道路上での犯罪行為解説 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
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道路上での犯罪行為解説

2016年11月18日

今回は、道路に大量の「ねじ」がばらまかれていたという事件について解説します。

じつはこの行為、犯罪になる可能性があります。

「路上にねじ数百本、ばらまかれる…長さ5センチ」(2016年11月17日 読売新聞)

三重県津市の県道で、長さ約5センチの金属製のねじ数百本が散乱しているのが見つかったようです。

11月15日午前5時半頃と16日午前6時頃の2回、津市の路上約4キロにかけてばらまかれていたようで、1台の車のタイヤに刺さったものの、ケガ人はいなかったということです。

津市によると、12日夜と16日朝も近くの市道でねじが見つかっていることから、何者かがばらまいたとみて防犯カメラの解析などを含め、道路交通法違反(禁止行為)の疑いで調査をしているということです。
普段、何気なく使いっている道路ですが、路上で何をやってもいいというわけではありません。
法律では道路での禁止行為が定められています。

「道路交通法違反」
第76条(禁止行為)
1.何人も、信号機若しくは道路標識等又はこれらに類似する工作物若しくは物件をみだりに設置してはならない。

2.何人も、信号機又は道路標識等の効用を妨げるような工作物又は物件を設置してはならない。
3.何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。

4.何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。

一 道路において、酒に酔つて交通の妨害となるような程度にふらつくこと。

※ よく漫画であるように、オヤジさんが寿司のお土産を持って、道路をあっちにフラフラ、こっちにフラフラして歩いていると、道路交通法違反になる可能性がある、ということです。

二 道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること。

※ たまに、酔って路上で寝ていて、車にひかれてしまう人がいますが、実は被害者の方も、道路交通法違反になる可能性がある、ということです。
※ 道路で車の前に立ちはだかり、「行くなら俺をひいてから行け!」と格好いいことを言っていると、逮捕される可能性がある、ということです。

三 交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。

四 石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射すること。

五 前号に掲げるもののほか、道路において進行中の車両等から物件を投げること。

※ タバコのポイ捨て、空き缶のポイ捨てはいけません。

六 道路において進行中の自動車、トロリーバス又は路面電車に飛び乗り、若しくはこれらから飛び降り、又はこれらに外からつかまること。

※ 路面電車に飛び乗るのは、格好いいと思ってやってしまうと、道路交通法違反です。さすがに走っている自動車に飛び乗るのは難しいでしょう。

七 前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が、道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為
今回のケースのように、ねじを道路上にばらまくような行為を含め、4項の各号に違反した場合、5万円以下の罰金に処されます。(第120条第1項第9号)

間もなく宴会シーズンがはじまります。

年末になると、道路のそこかしこで寝ている人を見かけますが、寝る場所を間違えると、道路交通法違反で警察行き、となるか、車にひかれてあの世行き、となりかねません。

くれぐれもご注意ください。