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子供への体罰と法律


2017年1月16日

弁護士として、学校事故による子供のケガなどについての相談を受ける中で、親御さんから教師の体罰に関する悩みを聞くことがあります。

昨年末の報道によると、体罰は減少傾向にあるものの依然としてなくなってはおらず、高水準で推移しているようです。

「体罰で処分の公立教員721人 前年比減も高水準、文科省」(2016年12月22日 共同通信)

文部科学省の人事行政状況調査によると、2015年度に体罰を理由に懲戒や訓告などの処分を受けた公立学校の教員は721人で、前年度より231人減ったことがわかりました。

また、私立は166人(4人減)、国立は3人(1人減)で、国公私立校の合計は890人(236人減)だったということです。

体罰による教員の処分は、2011年度までは公立学校では300~400人程度で推移していました。
ところが、2013年1月に発覚した大阪市立桜宮高校の体罰問題を受け、2013年度は国公私立校で合わせて4000人超に急増。
2014年度は減少したものの、依然高い水準だとしています。

なお、体罰以外も含む行為で処分された公立校の教員総数は6320人で、今回が初調査だった「いじめへの不適切な対処」については8人だったということです。
法的には、学校の教員には「懲戒権」が認められています。

「学校教育法」
第11条
校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。
懲戒権というと何か強力な権利のようにも感じますが、ここでいう懲戒権とは、たとえば授業中にふざけている生徒を叱る、廊下に立っているように罰を与えるというような程度のものです。

条文にもあるように、当然、体罰については認められていないことに注意が必要です。

しかし、人間は感情の生き物ですから、中には指導に力が入りすぎたり、ついカッと頭に血が上って生徒に体罰という暴力をふるってしまう教師がいることも事実です。

親御さんとしても、今後の学校との関係や子供の立場なども考えて、できるだけ事を荒げずに穏便に済ませたいと考える場合も多いでしょう。

ところが、体罰がエスカレートしていったり、子供がケガを負ったという事態にでもなれば、親として黙っているわけにはいきません。

そうした場合、親はどのように対処すればいいのでしょうか?

まず、刑事事件として警察に告訴することで、体罰をした教師は刑法上の罪に問われる可能性があります。

暴力を振るえば、「暴行罪」、暴力を振るった結果、怪我をすれば、「傷害罪」ということになります。

また教師は、非違行為があったとして学校から減給や停職、場合によっては免職などの懲戒処分を受けることになるでしょう。

さらに、民事での損害賠償請求をすることもできます。

この場合、国公立校であれば、親が請求する相手は教師個人や学校ではなく、都道府県や市町村という公共団体、場合によっては国になります。

「国家賠償法」
第1条
1.国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
一方、私立校の場合は、その教師の使用者である学校に対して損害賠償請求をすることになります。

「民法」
第715条(使用者等の責任)
1.ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
よって、教職員の故意または過失によって生じた事故では、その使用者として学校(保育所)が損害賠償義務を負うことになるのです。
親としては、学校との関係が今後も続いていくことを考えれば裁判にまで至る前に、まずは学校としっかり話し合いをするべきでしょう。

それでも状況が改善されないようであれば、教育委員会に対して教師の懲戒処分を求めることも検討する必要がありますが、そのうえで訴訟も辞さないというのであれば、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

ご相談はこちらから⇒ http://www.bengoshi-sos.com/school/

ご近所トラブル(タバコ編)


2016年9月24日

今回は、喫煙にまつわる隣人トラブルについて解説します。

Q)マンションの隣の住人がベランダでタバコを吸っています。風向きによっては私の部屋に煙が流れ込んできます。私はタバコの煙は大嫌いですし、受動喫煙で健康被害を受けることが心配でなりません。どのように対応すればいいでしょうか?(埼玉県 54歳/主婦)

