高速道路でやってはいけない12の違反行為 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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高速道路でやってはいけない12の違反行為

2015年07月27日

毎日、暑い日が続きます。
夏本番、海に山にと遠出をする人も多いでしょう。

そこで今回は、高速道路と法律に関する質問にお答えします。

Q)現在、大学4年生です。最後の夏休み、友人と日本全国を旅する計画を進めています。そこで質問なのですが、高速道路でやってはいけない行為にはどんなものがあるのでしょうか? 知らずにやって、それが違反となったら嫌なので高速道路に関する法律を教えてください。

A)高速道路上での主な交通違反について、以下に解説します。
①「速度超過違反」(第22条/第118条1項1号)
高速道路では、特に指定がない場合の法定最高速度は100キロです。(自動車専用道路は60キロ)
反則金が科せられる場合、反則金を納めれば刑事処分にはなりませんが、40キロ超過以上から刑事手続きとなり、6ヵ月以下の懲役又は10万円以下の罰金となります。

違反点数:6点(40キロ以上)/12点(50キロ以上)
反則金:9,000円~100,000円(普通車)
刑事手続きの場合: 6ヵ月以下の懲役又は10万円以下の罰金
②「最低速度違反」(第75条の4/第120条1項12号)
速度を落とす場合や危険を防止するためにやむを得ない場合を除いて、道路標識等で指定された最低速度、あるいは法定最低速度の50キロ以下で走行すると違反になります。

違反点数:1点
反則金:6,000円(普通車)・7,000円(大型車)
刑事手続の場合:5万円以下の罰金
③「通行帯違反(追い越し車線だけを走行)」(第20条1項/第120条1項3号)

道路の混み具合にかかわらず、本線車道の一番右側(追越車線)だけを走行し続けると違反になります。
追い越し後は、もとの車線に戻らなければいけません。
なお、追い越し車線だけを走行していると速度超過になりやすいので注意が必要です。

違反点数:1点
反則金:6,000円(普通車)・7,000円(大型車)
刑事手続の場合:5万円以下の罰金
④「追い越し違反(先行車両の左側からの追い越し)」(第20条3項/第120条1項3号)

先行車両を追い越すときは、右側を走行して追い越さなければいけません。
高速道路を走行していると、車線変更して左側から追い越していく自動車がありますが、これは違反となります。

違反点数:2点
反則金:9,000円(普通車)・12,000円(大型車)
刑事手続の場合:5万円以下の罰金
⑤「車間距離の不保持違反(あおり運転の禁止)」(第26条/第119条1項1号の4)

同一の進路を進行している他の自動車の直後を進行するときは、その自動車が急停止したときでも追突を避けることができる車間距離をとらなければいけません。
100キロ走行の場合、車間距離は100メートル取るのが理想的だといわれています。
速度の遅い自動車を後ろからあおる運転手がいますが、これは違反行為ですし、重大な事故につながりかねないので十分に注意してください。

違反点数:2点
反則金:6,000円(普通車)・12,000円(大型車)
刑事手続の場合:3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金
⑥「通行区分違反(路肩走行禁止)」(第17条1項/第119条1項2号の2)

道路の路側帯(路肩)は車道ではないので、故障や事故などでやむを得ず駐停車するとき以外は走行してはいけません。
渋滞のときなど、路肩走行をする自動車を見かけることがありますが、これは違反行為です。
イライラするからといって路肩を走らないようにしてください。

違反点数:2点
反則金:9,000円(普通車)・12,000円(大型車)
刑事手続の場合:3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金
⑦「車道での横断、転回、後退の禁止」(第75条の5/第119条1項2号の2)

車道は一方通行なので横断、転回、後退はできません。
ICの降り口を通り越してしまったために逆走して戻るなどという、とんでもないことをする人や、最近では高齢者ドライバーの逆走のニュースが増えていますが、これも非常に危険ですから絶対にやってはいけません。

違反点数:2点
反則金:9,000円(普通車)・12,000円(大型車)
刑事手続の場合:3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金
⑧「駐停車違反」(第75条の8第1項/第119条の2第1項2号)

高速道路では、法令の規定や警察官の命令、または危険を防止するために一時停止するとき以外は駐停車が禁じられています。
絶景ポイントで景色を見るために路肩に駐車、などということをしている人はいませんか?
これも禁止行為ですから、やってはいけません。

違反点数:2点
反則金:7,000円(普通車)・15,000円(大型車)
刑事手続の場合:15万円以下の罰金
⑨「故障車両表示義務違反」(第75条の11/第119条の2第1項2号)

故障や、その他の理由でやむを得ず駐停車するときは、停止表示器材などで自動車が停止していることを表示しなければいけません。
路肩に故障車を移動して表示器材を設置し、後続車に対する安全対策をとったら、運転者や同乗者は速やかに安全な場所に避難して警察が到着するのを待つようにしましょう。
けっして、駐停車している車内に残ったり、その周囲に立っていたりしてはいけません。
高速道路で事故を起こしたり、自動車が故障して車外に出たところを後続車にはねられるという死傷事故も起きていますから、十分注意してください。

違反点数:1点
反則金:6,000円(普通車)・7,000円(大型車)
刑事手続の場合:2万円以下の罰金又は科料
⑩「高速道路での運転者の遵守事項違反」(第75条の10/第119条第1項12号の3)

高速道路で自動車を運転するときは、運転者はあらかじめ、燃料、冷却水、原動機のオイルの量、貨物の積載の状態などを点検し、問題があれば防止策を講じなければいけません。

違反点数:2点
反則金:9,000円(普通車)・12,000円(大型車)
刑事手続の場合:2万円以下の罰金又は科料
その他にも次のような禁止事項があります。

「合図義務違反」
高速走行する際、事故なく安全運転するためには自分の意思を他車の運転者に示すことが大切です。

「座席シートベルト装着違反」
シートベルトは全座席で装着が義務付けられています。後部座席でシートベルトを装着しないと、運転者に違反点数1点が課されます。
高速道路での事故は大惨事につながりかねない危険性があります。
夏の楽しいレジャーを台無しにしないように、また事故を起こして他者を傷つけることのないように、定期的に休憩を取るなどして運転には十分注意して旅を楽しんでいただきたいと思います。