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カンニングが犯罪!?

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2016年7月21日

試験中にカンニングをして、9人が書類送検されたという報道がありました。

カンニングが犯罪になるとは、一体どういうことでしょうか?

「“資格ほしかった”運送会社の社員9人で集団カンニング…兵庫県警、容疑で書類送検」(2016年7月20日 産経新聞)

兵庫県警捜査1課などは7月20日、ドライバーの勤務状況や安全管理などを指導・監督する「運行管理者」の資格試験で集団カンニングをしたとして、同県姫路市の運送会社社員の男9人を偽計業務妨害容疑で書類送検しました。

事件が起きたのは、2016年3月6日、神戸市東灘区。

公益財団法人「運行管理者試験センター」(東京)が主催する資格試験で、終了時刻前に会場を出た男(27)が他の8人に携帯電話を使って解答案をメール送信。
8人のうち1人が不審な様子で、電源が入った状態の携帯電話を所持していたことから、試験官が声をかけたところ不正が発覚したようです。

その後の調査で、9人の解答がほぼ一致していたことがわかったことから、同センターが県警に被害届を提出。
9人は、いずれも容疑を認め、「転職に有利な資格がほしかった」などと供述しているということです。

ちなみに、試験はマークシート方式で、9人が受験した昨年度の試験の合格率は27・4%だったということです。
カンニングがいけないことだということは当然、みなさん知っていると思いますが、まさか犯罪になるとは思ってもみなかった、という人も多いでしょう。

では、カンニングの何が法律違反に当たるのか、まずは「刑法」の条文を見てみましょう。

「刑法」
第233条(信用毀損及び業務妨害)
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
「虚偽の風説の流布」とは、真実とは異なった内容の虚偽・ウソを不特定多数の人に知れ渡るよう広めることです。
法律上、噂として広めることでも犯罪が成立しますが、その噂やウソが本当のことだった場合は罪には問われません。

次に「偽計」ですが、これは人を欺く、だますことです。

つまり、今回の事件では、容疑者ら9人が集団カンニングしたことが、試験の合否を審査する職員を欺き、業務を妨害したことになり、かつ事実調査や被害届を提出させたことで「運行管理者試験センター」の業務を妨害した、と判断されたということでしょう。

詳しい解説はこちら⇒「ウソの注文をすると犯罪になります。」
http://taniharamakoto.com/archives/1957

学校の試験でカンニングしただけでは書類送検にはならないでしょうが、入試などでは犯罪になる可能性があります。

2011年には、京都大学の二次試験の実施中に、受験者(19)が試験問題の一部をインターネット上の掲示板に投稿して、第三者が回答していたことが発覚し、受験者が偽計業務妨害非行事実で京都家裁へ送致されるという事件が起きています。

資格試験は、一定の知識を有していないと、適正に業務を行うことができない、とされているものです。

私のような弁護士もそうです。

カンニングで司法試験に合格して、弁護活動をしたら、どうでしょうか。

人の一生を左右するような裁判を受任して、法律を十分知らずに法廷活動をしたら?

恐ろしいですね。

試験は正々堂々勝負して欲しいものです。

盗み見るのが許されるのは、学生時代、ほのかに想いを寄せる好きな子の横顔くらいのものです。

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