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亀が痴漢をするか?
2012年06月26日
痴漢の言い訳は色々ある。「荷物を持ち直しただけだ」
「手を下におろしていたら、勝手に当たってきた」
「手の平では触っていない。手の甲が触れただけだ」今回、また新しい言い訳が発見された。
「(女性の)尻に当たったらラッキーだと思って手を振ったら当たった。触ったのではない」
25日に千葉県内の駅のホームで女性の尻を触ったとして、千葉県県迷惑防止条例違反(痴漢)の現行犯で逮捕された男(41)は、そう供述しているという。
同署によると、警戒中の県警鉄道警察隊員が女性を物色しているような不審な様子の下村容疑者を発見。行動をマークしていたところ、女性の尻を触ったため取り押さえたとのこと。
状況としては、被疑者にかなり厳しい。
行動をマークして注意して見ていたところ、尻を触ったところを見つかってしまっているからである。裁判でも警察官の証言は具体的で詳細なものになり、信用される可能性は高い。
警戒中の警察官が、痴漢をしそうな人物を見つけるときには、眼を見る。
そうすると、女性の腰のあたりをチラチラ見たり、凝視したりしている人がいる。
それを「エロ眼」とか「亀眼」と呼び、行動をマークすることになる。
亀には迷惑な話だが・・・。
おそらく今回も、逮捕された男は「エロ眼」だったのだろう。
「目は口ほどにものを言う」
私も、自分が「エロ眼」になっていないかどうか、注意して生活しよう。
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自分の会社に出勤するのは建造物侵入か?
2012年06月25日静岡県で、教師が自分の勤務先中学校の教室に入っていったところ、建造物侵入罪の疑いで逮捕されたそうです。
え?
自分の勤務先に入って逮捕!?
不思議ですね。
勤務先の会社に入っていって逮捕されるなら、皆さん毎朝逮捕です。
今回の事件、実は、この教師、中学校の女子生徒の着替えを「盗撮する目的で」侵入したということなのです。
建造物侵入罪は、「正当な理由がないのに」建造物に侵入した場合に成立します。
普段、教師の仕事をするために教室に侵入した場合は、「正当な理由」があることになります。
しかし、「盗撮目的」で教室に侵入した場合は、「正当な理由」がない、ということになるのです。
今回は、教室のロッカーの中に、ビデオカメラが設置されていたことから、「盗撮目的」が認定され、「正当な理由」がない、と判断されたものでしょう。
そういうことなので、過去の事例としては、別居中の夫が妻の不貞の現場の写真を撮りに妻の住む自分が所有する家に侵入した場合に住居侵入となった例があります(東京高裁昭和58年1月20日判決)。
ビックリですね。別居中の方は、ご注意ください。
また、家出中の息子が親の家に強盗目的で侵入した場合にも、住居侵入罪が成立します(最高裁昭和23年11月25日判決)。
怖い息子さんです。(>_<) いくら家族であっても、一緒に住んでいない場合には、勝手に住居に立ち入らない方が無難ということですね。 これから帰省シーズンです。 帰省する時は、驚かせるのはやめて、一言「帰るよ」と言っておきましょう。 ビックリして警察を呼ばれたら、大変なことになりかねません。(>_<)
なお、先ほどのニュースソースは、これです。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120724/crm12072416250029-n1.htm -
用水路への転落は、誰の責任?
2012年06月25日6月24日夕方、岡山市の住宅街で4歳と3歳の男の子が雨で増水した用水路に転落して溺れ、死亡したという痛ましいニュースがありました。
用水路の水位は約1メートル。転落防止用の柵が途切れている場所もあり、警察は2人が誤って転落したものとみて調べています。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5064008.html
2人のご冥福をお祈りいたします。
転落防止用の柵が途切れている箇所から子供たちが転落したのかどうか、問題となりそうです。
もし、そうだとすると、自治体の責任も出てくる可能性があります。
民法では、「土地工作物責任」という制度があり、土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があって、その瑕疵によって誰かに損害を与えた時は、その工作物の占有者が、被害者に対して賠償責任を負う、という制度です。
転落防止用の柵も、「土地工作物」と判断されるでしょう。
過去に、一般道路を歩行中に河川に転落し、死亡した事故について、道路と河川との間に設置された防護策が撤去されたまま放置していたことが、自治体の損害賠償責任を認めた判例があります(東京地裁平成16年12月17日判決)。
安全管理を怠った自治体の責任を認めたものです。
これから暑くなってくると、水遊びをする子供も増えてきそうです。
各自治体には、安全管理に十分注意を払っていただきたいと思います。
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亀岡暴走事故で警察官と教頭が書類送検か
2012年06月24日
京都府亀岡市で児童ら10人が軽乗用車にはねられ死傷した事故で、被害者の個人情報を加害者の無職少年(18)側に漏らしたとして、亀岡署交通課係長の男性警部補(51)と同小の男性教頭(51)を地方公務員法違反容疑で書類送検する方針を固めたそうです。ニュースによると、警部補は事故翌日の4月24日午前0時ごろ、「被害者に謝罪したい」と同署を訪れた少年の父(47)に対し、男性巡査長(53)に作成させた被害者10人の氏名や住所などが書かれたリストを提供し、教頭も同日午後、少年の伯父(51)に、死亡した被害者(26)の携帯電話番号を教えた疑いが持たれています。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/569292/
警察官も教頭も地方公務員法で規律されています。
地方公務員法34条は、次のように定めています。
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。」
被害者の氏名・住所・携帯電話番号などは、職務上知り得た情報です。しかも、被害者側としたら、加害者側には知られたくない秘密に該当します。
決してしてはならないことです。
実務上、警察官が加害者側に被害者の連絡先を教える場合があります。
しかし、それは、加害者が謝罪や示談を望むことから警察官に被害者の連絡先を教えてくれるよう申し入れ、警察官はそれを被害者に伝えて、「加害者に連絡先を教えてよいかどうか承諾を得て」はじめて加害者側に教えます。
被害者のご遺族などは、加害者の顔も見たくないし、声も聞きたくないかもしれません。思い出したくもないかもしれません。
まして、場合によって、加害者側から被害者側に対して示談の圧力がかけられたとしたら?
