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あおり運転は事故を起こさなくても暴行罪が適用!
2018年04月13日近年、問題となっている「あおり運転」ですが、じつは事故を起こさなくても犯罪になる、という件について解説します。
「あおり運転で“暴行容疑”書類送検…事故伴わず」(2018年4月12日 読売新聞)」
北海道警旭川東署は、あおり運転で前を走る車の走行を妨害したとして、北海道上川地方に住む会社員の男(49)を暴行の疑いで旭川地検に書類送検しました。
事故を伴わない、あおり運転に暴行罪を適用したのは北海道内で初めてだということです。
事件が起きたのは、2017年10月22日午前2時35分頃。
旭川市の国道237号で、乗用車を運転していた男が、200メートルにわたって前を走る乗用車に後方から急接近させるなどのあおり運転をしたうえ、対向車線にはみ出して追い抜いた後に無理やり前に割り込んで急ブレーキをかける妨害を繰り返し、車を運転していた40歳代男性に暴行を加えたというものです。翌日、被害にあった男性がドライブレコーダーの映像を同署に届け出たことで事件が発覚。
男は取り調べに対し、「車が割り込んできたので腹が立って妨害してやろうと思った」と容疑を認めているということです。【あおり運転とは?】
あおり運転とは、次のような行為によって相手に対して威嚇、嫌がらせ、仕返しなどをする行為をいいます。・前方を走る車に対して、ハイビームやパッシング、クラクション、幅寄せ、罵声を浴びせるなどして進路を譲るように強要する
・車間距離を狭めて異常に接近する
・前方の車を執拗に追い掛け回す
・相手の前方に無理な割り込みをして、急ブレーキをかけるこうした行為は道路交通法違反となります。
「道路交通法」
第26条(車間距離の保持)
車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。これに違反した場合、一般道では5年以下の罰金が科されます。(第120条12号)
高速道路では、3月以下の懲役または5万円以下の罰金が科されます。(第119条1項1号の4)警察庁が2017年10月に公表したデータによると、2016年に全国の警察が道路交通法の車間距離保持義務違反で摘発した件数は7625件で、このうち約9割にあたる6690件は高速道路上での違反でした。
ちなみに、2015年は全体で8173件(うち高速道路上では7571件)、2014年は9581件(同9033件)が摘発されています。【あおり運転は取り締まりが強化されている】
あおり運転は以前から問題にはなっていたのですが、社会問題化したのは2017(平成29)年6月に神奈川県大井町の東名高速道で起きた交通事故がきっかけでした。あおり運転を繰り返した男が、静岡市の家族が乗るワゴン車の進路をふさいで高速道路上で停止させ、そこに後方からトラックが追突、夫婦が死亡したというものでした。
こうした事態を受け、警視庁は今年(2018年)1月、各都道府県警に対する文書で、あおり運転の取り締まりの強化し、危険運転致死傷や暴行罪などの容疑の適用も視野に積極的な捜査をするよう指示をしています。
詳しい解説はこちら⇒「あおり運転に暴行罪が適用」
では、今回の事件で適用された暴行罪とはどういった犯罪なのでしょうか?
条文を見てみましょう。「刑法」
第208条(暴行)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。法律上、暴行に該当する行為としては、人の身体に直接的に接触する必要はなく、人の身体に向けられたものであれば足りるとされています。
ただし、少なくとも相手の五官(目・鼻・耳・舌・皮膚)に直接、間接に作用して不快ないし苦痛を与える性質のものであることが必要であるとされています。なお、相手がケガを負った場合は「傷害罪」(刑法第204条)が適用されます。
事故を起こしたわけでも、相手がケガをしたわけでもなく、相手をあおったくらいで書類送検とは大げさだと考える人もいるかもしれませんが、あおり運転は重大な事故を引き起こす可能性のある危険で悪質な行為だということです。
もうすぐ、ゴールデンウィークが始まります。
自動車を利用する人も増えると思いますが、ハンドルを握ったなら、十分に注意、自制をしてほしいと思います。 -
自転車のひき逃げ事故で逮捕!
2017年10月04日自転車の運転を安易に考えてはいけません!
