メルマガ | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜 - Part 3
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  • 質問は説得にも有効

    2024年06月24日

    こんにちは。

    弁護士の谷原誠です。

    質問力の有効性を裏付ける研究を見つけました。

    Gong.io社という人口知能の研究をしている会社の研究員が行った研究です。

    複数の企業の営業パーソンの商談を録音し、51万9000件のデータを書き起こして機械学習にかけた結果を調べました。

    すると、成績が良い営業パーソンと成績が悪い営業パーソンとの間には、商談中の質問の数が圧倒的に違っていたそうです。

    具体的には、成功率が46%という並の営業パーソンは、商談1回あたりの質問数が1~6問だったのに対し、成功率が74%という成功率が良い営業パーソンの質問数は、商談1回あたり11~14回だったそうです。

    これは、納得の結論ですね。

    営業は、他人に何かを購入してもらうのが仕事ですから、相手のことを知らなければなりません。

    1回の質問で、どうして相手のことを知ることができるでしょうか。

    医者が診察室に入ってきた患者に「どうしました?」と質問して「体調が悪いのです」と答えたのに対し、「すぐ手術をしましょう」というようなものです。

    相手に商品やサービスを購入してもらうには、以下のことを知る必要があります。

    ・今の相手の現状

    ・困っていること、不都合なこと、改善したいこと、もっとよくしたいこと

    ・どういう状態になることを望むのか

    ・そうなるために、現在、どのようなことを考えて、あるいは試しているのか

    ・相手が気づいていない潜在的な不満、欲求

    これらのことを知らなければ、相手に必要となる商品やサービスを選択できませんし、適切な解決策を提示できません。

    そして、これらを知るには、適切な質問をすることが最も効果的です。

    実際、私も過去に拙著などで書いてきたことですが、弁護士として交渉する場合には、質問を多用します。

    10万部売れた私の本が、文庫版として、お買い求めやすくなりました。
    「いい質問が人を動かす」
    https://www.amazon.co.jp/dp/4866517476

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  • 非注意性盲目

    2024年06月17日

    まずは、こんな実験を見てみましょう。

    ウェスタン・ワシントン大学が行った実験だそうです。

    ・背が低い木の枝に、1ドル札を3枚挟む(175センチほどの高さ)。

    ・木ノ下を通った学生が、お札の存在に気づくかかどうか。

    さあ、どのくらい気づくでしょうか。

    スマホとか見ていない限り、気づきそうなものですね。

    結果は、歩きスマホをしている学生の場合は、わずか6%でした。

    これは、そうかもしれませんね。歩きスマホをしている人は、スマホの世界にどっぷり浸かっています。

    他人とぶつかりそうになっているのを頻繁に見ます。

    では、全体で見ると、どうか、というと、気付いた人は19%だったそうです。

    視野に入る情報に気付けない情報は、「非注意性盲目」といいます。

    見ているのに、注意から排除している、ということです。

    このことから、何かを達成したい、目標をクリアしたい、などのことがある場合には、常にそのことを考え続ける必要がある、ということです。

    そうしないと、目に入ってくる情報、耳に入ってくる情報でも、必要な情報ではないとして、排除してしまう可能性があるためです。

    せっかく重要なヒントが目に入っても、それを見逃してしまう可能性がある、ということです。

    1945年、軍需産業の技術者が、軍事用レーダーの実験中に、ポケットに入れていたチョコレートが溶けたのを発見しました。そこで、マイクロ波で熱を生む装置を思いつき、電子レンジが生まれるきっかけを作ったそうです。

