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  • アダムとイブと不正アクセス禁止法

    2014年02月19日




    ダメ!といわれるとやりたくなる、見るな!といわれると見たくなる…

    これは人間という種の悲しい性(さが)かもしれません。

    古今東西、人間は同じ過ちを繰り返してきました。

    2000年以上前の古代に書かれたといわれる「旧約聖書」の『創世記』に登場する、アダムとイブ。

    最初の人間とされる、アダムとイブは禁じられた「善悪の知識の実」を食べてしまったばかりに、楽園から追放されてしまいました。

    一方、現代の2014年2月、サイバー世界のシステムに不正にアクセスして見てはいけないデータを見てしまった男が書類送検されました。

    「東京外大の成績盗み見、男子学生を書類送検 “正当に評価されているか見たかった」(2014年2月10日 産経新聞)

    昨年10月、東京外国語大学の学内システムが不正にアクセスされ、学生の成績が盗み見られた事件で警視庁サイバー犯罪対策課は、同大国際社会学部2年の男子学生(20)を不正アクセス禁止法違反容疑で2月10日、書類送検しました。

    サイバー犯罪対策課によると、男子学生は成績や講義の時間割などを閲覧できる学内の「学務情報システム」を偽装したフィッシングサイトを作成。

    学生222人に「不具合が生じた」とメールを送信しサイトに誘導。入力されたIDとパスワードを自分のメールに転送させていたようです。

    男子学生は、こうして不正に入手した学生55人分のIDとパスワードで同大のシステムに不正にアクセス。

    「自分の成績に不満があった。正当に評価されているか確かめたかった」と容疑を認めているということです。

    サイバー犯罪は近年、大きな問題となっています。

    そこで2000年に施行されたのが「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(通称、「不正アクセス禁止法」)です。

    許可なく他人のIDとパスワードを使ってインターネットを通じてFacebookやメールシステムなどにアクセスすると犯罪なのです。

    また、そのような不正アクセスをすることを目的として、他人のIDやパスワードを取得することも犯罪です。

    ただ、携帯電話にダウンロードされたメールを見る行為ではありません。「不正アクセス」というくらいですから、インターネットなど通信回線を通じて他人のコンピュータに接続して利用する行為が罰せられます。

    離婚事件などの相談で、配偶者が浮気の証拠をつかもうと、勝手にパスワードを使ってメールを盗み見ている、という相談を受けることがあります。

    なんと、それらのメールが堂々と証拠として提出される場合もあります。

    2013年には、離婚調停中の妻のID、パスワードを使ってメールを盗み見ていた、として、夫が逮捕された事例もあります。

    恋人同士でも、夫婦でも、他人のパスワードを使ってアクセスすると犯罪です。


    禁止されると見たくなる、というのは人間の性かもしれません。

    しかし、鶴の恩返しで、「見ないで欲しい」と言われたのに見てしまった時、鶴はどうなったでしょうか?

    開けてはいけない玉手箱を開けた浦島太郎はどうなったでしょうか?

    いいことありませんね。

    他人のIDとパスワードを使ってアクセスすることは、法律で禁止されているのです。

    決して、見てはいけませんよ。

  • 走行中の車からポイ捨てすると犯罪!?

    2014年02月16日




    中華圏で、重要な祝祭日とされるものに「春節」があります。

    いわゆる旧正月(旧暦の正月)のことで、この日は中国、台湾、ベトナムや世界各地の中華街では爆竹を鳴らしたりして、お祝いが盛大に行われます。(ちなみに今年の春節は1月31日でした)

    ハレの日を爆竹で祝うのはいいのですが、日本の公道で、しかもよりによって消防団員がパトロール中に爆竹を道路に投げ込んだとして書類送検される事件が起きました。

    「パトロールの消防車から爆竹投げた団員書類送検」(2014年2月8日 読売新聞)

    パトロール中の消防車から火をつけた爆竹を道路に投げたとして、愛知県豊田署は7日、同県みよし市の消防団分団長で会社員の男(31)を道路交通法違反(道路での禁止行為)の疑いで豊田区検に書類送検しました。

    調べによると、事件が起きたのは昨年12月26日の夜。

    男は県道で消防車に乗って火災予防のパトロール中、爆竹1個に点火。それを道路に投げ込み、爆発させた疑いとのことです。

    ちょうど前を走っていた車の女性から、「消防車のスピーカーから話し声が聞こえ、爆竹も鳴らしている。車を降りて注意をしたが、走り去った」と110番通報があったことで発覚。

    男は消防団の詰め所で団員仲間と酒を飲んで酔ったままパトロールし、「後ろを走っていたもう1台の消防車の仲間を驚かそうと爆竹を使った」と話しているということです。

    もちろん、消防団員がパトロール中の消防車から、しかも酒に酔って火気である爆竹を鳴らすとは言語道断ですが、それでも、道路で爆竹を鳴らしたくらいで犯罪になるの? と思う人もいるでしょう。

