東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
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弁護士法律解説 リーガルアイ

 

モーニングショー、ビビット、ひるおび取材


2017年5月30日

最近のテレビ出演です。

2017年5月26日、テレビ朝日「モーニングショー」

2017年5月29日、TBSテレビ「ビビット」

2017年5月29日、TBSテレビ「ひるおび」

通学路暴走動画投稿事件で逮捕!容疑は何罪?


2017年5月30日

通学路で自動車を暴走させ、その様子をツイッターに動画投稿していた男らが問題になっていましたが、逮捕されたようなので解説します。

「“子供ら邪魔”通学路暴走の動画投稿 少年ら2人逮捕 殺人未遂容疑で大阪府警」(2017年5月27日 産経新聞)

大阪府警門真署は、大阪府門真市の通学路を猛スピードで車を走らせる動画が投稿されていた問題で、車を運転していた同市の建設作業員の少年(19)と助手席に乗って動画を撮影したとみられる同市の会社員の男(20)を殺人未遂容疑で逮捕しました。

事件の経緯は次の通りです。

・2017年5月19日午後4時頃、容疑者の男らは門真市の市道で、乗用車を暴走させ、その様子を撮影した動画をツイッターに投稿。
市道は住宅街の中を通る通学路になっており、下校中の小中学生数十人が歩いていた。

・投稿された動画には、容疑者が「どけ、こら!」と言いながらクラクションを鳴らし猛スピードで車を走行させ、小中学生たちが慌てて車をよける様子が写っていた。
また、少年はツイッターに、「ほんまこいつらひいたろか」と投稿していた。

・ネット上では動画を見た視聴者から、「危険すぎる」、「逮捕しろ」などの批判が殺到。
警察が動画から人物の割り出しを開始。

・5月26日午後、2人がそれぞれ門真署に出頭。

・5月27日、殺人未遂の容疑で2人を逮捕。

・少年は「小中学生が広がって歩いていて邪魔なので思い知らせるために猛スピードで車を走らせたが、殺してやろうとは思っていない」と殺意を否認。
この事件の逮捕容疑は、殺人未遂です。
自動車で故意に暴走運転をして、通行中の小中学生をひき殺そうとしたが未遂に終わった容疑、ということになると思います。

「刑法」
第203条(未遂罪)
第199条(殺人)及び前条(第202条 自殺関与及び同意殺人)の罪の未遂は、罰する。

今回、動画を観る限り、本当にひき殺そうという故意があるようには感じられません。

しかし、「未必の故意」が疑われた可能性があります。

「未必の故意」とは、ある行為が犯罪の被害を生むかもしれないと予測しながら、それでもかまわないと考え、あえてその行為を行う心理状態をいいます。

刑法では、「故意」か、それとも「過失」かというのがとても重要なポイントになります。

結果の発生を認識していながら、これを容認して行為をすることが「故意」です。
刑法上、故意とは「罪を犯す意思」のことをいいます。

それに対して、結果が予測できたにもかかわらず、その予測できた結果を回避する注意や義務を怠ったことが「過失」です。

そして、故意と過失の境界線にあるのが、未必の故意ということになります。

今回は、殺人未遂で逮捕されたわけですが、容疑者が「子供たちが死んでもかまわない」と思って自動車を暴走させたのか、つまり殺人の故意があったのかについては疑問が残るところです。

しかし、「暴行罪」の未必の故意が認定される可能性はあると思います。

第208条(暴行)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
つまり、今回の事件では、「ケガをするかもしれないが、それでもかまわない」とは思っていたと認定される可能性はあると思います。

なお、今回の事件では道路交通法違反にも問われる可能性もあります。

「道路交通法」
第70条(安全運転の義務)
車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
これに違反した場合は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処されます。(第119条1項9号)

第54条(警音器の使用等)
2.車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
これに違反した場合は、2万円以下の罰金又は科料に処されます。(第121条1項6号)