    日常のちょっとした異変や思いつきには、重要な情報が隠されていることがあります。

    その情報と自分を結び付けられるように、日々、軸を持って生きていきたいものです。

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  • なりきる力

    2024年06月10日

    ゴッホは、「確信を持つこと、いや確信を持っているかのように行動せよ」と言いました。

    この利点は、なんでしょうか。

    自信に満ちた印象を与えることができることです。

    でも、もっと大きな利点は、「実際に自信が出てくる」ことです。

    つまり、自信がない人でも自信のある人へと自分を変えることができる、ということです。

    心理学者のネイサン・ハドソンらは、複数の大学に通う400人以上の学生に対し、自分の性格の変えたいところを指摘させ、それを変えるためのアクションを実行させました。

    例えば、人見知りの人が社交的になるために「初対面の人に挨拶する」などのアクションを実行するよう指示を受けました。

    そして、4ヶ月後、ミッションを忠実にこなした学生ほど、性格テストの結果が変わり、実際に本人が望んだキャラクターになった、という結果が出たそうです。

    この変化の力は、このメルマガで何度も出ている心理法則の、心と身体は一致していなければ気持ちが悪いので、不一致を解消しようとする「認知的不協和解消理論」です。

    今回は、自分の行動(社交的な行動)と自分の心理(人見知り)が不一致となり、取り消すことのできない社交的な行動の方に心理を一致させた、ということです。

    ですから、「こんな人になりたいな」と思うような人がいるのであれば、その人のマネをすることです。

    態度、話し方、行動、考え方をマネてみましょう。

    マネてみる、というのは正確ではありません。

    自分とその人とを区別しているからです。

    それでは、認知的不協和解消理論は働きません。

    自分がその人になりきってみるのです。

    自分そのものです。

    そうすると、認知的不協和解消理論が働き、自分を変えることができる可能性が高まります。

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  • チャレンジと改善のパワー

    2024年06月03日

    こんにちは。

    弁護士の谷原誠です。

    私が成功しているわけではありませんが、このメルマガでは、目標を達成するために諦めないことの大切さを、過去の偉大な人物たちの例を引きながらお伝えしてきました。

    エジソンは、発明するために何千回も失敗した際に、「失敗したのではない。何千種類ものうまくいかない方法を発見したのだ」と言っていたそうです。

    ビル・ゲイツ氏は、「成功を祝うのもいいのですが、もっと大切なのは失敗から学ぶことです」と言ったそうです。

    これらの言葉から、「失敗から学ぶことにより、少しづつ成功に近づくものだ」という公式が導かれそうです。

    実際、何回か前のメルマガで、「成長型マインドセット」(知性も才能も努力によって伸びる、と信じているマインドセット)を持っていた方が、失敗から学び、成長する可能性が高い、ということについて説明しました。

    実は、失敗を恐れず、成功するまで何度でも挑戦することによって成功に近づくということは、計算によっても確認できるようです。

    例えば、成功率が1%の難題に取り組んだ場合において(実際には、不確定要素が多く、このように数値化できないのですが)、1回目のチャレンジの成功率は、1%です。

    しかし、2回目のチャレンジになると成功率は約2%になります。

    そして、459回目で99%になるそうです。

    そう。

    科学的証明により全く成功の可能性がない場合は別として、成功の可能性がある分野においては、1度や2度の失敗で諦めず、何度も何度もチャレンジすることが成功への近道となりそうです。

    「ハリー・ポッター」を読んだ人は、なんと面白い小説だと感じたことでしょう。

    実は、J・K・ローリングは、「ハリー・ポッターと賢者の石」は出版社から12回も出版を拒否されたそうです。

    信じられないですね。

    でも、ここがポイントです。

    J・K・ローリングは、不採用の通知を受け取るたびに、物語の構成を変え、登場人物の性格を変え、常に改善を繰り返したそうです。

    つまり、ただ単に何度もチャレンジするだけではダメで、失敗の都度、失敗から学び、常に改善を繰り返せるかどうかが成功の鍵を握っているということです。

    今、何かに挑戦している方、これから何かに挑戦しようとしている方、誰かを応援している方の参考になれば幸いです。

    「諦めないやつに、誰も勝ってこない」(アメリカの伝説の野球選手ベーブ・ルース)

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  • 読み切る力

    2024年05月27日

    こんにちは。

    弁護士の谷原誠です。

    法律書で定評のある基本書には、1000ページを超えるものがいくつもあります。

    面白い小説とはわけが違うので、これを通読するのは、とても骨が折れます。

    私のように中高年になるとなおさらです。

    他の弁護士に聞いてみると、1000ページの基本書を通読する人は、そう多くないようです。

    私も全ての基本書を通読するわけではありません。

    しかし、重要な法律の基本書はできれば読んでおきたいと思っています。

    では、どうやって読むのか。

    それは、私の場合、必ず毎日一定時間読むと決めることです。

    一気に読み進めるのは、集中力も続きませんし、頭にも入ってきません。

    ですから、毎日の日課にして、少しずつ読み進めるのです。

    しかし、この方法には大きな壁があります。

    「習慣化できない」という壁です。

    この壁を乗り越えるには、どうしたら良いか。

    それは、読破するまでの間は、毎日、何か他のことをしていた時間を諦めることです。

    毎日2時間SNSを観ていたならば、タイマーをセットして1時間に制限して1時間を確保し、それを勉強に当てるという方法です。

    結局、何かをやりたいと思ったならば、その分、何かができなくなるので、時間術に行き着くことになります。

    「諦める力」

    それが私の法律の勉強にも生かされています。

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  • 健康に効果的な運動頻度と強度

    2024年05月20日

    あなたは、運動をしているでしょうか。

    「やろうと思っているけど、なかなか・・・」という人が多数派ではないかと推測します。

    運動をした方が脳や健康のためにいいと多くの人が考えています。

    スタンフォード大学の21年間の研究によると、高齢のランナーは、走っていない同世代の人より健康で長生きするという結果があるそうです。

    ただ、運動するといっても、どの程度の運動をどの量で行うのが良いのでしょうか。

    「世界の最新メソッドを医学博士が一冊にまとめた 最強脳のつくり方大全 (ジェームズ・グッドウィン (著), 森嶋 マリ (翻訳) 、文藝春秋)の中に、ヨーロッパや米国の研究機関は適正な運動量を週に150分としている、との記述があります。