という事件が起きたので解説します。「自転車でひき逃げ容疑 20歳の女を逮捕 静岡」(2017年10月2日 静岡新聞)
静岡中央署は、静岡市葵区の県道沿いの歩道で発生した自転車によるひき逃げ事件について、静岡市葵区のエステ従業員の女(20)を重過失傷害と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕しました。
事件が起きたのは、9月28日午前10時半頃。
容疑者の女が歩道を自転車で運転中、横断歩道付近で同区の無職女性(76)の自転車を追い越そうとして接触。
女性を転倒させ、骨盤骨折の重傷を負わせたにもかかわらず、女はそのまま走り去っていましたが、目撃情報などから容疑者として浮上していたということです。同署によると、容疑者の女は当時、出勤途中で、「スピードを出していた」、「接触したことには気づいていた」などと供述しているということです。
外形的には、自転車同士が接触し、一方の自転車に乗っていた人が倒れ、他方の自転車が走り去った、という状況です。
「自転車でも、ひき逃げが成立するのか?」、「自転車で相手にぶつかっただけでも逮捕!?」と思う人もいると思いますが、「じつは、そうなんです!」ということを法的に説明していきます。
【道路交通法における自転車の規定とは?】
道路交通法では、自転車は車両の一種である「軽車両」に規定されています。
ですから当然、自転車の事故も道路交通法違反、ということになります。ただし、自動車と自転車では、ひき逃げに対する刑罰に違いがあります。
・自動車の場合/10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます。(第117条2項)
・自転車の場合/1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処されます。(第117条の5)
【道路交通法における“ひき逃げ”とは?】
では、ひき逃げとは、どのような犯罪なのでしょうか?
条文を見てみましょう。「道路交通法」
第72条(交通事故の場合の措置)
1.交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者は……(以下省略)交通事故を起こした場合、運転者と同乗者は、以下の措置等を取らなければいけません。
①ただちに運転を停止する。
②負傷者を救護する。(安全な場所への移動、迅速な治療など)
③道路での危険を防止するなど必要な措置を取る。(二次事故発生の予防)
④警察官に、事故発生の日時、場所、死傷者の数、負傷の程度等を報告する。
⑤警察官が現場に到着するまで現場に留まる。これらを怠った場合、ひき逃げという犯罪になるということです。
【重過失傷害罪とは?】
重過失傷害罪とは、過失により人を傷害した罪のうち、重大な過失=重過失によって人にケガをさせた罪のことです。「刑法」
第211条(業務上過失致死傷等)
1.業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。ある行為をする際に法律上要求される「注意義務」を著しく欠いている場合、重過失と判断されるわけです。
近年、自転車による重傷事故が多発しているようです。
今回のケースのように相手にケガを負わせてしまうと、加害者は被害者に対して、民事では治療費や慰謝料などの損害賠償金を支払うことになります。
死亡事故や、高次機能障害、脊髄損傷などの重傷事故の場合は億単位の金額になることもあります。そして刑事事件としては、場合によっては逮捕され、死亡事故など重傷度、事故の悪質性や交通犯罪前科などによっては実刑となる可能性もあります。
自転車事故で逮捕、ということに驚いた方もいるかもしれませんが、上記のように、れっきとした犯罪なので、事故を起こした場合は、被害者を救護するようにしましょう。
その前に、周囲の状況に注意して、事故を起こさないように慎重に運転するように心がけたいものです。
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法律の空白地帯を行く公道カートに規制強化の議論
2017年06月06日最近、東京や横浜、大阪などの繁華街でカートに乗った外国人観光客の団体を見かけます。
ゲームの「マリオカート」やアニメキャラのコスプレに身を包んだ彼らは、ガイドに先導され観光スポットを巡っているのですが、じつに楽しそうに隊列を組んで公道を走っています。
しかし、すでに事故も起きているようであり、彼らの迷惑運転と合わせて、その危険性が問題視され始めています。
そこで、安全対策の強化だけでなく、法改正の検討が進んでいるようです。
「“法律の隙間”で事故・迷惑運転多発の公道カート 国交省が道路運送車両法の基準改正検討」(2017年6月5日 産経新聞)
国土交通省は、訪日外国人観光客らに人気がある公道でのカート走行の安全対策強化のため、道路運送車両法の保安基準を改正する方向で検討を始めることがわかりました。
カートは時速60キロで公道を走行できますが、シートベルトやヘルメットの装着義務はなく、都内では危険な運転や事故が問題化しています。
