ブログ | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜 - Part 55
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
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  • バンテリン

    2005年07月16日

    今日、朝から事務所内に湿布の匂いがしていると思ったら、横張弁護士が首筋を痛めてバンテリンを貼っていたそうです。

    バンテリンは、大学で体育会に所属していたときに、痛み止めとして使っていました。

    交通事故で頸椎捻挫で苦しんでいる被害者の気持ちが少しわかったと言っているので、今後は一層被害者の立場にたった弁護士活動をするものと思います。

  • 靖国神社に参拝する国会議員

    2005年07月15日

    終戦記念日の8月15日に、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバーで国会議員(解散前の前衆議院議員含む)47人が、靖国神社に参拝したそうです。

    元旦や12月8日(真珠湾攻撃)ではなく、終戦の日である8月15日に参拝することで、第二次世界大戦の反省をし、不戦の誓いをするということでしょう。

    しかし、内閣総理大臣の靖国神社参拝問題がクローズアップされている時期です。ただ、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」とうだけでは、知らない人が聞くと、誤解を受ける可能性があります。

    ここは、内閣総理大臣の靖国神社参拝との異同を明確にして、

    「終戦記念日に靖国神社に参拝する国会議員の会」とした方が、戦略的には、趣旨が明確になるのではないでしょうか。

  • 値付けの評価をしていいのか。

    2005年07月14日

    読売新聞の記事ですが、「自分の全裸写真、携帯で大安売り…生活難の23歳女」という見だしで、自分の全裸写真を携帯電話のメールで送り、売っていた女性(23)が、わいせつ図画販売容疑で逮捕された記事を書いています。(記事)

    記事によると、自分で撮った全裸写真を、1枚100円で売っていたそうです。約50人に販売し、約33万円を売り上げたということです。

    記者の感覚からすれば、全裸写真1枚100円が「大安売り」ということなのでしょう。

    しかし、記者は、どのような経験から「大安売り」という感覚を持ったのでしょうか。いくらなら適正価格で、いくらから安売りで、いくらから大安売りということなのでしょうか。

    ふと疑問に思いました。

  • 貸金業者に取引経過開示義務

    2005年07月12日

    金融庁が、8月12日付けで、貸金業者に対し、債務者等から取引履歴の開示を求められた場合に開示義務を課すよう事務ガイドラインを改正する旨発表しました。違反して開示を拒否した場合には、行政処分の対象になります。金融庁ホームページ
     
    この改正は、7月19日に、最高裁第三小法廷が、「貸金業者には開示義務があり、拒めば不法行為として賠償責任を負う」との初判断を示したことに対応したものです。
     
    現在、貸金業者の中には、個人情報保護法を根拠として、弁護士から取引経過開示請求があった場合につき、代理権限を証明するために委任契約書を提示しろ、などという要求をしてくるところがあります。しかし、この抗弁も今後は使えなくなるわけです。
     
    上記改正は、9月を予定しているとのことです。
     

  • 検事が交通事故で罰金

    2005年07月09日

    東京地検の検事が2004年7月に、静岡県で交通事故を起こし、業務上過失傷害の罪で静岡簡裁に略式起訴され、罰金50万円を支払ったそうです。
     
    事故状況は、昨年7月23日午後8時ごろ、静岡市の県道で交差点を左折しようとした際、横断歩道を渡っていた女性の自転車をはねて転倒させ、脳挫傷などのけがを負わせたとのことです。
     
    ところで、民事交通事故損害賠償において、脳挫傷は、高次脳機能障害の入り口です。脳損傷があり、外傷直後の意識障害が6時間以上続き、その後脳室拡大、脳萎縮等が見られると、可能性が高くなります。
     
    高次脳機能検査を実施する必要があります。
     
    脳室拡大等は、3ヶ月程度で固定するそうです。しかし、その後も経過をみなければなりませんので、症状固定とするのは、6ヶ月から1年程度はみた方が良いと思われます。
     
    今回の検事の処分は、事故から約1年後です。罰金という軽い刑罰で済んでいることから考えると、事故後1年間被害者の状況を見守り、高次脳機能障害が発生しなかったということかもしれません。推測の域を出ませんが。
     

  • 日赤に200万円寄付で執行猶予

    2005年07月05日

    「<児童ポルノ法違反>日赤に200万円寄付し猶予判決」という見だしで毎日新聞でニュースになっています。  (記事)
     
    この記事を読んで誤解していただきたくない点があります。被疑者、被告人が読むと、実刑相当の罪を犯しても寄付をすれば執行猶予判決を勝ち取れるかのように読めてしまい、あらぬ期待を抱いてしまう可能性があります。
     
    しかし、そのようなことは断じてありません。確かに贖罪寄付というのは、刑を軽くする一事情ではありますが、他の情状との総合評価で決められるのであり、一般にはそれほど重視されていないのが実務だと思います。
     
    ただ単に一情状として判決に取り上げられたものを強調してしまうと、それが原因で執行猶予になったような印象を与える場合があります。
     
    例えば、飲酒の上での犯行の場合に、「被告人は、酒を慎むことを誓っている上に、被告人は一家の大黒柱であり、被告人がいなければ一家が支柱を失ってしまうこと、まじめに働いていること」などを理由に執行猶予判決を受けた場合、
     