    150分は、2時間30分です。

    週2回運動すると、1回につき1時間15分です。

    でも、年齢にもよるでしょうし、強度はどの程度でしょうか。

    英国国民保健サービスによる運動に関する年齢別ガイドラインによると、私の属する19歳~64歳の場合、自転車や早歩きなど、中程度の有酸素運動を週に150分以上、加えて週に2~3日、筋力トレーニングを行う、ということです。

    週2~3回筋トレをして、その他に有酸素運動ということは、結構な運動量ですね。

    私の場合は、概ね週6日、1回約1時間の筋トレなので、週に360分の運動ということになります。

    十分といったところです。

    同書によると、65歳以上の場合では、週に1度、中程度の運動を150分以上行う、ということです。

    週に1度の限定で2時間30分、中程度の運動(自転車や早歩きなど)ということなので、高齢の人には結構過酷ですね。

    筋トレをすると、認知機能や記憶力が向上する、という研究結果もあるようです。

    今、運動をしていない人は、上記ガイドラインを参考にして、ぜひ、運動を始めていただければと思います。

    日々、ポジティブな感情で過ごせるようになると思います。

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  • 自分の立場を想像してもらう

    2024年05月14日

    アメリカにダニエル・ピンクという作家がいます。

    日本語に翻訳されているものとしては、

    『フリーエージェント社会の到来』(ダイヤモンド社)

    『ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代』(三笠書房)

    『モチベーション3.0』講談社)

    『人を動かす、新たな3原則』(講談社)

    『When 完璧なタイミングを科学する』(かんき出版)

    他、があり、私は全て読んでいます。

    彼が、テレビ番組で、身体障害者用の駐車スペースでの違法駐車をやめさせるために行った実験があります。

    身体障害者用の標識は、マークです。

    これを、車椅子に乗った人の写真に替えました。

    すると、違法駐車をする者は、全くいなくなってしまった、ということです。

    私達は、普段、ほとんど自分のことしか考えていません。

    身体障害者用の駐車スペースに車を駐車する人は、「まあ、いいだろう」と安易に考えて駐車します。

    しかし、車椅子に乗った人の写真があると、自分のことだけでなく、車椅子に乗った身体障害者のことを具体的に想像することになります。

    その人が自分のせいで駐車できないことを想像します。

    それによって、違法駐車を思いとどまるわけです。

    ユニセフは、ただ「募金をしてください」と言っても、あまり効果がないことを知っています。

    そこで、募金を募るWEBサイトやパンフレットには、貧しい子供の社員を掲載しているわけです。

    ですから、他人を説得しようとする時は、相手が自分のことだけを考える思考から離れ、こちらが困っている状況、危機などを具体的に想像できるように伝えることが有効となってきます。

