弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
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    安易なペナルティは逆効果になる

    2024年07月22日

    遅刻が多いのは困りものです。

    遅刻者を減らすには、どうしたらいいでしょうか。

    まず考えつくのは、罰金です。

    遅刻したら、10分につき、いくら、と罰金制度を設けることです。

    日本の会社では、労働法規により、遅刻者に罰金を払わせることはできませんが、労働関係以外なら、有効なように思えます。

    イスラエルの経済学者が、遅刻を減らすための罰金制度について実験をしたことがあります。

    保育園のお迎えが遅れた親に5分遅れるごとに5ユーロの罰金制度を設けました。

    すると、どうなったか。

    10週間経過すると、遅刻者が爆発的に増えた、ということです。

    何が起こったのでしょうか。

    実は遅刻に罰金を科せられたことにより、「遅刻しないようにしなければ」という思考にはなりませんでした。

    「罰金さえ払えば遅刻してもいいんだ」と遅刻の免罪符のように思考したのです。

    そこで、保育園の経営者は急いで罰金制度を終了しました。

    ところが、親たちは、「いざとなれば遅刻してもお金を払えばいい」という価値観が根付いてしまい、遅刻者は減らなかった、ということです。

    何かを増やそうとしたり、減らそうとする時に、思いつきでやってしまうと、逆効果になることがありますので、注意しましょう。

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