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新刊「戦略的交渉術」発売
2010年09月11日
弁護士・谷原誠式 「戦略的交渉術」の極意 話下手でも即使える対人スキルと交渉準備術
クチコミを見る私の新刊です。
「弁護士・谷原誠式『戦略的交渉術』の極意」(宝島社)
事前準備を重視し、書き込み式交渉準備シートなどを装備しています。コピーして実際の交渉にお役立てください。
序章 問題提起編 なぜ、あなたの交渉はうまくいかないのか?
交渉における8つの負けパターン第1章 基礎理解編
「交渉力」とは何か第2章 事前準備編
「戦略的交渉シナリオ」のつくり方第3章 実践テクニック編
弁護士が教える戦略的交渉の極意第4章 ケーススタディ編
交渉現場でのシチュエーション別対処法巻末 書き込み式戦略交渉準備シート
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寝袋に入れるのは、埋葬か!?
2010年09月10日2010年10月10日午前3時10分ころ、警察に1人の男が自首しました。
聞くと、「坂井さんを殺して、部屋に置いている」とのこと。ただちに広島県警福山東署の署員が男の自宅を調べたところ、クローゼットから寝袋に入れられた遺体が発見されたそうです。
この場合、ただちに殺人罪が想定されます。殺人容疑で逮捕すべきでしょうか?
実際には、警察は、殺人容疑ではなく、死体遺棄容疑で逮捕しました。
死体遺棄罪(刑法190条)
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。
警察の立場に立ってみると、ただちに殺人容疑で逮捕するよりも、死体遺棄容疑で逮捕する方が無難な対処方法ということになるからです。一旦逮捕すると、勾留延長期間を含め、約3週間で取り調べ、起訴するか、あるいは釈放しなければなりません。
しかし、殺人罪を調べるとなると、殺人の動機、殺人の故意、どこでどのように殺したか、凶器は何か、などを特定するという大変な作業となります。
他方、死体遺棄罪であれば、死体があり、それを遺棄した、という比較的簡単な捜査で結論を出すことができます。
そこで、結論を出しやすい死体遺棄罪で逮捕勾留し、その間に色々捜査するとともに被疑者を取り調べ、殺人容疑についても捜査を進めるのです。
そして、捜査の進展によって殺人容疑が固まったところで、殺人罪で再逮捕するのです。
ところで、死体遺棄罪にいう遺棄とは、「社会通念上埋葬と認められないような態様で放棄すること」です(前田刑法第4版・499頁)。
今回は、寝袋に入れたまま放置したことから、社会通念上埋葬とは認められませんので、死体遺棄罪になります。
過去の判例では、祈祷類似行為を行ってきた者が、死亡した子供(6歳)が生き返るものとして約3ヶ月間祈り続け、塾生を死体の側に付き添わせ、「波動機」という工作物を死体の周りに設置していた例も死体遺棄罪とされました。(福岡高裁宮崎支部平成14年12月19日)
これも、社会通念上埋葬とは認められないためです。
では、戦争映画等で兵士が戦死した兵士を土に埋め、木を土に刺してその上にヘルメットなどをかぶせて追悼するシーンは、死体遺棄罪にあたるでしょうか。
実際には、日本国内で行われる必要がありますが、それは今回考えないことにします。
戦場ということになると、全てが非日常の世界であり、そもそも社会通念がありませんから、社会通念上の埋葬もありません。そうすると、「社会通念上埋葬と認められない態様で放置した」として死体遺棄罪に該当しそうです。
しかし、他に埋葬手段があれば別ですが、戦場でわざわざ葬儀屋に連絡して、葬式を執り行って、お坊さんも呼んで、皆で火葬場へ、というわけにもいかないでしょうから、死者に対して敬意を表する正当な埋葬である、として違法性が阻却されると考えたいと思います。
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『タッチ』の制作会社が準自己破産
2010年09月05日
タッチ DVD COLLECTION 1 (6枚組)
クチコミを見るアニメの「タッチ」や「まんが日本昔ばなし」の制作会社であるグループ・タックが、東京地裁から9月1日に準自己破産により、破産手続開始決定を受けたそうです。
負債は約6億5千万円。
準自己破産とは、 実務上の概念です。普通の自己破産は、会社の取締役会等を経て代表取締役が会社を代表して申立をします。
しかし、準自己破産というのは、法人の取締役や理事等が個人の資格で申立をするものです。代表者が亡くなって不在の場合や、法人内部で対立があるような場合に、この準自己破産の申立が行われます。
「まんが日本昔ばなし」は、私が子供のころ、土曜日の19時から放映しており、必ず観ていました。「むかーし、むかしのことじゃったー」でナレーションが始まるのが好きでした。
「タッチ」は中学から高校時代に流行しました。
高校時代は野球部だったので、一生懸命漫画を読み、「タッチ」のような生活に憧れたものです。
懐かしいアニメを制作した会社が破産したことは、とても残念ですが、時代の流れでしょうか。
そういえば、土曜日の「まんが日本昔ばなし」の後の「クイズダービー」はもう終了してしまったし、20時からの「8時だよ!全員集合」も終わってしまいました。
しかし、「8時だよ!全員集合」の志村けんさんは、まだガンバっています。さすがです
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電子書籍発売!