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  • 外交的な人・内向的な人の戦略

    2024年04月29日

    こんにちは。

    弁護士の谷原誠です。

    人には、内向的な人間と外交的な人間がいます。もちろん、完全に明確に分けられないものではあると思いますが。

    この内向的な性格と外向的な性格に関する研究があります。

    「残酷すぎる成功法則 (エリック・バーカー (著), 橘玲 (著), 竹中てる実 (翻訳))に、次のような研究結果が報告されていました。

    スタンフォード大学がビジネススクールの卒業生を20年間調査したところ、成功者のほとんどが典型的な外向型人間だったそうです。

    また、高校のクラスでの人気度が下位20%から上位20%に移ると、40年後の収入が10%上昇すると推測できる、との研究もあるようです。

    この研究結果に接すると、成功者になり、収入を増やそうと頑張っている内向的な人はショックを受けるかもしれません。

    しかし、心配には及びません。

    偉大な内向的人間もいます。

    万有引力を発見したニュートンです。

    ニュートンは、人付き合いが悪く、何日も家に籠って研究に没頭していたそうです。

    また、トップ・アスリートのほとんどが自分のことを内向的な人間と思っているそうです。

    さらに、超一流のバイオリニストに、技量を磨くために最も大切なことは何か尋ねたところ、90%の演奏家が、「独りで練習することだ」と答えたそうです。

    つまり、内向的な人は、人付き合いを避け、独りで何事かに没頭することが得意であり、ある分野のエキスパートになることが向いているといえます。

    反対に、外交的な人は、他人と関わる時間を多くとるため、独りで何事かに没頭する時間を多くとれません。

    その代わり、他人と関わり、力を合わせて社会的に成功しやすい、といえるということです。

    このことから、私達は、自分の力を最大限に発揮したければ、自分が外交的か内向的かを見極め、その性格に応じた道を選択することが大切である、ということになります。

    弁護士は他人と関わり、話術が巧みで、外交的な人が成功しそうなイメージがあるかもしれません。

    しかし、独りで膨大な時間を法律の研究や判例研究に費やし、特定の分野で卓越した知識を身につければ、おそらく成功するでしょう。

    どんな仕事も、外交的な人の戦略、内向的な人の戦略があると思います。

    それを見つけましょう。

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  • リフレーミングで問題解決

    2024年04月22日

    こんにちは。

    弁護士の谷原誠です。

    ディズニー・ワールドは、夢の国として、世界中で大人気です。

    人気すぎて、アトラクションの待ち時間が長いことです。

    人気のアトラクションになると、何時間も待つ、ということもあるようです。

    そこで、ディズニーの経営陣は問いを立てます。

    「どうすれば入場者の待ち時間を短縮できるだろうか?」

    ・同時に入場できる人数を増やす。

    ・アトラクションの時間を短縮する。

    ・アトラクションの準備と終了後の時間を短縮する。

    など、色々なアイデアがあるでしょう。

    しかし、どれも限定的です。

    そこで、また、新しい問いを立てようとします。

    質問力によって、問いの立て方で思考の方向が決まってしまいます。

    どんな問を立てればよいでしょうか。

    ディズニーの経営陣は、次のような問いを立てます。

    「どうすれば入場者に待ち時間を楽しんでもらえるだろうか?」

    先程の問とは全く違う思考が広がっていくでしょう。

    待ち時間にアトラクションに関係する映像を見せたり、入場までの空間を楽しめるようにしたり、待ち時間の目安を示したり、などが考えられます。

    悪知恵が働く人は、質問力を犯罪のアイデアに使うこともあります。

    振り込め詐欺グループは、「どうすれば人を騙すことができるのか?」という問いを立てます。

    この問によって、トークスクリプトに磨きをかけたり、演技力を磨いたり、という方向に行動していきます。

    この問いを「どうすれば騙されやすい人を見つけられるか?」と変えると、どうなるでしょうか。

    今度は、老人のリストや過去に詐欺に遭ったことのある人のリストを探し出すでしょう。

    行動が全く変わってくるわけです。

    このように、何かを考える場合には、どのような問いを立てるかによって、全く違う結論に到達することになりますので、どのような問いを立てるかは、とても重要です。

    このように問題解決の場面で異なる見方で問題を捉え直すことを「リフレーミング」ともいいます。

    リフレーミングをするためには、質問力が鍵を握る、とういうことを憶えておきましょう。

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  • イエスを引き出すちょっとしたコツ

    2024年04月15日

    あなたが通勤のために駅を歩いている時、クリップボードを持った学生が近づいて来ました。

    そして、「アンケートに記入していただけませんか?」とお願いされました。

    あなたは応じますか?

    実は、アメリカでこの実験が行われました。

    アンケートへの記入に応じた人は、57%だったそうです。

    では、この応諾率を上げるには、どうしたらいいでしょうか。

    答えは、まず、「ちょっとお願いがあるのですが」などと言い、相手が「いいですよ。何ですか?」などと答えた後に、アンケートのお願いをする、という方法です。

    これにより応諾率は、84%になったということです。

    これは、心理学の一貫性の法則が働いているためです。

    依頼を受けた相手は、「いいですよ」などと協力的な立場を表明してしまった結果、その立場に縛られ、その後の依頼に応諾する確率が上がった、ということです。

    したがって、相手に何かをお願いする場合には、お願いする前に、相手から何らかの協力的態度を引き出すと、成功率が上がる、ということになります。

    そのためには、協力的な言動をするような「質問」をするのが有効ということになります。

    ところが、実験はこれで終わりませんでした。

    アンケートに応じてもらった後に、「あなたはこの行為の代償としてお金を請求できるとしたら、いくら請求しますか?」と質問したそうです。

    そうしたら、「いいですよ」と答え、一貫性の法則に縛られてアンケートに答えた人は、そうでない人よりも高額のお金の請求をしたということです。

    つまり、心理学の法則により罠にはめられ、コントロールされたことに対する仕返しをしようとするのだということです。

    このように、短期的に相手を動かすことができるテクニックは存在するのですが、それを多用することで、長期的な関係を悪化させる可能性がある、ということを憶えておかなければなりません。

    目指す境地は、テクニックで人を動かすのではなく、「好意と信頼」により人が喜んで動いてくれることです。

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