東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
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  • 不倫で訴えられたら?

    2014年12月22日

    ★不倫の損害賠償を請求されたら?

    世の中、不倫の話をよく聞きます。

    不倫をする人は、相手の配偶者から損害賠償請求をされることをご存じなのでしょうか?

    相手の配偶者から内証証明郵便が来た段階で、ご相談にいらっしゃいます。

    言い分は色々あるでしょうが、訴えられた人の戦い方にはパターンがあります。

    不倫による損害賠償請求は、不法行為に基づく損害賠償請求です。

    要件は、

    ・故意または過失があること
    ・相手に損害があること
    ・違法性があること
    ・行為と損害との間に因果関係があること

    などです。

    そこで、この要件を切り崩してゆけるかどうか、検討することになります。

    【故意または過失がないこと】

    これは、

    「結婚しているとはしらなかった」
    「婚姻関係が完全に破綻していると聞いていた」

    などと言うものです。不倫していた人が騙されたような場合ですね。

    そう信じたことに過失がない場合で、主観面を重視しますが、客観的に立証しなければなりません。
    【相手に損害がないこと】

    これは、不倫相手の夫婦間の婚姻関係が破綻しているため、相手に精神的損害がない、と主張するものです。

    客観面を重視します。

    大きくは、上記2つで対応することになります。

    証拠が命です。

    上記戦略が取れないときは、なんとか和解で解決するよう交渉することになります。

    逆に、不倫をされた配偶者の方が損害賠償する時も、上記2つの主張をされないよう、証拠を固めておく必要があります。

    ご相談は、こちらから。
    http://www.bengoshi-sos.com/about/0903/

  • 既婚男性との別れ~慰謝料請求するか、されるか!?

    2014年12月21日

    11月に亡くなった俳優の高倉健さんの代表作のひとつ、映画『駅 STATION』(1981年)に、こんなシーンがあります。

    暮れも押し迫った12月30日、帰省のために降り立った北の町のある居酒屋に、健さん演じる英次がふらりと立ち寄ります。
    明るさの中にも、不幸の影を持つ女将を演じるのは倍賞千恵子さん。

    2人で熱燗を飲みながら、倍賞さん演じる桐子がこんなことを言います。
    「水商売やってる子にはね、暮れから正月にかけて自殺する子が多いの。なぜだかわかる? 男が家庭に帰るからよ。どんな遊び人の男でも、正月くらいは自分の家にいる。そんなとき、独り身の寂しさをしみじみ感じるのよ」

    脚本は、ドラマ『北の国から』で有名な倉本聰さん。
    実際のところは分かりませんが、倉本さんが札幌の飲み屋でホステスから聞いた話を元にしたそうです。

    古今東西、男と女の問題は後を絶ちません。

    今回は、別れ話をしてきた男性への慰謝料請求のご相談です。

    Q)妻子のあることをわかっていて、ある男性を好きになり、4年間いっしょに暮らしました。「妻とは離婚するから、結婚しよう」と言われ信じていたのですが、私が妊娠すると手のひらを返したように別れ話を切り出してきました。慰謝料の請求をしたいのですが可能でしょうか?

    A)ただ、つき合っていたというだけでは慰謝料請求は認められません。

    反対に、男性の妻から、不貞行為を理由とする慰謝料請求をされる可能性があります。

    しかし、事実婚(内縁関係)として長期にわたり同棲していた、妊娠したということなので、男性に対して「不法行為」や「貞操侵害」を理由とした慰謝料請求が認められる可能性があります。
    【事実婚とは】
    法が定める婚姻届の手続きをしていないため入籍はしていないが、長期間の同棲など事実上の夫婦と変わりない生活を送っていることを事実婚といいます。
    また、内縁関係ともいいます。

    法律的には、内縁関係は「婚姻に準ずる関係」として保護されています。
    しかし、正式な夫婦に認められるものでも保護されないものもあります。

    たとえば、財産などの相続権は認められませんし、子供を嫡出子として届け出ることもできません。

    ちなみに、同棲は一時的な男女の共同生活に過ぎないとみなされることから、内縁関係のような権利義務は発生しません。

    また、原則、内縁で夫婦関係を結んでいたとしても、男性に妻子があることを女性が知っていた場合は「不倫関係」となり、女性の貞操侵害を理由とした慰謝料請求は認められません。