そこで国土交通省は、有識者や関係機関で車両安全対策検討会を立ち上げて、シートベルトの設置や視認性を高めるため車体に取り付けるポールなどを検討材料にする予定で、道路運送車両法の保安基準について省令を改正して義務化するか議論を開始するとしています。
「公道カート問題 外国人観光客の事故多発 都内では13件中10件」(2017年6月5日 産経新聞)今年3月以降、5月下旬にかけて、都内ではカートの事故が13件発生。
すべて物損事故でしたが、そのうちの10件はアメリカや中国などの外国人の運転だったということです。都心の公道でのカート走行をめぐっては、集団で走行し、信号待ちの間にカートから降りて写真撮影をしたり、周囲より遅い速度で走行したりといった行為が頻繁に見られています。
日本国内の交通事情に不慣れな外国人観光客が目立つため、大事故につながりかねない運転マナーの悪さを懸念する声がやまない、としています。
公道カートについては、今年3月、韓国人女性が東京都港区で交差点を曲がりきれず交番に衝突する事故が発生しています。また、5月22日には警視庁が東京都内のレンタル関連業者5社に対して、利用者のヘルメット着用推進など安全対策の強化を要請。
同時に、外国人観光客への交通ルールの説明徹底(走行中のスマートフォン操作、信号無視、蛇行運転をしないなど)、ヘルメットやプロテクターの着用を呼び掛け、走行経路での駐車場確保や、周囲への騒音対策も求めていましたが、1ヵ月も経たないうちに省令の改正を検討し始めるというのは、非常に速い動きだと感じます。
【公道カートとは?】
ではまず、この公道カートについて特徴をまとめておきます。・全長約2メートル、幅約1メートルの車体
・乗車定員は1人、積載量は30kg以下
・エンジンの排気量は50cc以下
・公道を時速60キロで走行できる
・ライトや方向指示器、ナンバーなどがついている
・シートベルトやヘルメットの装着義務はない
・普通自動車免許(オートマ限定)で運転できる
・原付免許では運転できない
・高速道路は走行することができない
・路上駐車は駐車違反に問われる
・座席が路面と近いことからスピード感を味わえるところで、ここで疑問がわいてきます。
時速60キロで走行できるのに、シートベルトやヘルメットの装着義務がないというのは、どういうことなのでしょうか?じつは、公道カートに関わる法律には「道路交通法」と「道路運送車両法」の2つがあり、両方の境界線のちょうど隙間にカートが存在するため、さまざまな矛盾が指摘されているのです。
【道路交通法】
道路交通法は警視庁が管轄する法律です。
簡単にいうと、自動車や自転車などの車両の「乗り方のルール」を定めたもので、その目的は道路における危険防止や交通安全などです。この道路交通法の施行における細かな事務手続きについて規定したものに「道路交通法施行規則」がありますが、ここでは公道カートは「ミニカー」に分類されます。
【制限速度について】
「道路交通法施行規則」
(別表第二)第19条関係
ミニカー/総排気量については〇・〇五〇リットル以下、定格出力については〇・六〇キロワット以下の原動機を有する普通自動車
4つの車輪があるため普通自動車と同じ扱いになります。
原付バイクと同じ排気量ですが、法律上は普通自動車であるため、30キロの速度制限やヘルメットの着用義務はなく、2段階右折をする必要もありません。もちろん、自動車ということですから、道路交通法を遵守する義務があり、運転中のスマホ凝視などは違反となります。
【シートベルト設置について】
【道路運送車両法】
一方、道路運送車両法は、国土交通省が管轄する法律です。
簡単にいうと、車両の「安全装置の基準」を定めたもので、その目的は車両の安全性の確保などです。シートベルト設置義務もこの法律で定めています。
公道カートは排気量50cc以下のため、この法律上は「原動機付き自転車」に区分されます。
そのため、シートベルト設置の義務はありません。つまり、法律にはそれぞれに違った目的があり、定義が異なるため、公道カートが自動車でもあり、原動機付き自転車でもありという矛盾が起きてしまっているということです。
そこで、この部分を法律の改正ですっきりさせましょう、という議論がこれから始めるというわけです。公道カートは車高が低く、周囲の車から見えにくいために事故に巻き込まれる危険があります。
また、運転者が法律や交通規則、マナーを守らないことで、一般車や歩行者と接触したり、最悪の場合は重大な死傷事故を起こしてしまう可能性もあるでしょう。一方で、2020年の東京オリンピック開催に向け、公道カートが新たな観光資源として外国人観光客の増加につながるのではないかという目論見もあるのだと思いますが、重大事故が起きてからでは遅いのですから、今後の安全対策については国の速やかな対応を望みたいと思います。
みんなが一生懸命考えても、法律には隙間ができてしまうのですね。
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通学路暴走動画投稿事件で逮捕!容疑は何罪?