    じつはこの男の行為、言い訳のできない犯罪なのです。条文から抜粋してみましょう。

    「道路交通法」第76条で、次のような行為を禁止しています。

    〇道路において、酒に酔って交通の妨害となるような程度にふらつくこと。

    〇道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しゃがみ、又は立ちどまっていること。
    ※わざとやっているとしたら、命知らずですね。

    〇交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。

    〇道路において進行中の車両等から物件を投げること。

    違反した場合は、5万円以下の罰金です。

    今回は、進行中の車両から爆竹を投げた、ということで犯罪成立ということです。この犯罪、過去の判例で見ると、こんな大迷惑なものもあります。

    東京都千代田区の祝田橋から竹橋方面に向かう北行四車線中、中央分離帯に最も近い車線に散水車を止め、タンクの排水口から糞尿を勢いよく車道上に流出。被告はさらにポリバケツに糞尿を汲んで、付近にまき散らした。(東京高等裁判所判決時報刑事44巻1~12号19頁)

    糞尿が車道上を帯状になって流れ、幅10メートルにわたり四車線のほぼ全面を覆う状態になった、とあります。

    車から垂れ流すだけでなく、車を降りて、ポリバケツに糞尿を汲んで、さらにまき散らしたのです。

    何が彼をここまで糞尿に駆り立てたのでしょうか?

    ゴリラは敵を威嚇するために糞を拾って投げると言います。

    今回の犯人が糞尿をまき散らしたのも、威嚇行動なのでしょうか。

    いずれにしても、周辺の人はたまったものではありません(糞尿は溜まっているようですが・・・)

    これは特異な例だとしても、走っている車からものを捨てると犯罪になるということです。

    運転中に捨てていいのは邪念と心得ましょう。

    注意してください!

    走っている車からのタバコやゴミのポイ捨て、あなたもしていませんか?

    今、ドキッとした方。

    あなたのその行為、犯罪になるかもしれません。

  • DVで5,000万円の損害賠償が認められた件

    2014年02月12日




    弁護士をしていると、日々さまざまな相談を受けます。

    中には離婚の相談もあるのですが、じつはその中で多いのがドメスティックバイオレンス(DV)の問題です。

    DVは、なかなか人には言えない問題でもあるため、表面化しないだけで実態は想像以上に多いのかもしれないという印象です。

    愛し合って結ばれたはずの2人なのに、暴力でしかつながれないのは悲しいことです。

    紀元前のローマの劇作家、テレンティウスが言ったそうです。

    「恋人同士のけんかは、恋の更新である」と。

    恋が更新されるのは良いことです。更新される度に2人の関係が深まっていきます。

    しかし、これは対等の立場でのけんかを前提にした言葉でしょう。

    2人の関係が対等でない場合は、どうなるでしょうか?

    体力で言えば、女性より男性の方が圧倒的に強いのが通常です。男性が暴力に訴えたら、女性は太刀打ちできません。

    もはや恋の「更新」はありません。

    「恋人への暴力は、恋の契約解除である。そして、損害賠償である」

    となるでしょう。

    そんなDV事件の判決が北海道で出されました。

    「自殺未遂、DVが原因 交際相手に5千万賠償命令、札幌地裁」(2014年2月6日 北海道新聞)
    札幌市の女性(26)が、交際相手の男性(26)からのDVを苦に自殺を図り、重度の障害を負ったとして、5千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が、5日に札幌地裁でありました。

    裁判長は、「女性は暴力を受け思い詰めていた。自殺は予見可能だった」と指摘して、請求通り全額の支払いを命じたもようです。

    報道によると、2人の交際は2008年5月ごろからスタート。

    しかし、間もなく男性が女性を怒鳴ったり、殴ったりするなどの暴力をふるうようになったようです。

    そして2009年1月、女性は自宅マンション14階の非常階段から飛び降り、意識不明の重体となり、現在も意思疎通が困難な状態が続いているということです。

    男性側は暴行を否定しているようですが、裁判長は女性の友人の証言から「七ヵ月間にわたる暴行で思い詰め、当日も殴られて自殺を図った」と認定。

    また、女性は男性に「いつか自分で自分の命を終わらせてしまいそうで怖い」というメールを送っていたということで、「男性は自殺を予見できた」と結論づけたようです。

    男性は、2011年7月と2008年8月に女性に対して全治1週間のケガを負わせたとして札幌簡裁から罰金20万円の略式命令を受けているそうです。

    DVは、家庭内の問題というだけではなく、一線を超えれば「暴行罪」や「傷害罪」になります。今回の場合、刑法上は「傷害罪」です。

    「刑法」第204条(傷害)
    人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

    犬も食わぬ、という痴話喧嘩で済んでいればいいのですが、暴力によって、あまりに相手を精神的、肉体的に追い詰めすぎると、このような不幸なことになってしまいます。

    ちなみに、DVに関する法律には全30条からなる「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」(通称「DV防止法」)があります。

