法律講座 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
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  • 疲労回復には全部やろう

    2025年04月14日

    今回も疲労回復についてです。

    前々回、日本人の約80%が疲れを感じている、という調査結果をご紹介しました。

    そして、私は、思考をコントロールすることにより、精神的疲労を軽減しているという話をしました。

    しかし、そのようなことが苦手な方もいると思います。

    そこで、今回は、別の方法です。

    ポイントは、セロトニン。

    セロトニンは、幸せホルモンとも呼ばれ、疲労感を軽減する効果があるとされます。

    セロトニンを増やすには、以下のような方法があります。

    ・太陽光を浴びる。

    ・セロトニン生成に必要な栄養素(トリプトファン)を摂取する。

    例えば、味噌、豆腐、牛乳、バナナなどです。

    ・適度な運動をする。

    これは、激しい運動ではなく、ウォーキングや軽いジョギング、縄跳びのような、リズム的な運動のことです。

    ・腸内環境を整える。

    いわゆる腸活ですね。
    腸内でもセロトニンを作り出しているそうです。

    ・深呼吸をする。

    ゆっくりと深呼吸を繰り返すことで、自律神経のバランスが整い、セロトニンの分泌が促されるそうです。

    さあ、どれをやりますか?

    このような択一的思考はダメです。

    もし、あなたがセロトニンを増やして疲労を軽減したいのであれば、無理なくできることは全部やる、ということだと思います。

    無理をしたらストレスを感じて、また疲労をたまりますので、バランスが大切だと思います。

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  • デジタルvs紙

    2024年11月25日

    富山大学の研究によると、紙を使った学習がデジタル機器よりも「記憶力」と「集中力」の向上に効果的であるとの結果が出たそうです。

    理由としては、紙の手触りや視覚的な配置が脳の働きを刺激し、情報をより長期的に保持しやすくするからだと考えられるとしています。

    そして、約8割の学生が、デジタル機器の長時間使用が「紙」に比べて目の疲労を引き起こすと感じています。

    このため、特に長時間の学習においては、紙を活用するほうが良い結果をもたらすことが期待されるそうです。

    ただ、この点は、私が推奨する短時間の集中と短時間毎の休憩を繰り返すことによって克服可能と考えています。

    確かに、私は一般書籍の読書では、iPadで電子書籍で読んでいます。

    しかし、法律書の勉強や研究の際は、紙の書籍を購入しています。

    これは、自分の経験上、紙の書籍の方が記憶に定着しやすいと感じているためです。

    一般書籍の読書でiPadを利用するのは、いつでもどこでもすぐに読み始められること、付箋を貼って、一覧で整理できること、同時に何冊でもアクセス可能であること、などの理由によります。

    また、法律書では、紙の書籍を購入している他に、電子書籍化されている同じ本を購入したり、電子書籍化されていないものは裁断してPDF化してiPadに入れているものもあります。

    これも、いつでもどこでもアクセス可能にするためです。

    こう考えると、じっくりと集中して取り組みたい書籍は紙の書籍、いつでもどこでもアクセスし、検索して調べたいような場合はデジタル書籍、という使い分けが良いようです。

    ということは、子どもの勉強、受験勉強、仕事の勉強などは、紙ベースで取り組んだ方が合理的という推測が成り立ちます。

    弁護士である私のように、裁判例を日々調査しているような場合は、紙の判例集ではなく、デジタルの判例集が圧倒的に効率が良い、ということになります。

    私達は、楽をしようとして、「紙派」か「デジタル派」かという二者択一思考に陥りがちですが、大リーグの大谷選手のように「二刀流」思考が有効な場合は多いと考えます。

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  • 遺留分対策10選

    2023年03月24日

    今回は、被相続人による遺留分対策10選をざっと簡単に説明します。

    【遺留分権利者の協力が得られる場合】

    (1)家庭裁判所による生前の遺留分放棄許可(当事者間の合意書のみでは効力なし。かつ一旦遺留分放棄許可決定がされても、その後の事情変更で許可が取り消されるリスクあり。)

    (2)経営承継円滑化法の除外合意、固定合意(法定相続人全員の合意、家庭裁判所の許可、経済産業大臣の確認)

    【遺留分権利者の協力が得られない場合】

    (3)早めの生前贈与(原則)

    遺留分を算定するための財産に含まれる「贈与財産」は、

    ・相続人以外の者に対して相続開始前の1年間にしたもの

    及び

    ・相続人に対して相続開始前の10年間にしたもの

    が原則です。(例外あり)