2017年05月30日通学路で自動車を暴走させ、その様子をツイッターに動画投稿していた男らが問題になっていましたが、逮捕されたようなので解説します。
「“子供ら邪魔”通学路暴走の動画投稿 少年ら2人逮捕 殺人未遂容疑で大阪府警」(2017年5月27日 産経新聞)
大阪府警門真署は、大阪府門真市の通学路を猛スピードで車を走らせる動画が投稿されていた問題で、車を運転していた同市の建設作業員の少年(19)と助手席に乗って動画を撮影したとみられる同市の会社員の男(20)を殺人未遂容疑で逮捕しました。
事件の経緯は次の通りです。
・2017年5月19日午後4時頃、容疑者の男らは門真市の市道で、乗用車を暴走させ、その様子を撮影した動画をツイッターに投稿。
市道は住宅街の中を通る通学路になっており、下校中の小中学生数十人が歩いていた。・投稿された動画には、容疑者が「どけ、こら!」と言いながらクラクションを鳴らし猛スピードで車を走行させ、小中学生たちが慌てて車をよける様子が写っていた。
また、少年はツイッターに、「ほんまこいつらひいたろか」と投稿していた。・ネット上では動画を見た視聴者から、「危険すぎる」、「逮捕しろ」などの批判が殺到。
警察が動画から人物の割り出しを開始。・5月26日午後、2人がそれぞれ門真署に出頭。
・5月27日、殺人未遂の容疑で2人を逮捕。
・少年は「小中学生が広がって歩いていて邪魔なので思い知らせるために猛スピードで車を走らせたが、殺してやろうとは思っていない」と殺意を否認。
この事件の逮捕容疑は、殺人未遂です。
自動車で故意に暴走運転をして、通行中の小中学生をひき殺そうとしたが未遂に終わった容疑、ということになると思います。「刑法」
第203条(未遂罪)
第199条(殺人)及び前条(第202条 自殺関与及び同意殺人)の罪の未遂は、罰する。今回、動画を観る限り、本当にひき殺そうという故意があるようには感じられません。
しかし、「未必の故意」が疑われた可能性があります。
「未必の故意」とは、ある行為が犯罪の被害を生むかもしれないと予測しながら、それでもかまわないと考え、あえてその行為を行う心理状態をいいます。
刑法では、「故意」か、それとも「過失」かというのがとても重要なポイントになります。
結果の発生を認識していながら、これを容認して行為をすることが「故意」です。
刑法上、故意とは「罪を犯す意思」のことをいいます。それに対して、結果が予測できたにもかかわらず、その予測できた結果を回避する注意や義務を怠ったことが「過失」です。
そして、故意と過失の境界線にあるのが、未必の故意ということになります。
今回は、殺人未遂で逮捕されたわけですが、容疑者が「子供たちが死んでもかまわない」と思って自動車を暴走させたのか、つまり殺人の故意があったのかについては疑問が残るところです。
しかし、「暴行罪」の未必の故意が認定される可能性はあると思います。
第208条(暴行)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
つまり、今回の事件では、「ケガをするかもしれないが、それでもかまわない」とは思っていたと認定される可能性はあると思います。なお、今回の事件では道路交通法違反にも問われる可能性もあります。
「道路交通法」
第70条(安全運転の義務)
車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
これに違反した場合は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処されます。(第119条1項9号)第54条(警音器の使用等)
2.車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
これに違反した場合は、2万円以下の罰金又は科料に処されます。(第121条1項6号)今回は、たまたま死傷事故には至らなかっただけかもしれません。
容疑者が、「子供たちが死んでもかまわない」とは思っていなかったとしても、非常に無謀で危険な運転であることは確かです。
目立つ行為をしてツイッターに投稿した結果、大騒ぎになってしまうケースが散見されます。
目立ちたいという気持ちからの行動だと思いますが、多数の人が驚く行動は、得てして犯罪になりやすいものです。
たとえば、コンビニに爆竹を投げ入れたり、牛丼屋の牛丼に異物を混入させた旨のツイッターの投稿、殺人予告、などです。
ちょっとしたいたずらのつもりが犯罪者になってしまうことがあります。
十分気をつけていただきたいところです。
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道路上での犯罪行為解説
2016年11月18日今回は、道路に大量の「ねじ」がばらまかれていたという事件について解説します。
じつはこの行為、犯罪になる可能性があります。
「路上にねじ数百本、ばらまかれる…長さ5センチ」(2016年11月17日 読売新聞)
三重県津市の県道で、長さ約5センチの金属製のねじ数百本が散乱しているのが見つかったようです。
11月15日午前5時半頃と16日午前6時頃の2回、津市の路上約4キロにかけてばらまかれていたようで、1台の車のタイヤに刺さったものの、ケガ人はいなかったということです。
津市によると、12日夜と16日朝も近くの市道でねじが見つかっていることから、何者かがばらまいたとみて防犯カメラの解析などを含め、道路交通法違反(禁止行為)の疑いで調査をしているということです。