    ただし、男性の違法性が著しく大きい場合には認められるケースがあります。
    【判例】
    妻子のある上司の男性が、19歳の異性経験のない女性につけこみ、嘘をついて肉体関係を持ち、妻とは離婚して女性と結婚すると言って妊娠させ、出産後に一方的に別れた事案。
    最高裁は、男性側の違法性が著しく大きい場合は、女性に対する貞操等の侵害を理由とする慰謝料請求は認められる、とした。
    (最高裁判決 昭和44年9月26日 判例時報573-60)
    27歳の男性が、妻子がいるにもかかわらず19歳の女性に対し「妻とは別れる」と言い妊娠させ、いっしょに暮らし始めたものの子供が生まれた後、別れた事案。
    女性は男性に対し、2,000万円以上の慰謝料を請求したところ、裁判所は男性が与えた精神的は苦痛大きいとしたものの、女性は男性に妻子があることを交際したのであって、女性にも責任があることは否定できない、として300万円の慰謝料を認めた。
    (京都地裁判決 平成4年10月27日 判例タイムズ804号156頁)

    今回の相談者の場合も、まず相手との示談交渉を行い、合意に至らない場合は、裁判をするという手続きになるでしょう。

    当事者同士の話し合いがまとまらない、または手続きが難しいようであれば弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

    相談は、こちらから。
    http://www.bengoshi-sos.com/about/0903/

    「20歳の顔は自然から授かったもの。
    30歳の顔は自分の生き様。
    だけど50歳の顔には、あなたの価値がにじみ出る」
    (ココ・シャネル/フランスのファッションデザイナー)

  • 離婚と親権 その解決法は?

    2014年11月16日

    ダビデ王の息子で、古代イスラエル第3代目の王・ソロモンは、多くの知恵を持った賢者だったといわれています。

    旧約聖書には、古代イスラエルの最盛期を築き、神から知恵を授かったというソロモン王の逸話で、2人の母が子供を巡って争う裁判の話があります。

    これは後に、名奉行「大岡越前」として有名な江戸時代中期の幕臣・大名だった大岡忠相の逸話「子争い」にも影響を与えたという説があるようです。

    ある時、2人の女が1人の子供を連れてきて、互いが「自分が本当の母親だ」と主張します。
    そこで大岡越前は、「それぞれが子供の右腕と左腕を持って引っ張り、勝った方を実母とする」といいました。
    すると、子供が痛がって泣くので、1人の女が思わず手を放します。
    大岡越前は、手を離した女を実母とします。
    それは、「本当の親なら子供を思うものである。子供が痛がるのにそれでも腕を引っ張るのは本物の母親ではない」という理由でした。

    しかし、古今東西、子供を巡る親同士の争いは繰り返されているようです。
    今回は子供の親権をめぐる、ある主婦の方からの相談です。

    Q)43歳の主婦です。夫が不倫をしていることがわかったので、離婚したいと考えています。でも、子供とは絶対に離れたくないんです。今まで何度か言い争いになり、その度に夫は自分が子供の面倒をみると言います。子供を手放さずに離婚するには、どうしたらいいのでしょうか? 子供は15歳の女の子と11歳の男の子です。

    A)夫婦が協議のうえで離婚する時、未成年の子供がいる場合には夫と妻のどちらかが必ず「親権者」にならなければいけません。
    つまり、親権者を決めなければ離婚できないのです。

    しかし、夫婦間の協議で親権者を決められない場合があります。
    そのような場合には、家庭裁判所に離婚調停の申立てをし、その中で親権者についても話し合いをします。

    親権問題と離婚は切り離せないため、双方の協議で合意が得られない場合は、離婚調停から離婚訴訟へ移行し裁判所の判決を待つことになります。

    「離婚審判」という制度もありますが、ほとんど使われていません。

    【親権とは】
    未成年の子を教育、監護(保護や世話)して、子の財産管理をする親の権利と義務を親権といいます。

    親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行います。(民法第818条第1項)

    しかし、父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければなりません。(民法第819条第1項)

    裁判上の離婚の場合には、裁判所は父母の一方を親権者と定める判決をします。(民法第819条第2項)
    【監護権とは】
    原則として、親権者が未成年の子を引き取り養育します。
    しかし、父母が合意すれば親権者とは別に、未成年の子を引き取り養育する「監護者」を決めることもできます。(民法第766条第1項)

    法的にいうと、監護権には以下のものがあります。
    〇居所指定権(民法第821条)・・・子の住所の指定をする
    〇懲戒権(民法第822条)・・・子に対して懲戒、しつけをする
    〇職業許可権(民法第823条)・・・子の職業を親が許可する

