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ペットを捨てても拾っても犯罪になる!?では、どうすれば!?


2014年5月21日

jiji43





夏目麻衣さん(仮名 26歳)は子どもの頃から動物好きで、中でも猫が大好きでした。

夏目さんの住むマンションではペットを飼うことは禁止されていましたが、猫好きの彼女は、拾ってきた2匹の子猫を内緒で飼っていたのです。

ところが、ある日、管理人に見つかってしまい、管理組合からペットを飼わないよう要求されました。

動物愛護センターに届けてしまえば、この子たちは殺処分になってしまうかもしれない……でも、もういっしょにいることはできない……

悩んだ末、夏目さんは近所の空き地に段ボール箱を置き、その中に2匹の子猫を入れて立ち去りました。

「ごめんね…許してね…」
彼女の頬を涙がつたいました。

数日後、夏目さんの部屋のチャイムが鳴りました。
「警察ですが」
突然、彼女の部屋に警察が踏み込んできたのです……


「捨て猫“逃がして”で書類送検…行政担当者困惑」(2014年5月20日 読売新聞)
愛知県動物保護管理センター知多支所の男性支所長(53)が、県警東海署の男性職員(59)に対し、同署に届けられた捨て猫を逃がすようそそのかしたとして、動物愛護管理法違反(遺棄)の教唆容疑で名古屋地検に書類送検されていたことがわかりました。

報道によりますと、事件が起きたのは2013年10月頃。
愛知県大府市で段ボール箱に入れられ、捨てられているメスの子猫を獣医師が発見。東海署会計課に届けました。

男性職員が知多支所長に保護を依頼したところ、支所長は「病気やケガがなく、自力で生きていけるような場合は引き取れない」と拒否。「逃がしてください」と、猫を遺棄するようそそのかしたということです。

そこで男性職員は、近くの畑に子猫を遺棄。支所長と同じく動物愛護管理法違反(遺棄)容疑で書類送検されたとのことです。


猫を捨てただけで書類送検!? と思う人も多いでしょうが、じつは動物愛護に関する法律があるのです。早速、条文をみてみましょう。

「動物の愛護及び管理に関する法律」第44条
1.愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。

3.愛護動物を遺棄した者は、百万円以下の罰金に処する。


「愛護動物」は、以下のように規定されています。
①牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
②人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの

金魚など魚類は、愛護動物に含まれないんですね。

ちなみに、動物愛護管理法の第36条(負傷動物等の発見者の通報措置)では、道路や公園などの公共の場所で病気やケガをした犬や猫、または死体を発見した者は、すみやかに通報しなければならない、とあります。

発見者には、通報義務(努力義務)があるわけです。これは覚えておいてください。

ところで、冒頭の夏目さんのケースですが、彼女は初め子猫2匹を拾ってきました。
じつは、ここにも犯罪の危険性があるのです。

法律上、ペットは「物」なので、捨て犬や捨て猫を拾ってくると刑法の「遺失物等横領罪」になるかもしれません。

他人の物を横領した人は、1年以下の懲役、又は10万円以下の罰金、若しくは科料に処される可能性があります。

とにかく、拾ったものは何でも自分の家に持って帰らずに、届けるようにしたほうがいいですね。


さて、その後の報道によると今回のようなケースでは、各自治体の対応がバラバラで統一されていないという問題が露呈してきたようです。

愛知県の大村知事のコメント
「今回の行為は遺棄にあたるとは考えていない。職員に違法性はない」

岐阜県生活衛生課の担当者のコメント
「保護すれば、殺処分される可能性もある。飼い主がいるかもしれない猫をむやみに引き取るわけにはいかない」

三重県食品安全課の担当者のコメント
「法律で捨て犬や捨て猫の引き取り義務が明記されている以上、原則として引き取る」

そのうえで三重県は、飼い主を探したり譲渡先を見つけたりすることに力を注いでいるということで、福岡県や神奈川県も基本的には引き取っていると説明しているようです。

同じ行為をしても、書類送検になる場合とならない場合があるようでは行政の担当者も困ってしまうでしょう。

また、札幌市では昨年、飼い猫をノラ猫と間違えて殺処分した例があるようです。

管轄する環境省では、「遺棄にあたるかどうか、現実には判断が難しいケースもある。問題点があれば対処する必要を感じている」と説明しているようですが、これだけペットを飼う人が多く、また遺棄するケースが増えている現代では、法律の決まりを明確にする必要がありますね。

少なくとも法律を執行する行政機関で見解がわかれるなど、ナンセンスと言えるでしょう。

どこからが遺棄にあたり、どこまではあたらないのかの解釈について、環境省から通達発信することを望みます。

いずれにしても、犬や猫を捨てるのは犯罪である、ということは憶えておきましょう。

女性に「そんなに若いの?」で、逮捕!