普段、何気なく使いっている道路ですが、路上で何をやってもいいというわけではありません。
法律では道路での禁止行為が定められています。「道路交通法違反」
第76条(禁止行為)
1.何人も、信号機若しくは道路標識等又はこれらに類似する工作物若しくは物件をみだりに設置してはならない。2.何人も、信号機又は道路標識等の効用を妨げるような工作物又は物件を設置してはならない。
3.何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。4.何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
一 道路において、酒に酔つて交通の妨害となるような程度にふらつくこと。
※ よく漫画であるように、オヤジさんが寿司のお土産を持って、道路をあっちにフラフラ、こっちにフラフラして歩いていると、道路交通法違反になる可能性がある、ということです。
二 道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること。
※ たまに、酔って路上で寝ていて、車にひかれてしまう人がいますが、実は被害者の方も、道路交通法違反になる可能性がある、ということです。
※ 道路で車の前に立ちはだかり、「行くなら俺をひいてから行け!」と格好いいことを言っていると、逮捕される可能性がある、ということです。三 交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。
四 石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射すること。
五 前号に掲げるもののほか、道路において進行中の車両等から物件を投げること。
※ タバコのポイ捨て、空き缶のポイ捨てはいけません。
六 道路において進行中の自動車、トロリーバス又は路面電車に飛び乗り、若しくはこれらから飛び降り、又はこれらに外からつかまること。
※ 路面電車に飛び乗るのは、格好いいと思ってやってしまうと、道路交通法違反です。さすがに走っている自動車に飛び乗るのは難しいでしょう。
七 前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が、道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為
今回のケースのように、ねじを道路上にばらまくような行為を含め、4項の各号に違反した場合、5万円以下の罰金に処されます。(第120条第1項第9号)間もなく宴会シーズンがはじまります。
年末になると、道路のそこかしこで寝ている人を見かけますが、寝る場所を間違えると、道路交通法違反で警察行き、となるか、車にひかれてあの世行き、となりかねません。
くれぐれもご注意ください。
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違反点数3点以下の「軽微な交通違反」一覧②
2016年04月12日交通違反を犯しても、青キップが切られて反則金を納付すれば刑事処分されない「点数制度」というものがあります。
これは、軽微な交通違反(違反点数3点以下)の場合に適用されるもので、前回は違反点数が3点と2点の違反について解説しました。
そこで今回は、違反点数が1点の交通違反にはどういうものがあるのかについて解説します。
ただし、2016年4月12日時点です。改訂されますので、ご注意ください。
違反点数が1点の軽微な違反だからといって軽く考えてはいけません。
交通違反を繰り返し、累積点数が基準に達すれば免許の停止、取り消し処分となってしまいますし、死傷事故などの重大な交通事故につながる危険性もあるからです。
【違反点数1点】
・速度超過(15km/h以上20km/h未満)・整備不良(尾灯等)
※ブレーキランプ、ライト、ウィンカーなど。(「道路交通法」第62条)・通行許可条件違反
・路線バス等優先通行帯違反
・軌道敷内違反
※軌道敷内とは、路面電車の線路内のこと。右左折や危険防止のために横切る場合を除いて軌道敷内を通行してはいけない。(「道路交通法」第21条)・道路外出右左折方法違反
※車両は道路外に出る場合、左折の時はあらかじめその前からできる限り道路の左端に寄り、徐行しなければいけない。右折の場合は右端。(「道路交通法」第25条)・道路外出右左折合図車妨害
・指定横断等禁止違反
・車間距離不保持(一般道)
※直前の車両等が急に停止したときに追突するのを避けることができるために必要な距離を保持しなければいけない。(「道路交通法」第26条)・進路変更禁止違反
・追いつかれた車両の義務違反
※自車を追い越そうとしている車両の進路を妨害する行為。追い越されそうになったために急に速度を上げたり、追い越し車線の右側に寄ったりなど、自車を追い越そうとしている車両の進路を妨害する行為をしてはいけない。(「道路交通法」第27条)・乗合自動車発信妨害
・割り込み等
・交差点右左折方法違反
・交差点右左折等合図車妨害
・指定通行区分違反
・交差点優先車妨害
※交差点内で右折する場合、直進車や左折車の進行を妨害してはいけない。(「道路交通法」第37条)・緊急車妨害等
・駐停車違反(駐車禁止場所等)
・交差点等進入禁止違反
