怒りは沈静化しないことが示されました。

    ところが、その後、ある行動を取ると、怒りは沈静化した、という結果が出ました。

    それは、怒りを書き出した紙を、

    ・丸めてゴミ箱に捨てる。

    ・シュレッダーにかける。

    という行動です。

    この2つを行ったところ、怒りが沈静化した、ということです。

    怒りの感情を自分から物理的に分離して、廃棄してしまう、ということです。

    これならできそうです。

    そうであれば、さらに、

    ・ビリビリに破いて捨てる。

    ・散々踏んづけてから捨てる。

    なども良さそうです。

    間違っても、飲み込んで自分に戻さないように気をつけてください。