2010年09月04日私の新しい電子書籍です。
iPhone、iPad の両方に対応しています。
「弁護士直伝! 相手を思うままに動かせる!最強の交渉術」
(開発: AXEL MARK INC.)
http://itunes.apple.com/jp/app/id394644236?mt=8 -
3刷り決定「弁護士の論理的な会話術」
2010年09月03日「弁護士の論的な会話術」(あさ出版)に増刷がかかり、3刷りが決定しました。
ありがとうございます。
いつも言いくるめられたり、言いたいことをうまく論理的な会話に組み立てられなかったりする方に読んで欲しいと思います。
議論に強くなると、確実に論理的思考力が向上します。
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合気道に行ってきた
2010年09月02日合気道の稽古に行ってきた。
一応二段を持っているが、最近忙しく、行ってなかった。
稽古時間は1時間半びっしりだ。
稽古が始まって10分もすると、汗がどっと出てくる。
合気道は体を動かすので、健康に良いはずだ。
でも、久しぶりにやると、指をぶつけて血が出るわ、足腰は痛くなるわで、どうも健康に良いのかどうか、疑念が生じてくる。
明日は大丈夫。
明後日は筋肉痛になりそうだ。
筋肉痛までの時間の長さは、加齢に比例する。
2日後に筋肉痛はまだ良いが、たとえば運動してから1週間後に筋肉痛とかは嫌だ。
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ビジネスは、winwinか?
2010年07月31日今朝の「とくダネ!」で、小倉さんが、「ビジネスでwinwinはあり得ない。たいてい誰かが損をしている」という趣旨(正確ではありません)の発言をしていた。
インターネット上のクーポン業者は、飲食店などの割引クーポンを販売して販売手数料を得、消費者は、クーポンを購入することにより割引価格で飲食等ができ、飲食店は、集客ができ、リピーター獲得のチャンスを得られるので、「全ての人がwinwinだ」、という説明に対しての発言だ。
そうだろうか。
パソコンの売り買い1つとっても、パソコン販売業者は、パソコンよりもお金が欲しいのでパソコンを一定の金額で売る。売れればハッピーだ。
パソコンを買う人は、パソコンが欲しいから、それだけのお金を払う。パソコンが手に入るとハッピーだ。その金額のお金の価値よりもパソコンの価値の方が高いと思わなければ買わない。
したがって、パソコンを売る方も買う方もハッピーなはずである。
先ほどの例に戻ってクーポン業者は、クーポンを販売して利益を得ることを目的に業務をしているので、とにかく売れればハッピーに違いない。売れない時がハッピーではないだけだ。
消費者は、他の食事の選択肢を捨てて、そのクーポンを選択した。元々の値段より安い値段で食事ができるので、その意味ではハッピーだ。ハッピーでないのは、雰囲気や味が気にくわなかったときだ。しかし、それは、このシステムに問題があるのではない。
初めての店で外食をするときには、常にそのリスクは付きまとうのであり、クーポンのせいではない。
飲食店は、客が来てくれれば空席が埋まるのでハッピーだ。原価割れするほどの低価格でクーポンを販売するときは、リピーターを得るための戦略だ。とにかく1回来店してくれればリピーター獲得のための門をくぐったわけだから、ハッピーだ。後は店と客の相性次第となる。
リピーターになるかどうかは、どれだけ客に代金以上の満足感や感動を与えられるかどうかであり、それができればクーポンを原価割れして販売しても元が取れ、それができなければ利益が出る範囲内でクーポンを販売すべきだ。
つまり経営判断の問題であり、クーポンのシステムが悪いわけではない。
したがって、クーポン自体では、誰も損はしていないと思う。
全ての人がハッピーなはずである。
では、弁護士の仕事はどうか。
交通事故を例に取ってみる。
被害者が、加害者側の保険会社と交渉し、示談金額が1,000万円まで上がってきたとする。本人では、これが限界だ。
そこで弁護士に依頼する。弁護士は、裁判を起こし、最終的に解決した賠償金は2,000万円だ。
弁護士は、その中から報酬をもらってハッピーだ。
依頼者は、賠償金が増えてハッピーだ。