今回は、たまたま死傷事故には至らなかっただけかもしれません。

容疑者が、「子供たちが死んでもかまわない」とは思っていなかったとしても、非常に無謀で危険な運転であることは確かです。

目立つ行為をしてツイッターに投稿した結果、大騒ぎになってしまうケースが散見されます。

目立ちたいという気持ちからの行動だと思いますが、多数の人が驚く行動は、得てして犯罪になりやすいものです。

たとえば、コンビニに爆竹を投げ入れたり、牛丼屋の牛丼に異物を混入させた旨のツイッターの投稿、殺人予告、などです。

ちょっとしたいたずらのつもりが犯罪者になってしまうことがあります。

十分気をつけていただきたいところです。

行列に割り込むと犯罪!?


2017年5月28日

行列ができるほど人気のお店がテレビなどで紹介されることがあります。

確かに、それだけの価値があるお店でしょうから並んででも商品をゲットしたい、美味しいものを食べてみたいという人がいるのもわかります。

反対に、行列には絶対に並びたくない、という人もいるでしょう。
その気持ちも、よくわかります。

しかし、わからないのは行列に割り込んでくる人の気持ちです。
少しでも早く買いたい、食べたいという気持ちはわかりますが、どうしたら、みんなが並んでいる行列に割り込むことができるのか?
当然、並んでいる人はムカムカ、イライラすることでしょう。

今回は、そんな人に役に立つ法律を解説します。

「軽犯罪法」
第1条
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。

13 公共の場所において多数の人に対して著しく粗野若しくは乱暴な言動で迷惑をかけ、又は威勢を示して汽車、電車、乗合自動車、船舶その他の公共の乗物、演劇その他の催し若しくは割当物資の配給を待ち、若しくはこれらの乗物若しくは催しの切符を買い、若しくは割当物資の配給に関する証票を得るため待っている公衆の列に割り込み、若しくはその列を乱した者。
軽犯罪法は、軽微な33の秩序違反行為について規定しているもので、その前身は1908(明治41)年に施行された「警察犯処罰令」という法律です。
そのため、条文の内容に時代を感じさせる部分があります。
たとえば、この13号であれば、汽車や乗合自動車、割当物資の配給などですね。
なつかしい昭和の、それも三丁目の夕日的な匂いがします。
それとも、戦後の混乱期の光景でしょうか。

それはさておき、この罪の条文は前半と後半で分けて考えたほうがいでしょう。
ポイントとなるのは次の4点です。

① 公共の場所や乗り物
② 多数の人に対して
③ 著しく粗野もしくは乱暴な言動で迷惑をかける
④ 威勢を示して公衆の列に割り込む

公共の場所や乗り物で、多数の人に対して、著しく粗野もしくは乱暴な言動で迷惑をかける、というのは以前に解説した5号の「粗野・乱暴の罪」と重なる部分があります。

詳しい解説はこちら⇒「暴言を吐くだけで犯罪!?」
http://taniharamakoto.com/archives/2458/

「公共」というのは、国や地方自治体などが所有、管理している場所や施設ということではなく、不特定で、かつ多数の人が自由に出入り、利用できる性質のものをいいます。

「著しく粗野もしくは乱暴な言動」とは、たとえば相手にからんだり、大声を出して周囲の人に迷惑をかけたり、相手を傷つける意思なく物を投げたりというものです。

多数の人に迷惑をかける、ということですので、その時の状況によって判断されるものですが、2、3人では一般的には多数とは言えないでしょう。

次に、とても迷惑な「威勢を示して公衆の列に割り込む」行為についてですが、ここでも公衆の列ですから、2、3人の列では足りず、多数の人が並んでいる列と解釈できます。

また、「威勢」とは辞書によると、人を威圧するような勢い、言語や動作に活気や勢いがあること、とあります。

ということは、無言でススーっと割り込んだり、「すみません…」、「恐縮です…」などと言いながら割り込むような、ちゃっかり行為の場合はこの罪は適用されないということになります。

国によっては行列など関係ない、というところもあるでしょうが、きちんと行列で順番を待つのは日本人の美徳でもあると思います。くれぐれも割り込みはやめましょう。

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