今回のようなことが起こると、被害者が事故で被害を受け、さらに情報漏洩で二重の被害を被った、とさえ言えます。
気をつけていただきたいところです。
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6台多重事故、酒気帯びも
2012年06月22日22日未明に、神奈川県海老名市で、信号待ちの車の列に乗用車が突っ込み、6台多重事故となったそうです。
1人が死亡したとのことです。
ご冥福をお祈りいたします。
運転手は、自動車運転過失致死傷罪の疑いで逮捕されましたが、呼気検査をしたところ、基準値を超えるアルコールが検出されたため、酒気帯び運転の疑いでも捜査しているとのことです。
酒酔い運転の疑いというわけではないので、危険運転致死傷罪の適用はないようですね。
運転手は、「海老名市内の居酒屋で酒を飲んだ」と供述しているようです。
まだそんな人がいるのか、という感じです。
酒を飲んだら運転しない、という習慣はかなり浸透してきたか、と思っていましたが、まだまだなくなるのは先のようですね。
くれぐれも飲酒運転はしないようにお願いします!(>_<)
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剣道と児童ポルノ
2012年06月19日全日本剣道選手権の元チャンピオンの神奈川県警の31歳の巡査部長が、女子高校生から裸の写真を携帯電話に送信させたとして、警視庁に逮捕されました。
容疑は、いわゆる児童ポルノ禁止法違反。
具体的には、当時16歳だった女子高校生に「好きだから裸の写真を送って欲しい」などと言い、携帯電話で裸の写真3枚を撮らせて、自分の携帯電話に送信させた疑いです。
児童ポルノ禁止法は、児童ポルノなどを販売する行為などを規制していますが、今回は、児童ポルノを「製造した」罪です。
児童ポルノ禁止法では、18歳未満の児童に、衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激する姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体で記録する行為を「製造」として規制しています。
今回も16歳の女子高生の裸の写真を撮らせたのですから、「製造」したことになります。
ところで、児童ポルノ禁止法では、製造された児童ポルノを購入したり、もらったりする行為を規制していません。
このことを知っている方もいると思います。
しかし、安心しないでください。
都道府県によっては、条例で禁止されています。
早速、京都府警では、児童ポルノ映像の購入者を、児童ポルノ規制条例違反で立件する方針を固めたそうです。
他の都道府県も、これに続くと思われます。
http://www.asahi.com/national/update/0719/OSK201207190055.html
知らずに買うと、捕まりますよ。
児童ポルノは、「撮らない、買わない、もらわない」の3原則を守っていただければと思います。
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薬物ハーブだけでなく、覚醒剤も・・・(危険運転致傷罪か)
2012年06月16日
6月1日に、大阪・ミナミの繁華街を軽乗用車が暴走し女性2人が軽傷を負った事件があり、運転者が自動車運転過失致傷罪で捜査されていました。この運転者は、歩道に乗り上げて金属製の支柱に衝突した後、突然アクセルを強く踏み続け、現場に煙りが立ちこめるほど、タイヤを空転させたり、奇声をあげたり、座り込んで嘔吐するなど錯乱状態にあったということです。
そこで、何らかの薬物使用が疑われていましたが、本人は「脱法ハーブ」を使用した、ということでした。ところが、「脱法ハーブ」の吸引だけでは錯乱することが少ないとされていたことから、危険な運転が薬物の影響だという立証が難しく危険運転致傷罪の適用は見送られるか、と思われていました。
ところが、このたび、運転者の尿から覚醒剤反応が出たそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120616-00000040-mai-soci
これで、危険運転が薬物の影響によるものとの見方がされるようになり、危険運転致傷罪の適用が視野に入ってきました。
これまでは、自動車運転過失致傷罪で最高7年以下の懲役と見られていたものが、危険運転致傷罪で最高15年以下の懲役、という重い犯罪が成立する可能性が出てきたものです。
この事件については、今後の捜査の進展を見守りたいと思います。
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一休さんとロッククライミングで宮司が激怒
2012年06月15日ロッククライミングをしていて逮捕されました。
なぜ?
