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仕事の山を登る
2006年02月17日今週は全然ブログの更新ができませんでした。
今は、事務所の皆、仕事がいっぱいいっぱいです。仕事の山が眼前にそびえ立っているようです。私たちは、その山を一生懸命登ります。
実際の山登りの場合、上っている途中では、山の一面しか見ることができません。しかし、山を登り切ってしまうと、全方位を見渡すことができます。
仕事の山も登り切り、全方位を見渡して良き解決をしたいと思います。
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今週の予感
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超高金利借金は全く返す必要なし
2006年02月12日2006年3月7日に最高裁判決がありました。
札幌市の貸金業者「ゴーリキ」(←強そうな名前です)が、年利約1200%の利息で金を貸し付けて返済させていた事案で、借主がそれまでに支払った109万円の返還を求めた訴訟です。一審札幌地裁は、利息制限法を超過して支払った利息分の返還を命じ、二審の札幌高裁は、元本も含め、全ての返還を命じていました。
最高裁では、「契約自体が、貸金に名を借りた違法行為で無効。返済額は不法行為による損害。元本も保護に値しない」として、借主が支払った金員の全額の返還を命じました。
要するに、「実際に貸し付けたお金も返す必要なし。」ということです。
「借りた方だって悪いんじゃないの?」「返す約束をしたんだから、少なくとも元本は返すべきでは?」という意見もあるでしょう。
しかし、最高裁は、そのような価値観があったとしても、あえてヤミ金撲滅の道を選んだということではないでしょうか。ヤミ金がお金を貸し付けたとしても、その実際に貸したお金すら返す必要がないというのであれば、商売あがったりです。そうやってヤミ金を割に合わない商売にしてしまい、衰退させようということです。
現実に、ヤミ金で荒稼ぎをしているグループは摘発を受けています。ヤミ金を続けるには、携帯電話や仮名口座、拠点を次々と変えていかなければならず、警察による摘発を恐れながら活動しているのが実態です。
だいぶ振り込め詐欺に鞍替えしてきているようですが、今後は、また新たな手法が編み出されていくことでしょう。そして、それを規制する、というイタチごっこです。
真説 光クラブ事件 ―東大生はなぜヤミ金融屋になったのか―
クレサラ・ヤミ金事件処理の手引 -
跳び蹴り教師
2006年02月11日石川県の小学校5年生の担任教師(40代)が、生徒とボールで遊んでいたところ、生徒の1人からボールを背中にぶつけられて腹を立て、生徒を追いかけて壁に追い込み、跳び蹴りをしたとのことです。
生徒は壁に体を強打し、鎖骨骨折など2ヶ月の傷害を負った模様です。
ニュースはこちら石川県教育委員会は、3月8日付で、教師を停職1か月の懲戒処分としました。
教師は、「ボールを当てられてつい感情的になった。」として、生徒と親に謝罪をしているようです。感情に振り回されたということになりますが、40代にしては、自制心がなさすぎるように感じます。
何らかの事情により、ボールを当てられた瞬間にカッとなってしまうことはあるでしょうが、その感情を行動に移すかどうかは全く別問題です。
瞬時に自分の立場と取るべき行動を考えることができなければ、社会人として生きてゆくことは難しいのではないでしょうか。
本件は、法律的には、刑法上の「傷害罪」に該当します。また、民事上の損害賠償の問題も発生します。鎖骨がきれいに癒合すれば良いですが、変形したりすれば、将来にも影響を与えます。重大な問題です。
よく反省し、人間力を磨いて、今後すばらしい教師になっていただきたいと思います。
無料レポート
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自己破産減少
2006年02月10日2005年の1年間の自己破産件数の速報が出ました。
法人の自己破産 7791件
個人の自己破産 184,324件合計 192,115件
2003年が最も多く、2004年、2005年と万単位で減少しているそうです。
それにしても多いです。1日に約526件です。
住宅ローンや事業のための借入等は別として、遊興費目的の借金は、増えるのは当然です。自分の収入の範囲内及び預金の範囲内でまかなえないから、借金をするのです。借りて使った後は、前と同じ生活の中で、毎月の返済だけが増えるのです。
借りた後に収入が増えるか、生活を切りつめて生活費を減らさない限り、返せるはずがありません。しかし、そう簡単に収入が増えるわけもなく、また生活レベルを落とすこともできず、また借金を繰り返していきます。
だいたいは「何とかなるだろう。」という思いで借りるようです。しかし、通常誰も何もしてくれません。自分でお金を作り出せないから、借りたのです。したがって、自分でも何ともできません。
自分の収入がいくらであり、毎月の出費がいくらかを認識した上で、返せるかどうか判断し、借金をして欲しいと思います。
自分の行動により、どういう結果が生じるのか、将来を論理的に考えることが必要です。
「弁護士がこっそり教える知らないと損する議論の常識」(弁護士 谷原誠)
「労働問題解決マニュアル」(労働問題解決ネットワーク)
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保護する責任
2006年02月09日ニュースからです。
3歳の幼児に生存に必要な食事などを与えなかったとして、死亡した幼児の母親が保護責任者遺棄罪の疑いで香川県警高松北署に逮捕されました。死因は栄養失調なので、保護責任者遺棄致死罪で検察官送致される模様です。
