メルマガ | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
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  • 早起きは裏切らない。

    2024年12月16日

    「朝イチの「ひとり時間」が人生を変える」(キム・ユジン著、小笠原藤子訳)という本があります。

    このような本は、朝型生活になりたい人の方が読みたくなる本ではないか、と思います。

    私は、週末含め毎日朝5時頃に起きているので、タイトルには特に惹かれませんでした。

    朝型のメリットを十分に享受しているからです。

    しかし、目次に、次の言葉がありました。

    「明け方は裏切らない」

    私は、

    「筋トレは裏切らない」

    と思っているので、ついついこの言葉に反応してしまった、というわけです。

    「明け方も裏切らなかったのか・・・。確かに。」

    ということで、全て読んでいないのですが、書いてあることは納得の内容です。

    ・明け方は休息時間
    ・明け方は(他人に追われるのではなく)自分がコントロールする時間
    ・明け方に起きたら、自分だけの時間

    気になる方は、ご一読を。

    そして、早起きができない人への助言も納得です。

    「早く寝ること」です。

    これに尽きます。

    「それができないんだよ!」という人も多いですが、そういう考えでいる限り、なかなか早起きは難しいかもしれません。

    これは、勉強に取り組む時に「時間がないんだよ」というのと同じであり、ダイエットに取り組む時に「付き合いだってあるんだよ」というのと同じです。

    早起きでもなんでもそうですが、スタート地点は、「自分が何を優先し、そのために何を犠牲にするか」という軸を決めるところにあると思います。

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  • 心理学上のIKEA効果

    2024年12月09日

    IKEAは、スウェーデン発祥の世界的な家具・生活用品メーカーで、手頃な価格でスタイリッシュな家具を提供することで日本でも人気の家具メーカーです。

    IKEAは、家具を分解した状態で販売する「フラットパック」方式により、配送や在庫管理のコストを削減し、価格競争力を高めています。

    価格競争力を高めるために採用した「フラットパック」方式ですが、実は、この方式により、顧客のIKEA商品に対する愛着を高める効果を生み出しています。

    これを、心理学で「IKEA効果」といいます。

    IKEA効果とは、人が自ら手をかけて組み立てたものに、客観的価値以上の愛着を持つ心理現象を指します。

    IKEAの顧客は、IKEAの商品を自ら組み立てることによって、価格以上の価値を感じることになるということです。

    実験では、商品ではなく、折り紙作品でも同じ効果が生ずるかが試されました。

    研究者たちは、参加者に折り紙作品を作らせ、その作品をどの程度の価値があると感じるか評価させました。

    すると、自分で作ったオリガミは、他者が作った同じ作品よりも高い価値を感じることが明らかになったそうです。

    このIKEA効果を実生活に応用するには、たとえば、

    ・プロジェクトに対する部下のコミットメントを高めるために、プロジェクトを作り上げる過程に参加させる。

    ・上司に企画を承認してもらうために、企画書の一部を修正してもらう、あるいは、企画タイトルを考えてもらう。

    商売に応用するには、Nikeが参考になります。

    Nikeの「Nike By You」では、顧客が自分のスニーカーをデザインできるサービスを提供しています。自分でデザインした商品に愛着が湧き、購入後の満足度が向上するため、ブランドロイヤルティも高まるというカラクリです。

    このIKEA効果では、一点注意点があります。

    それは、自分が組み立てや創作などに参加した場合、それは必ず成功しなければならない、ということです。

    難しすぎて途中で失敗や挫折をした場合には、むしろ、マイナス評価が植え付けられ、逆効果になります。

    自分なりに応用してみると、面白いですね。

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  • 報酬を与える危険性(報酬の過剰効果)

    2024年12月02日

    子どもに勉強や家事、片付けをさせたい場合、
    あなたは、どういう方法を採用しますか?

    「お小遣いなど(報酬を)をあげるから、頑張れ!」
    というのが一つの方法でしょう。

    仕事で雇用している社員、部下にやる気を出させたい場合、
    あなたは、どういう方法を採用しますか?

    ボーナス支給を約束するのが一つの方法でしょう。

    しかし、ここに落とし穴があります。

    こんな実験結果があります。

    3歳~5歳の幼児を3つのグループに分け、絵を描かせました。

    (1)絵を描くごとに賞品と交換できるチップを与えると約束

    (2)何も約束せず絵を描かせる

    (3)何も約束せず絵を描かせ、後で絵の数に応じて報酬を与えた

    1週間後、何も約束せず全員に絵を描かせたところ、
    (1)の報酬を事前に約束したグループのやる気が低下したそうです。

    絵を描くことと報酬が結びつけられてしまい、
    報酬をもらわずに絵を描く内的動機が低下
    してしまった、ということです。

    例えば、子どもに何かをさせたい場合、
    「100点取ったら、ディズニーランドに連れていく」
    と約束して約束を果たした場合、次に「100点を取れ」
    というと、子どもは、「100点取ったら、何くれる?」
    というような心理状態になる、ということです。