    親権者を父、監護者を母というように分けて、父が財産の管理をして、母が監護者となって子供と同居するという選択もあるわけです。

    場合によっては、離婚協議で合意できないなら、親権を放棄して監護者となって子供との同居を優先したほうがいいケースもあります。

    しかし、親権者が別居したまま親権を行使できるのか、という問題や、就学などで意見が分かれた場合にどうするか、などトラブルが予想されますので、親権と監護権を分離するのはおすすめしません。
    【養育費とは】
    未成年の子供が社会人として自立するまでに必要な費用を「養育費」といいます。

    養育費は、父母が協議の上で分担しますが(民法第766条第1項)、基本的には子供を養育しない方の親が支払います。
    民法では、子の利益を最も優先して考慮しなければならない、としています。

    なお、協議により決定できない場合は、家庭裁判所が決定することになります。
    金額の決定には、裁判所で使われる「算定表」を基準にします。
    算定表は、裁判所のHPに掲載されています。
    【面会交流とは】
    別居している親が未成年の子供と会うことを「面会交流」といいます。

    以前、「面会交流」について解説しました。
    詳しい解説はこちら⇒「面会交流は成立しない!?」
    https://taniharamakoto.com/archives/1610

    いつ、どこで、どうように、どのくらいの回数・時間で会うのか、付き添いやお泊りはあるのかなど父母が話し合いで決めます。

    こちらも、民法では、子の利益を最も優先して考慮しなければならない、としています。
    しかし、子供を養育している方の親が一方の親に子供を会わせたがらない傾向が強く、問題にもなっています。

    子供に合わせてもらえない場合、面会交流を求めて家庭裁判所に調停の申立てをすることができます。
    調停では、子供の意向を尊重した取決めができるように話合いが進められていきますが、調停が成立しないケースが約4割あるのが現実です。
    【親権が認められる条件とは】
    親権を争う裁判になった場合、実際に子供と同居している親の方が親権者として認められる傾向はありますが、具体的には以下のような条件などを総合的に見ながら判断されます。

    〇子供の年齢・性別・発育状況
    〇親の経済力
    〇親の年齢・心身の健康状態による監護能力
    〇住居や学校などの環境
    〇子供自身の意思
    そもそも、子供をめぐる争いを話し合いで解決できるくらいなら、夫婦の仲も冷えて憎しみ合い、離婚することもなかったのかもしれません。

    しかし、親権者を決めることとは、親同士の感情的しこりやエゴを押しつけることではなく、子供の健全な成長や、これからの未来のために最善の道を選択することです。

    本当に子供のことを愛するなら、お互いが歩み寄ることも大切です。

    それでも、話し合いが上手くいかないようであれば弁護士などの専門家に相談するのもいいでしょう。
    「愛することとは、ほとんど信じることである」
    (ビクトル・ユーゴー/フランスの詩人・小説家)

    「母ほど自分を認め、信じてくれた人はいない。それなくしては、決して発明家としてやっていけなかった気がする」(エジソン)

  • 戸籍のない子供がいる!?離婚後300日問題とは?

    2014年10月29日

    江戸時代、夫との離縁を望む妻が駆け込む「縁切寺」というものがありました。

    女性が駆け込むと、幕府公認である寺側は夫や関係者を強制的に召喚して事情聴取を行い、示談をすすめたようです。
    また、妻には親類縁者を呼んで復縁するよう諭し、それでも承知しない場合は調停に進んだといいます。

    しかし、その調停が上手くいかない場合、妻は寺に入り寺の勤めをする決まりになっていました。

    女性は尼僧になる必要はなく、足掛け3年(24~25ヵ月)が経つと「寺法(じほう)」によって、晴れて離婚が成立したそうです。

    これには、江戸時代の離婚制度では夫側からの離縁状をもってのみ離婚が成立したという事情があったようです。

    もちろん、現代では女性は自分の意志で離婚を決意し、法律に則って離婚が成立します。

    離婚の手続きについては以前、解説しました。

    「離婚の手続きはどうする!?」
    https://taniharamakoto.com/archives/1656

    しかし、現代の法律も時の移り変わりのために時代に合わなくなってきている部分があり、ある問題が起きています。

    「無戸籍279人、19歳以下が9割…法務省調査」(2014年10月25日 読売新聞)

