田中弁護士、逮捕 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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田中弁護士、逮捕

2008年04月08日

石橋産業の179億円という巨額の手形詐欺事件で懲役3年の実刑が確定した田中森一弁護士が、また逮捕されました。

容疑は詐欺。

ニュースによると、田中弁護士は、2002年10月上旬ころ、出資法違反事件で福岡県警の取り調べを受けていた男性から相談を受けた際、「捜査が落ち着くまで預かり、後日返す」などとうそをつき、9000万円をだまし取った容疑だそうです。ニュース

詐欺ということは、お金を受け取った時点で、相手を騙す故意があったことが必要となります。「相手に説明したとおり、預かっただけ。返すつもりだった。」と言えば、故意を立証することが難しくなります。

そして、実際に弁護士の預かり金口座にお金が眠ったままであれば、起訴は難しいでしょう。

ところが、ニュースによると、田中弁護士は、「5000万円は私の弁護士報酬、4000万円は仲介人への紹介料として預かった。詐欺ではない」と否認しているそうです。

ということは、推測にすぎませんが、そう説明せざるを得ない状況に陥っているのかもしれません。つまり、9000万円を預かってすぐに他の目的に使ってしまったこと、返す目処がついていなかったことの客観的証拠が揃っており、「返すつもりだった。」とは言えない状況なのかもしれません。

田中弁護士が書いた書籍はとても面白く読ませていただきましたが、この事件に関係することには触れていなかったように思います。この事件の行方や真相もいつか書籍化されることを期待します。

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