    大学生にも実験が行われました。

    2つのグループに分け、パズルを解かせました。

    (1)3日間報酬なし

    (2)1日目報酬なし。2日目報酬あり。3日目報酬なし。

    2日目は、両グループとも休憩中にもパズルを解いていました。

    しかし、3日目(報酬なし)には、(2)のグループが
    パズルを解く時間が大幅に減少したそうです。

    つまり、自発的にやる気になっていたとしても、
    報酬をもらってしまうと、その作業と報酬を結びつけ、
    「報酬をもらっているからこそ、この作業を行うんだ」
    という外的な動機になってしまう、ということです。

    これを「報酬の過剰効果」といいます。

    私達は、他人を動かそうとするとき、事前に報酬を提示しがちです。

    その方が説得が楽だからです。

    しかし、やりがいややる気が重要な事柄について、
    事前に報酬を提示すると、逆効果になることが
    あるので、十分に注意しましょう。

    報酬を求めるクセが身についてしまうと、
    元に戻すに大変に苦労する可能性があります。

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  • デジタルvs紙

    2024年11月25日

    富山大学の研究によると、紙を使った学習がデジタル機器よりも「記憶力」と「集中力」の向上に効果的であるとの結果が出たそうです。

    理由としては、紙の手触りや視覚的な配置が脳の働きを刺激し、情報をより長期的に保持しやすくするからだと考えられるとしています。

    そして、約8割の学生が、デジタル機器の長時間使用が「紙」に比べて目の疲労を引き起こすと感じています。

    このため、特に長時間の学習においては、紙を活用するほうが良い結果をもたらすことが期待されるそうです。

    ただ、この点は、私が推奨する短時間の集中と短時間毎の休憩を繰り返すことによって克服可能と考えています。

    確かに、私は一般書籍の読書では、iPadで電子書籍で読んでいます。

    しかし、法律書の勉強や研究の際は、紙の書籍を購入しています。

    これは、自分の経験上、紙の書籍の方が記憶に定着しやすいと感じているためです。

    一般書籍の読書でiPadを利用するのは、いつでもどこでもすぐに読み始められること、付箋を貼って、一覧で整理できること、同時に何冊でもアクセス可能であること、などの理由によります。

    また、法律書では、紙の書籍を購入している他に、電子書籍化されている同じ本を購入したり、電子書籍化されていないものは裁断してPDF化してiPadに入れているものもあります。

    これも、いつでもどこでもアクセス可能にするためです。

    こう考えると、じっくりと集中して取り組みたい書籍は紙の書籍、いつでもどこでもアクセスし、検索して調べたいような場合はデジタル書籍、という使い分けが良いようです。

    ということは、子どもの勉強、受験勉強、仕事の勉強などは、紙ベースで取り組んだ方が合理的という推測が成り立ちます。

    弁護士である私のように、裁判例を日々調査しているような場合は、紙の判例集ではなく、デジタルの判例集が圧倒的に効率が良い、ということになります。

    私達は、楽をしようとして、「紙派」か「デジタル派」かという二者択一思考に陥りがちですが、大リーグの大谷選手のように「二刀流」思考が有効な場合は多いと考えます。

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  • ナッジ

    2024年11月18日

    今回は、行動経済学。

    行動経済学は、合理的な人間を想定する伝統的な経済学に対するもので、人間が実際にどのように意思決定を行うかを理解するために、心理学や社会学の知見を取り入れた経済学の一分野です。

    その中に、「ナッジ」というものがあります。

    これは、人々の意思決定を誘導するために、選択肢の設計や環境を微調整することで、強制ではなく、自分の意志による行動を促す手法です。

    例えば、駅や公共施設の階段に「ここまで登って〇カロリー」という表示を付けることで、エスカレーターではなく階段を選ぶ人が増加した、という例があります。

    面白いですね。

    他にも、イギリスのNPO団体が、タバコのポイ捨てを減らそうと考え、灰皿を人気サッカー選手の名前を記載した投票箱に変え、喫煙者が吸い殻を箱に入れて「投票」するよう促したそうです。