    法務省の発表によると、離婚などを理由に親が出生届を出さなかったため戸籍がない人が今月10日現在、全国に少なくとも279人いることがわかりました。

    これは、民法に「離婚後300日以内に生まれた子は元夫の子と推定する」などとした嫡出推定の規定があるためで、元夫の子になるのを嫌がる母親が出生届を出さず、無戸籍となるケースが多いためとしています。

    無戸籍者の多くは嫡出推定を理由とするもので、年齢は0~76歳と幅広く、19歳以下が243人と9割近くを占め、20歳以上が30人、年齢不明が6人とのこと。

    しかし、報告したのは全体のわずか約1割の187市区町村にすぎず、今後さらに増える見通しだとしています。
    いわゆる、「離婚後300日問題」というのをご存じでしょうか?

    私の元にも、この問題を抱えた方が相談に来ることがあります。
    では、条文から見てみましょう。

    「民法」
    第772条(嫡出の推定)
    1. 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
    2.婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
    簡単にいうと、離婚後300日以内に生まれた子供は遺伝的な関係とは関係なく、戸籍上は前の夫の子供になってしまうということです。

    これを避けるために、母親が生まれた子供の出生届をしなかったために、戸籍のない人がいるという問題が起きてしまうわけですね。

    では、「推定」を覆してこの問題を解決する方法はあるのでしょうか?
    以下に解説します。

    【嫡出否認の訴えを起こす】
    法律上、父と推定されるとしても、実際に遺伝的には父ではない者は「嫡出否認の訴え」を提起することができます。

    「民法」
    第774条(嫡出の否認)
    第772条の場合において、夫は、子が嫡出であることを否認することができる。
    これは原則、否認する権利は夫のみにあり、妻と子には権利がありません。
    そのため、批判が多いところでもあります。

    なお、嫡出否認の訴えは、夫が子の出生を知った時から1年以内に提起しなければならない、とされています。(民法第777条)

    また、胎児に対する訴えや子の死亡後は訴えを提起できません。
    【親子関係不存在確認の調停を申立てる】
    婚姻中、または離婚後300日以内に生まれた子供であっても、たとえば、夫が長期の海外出張、受刑、または別居など事実上の離婚状態で夫婦の実態が失われている場合は、家庭裁判所に「親子関係不存在確認の調停」の申立てをすることができます。

    これは妻から申し立てることができますが、妻が夫の子どもを妊娠する可能性がないことが客観的に明白であることが必要です。

    当事者双方の間で、夫婦の子どもではないという合意ができ、家庭裁判所が必要な事実の調査等を行った上で、その合意が正当であると認めれば合意に従った審判がなされます。
    【子から実父に認知請求の調停を申立てる】
    出生届が出されず無戸籍となっている子は、遺伝上の実父に認知請求の調停を申立てることができます。

    当事者双方の間で子どもが父の子であるという合意ができ、家庭裁判所が必要な事実の調査等を行った上でその合意が正当であると認めれば、合意に従った審判がなされます。

    なお、認知がされると、出生のときにさかのぼって法律上の親子関係が生じることになります。
    無戸籍の人は、就学できない、住民票がなく安定した職につけない、結婚をあきらめるなど、さまざまな問題を抱えて生きざるを得ないという現実があります。

    また、ドメスティック・バイオレンス(DV)の問題も絡んで、母親が前夫との接触を避けてしまうという問題も指摘されています。

    現代では、DNA鑑定で正確な父子関係を証明できるのだから、こうした推定はもうやめるか、妻からも嫡出否認の訴えを提起できるようにしてもよいのではないかと思います。

    憲法14条の男女平等を主張して裁判すれば、最高裁で民法774条(夫だけが嫡出否認できる)が無効になるんじゃないかな。

  • 不倫相手にいくら慰謝料請求できるか?