・合図不履行
※進路変更等をする時は、方向指示器や手で合図をしなければいけない。また、進路変更が終了したら合図を止めなければいけない。(「道路交通法」第53条)・合図制限違反
※進路変更等をする時に、合図を出すのが早過ぎたり、方向指示器をつけたまま直進する行為など。(「道路交通法」第53条)・警音器吹鳴義務違反
※左右の見通しがきかない交差点や曲がり角、山間部や上り坂の頂上など道路標識で指定された場所で警報器を鳴らさずに通行する行為など。
(「道路交通法」第54条)・乗車積載方法違反
・定員外乗車
・積載物大きさ制限超過
・積載方法制限超過
・制限外許可条件違反
・けん引違反
・原付けん引違反
・転落等防止措置義務違反
・安全不確認ドア開放等
※後続車の有無など安全を確認せずにドアを開いてはいけない。(「道路交通法」第71条4項の3)・停止措置義務違反
※車両から離れる時は、エンジンを止め、完全にブレーキを掛けなければいけない。(「道路交通法」第71条5項)・初心運転者等保護義務違反
※仮免許運転者、初心運転者、高齢運転者のマークをつけた車両に幅寄せや煽り行為をしてはいけない。(「道路交通法」第71条5項の4)・初心運転者標識表示義務違反
・聴覚障害者標識表示義務違反
・最低速度違反
・本線車道通行車妨害
・本線車道緊急車妨害
・本線車道出入方法違反
・けん引自動車本線車道通行帯違反
・故障車両表示義務違反
・仮免許練習標識表示義務違反
・転落積載物等危険防止措置義務違反
・通行帯違反
・携帯電話使用等(保持)
※携帯電話やスマートフォンでの通話や画面注視の状態で車両を運転する行為。(「道路交通法」第71条5項の5)・座席ベルト装着義務違反
・乗車用ヘルメット着用義務違反
・幼児用補助装置使用義務違反
※幼児はチャイルドシートに乗せなければいけない。(「道路交通法」第71条の3の3)
以上、違反点数が1点の軽微な交通違反についてまとめました。なお、自転車の違反行為についても以前、解説していますので、こちらも参照してください。
詳しい解説はこちら⇒
「大人も子供も知っておきたい!自転車法律ルール25」
https://taniharamakoto.com/archives/1917違反行為について、この機会にしっかり覚えて、交通ルールや法律を守って自動車や自転車を運転をしてください。
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違反点数3点以下の「軽微な交通違反」一覧①
2016年04月11日交通違反には「点数制度」というものがあります。
これは、自動車などを運転した時に犯した交通違反の種類、度合いに応じて点数が決められており、運転者の過去3年間の累積点数から所定の基準に達した場合に、運転免許の停止や取り消し等の行政処分が行われるものです。
累積違反点数が多い運転者は、重大事故を起こすなど悪質で危険性が高いとみなされるため、罰を与えられるわけです。
悪質な違反の場合は、刑事罰として懲役刑と罰金が科せられます。
一方、軽微な交通違反(違反点数3点以下)の場合は、青キップが切られ、反則金が科せられますが、反則金を納付すれば刑事処分されません。
これを、「反則金制度」といいます。詳しい解説はこちら⇒「軽い交通違反でも逮捕されることがあります。」
https://taniharamakoto.com/archives/2235では、どのような違反が「軽微」だと判断されるのか? ということについて今回はまとめておきたいと思います。
2016年4月11日時点のものであって、改定されることがありますので、ご注意ください。
【違反点数3点】
・速度超過(25km/h以上30km/h未満)
・放置駐車違反(駐停車禁止場所等)
※道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分、交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂又はトンネル、交差点の側端又は道路のまがりかどから五メートル以内の部分、横断歩道又は自転車横断帯の前後の側端からそれぞれ前後に五メートル以内の部分、踏切の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分など。(「道路交通法」第44条等)
・保管場所法違反(道路使用)
※道路上の同一の場所に12時間以上(夜間は8時間以上)車両を注射してはいけない。(「自動車保管場所確保法」第11条)
・積載物重量制限超過(普通車の場合、10割以上)
【違反点数2点】
・速度超過(20km/h以上25km/h未満)
・信号無視
・通行禁止違反
・歩行者用道路徐行違反
・通行区分違反
・歩行者側方安全間隔不保持等
・急ブレーキ違反
※後方から煽られた際の腹いせの急ブレーキなど(「道路交通法」第24条)
・法定横断等禁止違反
・追越し違反
・路面電車後方不停止
・踏切不停止等
・遮断踏切立入り
・優先道路通行車妨害等
・交差点安全進行義務違反
・横断歩行者等妨害等
・徐行場所違反
・指定場所一時不停止等
・整備不良(制動装置等)
・消音機不備
・安全運転義務違反
※安全操作義務…手放し運転など/安全確認義務…道路の広さや交通量、時間帯、路面状況等に応じて他人に危害を及ぼさないような速度、方法で運転する義務(「道路交通法」第70条)
・幼児等通行妨害