    (4)生前贈与+相続放棄

    相続放棄をすると、「初めから相続人でない」ことになります。

    そうすると、(3)に関しては、「相続人以外の者に対する贈与」となり相続開始前の1年間にしたものが遺留分算定のための財産になるのが原則です。(例外あり)

    (5)有償譲渡

    「相続開始の時に有した財産」及び「贈与財産」となるため。

    但し、「不相当対価」での優勝譲渡の場合は、一部負担付き贈与とみなされる可能性があります。

    (6)遺言で遺留分の負担の順序を指定

    遺言者は、遺言で遺留分の負担をどの順序で行うかを指定することができます。

    (7)生命保険で侵害額を準備する。

    【同族会社株式の評価額が高額の場合】

    (8)同族会社の経営の安定のため、無議決権株式の利用し、遺留分権利者には無議決権株式を相続させる遺言をする。

    (9)同族会社の経営の安定のため、属人的株式を利用し、事業承継者の議決権を多くする(あるいは遺留分権利者の議決権を少なくする)

    (10)同族会社の経営の安定のため、株式を信託し、受益権のみ遺留分に相当する分を与える。

  • 遺留分放棄

    2022年08月05日

    今回は、【税理士を守る会】でされた質疑応答をご紹介します。

    (質問)

    父と母は存命。

    実子が3名

    父が亡くなった場合は、遺産はすべて配偶者が相続する旨の遺言を作成してあります。

    しかし、実子が遺留分侵害額請求をすると、家族の間で紛争が生じてしまいます。

    そこで、実子3人に遺留分を放棄する書類を書いてもらいたいと思っています。

    どのように書いてもらったらいいでしょうか。

    (回答)

    遺留分侵害額請求権について、生前に放棄をすることができます。

    ただし、書類で「遺留分を放棄します」と書いても無効で、家庭裁判所の許可が必要です。

    なぜ、家庭裁判所の許可が必要かというと、生前は被相続人の影響力が強いため、その圧迫により、遺留分の放棄をさせられてしまう可能性があるためです。

    家庭裁判所は、遺留分権利者が被相続人から圧迫を受けていないかどうか、遺留分を放棄するかわりに、何らかの財産を得ているか、などを考慮して判断します。

    ただし、遺留分放棄の許可審判がされた場合であっても、その前提となっていた事情が変化して遺留分を放棄した状態を維持することが客観的に不合理となった場合には、家庭裁判所は職権で放棄許可審判を取消し、または変更することができます。

    遺留分を放棄しても、相続人としての地位は失いませんので、相続開始時に相続財産があり、かつ、遺言等がなければ、相続することになります。

    したがって、遺留分放棄をしてもらった場合には、有効な遺言を作成しておくことが必要です。

    遺留分放棄は、被相続人の住所地の家庭裁判所に対して申し立てます。

    必要書類や書式の記載例については、以下のページを参考にしてください。

    裁判所ホームページ
    http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_26/index.html

  • 贈与の解除について

    2022年04月29日

    生前贈与と解除についてです。

    書面によらない贈与は、履行が終わってない限り、当事者が解除することができます(民法550条)。

    そして、税務上は、相続税基本通達1の3・1の4共-8で、「贈与の場合 書面によるものについてはその契約の効力の発生した時、書面によらないものについてはその履行の時」に財産を取得したものとされます。

    しかし、過去には、贈与契約を公正証書でしながら、登記など贈与したのであれば当然すべきことをしなかったことなどを理由として、贈与契約が認定されなかった裁判例があります(名古屋地裁平成10年9月11日判決、名古屋高裁平成10年12月25日判決(百選76事件、TAINS Z239-8313))。

    また、不動産の贈与契約をした上で、引き渡しを終えたものの、所有権移転登記をしていない事例について、「履行が終わった」ものとして贈与の解除を認めなかったもの(最高裁昭和31年1月27日判決)、反対に所有権移転登記をしたものの、引き渡しをしていない事例について、「履行が終わった」ものとして贈与の解除を認めなかったもの(最高裁昭和40年3月26日判決)があります。

    このように、法律問題は、契約書の形式や条文の文言のみからは、なかなか判断できないことが多いので、幅広い知識を習得した上で、その都度、基本書や判例などにあたって確認することが大切になってきます。