世界遺産の「那智の滝」でロッククライミングをしたためです。
世界遺産保護法?
いえいえ。
軽犯罪法違反です。
宮司さんは、激怒しています。
「2700年の歴史上、こんなことは初めて。ご神体として祭られているところに入るなんて宗教を侮辱されたようなもので、宮司として絶対に許せない」
軽犯罪法には、次のような規定があります。
第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
32号 入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者今回は、敷地内が立ち入り禁止とされているのに、その敷地内に入った、ということで逮捕されたのでしょう。
ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120715/crm12071515140005-n1.htm「立入禁止」の札が立っているところに入る時は、ご注意ください。
ちなみに、全ての家で、門の外に「セールス立入禁止」の札を掲げると、訪問販売会社は、つぶれてしまうかもしれませんね。
その昔、一休さんは、ある橋に「このはし、わたるべからず」と書いた立て札がある時、堂々と橋の真ん中を歩きました。
立て札を「この橋、渡るべからず」ではなく、「この端、渡るべからず」と読み替えたものです。
この観点からすると、一休さんは、「セールス立入禁止」に対しては、這って入るかもしれません。
「立って入るのは禁止されたが、這って入るのは禁止されていない!」と。(+o+)
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女性に気持ち悪がられる方法
2012年06月12日色んな趣味の人がいるものです。
7月11日午前6時20分ごろ、神戸市の路上で、男が口の中に指を突っ込んで嘔吐(おうと)しているところを張り込み中の警察官が見つけ、任意で事情を聞いているそうです。
罪は、「軽犯罪法の疑い」。
軽犯罪法第1条では、次のような罪が規定されています。
26号 街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者
27号 公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者嘔吐物には、つばが入っているので、26号に該当するように思いますし(街路と言えれば)、汚物と言えるので、27号にも該当するように思います。
軽犯罪法が適用されると、拘留または科料に処せられます。
今回、警察官が張り込んでいたのは、今年に入り、現場近くにある女子大付近の側溝に連日嘔吐物が見つかっていたということで、張り込んでいたそうです。
この男かな・・・
警察官も嘔吐する人を見つけるために張り込むとは、大変なお仕事ですね。
男の供述によると、「(嘔吐物を見た)女性に気持ち悪がられるのを楽しんでいた」ということです。
世の男性陣は、どうやって女性に好印象を与え、モテるようになれるかに日夜心を砕いているのに、女性から気持ち悪がられることを楽しむ人がいるとは、世の中広いものです。
とりあえず、私は道路では嘔吐しないように気をつけよう。
ニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/6746870/ところで、タイトルで「女性に気持ち悪がられる方法」としましたが、このタイトルに興味を持ってこの記事を読む方がいるのであれば、この嘔吐男もそうそう変わった人ではないかもしれない・・・(+o+)
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訪問販売に気をつけよう
2012年06月07日
高齢者を狙った高額な浄水器の訪問販売業者が逮捕されたそうです。業者は、京都市内で、83歳の女性宅を訪問し、女性の承諾を得ないまま浄水器を交換した上、声を荒げて約3時間にわたり契約書にサインするよう迫り、浄水器1台26万円の契約書を交わさせたそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120607-00000185-mailo-l26
83歳の無職女性ですから、仕事もなく、年金と預貯金しか今後の生活資金はないはずです。
私の祖母は、数年前に他界しましたが、その何年か前に一人暮らしをしていたことがありました。
その頃のことを考えると、そのような自分を守る術を持たない人達から無理矢理にお金を取ろうとする行為は許せません。
容疑は、特定商取引法違反です。
特定商取引法では、訪問販売業者に対し、次のような行為を罰則付で禁止しています。
①不実の告知
嘘をついて、勧誘することです。②故意の不告知
わざと、不利益な事実などを言わないで勧誘することです。③威迫・困惑
声を荒げたりして不安・困惑の念を起こさせ、勧誘することです。④販売目的隠匿勧誘
契約をさせようという目的を隠して事務所など公衆の出入りしない場所に呼び込んで勧誘することです。今回は、③の威迫・困惑に該当する、ということです。
威迫・困惑の例としては、次のような行為があげられます。
・「買ってくれないと困る」と声を荒げられて、誰もいないのでどうしてよいかわからなくなり、早く帰ってもらいたくてやむを得ず契約した。
・入れ墨などを見せられ、危害を加えられるのではないかと怖くなり契約した。
・契約しないと言っても、「契約するまで帰らない」と女性や老人宅に夜遅くまで居座ったので、早く帰ってもらいたくて契約した。
・今回のように本人が承諾していないのに勝手に商品を設置し、その後で「もう設置してしまった後になって言われても断れない。契約するまで帰らない」などと声を荒げるので、自分では商品をはずせないし、困って契約した。
自宅に訪問販売員が来て、上記のような勧誘行為がなされた時には、すぐに警察に通報しましょう。
それと同時に契約をなくさないといけないので、すぐに弁護士など専門家に相談するようにしましょう。
全国の弁護士会で、法律相談の窓口があります。
http://www.nichibenren.or.jp/contact/consultation.html