・安全地帯徐行違反(「道路交通法」第71条3項)
・免許条件違反
・騒音運転等
・高速自動車国道等車間距離不保持
※100km/hであれば100mが目安とされる。
・放置駐車違反(駐停車禁止場所等)
・駐停車違反(駐停車禁止場所等)
・高速自動車国道等運転者遵守事項違反
※運転前に燃料、冷却水、オイル、積載物の安全などの確認をしなければいけない。(「道路交通法」第75条の10)
・大型自動二輪車等乗車方法違反
・携帯電話使用等(交通の危険)
※運転中の携帯電話やスマートフォンでの通話や画面注視の状態で信号無視等の違反行為をすること。(「道路交通法」第71条5項の5)詳しい解説はこちら⇒
「赤信号停止中の携帯電話やスマホの使用禁止について
https://taniharamakoto.com/archives/2239
軽微な交通違反だからといって、油断は禁物です。反則金を納付しなければいけませんし、点数が累積すれば運転免許の停止、取り消し処分となってしまいます。
また、故意にしろ過失にしろ、これらの違反行為が重大事故の引き金となる可能性もあります。運転免許を取得した時に勉強しただけで、その後は忘れてしまったという人もいるかもしれませんので、今一度、違反行為の確認をしていただきたいと思います。
今回は、違反点数が3点と2点の交通違反についてまとめました。
次回は、違反点数が1点の交通違反について解説したいと思います。
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赤信号停止中の携帯電話やスマホの使用禁止について
2016年04月06日今回は、運転中の携帯電話、スマホの使用について解説します。
まずは、道路交通法を見てみましょう。
「道路交通法」
第71条5の5(運転者の遵守事項)
自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百二十条第一項第十一号において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。第百二十条第一項第十一号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第十六号 若しくは第十七号 又は第四十四条第十一号 に規定する装置であるものを除く。第百二十条第一項第十一号において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。
条文にあるように、運転中の携帯電話やスマホの使用では、「自動車が停止しているとき」を除き、手に持っての通話や画面注視をしてはいけないことになっています。しかし、法律には曖昧というと語弊がありますが、どちらにもとれるような判断が難しい「グレーゾーン」が存在します。
では、実際の使用例に即して具体的に考えてみましょう。
1.通話やスマホの画面を見ながら、ほんの少しでも自動車を動かしてはいけないのか?
道交法では、「停止しているときを除き」となっています。「停止」というためには、車輪が完全に止まっていなければいけませんので、渋滞等で少しでも車輪が動いていれば、アウト、ということになります。
ちなみに、画面を見ずにスマホの操作ができるのであれば、それは「通話」もしていないし、「注視」もしていないので走行中でもこの条文の違反ではない、ということになります。
ただし、安全運転義務違反、という他の違反もありますので、注意しましょう。
2.赤信号で停止しているときに、通話やスマホの画面を見るのは違反か?
赤信号停止中は「停止」ではないとの前提で、切符を切られた、というような話を聞きます。
しかし、私は、赤信号で完全に車輪が止まっているのであれば、「停止」として、道交法違反ではない、と考えています。
道路交通法では、いくつかの条文で、「停止」という用語が使用されています。
たとえば、道交法2条1項20号は、「徐行」の定義を「車両等が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。」としています。
とすれば、ここでいう「停止」とは、車輪が止まっている状態をいうと解釈するのが自然でしょう。
また、道交法2条1項18号では、「駐車」の定義を「車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること」としています。
交差点の赤信号で停止中、故障をして継続的に停止した場合には、この条文により、駐車していることになります。
そうであれば、赤信号で車輪を完全に停止している場合には、道路交通法上は、「停止」と解釈するべきでしょう。
中には、「エンジンがかかっていれば『走行中』」と言えるのではないか」という意見があるかもしれません。
しかし、そうすると、駐車場や駐停車OKの場所でエンジンをかけて駐車中の車なども「走行中」ということになり、不合理です。
したがって、赤信号で停止中に携帯電話使用、スマホ注視をしている人に切符を切るのは間違いである、と考えています。
ただし、現状、取締がされている、という話を聞きますので、余計なトラブルを避けるためには、赤信号停止中は使用しない方が無難です。
警察庁は、「停止」の定義を明確にして、実務の運用の統一を図っていただければと思います。
3.スマホ車載ホルダーに固定してナビ代わりにスマホを使用した場合でも違反になるのか?