  • 孫への贈与財産を親に管理させない方法

    2022年04月08日

    今回は、祖父母が、孫に金銭を贈与等した場合に、孫の親に財産を管理させない方法についてです。

    たとえば祖父母が孫に金銭を贈与したいとします。

    しかし、贈与を実行すると、未成年者である孫の財産は、親権者である父母が管理することになります。

    その父母が金銭にルーズで、贈与した財産を使ってしまう恐れを抱いたとします。

    そのような場合は、どうしたらいいでしょうか。

    そのような場合には、祖父母は、孫との贈与契約書(これは父母が法定代理人として契約するか、同意します)、あるいは、遺言において、「父母に贈与財産を管理させない」旨の意思表示をします。

    そうすると、民法830条1項により、父母はその財産について、財産管理権がなくなります。

    そして、誰か信用できる財産を管理すべき者(たとえば叔父叔母等)を指定したときは、その者が財産を管理することになります。

    ここで、祖父母が財産を管理する者を指定しなかった場合には、孫、孫の親族、検察官の請求によって、家庭裁判所が財産を管理する者を選任します。

    もし、今回のような事情がある場合の相談を受けた場合には、この条文を思い出していただければと思います。

    なお、この条文を使わなくても、信託を使っても同じことが可能です。

    贈与の場合には、名義預金対策も助言することをお忘れなく。

  • 未成年への贈与契約

    2022年03月25日

    今回は、親から未成年者の子供へ贈与したい場合の契約方法について、解説します。

    もちろん、贈与はできるわけですが、単に子供の銀行口座に振り込むだけでは、親が死んだ時に名義預金と認定される可能性があるため、最低限契約書は締結しておきたいところです。

    今回は、契約当事者にフォーカスしますので、名義預金の他の注意点は除外します。

    では、契約書は、誰と誰が締結することになるのでしょうか。

    未成年者が行う法律行為は、法定代理人の同意を得なければならないとされています。

    しかし、未成年者が義務を負わず、権利を得るだけの場合には、同意不要です。

    金銭の贈与を受ける場合には、権利を得るだけですので、法定代理人の同意不要となりますが、贈与税が課税される金額である場合は、義務も負担しますので、同意必要とする見解もあります。

    ただし、意思能力の問題があり、7歳くらいから意思能力が認められることがありますが、10歳以下はリスクがあると認識しておいた方がいいでしょう。

    あるいは、法定代理人が未成年者を代理して法律行為を行う。

    そこで、方法としては、2つです。

    ・未成年者が契約当事者となって署名(記名)押印する。

    ・法定代理人が未成年者の法定代理人として署名(記名)押印する。

    ここで、法定代理人は、父母が婚姻中の場合には、共同で法律行為を行いますので、父母両方が署名押印することになります。

    「贈与者が父母、受贈者の法定代理人が父母、ということになると、利益相反行為として、特別代理人の選任が必要か?」

    こんなご質問をいただくことがあります。

    これは、不要です。未成年者が義務を負わず、権利を得るだけなので、利益が相反しないためです。

    「民法の双方代理で、無効にならないか?」

    こんなご質問をいただくこともあります。

    しかし、無効になりません。未成年者が義務を負わず、権利を得るだけなので、双方代理を禁止する理由がないためです。

    以上より、父母が法定代理人として署名押印する場合は、贈与者は、贈与した父又は母が署名押印し、受贈者は、父母が子の法定代理人として、「(子の名前)法定代理人親権者父(名前)印、母(名前)印」と署名(記名)押印することになります。

    「税理士を守る会」は、こちら
    https://myhoumu.jp/zeiprotect/new/

  • ロシアの要求をなぜのめないか

    2022年03月22日

    今回のYouTube動画は、

    【誰でもわかる地政学】世界情勢と各国の戦略が面白い!パワー!

    ロシアはなぜウクライナに侵攻したのか?

