弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
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    オデュッセウスに学ぶ時間管理

    2026年03月02日

    オデュッセウスとセイレーンの物語をご存知だと思います。

    オデュッセウスが帰国の航海中、魔女キルケーから「セイレーンの歌声は船乗りを惑わせ、破滅させる」と警告を受けます。

    そこでオデュッセウスは、歌を聞きたいので、自分の体をマストに縛り付け、「どれだけ頼んでも縄を解くな」と部下に命じました。

    航海中、セイレーンの歌を聞いたオデュッセウスは強烈に引き寄せられて解放を懇願しますが、部下たちは命令通り縄をほどかず、船は無事に危険海域を通過しました。

    現代は、いたるところにセイレーンがいます。

    SNS、動画を「あと5分だけ」のつもりが、気づけば深夜。ダイエットを誓ったのにスナックに手が伸びる。

    ちょっと手を伸ばせばそこにある誘惑に抗うのは容易ではありません。

    そんな時、私たちは、「意志の力」で乗り切ろうとします。

    しかし、人間には、「自制バイアス」があります。

    「自制バイアス」とは、「自分の自制心を過大評価してしまう傾向」です。

    つまり、自分の自制心で誘惑に打ち勝てると考えるのは、単なる過信の可能性が高いということです。

    実際、過去の人生を振り返った場合、誘惑に勝てず、後で後悔するということを何度繰り返してきたでしょう。

    そこで、オデュッセウスのように、自分自身を物理的に拘束してしまう方法が有効です。

    自分自身を物理的・時間的に拘束し、誘惑にアクセスできない環境を「理性が働いているうちに」事前に作り出す方法です(セルフ・バインディング)。

    具体策はシンプルで、次の3つが有効です。

    ① 物理的に隔離する(空間の拘束)

    スマホを別室に置く、アプリを削除する、ゲーム機を箱にしまう。ポイントは誘惑までの手間を増やすことです。

    習慣化と逆のことをやります。習慣化したい時は、いかに手間を減らすかを考えます。

    ② 時間を隔離する(時間の拘束)

    「21時以降は触らない」「午前中はメールを見ない」など、誘惑の入る時間帯を封鎖します。

    ③ パブロフの犬で隔離する(分類の拘束)
    あなたにとっての誘惑の地雷を特定します。
    そして、その地雷を踏みそうになったら行う行動を決めておきます。

    例えば、「YouTubeを観ていて、もしおすすめにゲーム実況が出たら、即“おすすめに表示しない”を押して閉じる」などです。

    脳が葛藤する前に、自動回避のレールを敷くのです。

    スタートは、「自分は意思が弱い」と認めることです。

    そして、自分をマストに縛り付けます。

    私たちは、「拘束」を嫌い、自由を愛します。

    しかし、この場合には、拘束こそが、あなたを自由にしてくれるでしょう。

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