ニュース | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜 - Part 14
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
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  • 皇居侵入は寒い。

    2011年12月23日

    1月22日午前4時半すぎ、皇居の中の路上に、下着一枚で男が立っていました。

    男は、ただちに皇居内をパトロール中の皇宮護衛官に、「建造物侵入罪」の疑いで逮捕されました。

    今朝の4時半の東京は、極寒です。

    下着一枚は、寒すぎます。

    男は、「天皇陛下に会いたい。お堀を泳いできた」と言っているそうで、警察は、責任能力について調べる方針だそうです。

    それは、そうでしょう。正気の沙汰ではありません。

    ところで、今回、皇居に侵入したとして、「建造物侵入罪」で逮捕されました。

    実は、皇居への侵入については、昔、刑法131条に「皇居侵入罪」という罪がありました。普通の建造物と区別していたわけです。

    しかし、この規定は、昭和22年に削除されましたので、今回は、「建造物侵入罪」で逮捕されたわけです。

    「建造物侵入罪」は、刑法130条に規定されています。

    「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する」

    今回は、建物に侵入したわけではなく、皇居内の道路に立っていただけですが、「建造物」に侵入したと言えるでしょうか?

    この点は、最高裁の判例では、「建造物」には、家屋だけではなく、その囲繞地を含むとされています。

    そして、その囲繞地は、その土地が、建物に接してその周辺に存在し、かつ管理者が外部との境界に門、塀等の囲障を設置したことによって、建物の付属地として、建物利用のために供されるものであることが明示されていれば足ります。(最高裁昭和51年3月4日判決)

    皇居は、外部との境界にお堀が設置され、皇居の建物の付属地として、建物利用のために供されていますので、皇居内の道路は、「建造物」に入るわけですね。

    ちなみに、建造物などではないとしても、「立入禁止」と書かれた看板が立てられていることあります。

    この場合、そこに立ち入ると、軽犯罪法が成立する場合があります。

    条文は、このように書かれています。

    「入ることを禁じた場所又は他人の田畑に至当な理由がなくて入った者」軽犯罪法1条32号

    この場合、拘留又は科料に書せられます。

    気をつけてください。

  • 18歳ひき逃げで親は責任を負うか?

    2011年12月18日

    高校3年生の18歳の男子生徒がひき逃げです。

    1月15日の夜、神奈川県海老名市で男子大学生2人を乗用車でひいて、逃げてしまったようです。

    http://news.tbs.co.jp/20120116/newseye/tbs_newseye4928292.html

    本人は未成年者なので、少年法の適用があり、今後手続が進んでいくことになります。

    被害者のうち1人は重体だそうです。

    民事の損害賠償問題も発生します。

    様々な問題が発生するのですが、今回は、未成年者の行為について、両親が損害賠償責任を負うか、について解説します。

    民法では、未成年者が他人に損害を与えた場合、自分の行為の「責任を弁識するに足りる能力」がない場合には、賠償責任を負わないと定めています(712条)。

    そして、その場合には、親など未成年者を監督する法定の義務を負う者が賠償責任を負います(714条)。

    この「責任を弁識するに足りる能力」は、「是非善悪を識別する能力」であり、過去の判例からすると、11歳11ヶ月で「能力あり」と判断されたり、12歳2ヶ月で「能力なし」とされたりしているので、だいたい11歳~13歳くらいと言えるでしょう。

    今回は、18歳ということですで、まず本人が責任を負う、ということになります。

    ただし、子が毎晩乗用車を乗り回し、危険な運転で何度も事故を起こしていたり、苦情が来たりしているにもかかわらず、親として何ら管理・監督義務を果たさなかったとすれば、可能性は低いのですが、責任を負う場合がないとは言えないでしょう。

    なお、乗用車が親の所有車である場合には、上記とは、別に、自賠法により親が損害賠償責任を負うことになるでしょう。

  • 少年に刃物を持たせると、親が処罰される?

    2011年12月17日


    知っていますか?

    18歳未満の者に、刃物を所持させると、刑罰を受けることがあります。

    先月、埼玉県などで、女子中学生らを刃物で刺したとして17歳の少年が逮捕された事件がありました。

    少年は、「刃物を集めると同じころ猫を刃物で殺すようになった。次第にエスカレートして子供を傷つけようとした」などと供述しています。

    警察が調べてみると、少年の自宅からサバイバルナイフなどが16本あったそうです。

    そこで、警察は、少年の父親を、埼玉県青少年健全育成条例違反で書類送検したとのことです。

    http://news.tbs.co.jp/20120116/newseye/tbs_newseye4928285.html

    父親が書類送検?

    どういうことでしょうか?