保護責任者遺棄罪は、刑法218条に規定されており、法定刑は3月以上5年以下の懲役です。致死罪になると、2年以上の有期懲役です。
老年者、幼年者、身体障害者、病者を保護する責任がある者がこれらの者を遺棄したり、生存に必要な保護をしない場合に遺棄罪が成立します。
幼児を養育すべき両親や寝たきり老人を看護している家族などがこれに該当します。また、交通事故の加害者は、被害者の救護義務がありますが、一旦助けて車に乗せて病院に行く途中、被害者を捨てて逃げてしまったような場合にも成立するでしょう。
人は生まれたばかりでは、一人で生きてゆくことはできません。成長し、自力で生きてゆけるようになりますが、年を取り、老いてゆけば、また、誰かの手を借りなければ生きてゆけなくなります。もちろん、途中で病気や怪我により、やはり誰かの手を借りなければならなくなるときもあります。
当然のことですが、人は助け合って生きていかなければなりません。
そのうちの、保護する責任というが法的責任にまで高められているということです。
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今日は寒かった。
2006年02月06日今日はすごく寒かったです。
厚着をしていても、寒さが身にしみました。
夜まで仕事をして家に帰り、湯船に浸かったり、エアコンの暖房で暖かくすごすことができました。(ちなみに、家でも仕事でした)
「とても恵まれた環境にいるんだな」と感じました。
大学時代は部屋にエアコンがありませんでした。司法試験の勉強をしなければなりませんでしたが、コタツは眠くなるので、コタツには入らず、厚着をして、足はゴジラの足みたいな暖かいスリッパを履いて、手には手袋をして、机で司法試験の勉強をしていました。
そのころの気持ちを忘れないようにしたいと思います。
また、明日から緊張した一週間が始まります。頑張ります。
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大人ニートは何を待っているのか
2006年02月05日25~34歳の仕事も通学もしていないという、大人ニートが増加しているそうです。ニュース
2005年のニートの総数は64万人で4年連続横ばいだそうですが、15歳~24歳が減っているのに対し、25歳~34歳が4万人も増加し、全体の6割を超えたということです。
私の少し下の年代です。私の場合は、少し時間があるとぎゅうぎゅう仕事を詰め込んでしまうので、ニートの感覚がわかりません。
ニートは、そのまま生きていこうとしているのでしょうか。それとも1日8時間以上は必ず勉強するなどして努力をしている最中でしょうか。あるいはただ環境が変わるのを待っているのでしょうか。
私は、環境はその人の思いと行動についてくるものだと思います。
自分が必死に努力していれば、環境はその努力についてきて、変わってくるものだと信じています。自分が何もしないでただ待っていれば、何もしない人間に応じた環境にしかならず、少なくともプラスに改善されることはないでしょう。
私は、これからも努力して環境を変えていきたいと思います。
「ニート」って言うな!
「負けた」教の信者たち – ニート・ひきこもり社会論無料レポート
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未成年の親の賠償責任
2006年02月03日2003年7月に長崎市で起きた園児誘拐殺害事件で、殺害された園児(当時4歳)の両親ら遺族6人が、当時中学1年だった加害少年(15歳)とその両親に対して、損害賠償請求訴訟を起こしていました。
加害少年の両親は、3月3日に長野地裁で行われた弁論準備手続で請求を認諾し、少年と少年の両親が遺族らに対して損害賠償責任を負担することが決まったそうです。請求額は不明です。
ちなみに、「認諾」というのは、請求の理由等を審理せず、被告側がそのまま請求を認めることです。
未成年者の違法な行為に対し、両親が法的な賠償責任を負担するかどうかについては、先日、最高裁判例が出ています。この判例は、2001年に19歳の少年3人が起こした強盗傷害事件で、親の責任を否定しました。理由は、「間もなく成人に達する年齢にあり、親が子供らに及ぼす影響力は限定的なものとなっていた」ということです。
民法では、不法行為の損害賠償責任において、責任能力がない未成年者が不法行為を行った場合には親などの監督義務者が責任を負担すると定めています。この年齢が、だいたい11歳から13歳くらいです。
それ以上の場合には親の監督義務違反と不法行為結果との因果関係が必要となります。過去の判例では、10代後半の少年の犯罪について、親の責任を認めたものがありますが、このような立証は難しいものがあります。
今回のケースは、法的にはかなり微妙だと思われますが、加害者の両親は、あえて積極的に責任を認めたものです。自分の子が、このような重大な犯罪を起こしてしまった場合、親としてはどのような気持ちなのでしょうか。
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「SAYURI」~反日か親日か
2006年02月02日スティーブン・スピルバーグのハリウッド映画「SAYURI」が、中国で上映禁止となったそうです。
中国の女優が芸者を演じているので、「反日感情に火がつくのを防ぐため」、というのがその理由のようです。
本当でしょうか。
駄作であればそうでしょうが、スピルバーグ作品です。良作の予感。
良い作品であれば、心理学上の「連合」が働き、むしろ「芸者ブーム」が起きたり、親日感情が生ずるのではないでしょうか。
私としては、中国の意図は、逆に「親日感情に火がつくのを防ぐため」、という政治的意図のような気がしてなりません。
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