ジョーズにサメは必要か?
何か新しいことに挑戦する時、「すべて完璧に準備してからスタートしたい」と思うことはありませんか?
でも現実は、どれだけ準備しても想定外のトラブルが起きるものです。
そんな時は、つい「失敗した」「もうダメかもしれない」と考え、諦めたくなってしまうものです。
スティーブン・スピルバーグもそんな状況に陥りました。
20代で野心に燃えていたスピルバーグは「本物の海」で「実物大のサメ」を使って撮影するという、当時としては画期的な挑戦に出ました。
制作チームは、油圧式で動く巨大な3体のロボットサメを開発し、撮影が始まりました。
すると、プールでは動いたサメを海に入れると、塩水が機械の内部に侵入して、全く動かなくなりました。
サメが動かなくては仕方ありません。撮影は大幅に遅れました。
このままでは撮影中止です。
しかし、スピルバーグは諦めませんでした。
「ジョーズ」を観た人は、おわかりだと思います。
映画の中で、サメが出てくるのはわずかです。
スピルバーグは、サメを観せずにサメの映画を作ったのです。
そして、映画は大ヒットしました。
私たちは、このストーリーから学ぶことができます。
現実の社会は思い通りにいかないことばかりです。
お金・予算がない、時間がない、人脈がない、など不足だらけ、制約だらけです。
スピルバーグもそうでした。サメの映画で動くサメがなかったのです。
そこで、こう考えます。
「動くサメがないままで、観客を怖がらせる方法は?」
つまり、恐怖映画の「目的」に立ち返ったのです。「動くサメ」は、あくまでも手段に過ぎません。
そこで、水面の動きと背びれで、あたかもそこにサメがいるかの如き映像を作り出したのです。
そして、音楽です。「見えないサメが迫ってくるような音楽が作れないか?」
あの有名な音楽が鳴るとサメが近くにいることを暗示し、サメの代役としてしまいました。
スピルバーグは、逆転の発想でトラブルをチャンスに変えて、映画史に残る名作「ジョーズ」を作り出したのです。
制約やトラブルは、往々にして「手段」に発生します。
そんな時は、スピルバーグのように「目的」に立ち返り、「これがないままで、目的を達成する方法はないだろうか?」と自分に質問をする習慣をつけましょう。
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