意識を失えば、責任無能力か?
2011年04月22日
2011年4月18日午前7時半すぎ、栃木県鹿沼市で、クレーン車が児童6人をはねて死亡させた交通事故があった。
加害者は、事故当時、意識障害により、意識を失っていた可能性があるという。
そうなると、今後弁護士がついて、「責任無能力で無罪」と主張する可能性もあるだろう。
責任無能力ということになれば、無罪となり、罪を問われない。
もちろん、加害者が、これまで意識障害に陥ったことはなく、医師からも意識障害に陥る可能性はない旨説明を受けていたのであれば、本人に過失はないという結論になるかもしれない。
しかし、もし、意識障害を伴う持病があり、医師から「意識障害を防ぐには薬を欠かさず服用すること」と指導を受けていた場合はどうか。
その場合には、薬を飲み忘れれば意識障害の発作が起きることを予見でき、このような事故を回避できるはずだ。
したがって、この場合には、仮に事故当時意識障害に陥っていたとしても、自動車運転過失致死罪が成立することになる。
ニュースによると、加害者は、運転免許証の取得・更新の際に、持病を秘して申請をしたかのような報道となっている。
そうだとすると、持病を申告した場合には、運転免許が取得できない、つまり意識障害を伴う持病であることを認識していた可能性が高くなり、過失が認められやすくなるだろう。
また、「薬を飲み忘れた」と供述していることからすると、薬を飲み続ける必要性の説明を受けていた可能性が高く、やはり過失が認められやすい、と言えるだろう。