    DVの被害者は女性が多いことから、この法律の前文では「男女平等」「被害者の保護」「女性に対する暴力の根絶」などに触れています。

    たとえ、歪んだ愛の形の果てがDVだとしても、暴力は絶対に許されることではありません。

    「法は家庭に入らず」という法諺があります

    家庭内で窃盗などを行っても、法律では取り締まりをしない(刑が免除される)、ということです。

    しかし、暴力は別です。法がずかずかと家庭に入ってきて取り締まります。

    特に男性諸氏は肝に銘じておきましょう。

    口喧嘩で頑張るのです。

    どうしても口喧嘩で勝てない時は、次の本を読んでみるとよいでしょう。

    「弁護士の論理的な会話術」(あさ出版)谷原誠著
    http://www.amazon.co.jp/dp/4860633997/

    もし、口喧嘩が嫌だ、ということであれば、上手に交渉してみましょう。
    次の本が参考になるでしょう。

    「弁護士が教える気弱なあなたの交渉術」(日本実業出版社)谷原誠著
    http://www.amazon.co.jp/dp/453404433X/

    それでもダメな場合は、自分の心をコントロールするしかありません。
    そんな時は、この本があなたを導いてくれるでしょう。

    「やっかいな相手がいなくなる上手なモノの言い方」(角川書店)谷原誠著
    http://www.amazon.co.jp/dp/404110565X/

  • 未成年者の飲酒・喫煙で罰せられるのは子供?親?

    2014年02月10日




    タバコがカッコイイ時代がありました。

    永遠の映画スター、ジェームズ・ディーンやローリングストーンズのギタリスト、キース・リチャーズがタバコをふかす姿にあこがれた人もいたでしょう。

    MarlboroのCMもよくできていましたね。

    若い人は信じられないかもしれませんが、昔はどの会社でも禁煙・分煙は行われておらず、みんな自分の机でタバコを吸っていたものです。

    タバコによる焦げ跡がついたビジネスの書類もしばしば目にしました。

    ただ、昔も今も変わらないのは、未成年がタバコを吸うことは法律で禁じられているということ。

    ところが、自分の未成年の息子の喫煙をやめさせないどころか、買い与えていた親が書類送検されるという事件が起きました。

    「未成年の息子の喫煙止めず、母親3人を書類送検」(2014年2月5日 YOMIURI ONLINE)

    2月5日、神奈川県警小田原署は、未成年の息子3人の喫煙を黙認したとして、小田原市内の3人の母親を未成年者喫煙禁止法違反の疑いで地検小田原支部へ書類送検しました。

    報道によると、アルバイト女性(44)は内装工の長男(16)に対して、飲食店従業員の女性は高校生の長男(16)に対して、それぞれ喫煙していることを知りながらやめさせなかった疑い。また、看護助手の女性(44)は中学生の三男(15)の喫煙をやめさせないどころか、タバコを買い与えていた疑いのようです。

    また昨年、このうちの2人少年は、ほかの少年3人とともに市内の中学校のガラス98枚を割ったとして同署に建造物侵入と器物損壊の疑いで逮捕されていたということです。

    お酒もタバコも20歳になってから!

    というのは誰もが知っていることだと思いますが、実際の法律ではどのように規定されているでしょうか。

    「未成年者喫煙禁止法」という法律があります。

    この法律によると、

    ①20歳未満はタバコを吸ってはいけません。
    ②親権を行う者、あるいは親権を行う者に代わって未成年者を監督する者が、未成年者がタバコを吸っていることを知って止めないときは、科料に処す。
    ③販売者はタバコを売る時に年齢を確認することとし、未成年者と知って売った時は、罰金50万円以下。

    となっています。

    当然ですが、お酒に関する法律ももちろんあります。

    「未成年者飲酒禁止法」

    ①20歳未満はお酒を飲んではいけません。
    ②親権を行う者、あるいは親権を行う者に代わって未成年者を監督する者が、未成年者が酒を飲んでいることを知って止めないときは、科料に処す。
    ③販売者はお酒を売る時に年齢を確認することとし、未成年者と知って売った時は、罰金50万円以下。

    ほとんどタバコの場合と同じですね。

    注意しなければいけないのは、タバコを吸ったり、お酒を飲んだりした未成年者本人は罰せられず、親や監督者が罰せられるということです。

    喫煙や飲酒を黙認したり、吸わせたり飲ませたりすることが犯罪だということを、どれだけの親が知っているでしょうか?

    20歳以上の成人のみなさんは、これを機会に、ぜひこの法律も覚えてください。

     

    今回も、最後に「なぞかけ」です。

    ギャンブルとかけまして、

    未成年者のタバコと解きます。

    その心は?

     

    「スッたら、だめ!」

    失礼しました。(*^▽^*)ゞイヤ~

  • 強制わいせつ罪と準強制わいせつ罪の本当の違いとは?

    2014年02月08日




    「準強制わいせつ:治療偽り体触る 53歳歯科医逮捕 三重」
    (2014年2月5日 毎日新聞)

    三重県亀山署は、歯科医師の男(53)を準強制わいせつの疑いで逮捕しました。

    調べによると、容疑者の男は昨年の10月、当時勤務していた三重県亀山市の歯科医院で20代の女性患者に対して、必要な治療だと偽り体を触るなどしたようです。

    男は「かみ合わせが悪い」「大胸筋が張っている」などと理由をつけては治療室とは別の部屋に女性を連れ込み、マッサージと称して、わいせつな行為をしたということです。

    女性は、その日のうちに同署に相談。同署は余罪を追及するようです。

    「大胸筋が張っている」と言われて喜ぶのは、ボディビルダーくらいでしょう。

    「大胸筋張ってますね~!」

    (*^▽^*)ゞイヤ~、ソレホドデモ~


    ところで、みなさんは今回の事件の容疑である「準強制わいせつ」という罪名を見て疑問に思うことはないでしょうか?