    地図からわかります。

    ぜひ、ご覧ください。

    https://youtu.be/oKbNUS_DoGY

    さて、

    ロシアとウクライナの戦争が長期化の様相を呈しています。

    停戦のための会談も行われていますが、なかなか解決がつきません。

    ロシアは、ウクライナに対し、

    ・中立化

    ・非武装化

    を要求しています。

    このうち、非武装化は、ウクライナとしては、絶対にのんではいけない要求です。

    なぜなら、この要求をのむと、将来ロシアの属国化となる危険があるためです。

    これは、江戸時代初期の大阪冬の陣、夏の陣を考えてみればわかるでしょう。

    徳川家康は、江戸幕府を開いたものの、大阪にいる豊臣秀頼がいる限り、幕府安泰とはいいがたいと考えていました。

    そこで、豊臣氏滅亡のため、言いがかりをつけて、大阪城を攻めます。

    大阪冬の陣です。

    しかし、大阪城は外堀があって守りが固く、攻め落とせません。

    そこで、家康は、停戦協定を結んで、大阪城の外堀を埋めてしまいました。

    そして、翌年、再び大阪城を攻めました。

    大阪夏の陣です。

    今度は、外堀がなく、あえなく大阪城は攻め落とされて、豊臣氏は滅亡してしまいました。

    今、ウクライナは、武装し、ロシア軍に抵抗しています。そのため、なかなかウクライナを攻め落とすことができないでいます。

    ここで、ウクライナが、とにかく戦争を終わらせたくてロシアの要求をのみ、非武装化した場合には、どうなるでしょうか。

    将来、ロシアが侵攻してきた際に、抵抗することができず、NATOに加盟していないことからNATO軍は出動することができず、あえなく攻め落とされてしまうでしょう。

    そのため、非武装化の要求はのむことができないということになります。

    このように、歴史を知ると、世界情勢を自分なりに分析することができるようになりますが、もうひとつ、地図によっても世界情勢を自分なりに分析できるようになります。

    それが地政学の知識です。

    You Tubeで解説しました。

    ぜひ、ご覧ください。

    https://youtu.be/oKbNUS_DoGY

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  • 会話を続けるテクニック

    2021年11月15日

    メルマガより

    今回のYouTube動画は、

    【会話が続く】雑談を続けられない時は●●を引き出す!10万部著者が解説。

    他人と2人でいて、沈黙ほど辛いものはありません。

    なんとか場をつなぎたい。

    でも、何も思い浮かばない。

    そんな気持ち、もうなくなります。

    会話を続けるテクニックです。

    You Tubeで解説しました。

    ぜひ、ご覧ください。

    https://youtu.be/aA5HcoIC2A8

    さて、

    私は雑談が苦手です。

    特に話したいことがないためです。

    可能であれば、必要なことだけ話したいです。

    でも、社会生活を営んでいると、そういうわけにもいきません。

    雑談をして、人間関係を作っていく必要があります。

    そのために、私は、雑談が苦手であっても、雑談をする方法を考えました。

    雑談をする際にも、私は、質問力を多用します。

    質問をし、相手から情報を引き出し、それを広げていく、という方法です。

    質問をすれば、相手はとにかく質問に答えてくれます。

    沈黙を破ることができる、ということです。

    そして、言葉のキャッチボールの中で、会話が終わりそうな時、質問をすると、会話が終わるのを防いでくれます。

    相手が質問に答えてくれるからです。

    これは、相手を主役にして、雑談を続ける方法です。

    今回、ご紹介するのは、この方法とは違います。

    雑談の本質から、会話を続けるためのテクニックです。

    そのためには、相手の●●を引き出し、自分の●●を伝える、ということがポイントでした。

    誰とでも会話を15分以上続ける方法。

    You Tubeで解説しました。

    ご覧ください。

    https://youtu.be/aA5HcoIC2A8

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  • 会社がデッドロック状態になった時

    2021年10月22日

    今回は、株主間の対立があり、会社の意思決定ができない状態になった場合の対策についてです。

    たとえば、仲間同士で起業し、株式を50%ずつ持ちあったとします。

    何年かは順調に経営したものの、次第に経営に対する考え方がずれてきて、意見が対立するようになり、取締役の選任決議もできず、会社の意思決定ができない状態に陥る、ということがあります。

    そうなると、お互いの合意ができないわけですから、会社を辞めようにも解散決議もできません。

    いわゆる「デッドロック」状態です。

    このような場合には、「会社解散の訴え」を裁判所に起こすことになります。

    会社解散の訴えは、総株主の議決権の10分の1以上の議決権を有する株主または発行済株式の10分の1以上の数の株式を有する株主が提起することができます。

    会社解散の訴えの要件としては、

    (1)株式会社が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該株式会社に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。

    (2)株式会社の財産の管理又は処分が著しく失当で、当該株式会社の存立を危うくするとき。

    (3)やむを得ない事由がある場合

    であり、デッドロック状態は、(1)ということになります。

    会社がデッドロック状態になると、法人税の申告もできず、無申告状態になってしまうこともあります。

    裁判は時間がかかりますので、早めに行動を起こしましょう。