    2014年10月16日

    弁護士をしていると、離婚や男女問題の相談を受けることがよくあります。
    そうした相談の中でも多いもののひとつに「慰謝料請求」があります。

    今回は、旦那さんの不倫に静かな怒りの炎を燃やすアラフォーの奥様からの相談です。

    Q)旦那が不倫をしています。相手は私より15歳若い会社の部下です。私は絶対に離婚しませんし、絶対に許しません。知人の離婚経験者から聞いたのですが、旦那の不倫相手から慰謝料を取ることができるんですか? そのためには裁判をしなければダメですか? もし裁判になったら、何が必要ですか? 現在、私は38歳、夫は43歳で結婚生活10年目、8歳と5歳の娘がいます。

    A)配偶者(相談者)がいることを知りながら、上司(相談者の夫)と不倫関係を持った相手の女性は、配偶者に対して不法行為責任を負います。
    よって、相談者は夫の不倫相手の女性に対して慰謝料請求することができます。
    【慰謝料とは】
    夫婦のどちらか一方が、他人と不貞行為(浮気や不倫など)を行った場合、貞操義務に違反する行為=不法行為となります。

    そうした不貞行為は、「民法」第770条(裁判上の離婚)の1により離婚の原因として認められます。

    そのため、不貞を働いた夫や妻に対して一方の配偶者は離婚を請求することができますし、「精神的苦痛」に対する損害賠償請求(慰謝料請求)をすることもできます。

    また、夫婦の一方と情交関係を結んだ者は、その残った方に対して共同で不法行為をしたことになり、不法行為責任を負うことになるため損害賠償の義務が生じます。(判例:最高裁判決 昭和34年11月26日 民集第13巻12号1562頁)

    これらの場合の損害賠償とは、不貞行為による「精神的苦痛」に対するものなので「慰謝料」となります。
    【慰謝料の算定】
    慰謝料を算定する際、以下のような事情を考慮して決定されます。
    ・被害者の社会的地位
    ・被害者の職業
    ・被害者の年齢
    ・婚姻期間
    ・子供の有無
    ・浮気の原因
    ・浮気の状況
    ・浮気の期間
    ・その結果、離婚したかどうか
    【裁判例の紹介】
    (その1)
    原告である妻X(55)は、夫である医師A(60)と結婚して35年。子供3人は全員が成人して独立していた。Aは自分の病院の看護師Yと不倫関係を始めたが、妻Xに見つかり、Yに手切れ金を渡して解雇して別れた。しかし、しばらくしてAとYの不倫関係が復活。Yが自殺未遂するなどした挙句、AとYは同棲を始めた。そのため、妻XはYに対して慰謝料約500万円を請求して裁判を起こした。裁判所は、XにもAとの夫婦生活を正常に戻す努力が足りなかったとして、Yに対しXへ慰謝料300万円の支払いを命じた。
    (高知地裁判決 昭和50年11月14日)
    (その2)
    妻である原告Xは、勤務していたデパートの同僚だった夫Aと結婚。2人の子供がいた。結婚4年目で、夫Aは会社の部下であるYと不倫関係を結んだ。期間は約半年間続いていた。そこで、XはYに対して慰謝料500万円の損害請求をした。裁判所は(1)夫Aが部下Yとの不倫関係を主導したこと、(2)不倫関係は清算済みで、関係解消という目的は達せられていたこと、(3)離婚には至らず、結婚生活を続けていること、(4)Yは勤務先を退職。一定の社会的制裁を受けていること、などから慰謝料は50万円に減額された。
    (東京地裁判決 平成4年12月10日)
    前述の事情などから慰謝料は決められますが、判例からもわかるように、その金額は一概には言えずケース・バイ・ケースです。

    現実的には、まず相談者は夫の不倫相手に損害賠償の内容証明郵便を送ることになります。

    その後、金額面で双方合意に至らなければ訴訟を起こし裁判となりますが、手続きなど煩雑で難しいため、弁護士に相談されるのがよいと思います。

    不倫は、つねに損害賠償の危険にさらされているものです。
    そうしたリスクを考えて行動することも大切ですね。

    今回は、結婚に関する次の言葉を紹介してお別れです。

    「三週間互いに研究しあい、三ヵ月間愛し合い、三年間喧嘩をし、三十年間我慢しあう。そして子供達が同じことをまた始める」
    (イポリット・テーヌ/フランスの哲学者)

    「結婚式の行進曲の音楽は、いつも私には戦闘に向かう兵隊の行進曲を思わせる」(ハイネ)

     

  • 離婚の手続はどうする!?

