路上寝と過失相殺 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
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路上寝と過失相殺

2004年11月24日

沖縄県では、飲酒の上、酔って路上に寝ている人を轢いてしまうという交通事故が全体の約1割を占めるそうです。 (記事)
さすが泡盛を普通に飲む県民性が出ていますが、これは是非やめて欲しいです。飲酒は夜間がほとんどでしょうが、夜間自動車を運転していて、路上に寝ている人を発見し、それを回避するのは極めて難しいと思います。
すぐにお金に換算して不謹慎ではありますが、この場合の民事損害賠償のお話しをさせていただきます。
今般、新しく出版された判例タイムズ16号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(裁判実務はこれを基準に動いています)によると、夜間路上で寝ている人が事故に遭った場合、過失相殺率が基本で50%と高率になっています。
おおざっぱに言えば、路上で寝ていて車に轢かれ、死亡して、損害額が合計で5,000万円であったとしても、遺族は50%の2,500万円しかもらえないということです。高速道路に寝ていた場合には、もっと賠償額は低くなります。