2014年4月10日




幕末の貧しい農民で、苦労しながらも成功をつかんだ二宮金治郎(尊徳)さんは、少し前まで日本人の勤勉の象徴だった時代がありました。

子供の頃から、薪を担ぎながら読書をしていたという金治郎さんの銅像を、一度は見た人も多いでしょう。

その金治郎さんには、さまざまな逸話がありますが、なかにはこんなものもあるそうです。

「子供の頃、わらじを編んで金を稼ぎ、父のために酒を買った」

2つの反応があるでしょう。

「なんて親孝行な子だ!」

「なんてひどい父親だ!自分の酒のために子を働かせるなんて!」

あるいは、

「ふーん」

かもしれません。

一つの事実のどの面を見るかに人間性が出ます。


ところで、12歳なのに夜の街で働いた少女は、働き者なのか悪い子なのか?

それとも親が悪いのか?

あるいは、「ふーん」なのか?

という事件がありました。

「小6女児接客させた疑い ガールズバー店長再逮捕」(2014年3月31日 産経デジタル)

埼玉県警川越署は、小学6年の少女(12)をガールズバーで働かせたとして、飲食業の男(28)を児童福祉法違反の疑いで再逮捕しました。

報道によりますと、男は、市内のガールズバーで店長をしていた2~3月にかけて、無料通信アプリ「LINE」で従業員募集を知ったとみられる少女に接客させた疑いとのことです。

男は、「18歳未満かもしれないと思っていたが、そんなに若いとは思わなかった」と容疑を一部否認。少女は身長が比較的高く、小学校に通っていたようです。

店には多い時で少女を含め計6人の女性従業員が在籍しており、容疑者の男は、18歳未満と知りながら無職の女性(17)を働かせたとして、すでに風営法違反容疑でも逮捕されていたということです。

早速、「児童福祉法」の条文から見ていきましょう。

「児童福祉法」第1条
1.すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない。
2.すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。

さて、「児童」とは何歳のことをいうのでしょうか?

第4条
この法律で、児童とは、満十八歳に満たない者をいい、児童を左のように分ける。

1.乳児 満一歳に満たない者
2.幼児 満一歳から、小学校就学の始期に達するまでの者
3.少年 小学校就学の始期から、満十八歳に達するまでの者

では今回、どの要件に違反したのでしょうか?

第34条
何人も、次に掲げる行為をしてはならない。

5.満十五歳に満たない児童に酒席に侍する行為を業務としてさせる行為


飲食店の経営者などは注意してください!

酒の席で児童に接客させると、3年以下の懲役または100円以下の罰金、あるいはこれらを同時に科されます。(第60条2項)

ちなみに、「風営法」では風俗営業で18歳未満の者に客の接待をさせたり、客の相手になってダンスをさせること、午後10時~翌日の日の出時までの時間に客に接する(接待しなくても)業務に従事させること、営業所に立ち入らせること、などが禁止されています。

さらには、労働基準法でも未成年者の雇用に関して規制があります。(第61条)

18歳未満が疑われる時は、必ず身分証明書を提出させ、年齢確認をする必要があります。そうでないと、逮捕される可能性がありますよ。

「そんなに若いと思わなかった……」は通用しないということです。

女性に年齢を聞くのは失礼だ、と言いますが、少なくとも従業員として雇用する場合には失礼を承知で聞く義務がある、ということですね。

身分証明書を提示させ、それをコピーして保存しておく必要があります。


さて、

ガールズバーの女性従業員とかけまして、

最近の裁判の傾向、と解きます。

そのココロは・・・・



「わかい」(若い、和解)が人気です!

給料の不払いが犯罪になる!?


2014年4月8日




「足るを知る者は富む」という言葉があります。

もともとは紀元前の古代中国の哲学者で、老荘思想、道教(タオ)の創始者の一人といわれる老子の言葉とされています。

人間の欲望は、まったくきりがないが、つねに欲深くならずに分相応のところで満足することができる者は、心が富んで豊かである、という意味です。

このあとには、次のような一文が続きます。

「強めて行う者は志有り」

努力している者は、志ある者である、という意味です。

私も、まだまだ、頑張らなければいけません!

(*・`д・)ガンバルッス!!