保険会社はどうか?より多くの賠償金を払わされるので、ハッピーではない。
つまり、今の弁護士の仕事のように、1つのパイ(賠償金)を奪い合うビジネスは、片方が得をすれば、片方が損をするので、ハッピーな人とハッピーでない人が生じるが、利害が異なる人同士(お金が欲しい人、できるだけ安く飲食したい人、リピーターが欲しい人)のビジネスでは、そもそも勝者と敗者は生じておらず、皆ハッピーになることができる、ということではなかろうか。
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TREASURE トレジャー~おすすめ本
2010年07月24日知人の犬飼ターボさんが、新刊本「TREASURE」(飛鳥新社)を送ってくれたので、早速読んでみました。
仕事にやりがいを見いだせない主人公が、会社を辞めて飲食店を経営し、人間的にも店としても成長してゆくサクセスストーリーです。
主人公の経営する店のモットーは、
「関わる人全てに『喜び』と『感動』を提供すること」
というもの。
「関わる人全て」というのは、お客様やスタッフだけではありません。
まさか、そんな人たちまで・・・!?
これが実話に基づくというから驚きです。
そして、最後は感動します(泣)
サービス業にかかわらず、全ての人におすすめの1冊です。
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弁護士資格は職業ではなくなるか
2010年07月23日日本弁護士連合会が今年6~7月に実施したアンケートによると、新司法試験に合格して司法修習を受けている弁護士希望者のうち、約43%の就職先が未定であることが分かったそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100822-00000002-sh_mon-bus_all
修習は12月に終わるので、あと4ヶ月を残す状況です。
私の時代(17年くらい前)は、残り4ヶ月くらいの状況で就職が決まっていない人は全体の3%程度だったと思います。
それでも、どこかには就職できるだろう、と楽観的に考えていました。
当時は、司法試験に合格すれば、就職はほぼ保証されたような感覚があったのです。
ところが、今の状況は、43%です。このまま進むと、どこにも就職できない人達が多数発生するのは避けられない状況です。
司法試験制度は改革されており、今は、新司法試験と言われています。
2006年に第1回の新司法試験が行われ、合格者は1009人、合格率は48.35%でした。2009年の新司法試験では、合格者数は、約2倍の2043名に増えています。
私の時代(19年前)は合格者が600人、合格率2%だったので、今は、かなり合格しやすくなっています。
弁護士の仕事がいきなり飛躍的に増加するわけではありませんので、結局試験で落とされるか、就職で落とされるか、という違いになっています。
今の試験制度が今後も続くようであれば、弁護士資格を持った未就職者が増え続けることでしょう。
今後弁護士を目指す人は、そのようなリスクを覚悟した上で受験に臨まなければなりません。この点は、他の国家資格でも変わることはありません。
TBS系列のドラマ「特上カバチ!!」の影響で、行政書士を目指す人も増えることが予想されていますが、行政書士の場合、行政書士の資格を取っても、行政書士の仕事をしていない方が多いと思います。
弁護士も、弁護士資格を持ちながら弁護士の仕事をしていない人が増えてゆくことでしょう。
新司法試験はあくまで資格試験であって、就職試験ではないことを認識しなければなりません。
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ロジカルシンキングにおける話し方とは?
2010年07月17日
ロジカルシンキング実践テクニック (Gakken Mook)
クチコミを見る「ロジカルシンキング」(GAKKEN)で、取材記事が10ページにわたり、掲載されています。
内容は、「戦略的な話し方」
・相手を説得できる話し方
・さりげなく自分の意見を通す話し方
・会議を早く終わらせる話し方
・商談で落としどころを探る話し方
・「話が違う!」を防ぐ話し方話し下手だと感じている方、ぜひお読みください。