    すると、ポイ捨てが大幅に減少したとのことです。

    石破首相の灰皿の投票箱を設置した場合、人々が投票するかどうか、見てみたいものです。

    また、健康のため、「ワンサイズ小さい服を日頃から着る」というものもあります。

    これにより、太ってその服を着られなくなることへの危機感を常に感じさせ、食の誘惑に負けにくくなるという効果が期待できるそうです。

    私は、40代半ばまで、毎日夜中まで飲み歩き、夜中にラーメンを食べていました。

    だんだんとスーツのスラックスのお腹の部分がきつくなってきます。

    確かにスラックスが穿けなくなる危機感を常に感じました。スーツは安くありません。

    ラーメンを控えれば、まだまだ穿けそうです。

    そして、私はどうしたか。

    間もなくスラックスが穿けなくなり、新しいスーツを購入しました。

    「ナッジが効かんのかい!」

    ナッジは必ず成功するものでもないようです。

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  • 3つのタブー・クエスチョン

    2024年11月11日

    今回は、「質問力」。

    拙著「いい質問が人を動かす」より、7つのタブークエスチョンのうちから3つ取り上げます。

    1 ノー・アンサー・クエスチョン

    これは、質問のようでいて、相手の答えを求めていない質問です。

    「何度注意されれば気が済むんだ?」

    などがこれにあたります。

    「3回注意されれば気が済みます!」

    などと答える人はいませんね。

    また、「質問があります」と言いながら、ずっと自説を展開する人もこれにあたります。

    相手の時間を奪っているだけですね。

    先程の質問は、たとえば、「2度と同じ失敗を繰り返さないためにできることは何だ?」などと言い換えることができます。

    2 相手の答えを即座に否定する

    相手に質問しておきながら、相手が答えると、即座にその答えを否定するケースです。

    相手に質問しておきながら、相手が答えると、「全くわかってない!」などと否定します。

    学校の先生なら理解度テストとしていいかもしれませんし、利害の対立する交渉中なども許されますが、相手との関係を良好に保ちたい場面では避けたいところです。

    このような人は、自分を優位性を示したい気持ちが表れており、答えてくれる相手に対する敬意が欠けている可能性があります。

    3 質問の連打

    質問しておきながら、相手の答えを待たず、次の質問に移る行為です。

    「これは、どういう考えで行動したの?」
    「えーと・・・」
    「いいと思ったの?その根拠は?」

    などが、その例です。

    人は、質問されると、その質問に応えようとして、思考を発生させ、特定の方向で考えます。

    しかし、答える前に別の質問をされると、その思考が断絶され、また違う思考を始めなければなりません。

    これも、自分の質問したい気持ちに支配されてしまっており、相手に対する敬意が欠けている可能性があります。

    やっていいのは、相手が答えに窮している場合です。

    以上、3つのタブークエスチョンです。

    普段、自分も無意識にしていないか、思い返してみましょう。

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  • 誘導尋問に気をつけよう。

    2024年11月04日

    裁判で証人に対する主尋問(証人申請をした側からする尋問で、反対尋問に対する用語)では、「誘導尋問」が禁止されています。

    誘導尋問は、尋問者が誘導したい答えを暗示しながら行う尋問です。

    例えば、犯人が殴ったのを見たとも見ないとも証言していない証人に対し、「あなたは、犯人が被害者を殴った時、どの地点にいましたか?」などと質問することです。

    証人は、「A地点にいました」などと証言することにより犯人が被害者を殴ったことを前提とした証言をしてしまうことになります。

    「そんな質問者の意図なんか、すぐわかるから、騙されないよ」と思うかもしれません。

    この実験がありました。

    被験者は、自動車が走行していて、衝突する映像を見せられました。

    その上で、「自動車は、どのくらいのスピードでガシャンとぶつかりましたか?」と質問されると、「ガラスが割れたことを憶えています」と回答しました。

    ところが、実際の映像では、ガラスもヘッドライトも割れてはいませんでした。

    つまり、質問の中に「ガシャン」という男を挿入することにより、記憶がすり替わってしまったのです。

    無実の罪で逮捕された人が、連日取り調べを受け、「お前がやったんろう?」「なぜ殺したんだ?」などと、真犯人であることを前提とした尋問をされ続けることによって、いつの間にか自分がやったような気になってくる、ということもありうることなのかもしれません。

    ですから、私達は、他人に質問をし、情報を引き出そうとする時には、できる限り偏見や予断を排除し、ニュートラルな質問をするように努力しなければなりません。

    しかし、反対に、相手を説得しようとする場合には、誘導的な質問は威力を発揮する、ということになります。

    慎重に質問を使い分けるようにしましょう。

  • なぜ、きりのいい数字にしてしまうのか?

