万引犯が強盗罪? | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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万引犯が強盗罪?

2011年09月17日


本日、17日午前9時20分頃、JR東京駅山手線内回りのホームで、自営業の男性が、売店から缶ビールを万引きしようとした男に注意したところ、男から、刃物で切りつけられたとのことです。

注意した方の男性は、左手親指のあたりを切られたが、軽傷。男は刃物を持ったまま逃走しており、警視庁丸の内署は強盗傷害容疑で行方を追っているのことです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111017-00000418-yom-soci

万引きは、窃盗罪ですが、警察は、なぜ強盗傷害容疑で捜査をしているのでしょうか?

刃物で斬りつけるのは、傷害罪ですから、窃盗罪と傷害罪が成立するのではないでしょうか?

実は、刑法には、事後強盗罪というのがあります。

これは、窃盗犯人が、盗んだ物を取り返されるのを防ぎ、または逮捕を免れ、あるいは罪証を隠滅するために暴行又は脅迫した場合に成立するものです。

法定刑は、5年以上20年以下で、強盗罪と同じです。

ちなみに、窃盗罪は、1年以上10年以下の懲役または50万円以下の罰金ですから、かなり重くなっています。

万引きが見つかった以上、神妙にお縄になれば良かったのに、抵抗したばかりに、大変な罪に問われてしまうのです。

万引きはいけませんが、見つかった時に逃げるのはもっと重くなることを憶えておきましょう。