弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
メニュー
みらい総合法律事務所
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。

    インボイス税賠リスク1

    2023年06月08日

    【インボイスリスクその1】

    税理士は、善管注意義務に基づき、依頼者に対して関連税法及び実務に関して、有益な情報および不利益な情報を提供し、依頼者が適切に判断できるように説明及び助言をしなければなりません。

    これを税理士の説明助言義務と言います。

    過去の税賠裁判例では、この説明助言義務違反で争われる事例が多いです。

    この説明助言義務については、説明助言を間違った場合はもちろんですが、それ以外にも税理士が

    (1)説明助言義務を負うか、

    (2)説明助言義務を負うとして、説明助言したかどうか、

    で争われることになります。

    過去の裁判例では、(2)に関し、税理士が「説明助言した」と主張するものも多いです。

    しかし、それで税理士が敗訴している、ということは、裁判実務においては、税理士の側で「説明助言した」と証明できない場合には、説明助言の事実が否定される傾向にあるということです。

    したがって、税理士が無用の損害賠償請求を防止するためには、説明助言したことを証拠化して残しておくことが重要ということになります。

    そこで、まず想定されるのは、適格請求書発行事業者の登録をしたほうが有利であるにもかかわらず、税理士がその旨助言しなかったために、登録をすることができず、損害を被った、として損害賠償請求をされる場合などが想定されます。

    これは、これまでの事例で、たとえば、消費税簡易課税制度選択届出をした方が有利であるにもかかわらず税理士が助言しなかったとして損害賠償請求されるのと同類型です。

    これらの点についてトラブルにならないようにするためには、次の方法があります。

    (ア)有利不利の説明をし、説明を証拠化しておく。

    (イ)契約書において、適格請求書発行事業者の登録をするかどうかの判断は依頼者が行うことを明記する。

    【税理士を守る会】では、すでにインボイス制度に対応した税理士の顧問契約書等の雛形を提供しているますので、上記(イ)を明記した契約書をご利用することができます。

    「税理士を守る会」は、こちら
    https://myhoumu.jp/zeiprotect/new/