ちなみに、京都にある禅宗の龍安寺には「吾唯知足」(われただ足るを知る)の4文字を彫った「つくばい」(茶室に入る前に手を清めるための手水鉢)があることでも有名ですが、これは「水戸黄門」として知られる水戸藩2代藩主の徳川光圀の寄進だといわれているそうです。

これは、「つくばい」ですが、黄門様が印籠を出すと、みんな「はいつくばい」でしたね。

m(_ _)m失礼しました。

さて、「足るを知る」のも大切ですが、仮に一生懸命働いたのに会社が給料を払ってくれない、という事態になった場合、「私は足るを知っているから、それでも十分幸せ♡」などと言える人はいるでしょうか?

いやいや、自分が働いた分の給料はもらえる権利があるのですから、当然、支払いの請求を主張するべきだし、会社は払わなければなりません。。

それでも支払わないような社長は……どうなるでしょうか?

こんな事件がありました。

「“売り上げ厳しくて…”給料10ヵ月分払わず 神戸の会社、容疑で書類送検」(2014年3月26日 産経新聞)

報道によると、神戸西労働基準監督署は3月25日、従業員に給料を支払わなかったとして、神戸市の会社社長の男性(66)と、法人としての会社を「最低賃金法違反」の容疑で神戸地検に書類送検しました。

事務員の女性(60)に対して、総額370万円以上の給料が未払いで、会社は2013年7月には事実上の倒産状態だったということです。

社長の男性は、「売り上げが厳しくて払えなかった」と容疑を認めているようです。

「最低賃金法」という法律があることを知らなかった人もいると思いますが、会社の経営者でも知らない人がいるかもしれませんので、簡単に解説しておきましょう。

「最低賃金法」
第1条(目的)
この法律は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

第4条(最低賃金の効力)
1.使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない。

第32条(労働基準監督官の権限)
1.労働基準監督官は、この法律の目的を達成するため必要な限度において、使用者の事業場に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査し、又は関係者に質問をすることができる。

第34条(監督機関に対する申告)
1.労働者は、事業場にこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実があるときは、その事実を都道府県労働局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官に申告して是正のため適当な措置をとるように求めることができる。


単純にいえば、社長は従業員に国で決められた「最低賃金」よりも多く給料を支払わなければいけないし、もし支払われなければ、労働基準監督署に訴えることができる、ということです。

これらに違反した場合は、6ヵ月以下の懲役又は30万円以下の罰金です。

ご存じでしたか?

給料を払わないのは「犯罪」だったのです!

ちなみに、労働基準監督官の立ち入り検査を拒否、妨害、忌避したり、嘘をついた場合は、30万円以下の罰金になります。

労働基準監督署を無視する経営者がいますが、甘くみてはいけません。

検査拒否も犯罪なのです。

さらに近年、残業代の不払いも大きな問題となっています。

使用者が労働者に残業代を支払わず、労働者がこれを請求した場合、残業代にプラスして同額の「付加金」を支払わなければならなくなる可能性があります。そういう法律になっているのです。

結局、2倍の金額を支払うことになるわけですね。

また、不払いの場合、「労働基準法」第37条及び第119条により、6ヵ月以下の懲役又は30万円以下の罰金という刑事罰もありますから、社長さんは十分気をつけてください。

ところで、「未払賃金立替払制度」というものがあるのをご存じでしょうか?

これは、「賃金の支払の確保等に関する法律」に基づき、企業が倒産したために賃金が支払われないまま退職を余儀なくされた労働者に対して、その未払賃金の一定の範囲について、独立行政法人労働者健康福祉機構が事業主に代わって支払う制度です。

立替払を受けるには、以下の要件を満たしていることが必要です。

「使用者」
1.労働者災害補償保険(労災保険)の適用事業で1年以上事業活動を行っていたこと(法人、個人の有無、労災保険の加入手続きの有無、保険料納付の有無は問いません。)。

2.法律上の倒産又は事実上の倒産に該当することとなったこと。

「労働者」
1.倒産について裁判所への破産申立等(事実上の倒産の場合は、労働基準監督署長への認定申請)が行われた日の6か月前から2年の間に退職していること。

2.未払賃金があること。

なお、立替払される賃金の額は8割となっています。

給料が未払いのまま会社が破産してしまったような場合は、この制度を使って未払い賃金を確保し、労働者の生活費を確保することになります。

「働かざる者、食うべからず」と言いますが、働いているのに食えない状況にはしなくないものです。


働いてもらった分の給料とかけまして、

降りかかる火の粉、と解きます。

そのココロは・・・・

払わなければ大変です!

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