    「準」とは何でしょう? 本格的ではない、ささいなわいせつ罪ということでしょうか? 

    「準優勝」などの、ちょっと惜しいわいせつ罪ということでしょうか?

    「準」があるなら、「正式」なわいせつ罪もあるのでしょうか?


    じつは、あるのです。それらの違いを法律的に解説してみましょう。

    「刑法」第178条(準強制わいせつ及び準強姦)
    1.人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。

    2.女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、前条の例による。

    「心神喪失」と「抗拒不能」という部分がポイントとなります。

    13歳以上の者に対して、心神喪失(精神的な障害などによって正常な判断力を失った状態)や、抗拒不能(心理的または物理的に抵抗ができない状態)に乗じてわいせつな行為をした者は、準強制わいせつ罪が、または姦淫行為をすれば準強姦罪が適用されるわけです。

    例えば、睡眠や酩酊している人や高度の精神遅滞の人のように被害者がわいせつ行為を認識できない場合は心神喪失、医療行為を装ったときなどは、抗拒不能にあたります。

    2004年アテネと2008年北京の両オリンピックで金メダルに輝いた、男子柔道の内柴正人被告の容疑は、準強姦罪でした。

    当時、被告が柔道部のコーチを務めていた大学の女子柔道部員が泥酔状態で強姦されたとして起訴された事件は、記憶に新しいところです。


    さて、以上が「準」がつく犯罪ですが、次に正式な犯罪を見てみましょう。

    心神喪失若しくは抗拒不能に乗じた場合は、「準」でしたが、「暴行」や「脅迫」によって逆らえない状態にして事におよんだ場合、「準」ではない罪となります。

    第176条(強制わいせつ)
    13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。


    第177条(強姦)
    暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。

    しかし、刑の重さでいえば「準」だからといって軽くなる、というわけではないということに注意が必要です。

    「優勝」と「準優勝」の間には、大きな差がありますが、「強制わいせつ罪」と「準強制わいせつ罪」との間には、刑罰の差はありませんので、よく憶えておきましょう。

    あっ、それと、嫡出子(婚内子)と非嫡出子(婚外子)との間には、相続分について大きな差がありましたが、平成25年12月5日に民法が改正され、相続分は平等となりましたので、それも憶えておきましょう。

    最後になぞかけです。

    バンビとかけまして、

    歯医者さんと解きます

    その心は?



    「しか」とも言います。(+o+)

  • 犯罪になるストレス発散法とは!?

    2014年02月04日




    現代社会はストレス社会と言われます。

    仕事、家事、勉強、人間関係・・・・、生きているだけでストレスが生じてしまうようです。

    ストレスが溜まったら、発散しなければいけませんね。

    趣味に没頭したり、スポーツでカラダを動かしたり、カラオケしたり、と、人それぞれにストレス発散方法があります。

    ところが、時として、このような健全な方法でストレスを発散するのではなく、犯罪行為でストレスを発散しようという人が出てきます。

    さあ、どんな方法でストレスを発散したのでしょうか?

    「女性の顔に唾“スッとした” 韓国籍の24歳男を再逮捕」(2014年2月4日 産経デジタル)

    報道によると1月9日、大阪市の路上で女児(8)に唾を吐きかけたとして、暴行容疑で逮捕された韓国籍の会社員の男(24)が、「ストレスのはけ口にしていた」と供述を始めたことで、此花署は別の被害者に唾を吐いた暴行容疑で再逮捕しました。

    現場付近では平成24年9月~平成25年11月にかけて同様の事件が計17件発生。

    被害者は10~40代の女性。時間は午後8~11時ころに多発。

    自転車のすれ違いざまに顔や髪に唾を吐く、手で唾をなすりつけるなどの被害が頻発していました。

    人命にかかわる事件ではないとしても、大阪府警の捜査幹部は「人間の尊厳を踏みにじる行為だ」として厳しく捜査をしていたようです。

    男は、当初は「記憶がない」などと供述していたようですが、女児の服に残っていた唾液のDNAの型が一致。他の事件への関与も認め、「女性に唾を吐き、気持ちがスッとした」と供述しているということです。

    さて、「暴行罪」とはどのような罪なのでしょうか。「刑法」をみてみましょう。

    「刑法」第208条(暴行)
    暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

    暴行罪となる行為にも、さまざまあります。過去の判例から一部を紹介してみましょう。

    〇仰向けに倒れた女性の上に馬乗りになる行為(大阪高判昭29・11・30裁特1-12-584)

    (評)馬乗りになると、総合格闘技ではマウントポジションと言って、ほぼ勝ちが決まるのですが、私生活でやると、負け(犯罪成立)になるということですね。

    〇食塩を他人の顔、胸等に数回振り掛ける行為(福岡高判昭46・10・11判時655-98)

