ひき逃げ死亡事故で、病院院長逮捕 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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ひき逃げ死亡事故で、病院院長逮捕

2011年04月16日

5月14日午後8時前に、千葉市中央区でひき逃げ死亡事故がありました。

被害者は、65歳の男性で、路上に倒れていたらしいです。

被疑者は、東京・江東区の城東社会保険病院院長(60歳)で、15日に逮捕されたそうです。

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20110515-00000011-nnn-soci

路上で寝ていたとは言え、人をはねて死亡させた以上、自動車運転過失致死罪には問われます。

法定刑は、7年以下の懲役もしくは禁錮又は100万円以下の罰金です。

ひき逃げしなければ・・・です。

しかし、今回は、ひいた後助けず、ひき逃げをしています。

ひき逃げは、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。

今回は、自動車運転過失致死罪とひき逃げの2つで併合罪に問われることになるでしょう。

併合罪の場合、重い方の刑に、その2分の1を足しますので、重いひき逃げの10年以下の懲役の2分の1、つまり5年を足して、最高15年以下の懲役となります。

人をひいて、救急車を呼ぶなどして助ければ7年以下の懲役なのに、逃げれば15年以下の懲役となってしまうのです。

被害者感情や遺族感情も、とても悪くなり、情状も悪くなります。

民事の損害賠償でも話し合いがしにくくなってしまいます。

自動車事故は自車に痕跡が残りますので、逃げたとしても、逃げ切れるものではありません。

事故を起こしてしまった時は、速やかに救護し、救急車を手配するようにしていただきたいと思います。