    父親は、少年が女子中学生らを刃物を刺したことの責任を問われたわけではありません。

    説明します。

    埼玉県健全育成条例は、青少年の健全な成長を阻害するおそれのある行為を防止し、もつて青少年の健全な育成を図ることを目的としています。

    そのために、青少年の健全な育成にとって有害な物を、青少年に所持させることを禁止しています。

    その中には、有害図書などもあるのですが、青少年又はその他の者の生命又は身体に対して危険を伴い、又は害を及ぼし、青少年の健全な成長を阻害するおそれのある「有害ながん具」を、売買し、交換し、贈与し、若しくは貸し付け、又は所持させてはならない、という規定もあります(12条3項)。

    この「有害ながん具」とは、「がん具、刃物その他の器具類」(3条5号)をいうので、今回のナイフも入るのです。

    今回の父親は、少年がナイフ類を集めて所持するのを容認していた、として、埼玉県青少年健全育成条例違反に問われたものです。

    ちなみに、この場合の法定刑は、30万円以下の罰金です(29条1号)。

    今回は、「埼玉県」の条例であり、他の都道府県には適用はありませんが、多くの都道府県の条例で同様の規定があるかもしれません。

    18歳未満の少年のご両親は、気をつけてください。

    また、販売店なども注意が必要です。

  • スーパー銭湯に入ると詐欺罪?

    2011年12月09日


    スーパー銭湯で、男が逮捕されました。容疑は詐欺罪。

    この男は、別の男と2人で、昨年12月31日、兵庫県のスーパー銭湯に入店し、すき焼き鍋を食べたり、全身マッサージを受けたりしたが、その料金約2万6000円を払わずに立ち去ったそうです。

    男が今月8日に、再度来店した際、容姿を憶えていた従業員が警察に通報し、逮捕となったそうです。

    ところで、詐欺罪とは、他人を騙して、財物を交付させた場合、あるいは財産上不法の利益を得た場合に成立します。

    罰則は、10年以下の懲役です。

    今回は、すき焼き鍋を食べたり、全身マッサージを受けたりした行為が、「財産上不法の利益を得た」ことになります。

    では、この男は、スーパー銭湯の従業員を「騙した」と言えるでしょうか。

    この男が、当初より、お金を払う意思がない場合には、その意思を秘して、すき焼き鍋を注文したり、全身マッサージを注文する行為が「騙す」行為ということになります。

    そして、すき焼き鍋を食べたり、マッサージを受けた時点で、「既遂」となります。

    最後に料金を払わなかった時点で既遂になるのではないことに注意です。

    ところが、この男、警察の取り調べに対しては、「一緒に来ていたもう1人が払った」と供述しているということです。

    ということは、この供述が本当だとしたら、「元々は払う気があった」ので、騙していないことになり、かつ、「一緒に来ていたもう1人が払った」と誤信していたので、やはり騙していない、ということになります。

    警察は、現在、もう1人の男の行方を追っているうようです。

    この男の供述を突き合わせてみないと、真実は浮かび上がってこないでしょう。

    ポイントは、「注文時点で支払う意思があったのか、なかったのか」というところです。

    注文時点では支払う意思があったが、帰りに会計をしようとしたら、財布を忘れたことに気がついて、店の従業員に事情を説明したところ、「詐欺だ!」と言われた場合、詐欺罪でしょうか?

    この場合、自分は元々は財布を持ってきていると信じているので、店を騙す意思はありませんので、詐欺罪は成立しない、という結論になります。

    ただし、「払う意思があったか、なかったか」は、第三者から見ると、不明確です。

    そんなところで疑われて逮捕されたら大変です。

    したがって、身分証明書を示し、逃げも隠れもしない態度を取り、速やかに支払う確約書を提出するなどして、「払う意思」があったことを示すことが大切です。

  • シャワーを流すと、業務妨害罪か?

    2011年11月30日


    シャワーでホテルの部屋を水浸しにして、「威力業務妨害罪」で逮捕された男がいました。

    男は、12月29日、広島市内のホテルに宿泊しましたが、その間、浴室のシャワーホースを客室に引きこみ、水を出しっぱなしにして漏水させ、ホテルの7階から2階までの計14部屋を使用できなくした、とのことです。

    容疑者は、「シャワーは使っていない」と容疑を否認しているそうです。

    http://tinyurl.com/77drapv

    今回は、シャワーで部屋を漏水させたわけですが、なぜ「威力業務妨害罪」で逮捕されたのでしょうか?