    (評)日本では古来より、人を追い払おうとするときに、塩をまくことがありますが、実は、暴行罪を犯していたのですね。

    〇狭い4畳半の室内で日本刀の抜き身を振り回す行為(最決昭39・1・28集18-1-31)

    (評)四畳半で日本刀を振り回して、怪我をさせないというのも凄い腕前ですね。ちなみに、大根を振り回しても暴行になり得ますので、気をつけてください。せいぜい髪を振り乱すくらいにしておきましょう。


    なんとも迷惑なものばかりです。「一体、何がしたかったのか?」というものもあります。

    コントのネタならOKですが、実際にこんなことをすると犯罪になります。

    ちなみに、「軽犯罪法」にも、つばを吐く行為を禁止したものがあります。

    第1条
    左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。

    26.街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者

    ※拘留(1日以上30日未満で刑事施設に収容)、
    科料(1,000円以上1万円未満を徴収)

    公衆の面前で大小便をする、またはさせるとは…いやはや、もはや極度の変態、マニアと言わざるを得ません。

    マニアも犯罪になりうるということです。

    実際、平成21年には大阪府摂津市で、平成23年には大阪市東成区で大便を女性に投げつける、顔になすりつけるという事件が起きていて、後者は未だ未解決のようです。

    ゴリラですかっ!?L(゚□゚)」オーマイガッ!

    気をつけてください!

    街路、公園などで唾やたんを吐くこと、あなたもしていませんか?

    その行為、犯罪になるかもしれません。

  • 法がダメなら条例で!京都府が盗撮を禁止へ~

    2014年02月03日




    カメラやビデオなど撮影機器の性能が進化したせいもあるでしょう、近年、「盗撮」による犯罪が増加しているように思います。

    ニュースを見ると、毎日全国のどこかで誰かが盗撮している始末。

    そんな状況の中、京都府警が盗撮を禁止する場所を学校や職場など「公衆の目に触れる場所」にまで拡大する府迷惑行為防止条例の改正案を2月議会に提出すると発表しました。

    「学校、職場でも盗撮禁止へ 京都府警、初の条例案」(2014年1月29日 産経ニュース)

    報道によりますと、現行の条例は、盗撮を禁じるスペースを誰でも出入りできる商業施設や駅、電車、バスの中など「公共の場所または公共の乗り物」と規定。

    そのため、平成24年、京都市の中学校の元教諭が校内で盗撮をしていたことが発覚した際、条例が適用できず立件を見送り、路上での盗撮行為で逮捕したことなどの経緯から、条例改正を検討してきたようです。

    改正案では、規定を「公衆の目に触れるような場所」に拡大し、学校や塾の教室、職場、病院や、公衆浴場、公衆便所、デパートの試着室、プールの更衣室など服を着ていない場所も新たに規制対象とするとしています。

    また、罰則も「6月以下の懲役または50万円以下の罰金」から「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」に引き上げる考えのようです。

    ところで、多くの人は何か腑に落ちない気がするのではないでしょうか?

    そもそも、公共の場であろうが、公衆の目に触れる場所だろうが、盗撮は犯罪じゃないのか? ということです。

    じつは、盗撮行為は「刑法」には直接抵触しないのです。

    現状、卑猥目的の盗撮行為を取り締まるには、つぎの3つのどれかで法の裁きを下すしかありません。

    「軽犯罪法」
    さまざまな軽微な秩序違反行為に対して拘留(1日以上30日未満で刑事施設に収容)、科料(1,000円以上1万円未満)に処する法律です。

    第1条
    左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。

    23.正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

    各都道府県の「迷惑行為防止条例」
    現在、47都道府県すべてで定められています。
    ここでは、京都府の条例をひとつの例として記しておきます。

    「京都府迷惑行為防止条例」
    第3条
    何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人を著しくしゅう恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、次に掲げる卑わいな行為をしてはならない。

    (4) みだりに、着衣で覆われている他人の下着又は身体の一部(次号において「下着等」という。)をのぞき見し、若しくは撮影し、又はこれらの行為をしようとして他人の着衣の中をのぞき込み、若しくは着衣の中が見える位置に鏡、写真機等を差し出し、置く等をすること。

    第10条
    第3条、第6条又は第8条の規定に違反した者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
    2 常習として第3条、第6条又は第8条の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

    「住居侵入罪」
    部外者が、盗撮目的で機器設置のために、さく等に囲まれた建造物の敷地に侵入する行為は「住居侵入罪」に該当します。

    「刑法」第130条(住居侵入等)
    正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

    よく学校やデパートなどの女子トイレに侵入して盗撮した人が住居侵入罪で逮捕していますね。

    こうした現状を踏まえてメディアの報道を読むと、今回の京都府警の改正案がなぜニュースになったのか?

