空飛ぶガメラを飼って、芸人が書類送検?
いじめられているカメを助けて竜宮城に行ったのは浦島太郎ですが、禁止されているカメを飼って書類送検されたのは、人気のお笑い芸人だったようです。
「空からカミツキガメ…飼育のお笑い芸人書類送検」(2014年7月4日 読売新聞)
性質が凶暴なことで知られるカミツキガメを無許可で飼っていたとして、警視庁は4日、お笑いコンビのメンバー(36)を特定外来生物被害防止法違反(無許可飼養)の疑いで東京地検に書類送検しました。
報道によりますと、マンション9階の自宅から逃げたカメが歩道に落下し、通行人の女性が「カメが空から降ってきた」と交番に届け出たことで発覚。
カミツキガメは2005年に同法で特定外来生物に指定され、飼育や輸入が規制されているが、江口容疑者は「2001年頃に通信販売で買った。許可はいらないと思った」と供述しているということです。
空を飛ぶカメの怪獣といえば「ガメラ」ですが、目撃者の女性もまさか空からカメが降ってくるとは思いもしなかったでしょう。
直撃しなかったのは不幸中の幸いでした。
ちなみに、カメは甲羅が割れて瀕死の状態だったようです。
ところで、「特定外来生物被害防止法」とはどんな法律でしょうか。条文を見てみましょう。
「特定外来生物被害防止法」
第4条(飼養等の禁止)
特定外来生物は、飼養等をしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
(1)次条第一項の許可を受けてその許可に係る飼養等をする場合
(2)第三章の規定による防除に係る捕獲等その他主務省令で定めるやむを得ない事由がある場合
第5条(飼養等の許可)
1.学術研究の目的その他主務省令で定める目的で特定外来生物の飼養等をしようとする者は、主務大臣の許可を受けなければならない。
特定外来生物について販売・頒布以外の目的で飼養した場合、個人には1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、法人には5,000万円以下の罰金が科せられます。
そもそも、特定外来生物被害防止法は、日本在来の生物を捕食したり、生態系を損ねたり、人の生命・身体、農林水産業に被害を与えたりする、あるいはそうするおそれのある外来生物による被害を防止するために、飼養、栽培、保管、運搬、輸入等について規制するとともに、必要に応じて国や自治体が指定された外来生物の防除を行うことを定めた法律です。
特定外来生物に指定されているのは、計111種類(2014年6月11日現在)。内訳は以下のようになっています。
哺乳類25種類/オポッサム・クスクス・ハリネズミ・オナガザルなど
爬虫類16種類/カミツキガメ・タテガミトカゲ・ナミヘビなど
魚類14種類/イクタルルス・パイク・パーチ・サンフィッシュなど
両生類11種類/ヒキガエル・アマガエル・アカガエルなど
クモ・サソリ類10種類/キョクトウサソリ・ジョウゴグモなど
その他、昆虫類8種類/植物13種類/軟体動物等5種類/鳥類4種類/甲殻類5種類など
近年、外来生物によって日本の生態系が破壊されているという報道も目につくようになってきました。
東京の多摩川などは、「タマゾン川」とも呼ばれるくらいアマゾン川原産の淡水魚などが増えているようです。
秀逸なネーミングですが、ちょっとコワイです。
(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
また、昨年9月には、子供に人気のミドリガメを環境省が特定外来生物に指定することを検討しているとの報道もありました。
安易に飼って、世話をしきれなくなった動物を遺棄するケースが増えているようです。
「捨てる神あれば、拾う神あり」、ということわざもありますが、
「捨てるカメあれば、拾うカメあり」
ということになると、犯罪が成立することもありますので、お気をつけを~。