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弁護士法律解説 リーガルアイ

 

勧誘のために相手の家に居座り続けると犯罪!?


2018年2月19日

今回は、訪問販売や勧誘などのために、お客の家に居座り続けると犯罪になる可能性があるということについて解説します。

「消費者庁、長時間勧誘で指示処分=家庭教師のアルファ」(2018年2月16日 時事通信)

消費者庁は、家庭教師の派遣をめぐり長時間勧誘を続けた行為は特定商取引法に違反するとして、再発防止を求める指示処分を出しました。

2017年8月頃、ある保護者が家庭教師の説明だけを聞くために同社に連絡したところ、保護者宅を訪れた同社の社員が午後8時ごろから3時間以上も勧誘し続け、結局、この保護者は契約を結ばざるを得なくなったということです。

報道によると、取材に対し、「処分を真摯に受け止め、全社で再発防止に努める」とコメントしているということです。

【特定商取引法とは?】
特定商取引法は、正式名称を「特定商取引に関する法律」といい、1976(昭和51)年に施行された法律です。

訪問販売など、業者と消費者間でトラブルが生じやすい取引について、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的としており、勧誘行為の規制など事業者が守るべきルールや、クーリングオフなどの消費者を守るルールなどについて定めています。

本法で「特定商取引」として定義されているのは、次の7つの形態です。

・訪問販売(キャッチセールスやアポイントセールスを含む)
・通信販売
・電話勧誘販売
・連鎖販売取引(いわゆる、マルチ商法やネットワークビジネス等)
・特定継続的役務提供(エステサロン、語学教室、学習塾、家庭教師、パソコン教室、結婚情報等)
・業務提供誘引販売取引
・訪問購入(貴金属や着物など不用品の訪問買い取り等)

勧誘の際、禁止されている行為については次のことなどがあげられます。

・故意の事実不告知
・不実告知
・契約の締結・解除の際、相手を威迫、困惑させる行為

【居座り続ける行為は不退去罪の可能性も】
今回の事件では適用されていませんが、訪問販売などで相手の家に長時間居座り続けると、不退去罪に問われる可能性もあります。

「刑法」
第130条(住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

これは、住居侵入罪についての規定ですが、条文の後半部分に規定されているのが不退去罪に関する部分です。

正当な理由がなく住居などに不法に侵入した場合に住居侵入罪が適用されますが、不退去罪の場合は、適法に又は過失により立ち入った場合に限られます。
なお、住居だけでなく、門柱や塀の内側、庭などの敷地内も不退去罪の対象になります。

たとえば、ある会社からサービスの勧誘に来た場合、家人が家に入れたときは、家に不法に入ったわけではないので住居侵入罪には問われません。

しかし、家人が退去を求めたにもかかわらず長時間居座って帰らないような場合には、警察に通報するという選択が考えられます。
その際、警察官立会いのもとで明確に退去を求めたにもかかわらず、この社員が退去しなかった場合には、不退去罪が成立する可能性があります。

迷惑な訪問販売や勧誘にあった場合は、不退去罪について覚えておくといいと思います。

また、業者側としては、執拗で脅迫的な勧誘をすると犯罪になる可能性があるので、注意してほしいと思います。

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