最近では、専用の車載ホルダーにスマホを固定して運転中にカーナビの代わりに使っているドライバーが増えているようですが、これも違反になるでしょうか。
「画面注視」というのは、画面を見続けることをいいます。
たとえば、カーナビは一瞥(いちべつ)を繰り返し、何度か見返せば位置が理解できるようになっているので、一瞥するだけでは注視にはなりません。しかし、走行中にカーナビをじっと凝視していれば当然「注視」となり、違反となります。
したがって、スマホを、カーナビのように一瞥の繰り返しによって位置を理解し走行できれば違反にはなりません。
しかし、専用ホルダーに固定したスマホを見続けていれば「注視」していたことになり、違反となります。スマホの画面は小さいので、カーナビよりも注視しやすい傾向があるため注意が必要です。
なお、ドリンクホルダーにスマホを差して使っているドライバーもいますが、これも専用ホルダーと同様です。
4.どのくらいの時間、画面を見続けると「注視」になるのか? 法律に規定はあるのか?「道路交通法」の条文に具体的な数字が書いているわけではないので、何秒以上は違反という決まりはありません。
ちなみに、交通事故の防止を目的とした警察庁の通達の中の「運転者の遵守事項に関する規定の整備」の項目にも、「注視とは、見続けること」と記載されています。
したがって、運転中にスマホ画面を見ることは、それ自体危険な行為であるため一瞥する以上に画面を見る行為はこの規定に違反する、と考えた方がよいでしょう。
5.自転車運転の場合でも携帯電話での通話やスマホ画面を見ることは法律違反か?自転車に乗りながら携帯電話やスマホを使うくらい問題ないだろう、法律違反なんて大袈裟な、と思う人もいるかもしれません。
実際、道路交通法の条文では、「自動車及び原動機付き自転車」に限定しています。
しかし、道路交通法第71条6号に基づく、各都道府県の「道路交通規則」には自転車の運転中の通話や画面注視が禁止されていることがあります。
東京都道路交通規則では、5万円以下の罰金です。
さらに、2015年6月1日に施行された「改正道路交通法」では、自転車運転による違反の取り締まり強化と事故抑制を目的として、悪質な自転車運転者に対する安全講習の義務化を定めました。
信号無視や酒酔い運転、一時不停止など全部で14の違反行為があり、その中の安全運転義務違反として携帯電話やスマホの使用禁止が規定されています。
詳しい解説はこちら⇒「自転車の危険運転に安全講習義務づけに
https://taniharamakoto.com/archives/1854
携帯電話やスマホの“ながら運転”は死傷事故など重大な事態につながる危険性があります。交通ルールや法律を守り、安全運転を心がけることは自分のためだけでなく、相手のためでもあることをしっかり認識してほしいと思います。
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TBSテレビ「ひるおび」取材
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自転車の危険行為で6521人が摘発!
2016年01月14日2015年の6月1日から11月末日までの、自転車運転での危険行為の摘発件数と、その内訳が公表されたので解説します。
「自転車の危険行為、半年で6521件…4人講習」(2016年1月12日 読売新聞)
警察庁は、2015年6月1日に施行された「改正道路交通法」で新設された、自転車運転の危険行為での摘発件数について、11月末までの数字を取りまとめ公表しました。
全国の摘発件数は、計6521件。
そのうち、項目別でもっとも多かったのは「信号無視」で2790件、次いで「遮断踏切への立ち入り」が1659件、「安全運転義務違反」(イヤホンを装着しながらの運転や傘差し運転など)が715件、「一時不停止」が536件、「ブレーキ不良」が312件の順。
また、「酒酔い運転」は85件、歩道運転などの「通行区分違反」は111件となっています。年代別では、20歳代が最も多く1628件、次いで30歳代が1099件、10歳代が1012件、40歳代が918件と続いています。
なお、2回摘発されて安全講習を受けたのは大阪府が3人、岡山県が1人だったということです。
自転車での危険運転による重大事故が頻発していることから、2015年6月1日に「改正道路交通法」が施行されています。
これは、自転車運転による違反の取り締まり強化と事故抑制を目指して、悪質な自転車運転者に対して安全講習の義務化を盛り込んだものです。詳しい解説はこちら⇒
「自転車の危険運転に安全講習義務づけに」
https://taniharamakoto.com/archives/1854自転車での危険行為に規定されているのは以下の14の行為です(道路交通法施行令41条の3)。
・信号無視(法7条)
・遮断機が下りた踏切への立ち入り(法33条2項)
・安全運転義務違反(携帯電話の使用やイヤホンを装着しながらの運転、傘差し運転など)(法70条)
・一時停止違反(法43条)
・ブレーキ不良自転車の運転(法63条の9第1項)
・酒酔い運転(法65条1項)
・歩道での歩行者妨害(法63条の4第2項)
・通行区分違反(法17条1項、4項または6項)
・通行禁止違反(法8条1項)
・歩行者専用道路での車両の徐行違反(法9条)
・路側帯の歩行者通行妨害(法17条の2第2項)
・交差点での安全進行義務違反(法36条)
・交差点での優先道路通行車の妨害(法37条)
・環状交差点での安全進行義務違反(法37条の2)これらの危険行為をした14歳以上の運転者は、まず警察官から指導・警告を受け、交通違反切符を交付されます。
さらに、3年以内に交通違反切符を2回以上交付された場合、安全講習の対象となります。
安全講習を受講しないと、5万円以下の罰金が科せられます。「前科」がついてしまう、ということですね。
ところで、このような道路交通法の改正は違反者を罰するのは当然のことですが、自転車による交通事故の抑制・減少のためであることを忘れてはいけません。
自転車は大変便利な乗り物です。
これ以上、規制が増えないようにするためにも、きちんとルールを守って安全運転していただきたいと思います。