    「禁酒で執行猶予!」という見だしも可能となってしまいます。嘘ではありませんが、読者に誤解を与え、適当ではない記事だと思います。
     
    今回の記事は、日赤その他寄付を必要とする施設に対する寄付が増えることを願って書かれたのかもしれません。
     
    しかし、私たちのように犯罪に関わる仕事をしている者が読むと、読み方が変わってくるものです。

  • 寝屋川事件逆送

    2005年07月04日

    今年に2月に起こった大阪府寝屋川市立中央小学校の教職員3人殺傷事件で、殺人と殺人未遂の非行事実で送致された少年(17)の審判が8月4日に大阪家裁であったそうです。

    裁判所は、「極めて凶悪、残忍で教育現場の学校内の秩序を揺るがす重大な非行」として、少年を検察官送致(逆送)と決定したとのこと。
     
    罪を犯して20歳未満の少年は、成人の犯罪の場合と異なり、家庭裁判所の審判に付されます。
     
    家庭裁判所の審判では、次のような決定がなされます。
     
    ①審判不開始
    ②不処分
    ③保護観察
    ④児童自立支援施設又は児童養護施設送致
    ⑤少年院送致
    ⑥検察官送致
    ⑦(試験観察)←処分前の中間処分です。
     
    今回は、このうち、⑥の検察官送致をしたことになります。検察官送致がされる事案は、死刑、懲役又は禁固に当たる罪の事件であり、罪質や情状が悪く、少年であっても刑事処分をするのが適当であると判断される場合です。
     
    検察官送致をされると、検察官は、今後起訴をし、通常の刑事手続きが行われることになります。
    「なぜあんなことをしてしまったのか、自分でもわからない」と供述していることや、精神鑑定等が行われていることから考えると、弁護側が「心神耗弱」を主張したり、殺意を否認することがあるかもしれません。

  • 公判中に暴行

    2005年06月30日

    愛知県で2月に幼児らを殺害等したとして殺人罪などに問われた氏家克直被告人の公判が、7月28日に名古屋地裁で開かれましたが、そこでとんでもないことが起こりました。
     
    検察側証人として出廷した事件の被害者の20代主婦の証人尋問の最中に、被告人が証人に飛びかかり、殴りつけたそうです。主婦は救急車で搬送され、額に一週間のけがということです。

    拘留中の被告人の公判の場合、腰縄や手錠等ははずされますが、刑務官が2人~3人ついています。この時も3人ついており、被告人がすわっている両脇にいましたが、制止できなかったようです。

    これでは、何のために刑務官がついているのかわかりませんし、証人は今後恐くて裁判所に出廷したくなくなってしまうことも予想されます。

     親族とみられる男性が傍聴席から飛び出し、主婦を抱きかかえながら「裁判でこんなことがあっていいのか」と怒声を上げたそうですが、全くそのとおりだと思います。絶対にあってはいけません。 事件で被害を受け、その被告人を裁く法廷の場で更に被害にあってしまった被害女性のショックは察するに余りあります。法廷に出てきて被告人の近くで証言するだけでも相当の勇気が必要だったことでしょう。

    時折、公判中眠そうな刑務官もいますが、今回の事件を機に、十分気を引き締めていただきたいと思います。もちろん、私も気を引き締めたいと思います。

  • 電車の網棚に1027万円入りのかばん

    2005年06月29日

    JR西日本の発表によると、2004年度の駅や車内での忘れ物の最高額は、電車の網棚にあった約1027万円入りのかばんだったそうです。
     
    持ち主に返還されたそうです。
     
    電車内の網棚のかばん(持主やJR西日本その他の占有を離れていると認定される場合)をJR西日本や警察等に届けず、自分のモノにしてしまった場合は、遺失物等横領罪(刑法254条、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金もしくは科料)が成立します。
     
    遺失物法は、遺失物が返還された場合、遺失者は、拾得者に対し、遺失物の価格の5%から20%の間の報労金を支払うべきことを定めています。今回の場合は、513,500円から2,054,000円です。どうなったのでしょうか。
     
    ちなみに、この報労金は、遺失物が返還されて1ヶ月を過ぎると、請求権が消滅します。
     
    遺失物を拾ったら、持ち主がわかれば持ち主へ。わからなければ、施設管理者か、警察署長に届けましょう。

  • 楽天が個人情報流出

    2005年06月28日

    楽天が運営する「楽天市場」の1店舗から、7月28日の発表では、284件の個人情報流出が確認されたということです。その店舗では、約9万4000件の受注があったとのことなので、今後も増加するかもしれません。
     
    流出している情報は、楽天市場内で運営する雑貨店「AMC」を利用したことのある客の住所、氏名、電話番号、購入商品、生年月日、クレジットカード番号など。下着のサイズや色などの注文内容だそうです。ことごとく流出していますね。
     
    これらの情報があれば、ネット上でのクレジットカード決済が可能となってしまいますし、振り込め詐欺の被害も発生するかもしれません。同店舗で購入した方は、十分ご注意願いたいと思います。
     
    今後実際に被害が発生した場合には、個人情報保護法施行後であることもあり、楽天の個人情報管理責任も厳しく問われることになりそうです。財産的被害があればもちろんですが、住所、氏名、生年月日等とともに下着のサイズや色などの情報が流通し、ネット上でさらされるようなことがあれば、重大なプライバシーの侵害になります。損害賠償請求訴訟が起きる可能性もあります。
     
    過去に個人情報が流出し、被害者が損害賠償を提起した事件としては、宇治市個人情報漏洩事件があり、1人につき1万5000円の損害賠償を認めていますが、これは閲覧可能な住民基本台帳に記載されたデータであること、ほぼ流出した個人情報を回収したとのことで低額になっていますので、今回とは事情が異なります。
     
    流出した個人情報がすべて回収されることを祈ります。
     
    なお、個人情報保護法の参考書としては、以下の本をどうぞ。
                ↓