A)タバコの喫煙が犯罪になるということはありませんが、過去にはマンションのベランダでの喫煙に対して慰謝料の支払いを命じた民事裁判での判決があります。

今回の質問者の方が抱えているのは、「臭い」と「健康問題」に関する隣人トラブルということになるでしょう。

以前は、室内での喫煙を家族に嫌がられたり、家族の健康のためにベランダで一人タバコを吸う人たちが「ホタル族」と呼ばれたことがありました。
夜のマンションのベランダでタバコの火が光っていることから、こう名付けられたわけです。

実際のホタルは清らかな水のある場所でしか生息できないため、年々、生息場所がなくなってきており、ホタルの生息場所はかなり少なくなってきています。

そして近年では、人々の健康志向やタバコの煙による受動喫煙の害が広く知られるようになったことで、ホタル族たちの生息場所も限定されつつあるようです。

2012年12月には、名古屋市の女性(当時74歳)がマンションの下の階に住む男性(当時61歳)がベランダで吸うタバコの煙で体調を崩したとして、150万円の損害賠償を求めた裁判の判決がありました。

判決によると、女性はマンションの5階に、男性は4階に住んでおり、男性は家族がいるときはベランダでタバコを吸っていたところ、女性にはぜんそくの持病があり、下の階から流れてくるタバコの煙をストレスに感じたことで、帯状疱疹を発症したということです。

女性は、扇風機や空気清浄機を使用しても煙が気になり、手紙や電話で喫煙をやめるように求めたが男性が応じなかったため提訴。

一方、男性側は、女性の体調悪化とタバコの煙の因果関係は認められない、ベランダでの喫煙はマンションの規則で禁止されていない、喫煙しながら景色を眺める楽しさや私生活の自由などをあげて、違法性はないと主張していたようです。

判決では、マンションの川に面した景色のよさから、女性がタバコの煙を防ぐために日常的に窓を閉め切るような環境ではないとして、男性が他の居住者に著しい不利益を与えながら防止策をとらないことは不法行為に当たると認め、精神的な損害の慰謝料として5万円の支払いを命じています。
一般的なマンションの場合、ベランダは日常的には住人の専用使用が認められているので、マンションの利用規約に特別な規定がない限り、自由に使うことができます。

ただし、緊急の災害時にはベランダを通って避難ができるため、マンションやその住民全体の共用部分とされています。

では、今回のようなマンションのベランダでの喫煙による隣人トラブルでは、どのように対処したらいいのでしょうか。
以下に、まとめてみます。

・まずは管理会社や管理組合に相談して、第三者から相手に伝えてもらう。
・同時に、管理規約や賃貸借契約書の迷惑行為の禁止条項なども確認しておく。
・また、タバコを吸っている住人の部屋の両隣や上下階の住人が、どう感じているのかも調査しておく。

それでも相手が対応しないようであれば、今回のように弁護士に相談するのもひとつの選択肢です。

まずは、「内容証明郵便」を送り、それでも効果がなければ、最後は損害賠償請求の民事訴訟ということになります。

その際、法的に重要になってくるのが「受忍限度」です。

受忍限度とは、一般の人が社会生活上、我慢すべき限度のことで、たとえば騒音の場合では、その内容や大きさ、時間帯、継続性などさまざまな要素から判断されます。

社会では、多くの人が生活しています。
そのため、ある程度のことはお互いが我慢せざるを得ないということもあります。
しかし、一般の人からみても我慢できないような場合では、法が介入するわけです。

今回のタバコの煙による害の場合、帯状疱疹を発症したりしたことから、受忍限度を超えた、と判断されたものでしょう。

自分が好きなことが、他人にも当然に受け入れられるというわけではありません。

自分の行動が他人に不快感を与えている時は、自分が我慢するのではなく、他人が我慢するのではない、創造的な案を考えつかないか、検討することから始めましょう。

TKC四谷支部総会で講演


2016年9月6日

2016年8月5日に、TKC四谷支部総会で、講演しました。

タイトルは、「税理士賠償責任を回避するために(裁判事例・顧問契約書の文言等)」というものです。

税理士に専門家責任はとても重いものがあります。

税務顧問契約を締結する時は、ぜひ適切な契約書を締結していただければと思います。

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