弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
メニュー
みらい総合法律事務所
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。

    ハーバード流交渉術で大切なこと

    2023年01月30日

    1989年に出版された「ハーバード流交渉術」(知的生き方文庫)という本があります。

    ベストセラーになっており、私も弁護士になって、交渉がうまくいかず、悩んでいた時に読みました。

    この交渉術では、「原則立脚型交渉」を推奨しています。

    原則立脚型交渉には、4つの原則があります。

    (1)人と問題を分離せよ。

    (2)立場でなく利害に焦点をあてよ

    (3)行動について決定する前に多くの可能性を考え出せ

    (4)結果はあくまでも客観的基準によるべきことを強調せよ

    私は、この本を何度も読み込み、実際の交渉で何度も使ってみました。

    私達弁護士が扱う紛争における交渉で、もっとも重視すべきは、(1)の「人と問題を分離せよ」です。

    なぜか、というと、紛争における交渉では、往々にして、紛争の対象となっている問題ではなく、相手の人格攻撃になってしまうからです。

    たとえば、貸金返還の交渉をしている時に、

    「あなたがだらしないから、お金がなくなってしまうんだ」

    「あなたはいつも嘘ばかりつくから信用できないんだ」

    「なぜそんな偉そうに言うんだ。あなたはそんなに偉いのか」

    などという発言が出てくることがあります。

    そうすると、言われた方は、自分が攻撃されたと感じ、

    「そういうあなただって・・・」

    などと相手の人格を攻撃したくなります。

    しかし、これでは交渉はまとまりません。

    お金を返すか、返さないか、返すとしてどういう条件で返すか、とは、何の関係もないからです。

    ですから、紛争における交渉では、できる限り、たとえ相手から人格攻撃を受けたとしても、自分からは相手の人格を攻撃せず、ひたすら交渉の対象に集中することが重要になってきます。

    紛争における交渉の機会があれば、自分の交渉や、誰かが行っている交渉を分析してみてください。

    言うほど簡単ではないことがわかります。

    何事も、常に意識して努力することにより、徐々に身についていくものだと思います。

    そして、この「人と問題を分離せよ」を意識し続けることで、人格も磨かれるのではないか、と考えています。

    好評のKindleとペーパーバック

    「現代に活かす 孫子の兵法~小説でわかる!『究極の戦略書』」

    メルマガ登録は、こちら。
    https://www.mag2.com/m/0000143169