    その理由が見えてくるでしょう。

    今は、誰もがいつでも盗撮し、インターネットで瞬時に世界にばらまかれる危険性をはらんでいます。

    法律や条令で取り締まるのも仕方ありませんね。

    法律は完璧ではありません。

    さまざまな事象から議論を重ね、法律の改正をしながら、よりよい社会のために一歩ずつ前進していくものなのです。

    そうしたことを知ると、法律のおもしろさがまたひとつ、わかってくるのではないでしょうか。

    法律や条令などを作ったら、それを伝えるのが政府、地方自治体、マスコミの役割です。

    私もこうやってブログを書き、少しでも法を社会の隅々に届けたいと思っています。

    ルールに則った住みやすい社会になることを祈ります。

  • 職場のいじめは、法律問題です。

    2014年02月02日




    組織のトップ自らが率先してパワーハラスメント(以下、パワハラ)を行っていたという事件が起きました。

    「高校校長、教頭に“バカ”“しゃべるな”暴言で処分」(2014年1月30 朝日新聞デジタル)

    北海道教育委員会は、むかわ町にある高校の男性校長(60)をパワハラで減給(10分の1)1カ月とする懲戒処分を発表しました。

    報道によると、校長は2012年12月ごろから3カ月にわたって、校長室での管理職打ち合わせの際に、「バカ」「しゃべるな」「あんたの給料ください」「おまえをいじめることしか考えていない」などの暴言を繰り返し男性教頭に浴びせかけ、精神的苦痛を与えたということです。

    教頭が道教委に文章で訴えたことで発覚したようで、北海道内では校長がパワハラで処分されるのは初めてのケースとなったということです。


    職場で起こる問題の中でも、近年、問題になっていることのひとつが「パワハラ」です。

    厚生労働省が公表している定義によると、パワハラとは以下のようになります。

    「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」

    パワハラには、上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間などの様々な優位性を背景に行われるものも含まれる、としています。

    具体的には次のような分類を挙げています。

    ①身体的な攻撃(暴行・傷害)
    ②精神的な攻撃(脅迫・暴言等)
    ③人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
    ④過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
    ⑤過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
    ⑥個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

    今回は、②の精神的な攻撃と言えるでしょう。職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えた発言をしていますね。

    職場のパワハラを予防するために必要なこととしては、以下の5点が挙げられます。

    〇トップのメッセージ
    〇ルールを決める
    〇実態を把握する
    〇教育する
    〇周知する

    今回の件では、学校のトップである校長自らがメッセージを発信するどころか、直接パワハラを実行していたという笑えない事態が発生していたということです。

    ちなみに、今回のようなケースで民事で損害賠償を提起した場合には、慰謝料が認められる場合があります。

    仮に殴るなどしたなら、もはやパワハラにとどまりません。

    「暴行罪「傷害罪」という刑法犯罪になる可能性があります。

    「刑法」第204条(傷害)
    人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

    第208条(暴行)
    暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

    以前は、「部下に対する上司の指導」という暗黙の了解で表面化してくることが少なかったパワハラですが、ここ数年で社会問題化してきています。

    お互いにリスペクトしあっていれば、このような事態にはならないはずですし、お互いに職務に真剣に取り組んでいれば、このような事態にならないはずです。

    上司も部下も人間力の向上が肝要。相手を思いやる気持ちが大切ですね。

  • 中傷投稿やツイートに対抗する法的手段とは?

    2014年01月29日




    SNSにおける投稿者情報の開示に関する案件

    近年、多くの人が利用し、便利、楽しいと同時にさまざまな問題の原因にもなっている、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。

    先日、「ツイッター」を舞台にした、ある異例な判決が出されました。

    <「詐欺師」「自己中」「ぶさいく」中傷ツイートの投稿者情報、開示求める 東京地裁>(2014年1月21日 産経ニュース)

    ツイッターで「詐欺師」などと中傷された静岡県の男性(62)が、投稿者を特定するため、アメリカのツイッター社に対して接続情報の開示を求める仮処分を東京地裁へ申し立て、認められていたことが分かりました。

    原告側の代理人によると、男性は平成23年ごろからツイッター上で特定の人物から、「この詐欺師!」「自己中ぶさいく」などの中傷投稿を繰り返し行われていたということです。

    そこで2013年4月、ツイッター社に対して投稿者の接続情報を開示するよう求める仮処分を申請。

    東京地裁は同年7月、男性への名誉棄損を認め、ツイッター社に対して「IPアドレス」(ネットワーク上の識別用の番号、住所)の開示を命じたようです。

    その後、原告側は開示された情報をもとに、プロバイダー(接続事業者)であるソフトバンクBBに対して投稿者の氏名や住所の開示を求める訴えを起こし、今月16日、東京地裁は開示を認める判決を言い渡したということです。

    既に投稿は削除されているようですが、原告側は投稿者と直接連絡を取り、今後は中傷しないように求めるようです。

    報道では、今まで接続情報の開示は「2ちゃんねる」などの掲示板が多かったのですが、ツイッターに対して開示が認められたのは極めて異例なこととしています。

    実際、ネット上の掲示板やツイッターなどの中傷投稿で困っている人もいると思いますので、本件をサンプルとして、投稿者に対する不法行為(名誉棄損)に基づく「発信者情報開示請求」について、ここでその手続き方法等を簡潔に解説しておきましょう。