    威力業務妨害罪は、刑法234条に規定されています。
    威力を用いて人の業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

    まず、ホテルの部屋計14部屋を使用できなくなる、ということは、ホテル業務の妨害にあたることは問題ないでしょう。

    あとは、シャワーを出しっぱなしにしたことが「威力」と言えるかどうかです。

    「威力」というのは、「人の意思を制圧するような勢力」を言います(最高裁判例)。

    この定義からすると、暴力的な行為をイメージしますが、今回のように、こっそり水浸しにする行為も、ホテル側の意思を制圧する、と解釈されています。

    他にも、過去の判例で出たものとして、次のような行為があります。

    ・レストランの食堂に蛇を撒く行為

    ・数人で食堂内で怒鳴り散らし騒然とさせる行為

    ・首相が答弁している演壇に向かって傍聴席からスニーカーを投げつける行為

    ・弁護士の記録などの入ったカバンを2ヶ月間隠す行為(最高裁昭和59年3月23日判決)

    ・演劇開始直前に土足で舞台に上がり、演劇を中止させると怒号した行為

    ・教室で授業中の大学講師に対し、制止を無視して高声で質問を続けた行為

    ・国税調査官が公用車に乗って税務調査に出発しようとしていたのに対し、車両直前に座り込んだ行為

    以上は、「威力業務妨害罪」ですが、たまにニュースで、「偽計業務妨害罪」で逮捕されるケースがありますので、気をつけてください。

    特に「無言電話」と「インターネット掲示板への書き込み」です。

    ともに嫌がらせの目的でしょうが、犯罪が成立するケースがあります。

    くれぐれもご注意ください。

  • 大王製紙の前会長の自宅が仮差押

    2011年11月27日

    大王製紙の前会長の自宅が仮差押をされたそうです。

    仮差押を申し立てたのは、投資会社の社長。2億円を貸し付けたそうなのですが、その理由は、前会長より、「『手元に金はあるが、使うと家族に知られてしまう』と頼まれたとのこと。

    http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4887181.html

    仮差押は、強制執行すべき財産を保全するための処分です。

    投資会社の社長は、2億円を返済してもらうために前会長に催促したが、返してくれないので、強制的に回収を図ろうとした。

    →しかし、法律では、裁判を起こして判決を得てからでないと、自宅を競売にかけることができない。

    →しかし、判決までには時間がかかり、その間に自宅を処分されてしまうと、強制執行すべき財産が見つからず、回収不能になってしまうおそれがある。

    →ということで、判決までの間、「仮に」差し押さえをして、第三者に処分されないようにしよう。

    という手続きが「仮差押」です。

    今後、投資会社の社長は、前会長に対し、2億円を支払うことを求める訴訟を起こすでしょう。

    大王製紙以外の第三者からも借り入れているとなると、根は深いですね。

    まだまだ他の第三者からも借り入れている可能性があります。

    ということは、さらに仮差押が申し立てられるか、前会長の資産状況はわかりませんが、場合によっては、債権者から破産申立がなされる可能性もあるところです。

    捜査機関による全容解明を待ちたいところです。

  • 現行犯逮捕か、緊急逮捕か?

    2011年11月25日


    男子中学生が、ひったくり犯を追跡し、犯人逮捕にこぎつけた事件がありました。

    東京都国立市で23日、女性が路上でバッグを奪われる事件があり、「ひったくりです。捕まえて」という声を聞いた男子中学生が、自転車で犯人を追跡し、犯人が自宅に戻ったところを確認し、近くの交番に伝えて、緊急逮捕となったようです。

    ニュース
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111224-00000431-yom-soci

    今回、「緊急逮捕」ということですが、この「緊急逮捕」というのは、どういう逮捕でしょうか?

    憲法33条は、次のように定めています。
    何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となっている犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

    つまり、逮捕状による逮捕が原則なわけです。

    そこで、警察は、犯人を逮捕しようとするときは、事前に裁判官に逮捕状を請求し、逮捕状を得てから逮捕します。

    しかし、わざわざ逮捕状を請求していては、間に合わない場合もあります。

    そのような緊急事態に認められるのが、「緊急逮捕」です。

    次のような場合に、「緊急逮捕」が認められます。

    ①死刑又は無期もしくは長期3年以上の懲役もしくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる十分な理由があること。

    ②急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないこと。

    ③その理由を告げてから逮捕すること。

    今回の場合、ひったくりは、窃盗ですから、長期10年以下の懲役です。そして、逮捕状を待っていては、証拠が散逸したりしますので、急速を要します。そこで、警察官は、逮捕に踏み切ったわけです。

    そして、更に急を要する時は、「現行犯逮捕」という制度があります。

    これは、現実に犯行を行い、または行い終わった時に、その現場で逮捕するものです。

    今回、警察官が、ひったくりの現場に居合わせたら、現行犯逮捕をしたはずです。

    しかし、実は、この男子中学生も、場合によっては、現行犯逮捕することができました。

    刑事訴訟法213条は、「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる」と規定しているためです。

    ですから、男子中学生は、現行犯逮捕するか、警察に知らせるか、を選択することができたのです。

    今回、男子中学生は、現行犯逮捕せず、警察に知らせたわけですが、賢明な行動だったでしょう。

    自分で逮捕することもできますが、やはり自分の生命、身体に対する危険がありますので、できれば警察に逮捕してもらった方がよいでしょう。

    正義感にかられて、自分で逮捕しようとし、相手を殴ってしまった場合、逆に傷害罪で訴えられることもありますので、気をつけましょう(ある程度の実力行使は許されます)。

  • 盗品をもらうのは、犯罪か?