    2024年10月28日

    こんにちは。

    弁護士の谷原誠です。

    こんな経験は、ないでしょうか。

    「夜、万歩計を見たら、9,930歩だった。家の中で70歩歩こう。」

    「ネットフリックスで連続ドラマを観ていて、寝る時間になったのに、1つのドラマの最後まで観てしまう。」

    「腕立て伏せの回数を『自分の限界まで』ではなく、『10回』など、きりの良い回数に設定する。」

    これは、「単位バイアス」が関係しています。

    人は、物事の適切な数や量をある「単位」で認識する傾向があり、単位が変わることで我々の認識や行動が変化するというバイアスのことを指します。

    9,930歩も1万歩も健康にはほとんど影響がないのに、1万歩にしたくなります。

    連続ドラマは、1つのドラマの最後は、必ず次を観たくなるシーンで終わります。そうであれば、途中のだらけたシーンで辞めても一向に構わないのに、最後まで観たくなります。

    腕立て伏せで筋力や筋肉をつけたかったら、自分の限界を超えるようにすべきです。しかし、筋トレに関する知識がない場合、ついついきりの良い回数を設定してしまいます。

    このメルマガでは、勉強や仕事の休憩について、何度もお伝えしてきました。

    「休憩は、疲れる前に取る」

    これが最も作業における集中力を高め、疲労を早く回復する方法です。

    しかし、多くの人は、

    「あと10ページやれば、今日は100ページやったことになる。そこまで頑張ろう。」

    「あと23分で15時だ。15時まで資料作成を頑張ろう。」

    などと、量や時間で休憩を取ろうとします。

    しかし、その結果、疲労が限界に達し、集中力が低下し、また、休憩をとっても疲労が回復しないという結果になる場合があります。

    これは、単位バイアスが作用しているといえます。

    このように、単位バイアスは、日常のいろいろな場面で、無意識に私達にマイナスに作用している可能性があります。

    知っているだけで回避できることもあるので、日常の物事の単位に対する「意識」を「意識的に」観察するようにしましょう。

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  • 交渉における協力志向・競争志向

    2024年10月21日

    交渉における基本スタンスには、交渉相手と協力しあって目的を達成しようとする「協力志向」と、相手との勝負と考えてできるだけ得をしようとする「競争志向」があります。

    私の交渉術の本を読んでいただいた方は、私が基本的には「協力志向」であることをご理解いただいていると思います。

    では、果たして「協力志向」と「競争志向」では、どちらが優秀なネゴシエーターになれるのでしょうか。

    アメリカの2つの大都市で弁護士を対象にした研究によると、同僚から「できるネゴシエーター」と評価されている弁護士のうち、75%が「協力志向」だったそうです。

    また、イギリスの研究では、会社の労使交渉の担当者49人について実際の交渉の場における言動を調査したところ、特に優秀な人たちのほとんどが、「協力志向」だったそうです。

    この結果だけを見ると、一般的には、「協力志向」の方が、優秀なネゴシエーターになりそうです。

    しかし、アメリカ元大統領のトランプ氏は、「競争志向」に見えます。

    「●●をしろ。さもなくば●●をするぞ!」というような脅し型の交渉スタイルのようです。

    それでも不動産王になるくらいですから、交渉でも結果を出してきたのではないか、と推測します。

    つまり、このような研究結果があっても、交渉は、人間対人間が行うものなので、その時その時で有効な方法が違うものですし、何より、自分に合った交渉スタイルかどうかがとても重要です。

    自分が協調型なのに、無理に競争志向の交渉スタイルをとってもうまくいくはずがありません。

    まずは、自分に合った交渉スタイルは、どのようなものなのか、それを決めること、そして、その後にその交渉スタイルでの交渉力をつけていくこと、が大切だと思います。

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  • 韓非子の説得術

    2024年10月14日

    他人を説得するのは、なぜ、こんなにも難しいのでしょうか。

    どこが難しいのでしょうか。

    それは、「韓非子」が教えてくれます。

    韓非(韓非子)は、中国戦国時代の法家思想を代表する思想家です。

    その中に、君主を説得する難しさについて説いた箇所があります(説難篇)。

    韓非子は、説得のいくつかの要素を挙げます。

    ・説得する内容に関する知識を十分に持っていること。

    ・自分の考えをはっきり伝えるまで話すこと。

    ・自分の考えを自由自在に伝える弁舌。

    しかし、これらは、全て難しいことではない、と断じます。

    韓非子は、説得において、最も難しいのは、

    ・相手の心を読み取って、

    ・自分の言葉を相手の心に合わせて話すこと

    ができるかどうか、だと言います。

    そして、次の例を挙げます。

    人は利益を求めるものであるから、相手に大きな利益が得られると説得するとします。

    ところが、相手が名誉を強く求める人である場合、自分のことを下品で俗物扱いされた、と感じ、説得に応じないであろう、と言います。

    この場合は、説得に応じた方が、大きな名誉を得られる、という方向で説得しなければならないわけです。

    私の交渉術に関する本を読んでいただいた方であれば、この考えに同意するでしょう。

    私も同意します。

    そして、相手がどんな価値観を重視するかを見極め、その価値観に合わせた説得方法をとる方法について、1冊書いています。

    興味があれば、ご一読をお願いいたします。

    「7タイプ別交渉術」(秀和システム)
    https://www.amazon.co.jp/dp/B08CRD41GK/
    口コミレビュー(4.1)です。

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