ため池の管理者は賠償義務を負う? | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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ため池の管理者は賠償義務を負う?

2012年02月11日

7歳の兄と5歳の弟の2人がため池に転落し、兄が死亡し、弟が意識不明の重体だそうです。

2012年3月10日午後、福岡市のため池の近くでボール遊びをしていたところ、ボールが池に落ち、5歳の弟がボールを取りに行ったところ、転落し、7歳の兄が弟を助けようとして池に飛び込み、死亡した、とのことです。

痛ましいニュースです。
http://news.tbs.co.jp/20120310/newseye/tbs_newseye4974259.html

どういう転落の仕方をしたのか、わかりませんが、このため池を管理する自治体(?)の責任も問題となるかもしれません。

民法では、土地工作物責任という制度があり、土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があって、その瑕疵によって誰かに損害を与えた時は、その工作物の占有者が、被害者に対して賠償責任を負う、という制度です。

過去に、一般道路を歩行中に河川に転落し、死亡した事故について、道路と河川との間に設置された防護策が撤去されたまま放置していたことが、自治体の損害賠償責任を認めた判例があります(東京地裁平成16年12月17日判決)。

映像では、柵はあるようですが、これで十分だったのか、問題になる可能性があるでしょう。