    2011年11月19日


    ソフトレンタル大手の「ゲオ」が家宅捜索を受けました。

    容疑は、「盗品の有償譲り受け」。

    ニュースによると、少年が万引した盗品を、盗品した知りながら買い取った疑いがあるといいます。

    なぜ、盗品と知っていた疑いがあるかというと、未使用であることを示す透明フイルムを、店員の前ではがしていたから。それも、3店舗で、ゲームソフト17~18点も。

    つまり、盗品じゃなかったとすれば、少年達が購入して未使用のゲームソフトを、何品も購入価格より安い価格で売りに来る、という不自然な行動になります。

    そこで、「ゲオ」の社員は、盗品と知りながら買い取ったのではないか、と疑われているわけです。

    ニュース
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111219-00000583-san-soci

    仮に、「盗品の有償譲り受け」となった場合には、法定刑が、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金。

    結構重いです。

    盗んだ物、だまし取った物、脅し取った物、を、その事情を知りながら、無償でもらったり、有償で買ったり、保管したり、運搬したりする行為は、全て犯罪ですので、気をつけましょう。

    捜査の行方が気になります。

  • かみつき犯が強盗傷害?

    2011年11月14日


    34歳の女性が、スーパーに対する強盗傷害容疑で逮捕されました。

    強盗傷害罪といえば、ご存じのとおり、大変重い罪で、無期懲役か、6年以上20年以下の懲役です。

    では、この女性は、刃物でも持ってスーパーに押し入ったのか!?

    違います。

    この女性は、スーパーで、食料品など5点(1600円相当)を買い物かごに入れ、レジを通らずに外出したところ、同点従業員の男性が捕らえようとしたのに対し、男性の左腕にかみつき、怪我をさせた、ということです。

    簡単に言うと、万引をし、見つかったので、腕にかみついて抵抗した、ということになります。

    ニュース

    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111113-00000004-mailo-l22

    初めから強盗の目的がなく、窃盗の目的で物を盗み、その後に逮捕を免れる目的で暴行すると、事後強盗罪です。

    怪我をさせれば強盗傷害罪で、無期懲役か、6年以上20年以下の懲役になってしまうのです。

    窃盗もいけませんが、見つかった場合は、おとなしくしていないと、このような大変なことになってしまいます。

    法律を知らないと、大変なことになりますね。

  • タクシー賭博

    2011年11月13日


    東京都世田谷区のタクシー会社の副社長が、会社近くのマンションで、会社のタクシー運転手ばかりを集めて賭けマージャンをさせ、およそ1700万円を得たとして警視庁に逮捕されました。

    容疑は、賭博場開帳図利罪(刑法186条2項)です。

    賭博場の開帳というのは、自分が主催者となり、その支配下に賭博の場所を開設する行為で、「図利」というのは、利益を図る目的が必要ということです。

    つまり、参加者から場所代などを取って、賭博の場所を貸すような行為のことを言います。

    法定刑は、3月以上5年以下の懲役です。

    ちなみに、参加者は、賭博罪で、50万円以下の罰金です。これが常習になると、3年以下の懲役となります。

    賭け麻雀や賭けゴルフは、賭博罪ですが、「一時の娯楽に供する物」にとどまるときは、賭博罪は成立しません。

    「一時の娯楽に供する物」とは、一般には、その場で直ちに費消する茶菓や食事等です。

    お金を賭けるのは、いくら少額でも賭博になるというのは判例の主流ですが、学説では、一時の娯楽の用に消費される程度の少額の金銭であれば、賭博にならない、と言っています。

    ただ、判例の傾向を考えると、いくら少額でも、賭けるのはやめておいた方が無難でしょう。

    小学生などの子どものころ、何かあると、「本当だな?じゃあ、お前、命賭けるか?」と本当かどうか確認する手段として命を賭けるようなことを言っていましたが、これは賭博ではありません。

    なぜなら、賭博は、「財物」、つまり経済的価値のある物を賭けることが必要ですが、命は、お金でははかることができないからです。