    投稿者の特定のための請求

    ネット上の掲示板などは、通常、匿名での書き込みのため、投稿者に対して損害賠償請求を行うためには、まずは当該加害者を特定する必要があります。
    そのために、発信者情報開示請求ができます。(プロバイダ責任制限法4条1項)

    開示請求することができる発信者情報

    ①氏名又は名称
    ②住所
    ③電子メールアドレス
    ④IPアドレス
    ⑤侵害情報の係る携帯電話端末又はPHS端末からのインターネット接続サービス利用者識別符号
    ⑥侵害情報に係るSIMカード識別番号(個体識別番号)
    ⑦IPアドレスが割り当てられた電気通信設備、⑤又は⑥に係る携帯電話端末等から情報送信された年月日及び時刻(タイムスタンプ)

    発信者情報開示請求の手順

    一般的に、掲示板等に書き込みをする場合、どのような仕組みなのかを簡単に説明しておきます。

    ①インターネット接続契約をしている経由プロバイダに接続
    ②経由プロバイダにおける認証サーバがIPアドレスの割り当て、タイムスタンプを記録
    ③当該経由プロバイダを経由して、掲示板管理者であるコンテンツプロバイダに接続
    ④コンテンツプロバイダのウェブサーバにおいて当該IPアドレス及びタイムスタンプを記録

    以上のように、通常、掲示板を管理するコンテンツプロバイダのウェブサーバには、タイムスタンプと経由プロバイダから割り振られたIPアドレス等が記録されるのみで、投稿者の氏名や住所などの情報は記録されません。

    そのため、投稿者を特定するための発信者情報開示請求は、2段階に分けて行う必要があります。

    ステップ1

    掲示板管理会社(コンテンツプロバイダ)に対する、IPアドレス及びタイムスタンプなどの発信者情報開示請求

    情報を得たIPアドレスについて「WHOIS」検索を行い、これを保有する経由プロバイダを特定

    ステップ2

    経由プロバイダに対して、投稿者の氏名・住所・メールアドレス等の発信者情報開示請求

    その際、プロバイダ責任制限法4条1項に基づく請求であるため、以下の要件を主張する必要があります。

    ①「請求権者」
    特定電気通信(プロバイダ責任制限法2条1号)による情報の流通によって自己の権利を侵害された者であること

    ②「被請求権者」
    開示関係役務提供者(当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者)であること

    ③侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであること

    ④当該発信者情報が当該開示の請求をする者の損害賠償請求権の行使のために必要である場合、その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があること

    注意点

    ①通常、大手プロバイダのアクセスログ保存期間は2週間~3ヵ月程度という短期間とされているので、手続を迅速に行う必要があります。

    ②経由プロバイダが判明したとしても、その時点でのアクセスログの保存期間満了の問題が心配されます。まずは内容証明郵便による通知をして個別の保存対応をしてもらうよう求めましょう。

    ③任意の保存に応じられないという回答の場合は、コンテンツプロバイダのときと同様に、発信者情報の保存の仮処分命令の申立てを行うことになります。


    投稿の削除請求

    掲示板上に不法な投稿が掲載されたままでは、名誉棄損による被害が継続されることになります。そのため、民法723条(名誉棄損における原状回復)等に基づく差止請求として、該当する記載投稿の削除請求をすることができます。

    これは、掲示板管理者に対しても可能ですが、膨大な量の書き込みを掲示板管理者が随時チェックして検討するのは物理的、現実的に困難であることから、過去の判例では、掲示板管理者の場合は、被害者から具体的な削除請求を受けた後も不当にこれを放置した場合のみ削除義務が認められるとされています。(東京高判平成13年9月5日判タ1088号94頁、東京地判平成11年9月24日判タ1054号228頁等)

    いずれにしても、やはり複雑な手続きが必要となってくるため、費用がかかったとしても、弁護士を代理人として事に当たるのがいいでしょう。

    SNSによって誰もが全世界に情報を発信できるようになりました。

    非常に便利なツールです。

    しかし、反面、故人がとても簡単に名誉毀損や侮辱、信用毀損などをしたりすることもできてしまいます。

    原子力発電と原子力爆弾の関係もそうですが、人間にとって有益な発明は、その裏側に必ず弊害を伴うものですね。

    人間の善なる心を信じたいものです。

  • 放置プレイで相手が死亡したら犯罪になる!?

