自転車の危険行為で6521人が摘発! | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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自転車の危険行為で6521人が摘発!

2016年01月14日

2015年の6月1日から11月末日までの、自転車運転での危険行為の摘発件数と、その内訳が公表されたので解説します。

「自転車の危険行為、半年で6521件…4人講習」(2016年1月12日 読売新聞)

警察庁は、2015年6月1日に施行された「改正道路交通法」で新設された、自転車運転の危険行為での摘発件数について、11月末までの数字を取りまとめ公表しました。

全国の摘発件数は、計6521件。
そのうち、項目別でもっとも多かったのは「信号無視」で2790件、次いで「遮断踏切への立ち入り」が1659件、「安全運転義務違反」(イヤホンを装着しながらの運転や傘差し運転など)が715件、「一時不停止」が536件、「ブレーキ不良」が312件の順。
また、「酒酔い運転」は85件、歩道運転などの「通行区分違反」は111件となっています。

年代別では、20歳代が最も多く1628件、次いで30歳代が1099件、10歳代が1012件、40歳代が918件と続いています。

なお、2回摘発されて安全講習を受けたのは大阪府が3人、岡山県が1人だったということです。
自転車での危険運転による重大事故が頻発していることから、2015年6月1日に「改正道路交通法」が施行されています。
これは、自転車運転による違反の取り締まり強化と事故抑制を目指して、悪質な自転車運転者に対して安全講習の義務化を盛り込んだものです。

詳しい解説はこちら⇒
「自転車の危険運転に安全講習義務づけに」
https://taniharamakoto.com/archives/1854

自転車での危険行為に規定されているのは以下の14の行為です(道路交通法施行令41条の3)。

・信号無視(法7条)
・遮断機が下りた踏切への立ち入り(法33条2項)
・安全運転義務違反(携帯電話の使用やイヤホンを装着しながらの運転、傘差し運転など)(法70条)
・一時停止違反(法43条)
・ブレーキ不良自転車の運転(法63条の9第1項)
・酒酔い運転(法65条1項)
・歩道での歩行者妨害(法63条の4第2項)
・通行区分違反(法17条1項、4項または6項)
・通行禁止違反(法8条1項)
・歩行者専用道路での車両の徐行違反(法9条)
・路側帯の歩行者通行妨害(法17条の2第2項)
・交差点での安全進行義務違反(法36条)
・交差点での優先道路通行車の妨害(法37条)
・環状交差点での安全進行義務違反(法37条の2)

これらの危険行為をした14歳以上の運転者は、まず警察官から指導・警告を受け、交通違反切符を交付されます。

さらに、3年以内に交通違反切符を2回以上交付された場合、安全講習の対象となります。
安全講習を受講しないと、5万円以下の罰金が科せられます。

「前科」がついてしまう、ということですね。

ところで、このような道路交通法の改正は違反者を罰するのは当然のことですが、自転車による交通事故の抑制・減少のためであることを忘れてはいけません。

自転車は大変便利な乗り物です。

これ以上、規制が増えないようにするためにも、きちんとルールを守って安全運転していただきたいと思います。