    2014年01月19日




    放置プレイというものがあるそうです。

    もともとは、少数のマニアの人たちの世界だったものが、最近では、一般の仲間うちでもちょっとしたギャグのように使われているようです。

    遊びならいいのですが、実際に人を放置して死亡させてしまうという事件が起きてしまいました。

    「82歳の同居女性置き去りで死亡 50歳男を逮捕 奈良」(2014年1月10日 産経新聞)

    同居していた、歩行が困難で介助が必要な女性(当時82歳)をアパートの部屋に置き去りにしたとして、奈良県警捜査1課と生駒署は土木作業員の男(50)を「保護責任者遺棄」の疑いで逮捕しました。

    報道によると、昨年10月末、部屋から異臭がしたため、アパートの所有者が同署に通報。

    室内を確認したところ、女性の遺体が発見されたということです。

    男と女性は1994(平成6)年頃から同居していたようで、昨年の8月頃、男は女性を置き去りにしたまま、その後は各地を点々としていたといいます。

    容疑者の男は「置き去りにすれば楽になれると思った」と供述し、容疑を認めているということです。

    では、保護責任者遺棄罪について見ていきましょう。

    「刑法」第218条(保護責任者遺棄等)
    老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、3月以上5年以下の懲役に処する。

    幼児に対する親、寝たきりの親に対する子などの親族が、必要な食事を与えないような場合が代表的なケースです。

    しかし、親族に限りません。看護師やベビーシッター等、仕事上保護の責任がある者も含まれます。

    また、そのように本来保護義務を負っていなかったはずの者であっても、たとえば好意で介抱してあげた、車で病院に連れて行ってあげたなど親切心で要保護者の保護を開始すれば、保護義務を負わされることもあります。

    つまり、もともと保護の義務があろうと、たまたま保護する関係になった場合であろうと、自分が保護しなければその人が身を守ることが難しいような関係になった場合には、法律で保護する責任を認めている、ということです。

    「保護責任者遺棄罪」には、さまざまな例があります。

    14歳から2歳までの実子4人を自宅に置き去りにした母親の事案(東京地判昭63・10・26判タ690-245)

    病気のため身体の自由を失っている65歳の実母に適切な食事を与えるなどしなかった事案(大判大8・8・7録25-953)

    衰弱して凍傷や骨折により日常の動作が不能になった実子に医師の治療を受けさせなかった事案(最決昭38・5・30裁判集147-409)

    いわゆるひき逃げの事案において、被害者をいったん自動車に乗せて事故現場を離れ、その後降雪中の薄暗い車道上に放置した事案(最判昭34・7・24集13-8-1163)


    今回のケースでは女性が死亡しているため、置き去りとの因果関係が認められれば「保護責任者遺棄致死罪」になるでしょう。

    過去の判例としては、被告人らが注射した覚せい剤により錯乱状態に陥った少女を放置して立ち去ったところ、同女が死亡した事案(最決平1・12・15集43-13-879)などがあります。

    2009年には、俳優の押尾学氏が六本木ヒルズのマンションの部屋で、合成麻薬MDMAを服用し、その際一緒にMDMAを使用したホステスが意識不明になって保護が必要な状態になったにもかかわらず放置し、死亡したとのことで、保護責任者遺棄致死罪に問われたことがありました。

    ところで、季節的には新年会でお酒を飲んで盛り上がっている人もいると思いますが、要注意です!

    たとえば、あなたが新年会で会社の同僚とお酒を飲み、泥酔したのでそのまま放置したところ、その同僚が凍死などした場合、保護責任者遺棄致死罪に問われる可能性があります。

    実際、過去の判例でも、「泥酔者」も、保護責任者遺棄罪の対象となるとしています。

    具体的には、泥酔状態にある被害者を家に連れ帰ろうとしたが動かないので、衣類をはぎ取ったら寒くて起きるだろうと思って、衣服をはぎ取りながら引きずったもののなお動かないため、全裸状態で放置して帰宅したところ、被害者が凍死した事案で、保護責任者遺棄致死罪を適用した例があります。

    2012年にも、大阪のガールズバーで、泥酔したアルバイトの女性を放置して死亡させたとして、ガールズバーの経営者が逮捕された事件がありました。この事例は、経営者が女性に上着をかけるなどの行為をしていたことから、保護責任者遺棄致死罪の適用は認めず、業務上過失致死罪の成立を認めました。

    しかし、いずれにしても刑罰の対象となる、ということです。

    場合によっては、3ヵ月以上15年以下の懲役になるかもしれません。

    酒は飲んでも飲まれるな、と言いますが、もし同僚や友人が泥酔したら寒い外に放置などせず、ちゃんと面倒をみてあげてください。

    少なくとも、電車で帰れなければ、タクシーに乗せてあげる、というくらいのところまでやったほうがよいでしょう。

    犯罪以前の問題かもしれません。

    ただし、保護ができないような場合もありますね。

    たとえば、男性と女性が2人で飲酒して、男性の方が泥酔して外で寝込んでしまった場合、女性の力では保護ができない可能性があります。

    気温や人通り、泥酔の程度など、状況次第ですが、このような場合は保護責任者遺棄罪は成立しにくいですね。

    こんな場合は、警察に連絡して保護してもらいましょう。

    「酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律」という法律があります。

    この法律の中には、警察官は酩酊者の保護をする義務がある、とあります。

    泥酔した人の面倒を看るのは、警察官の仕事だったのです!

    私の知人も泥酔して警察署に泊めてもらったそうです。L(゚□゚)」オーマイガッ!

    酔っ払いの相手をすることが仕事なのは、ホステスさんかと思ったら、実は、警察官の仕事でもあったのですね。

    さて、泥酔した男性ですが、女性が警察に連絡した途端、起き上がってスタスタ歩き出すかもしれませんよ。(笑)