    2014年10月10日

    アメリカの人気芸人で、アーサー・ゴッドフリー(1903-1983)という人がいました。

    彼の鉄板ネタに、こんなものがありました。

    「結婚するとき、私は女房を食べてしまいたいほど可愛いと思った。
    今考えると、あのとき食べておけばよかった」

    そして、ショーペンハウワーは、次のように言っています。

    「結婚するとは、彼の権利を半分にして、義務を2倍にすることである。」

    さて、

    今回は離婚に関するご相談です。

    Q) まったく、お恥ずかしい話なのですが、妻との離婚を考えています。
    3ヵ月ほど前、妻が突然「好きな人ができたから離婚したい」と言い出しました。初めは冗談かと思ったのですが、後から考えれば思い当たるふしもあり、彼女の気持ちは変わらないようです。私は、会社のこともあり、できれば離婚したくはないのですが……もう、昔に戻ることは難しいようです。何から、どのように進めていけばいいのか、離婚の手続きに関して教えてください。ちなみに子供はいません。

    A)①離婚することを夫と妻の双方が合意していていること。
    ②離婚届を役所に提出して受理されること。

    これで法的な離婚の手続きは完了です。

    ただし、男と女の問題はすんなりいかないことも多いものです。
    以下、法的に解説していきます。
    【離婚に関する規定】
    離婚については、「民法」第763条~第771条に規定されています。
    第763条(協議上の離婚)
    第764条(婚姻の規定の準用)
    第765条(離婚の届出の受理)
    第766条(離婚後の子の監護に関する事項の定め等)
    第767条(離婚による復氏等)
    第768条(財産分与)
    第769条(離婚による復氏の際の権利の承継)
    第770条(裁判上の離婚)
    第771条(協議上の離婚の規定の準用)

    つまり、子供の親権や養育問題、夫婦の財産分与など離婚の際には問題になることが多いので、これらの規定があるともいえます。
    【離婚の種類】
    離婚の形態には次のようなものがあります。

    「協議離婚」
    夫婦の協議によって、お互いの意思の合意により成立する離婚。
    日本では、離婚の約90%が協議離婚だといわれます。

    「調停離婚」
    協議離婚がまとまらない場合、家庭裁判所に調停の申し立てをします。
    調停により離婚の合意が得られた場合を調停離婚といいます。
    全体の約9%が調停離婚だといわれます。

    「裁判離婚」
    調停でも双方の合意が得られない場合、最終手段として家庭裁判所に訴えを提起することができます。
    全体の約1%が裁判離婚とされます。
    【離婚の事由】
    ところで、裁判で離婚が成立するには「離婚事由」が必要です。

    「民法」
    第770条(裁判上の離婚)
    1.夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

    1 配偶者に不貞な行為があったとき。
    2 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
    3 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
    4 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

    不貞行為とは、浮気や不倫です。
    これらの事由がある場合、裁判による離婚が成立すると考えられます。
    【お金の問題】
    さて、相談者の場合、もしご本人も離婚を望むなら、双方合意の上で離婚届けを役所に提出すれば協議離婚が成立します。

    その際、子供がいないので親権やの問題は発生しませんが、お金の問題が発生することが考えられます。

    お金の問題には次のようなものがあります。
    〇財産分与
    〇慰謝料
    ○養育費
    〇年金分割
    〇婚姻費用
    「財産分与」
    結婚後に形成された夫婦の共有財産を、どのように分けるかということです。

    共有財産には、共有名義の財産だけでなく、夫婦が協力して取得した財産で夫婦どちらか一方の名義になっているものも含まれます。
    たとえば、預貯金、株、住宅などの不動産、自動車、家財などがあげられます。
    「慰謝料」
    相手の不貞行為や暴力などで「精神的苦痛」を受けた場合、その損害賠償として慰謝料を請求することができます。
    このように離婚することが双方の合意であっても、協議をして決めなければいけないことがたくさんあります。
    俗に、離婚は結婚の何倍もの労力がかかるといわれる所以です。

    夫と妻の双方で解決できない場合は、弁護士などのプロに相談することを選択肢に入れておくのもいいでしょう。

    「養育費」
    子供がいる場合には、親権者を定めることになりますが、子供を養育するにはお金がかかります。
    これを他方の元配偶者から補ってもらうのが養育費です。
    養育費の金額は、双方の収入や子供の人数などによって決定されることになります。

    「婚姻費用」
    離婚の話し合いを続ける中で、別居をすることが多いのですが、その期間、特に専業主婦だった妻などは収入がなく生活ができません。
    夫婦は相手の生活を自分と同じ程度で維持する義務があります。そこで、収入のある夫が妻の生活を維持するために支払われるのが婚姻費用です。

    「年金分割」
    離婚後に夫婦の年金を分割できるようになる制度のことです。

    離婚事件を扱っていると、当事者はものすごいエネルギーを要するようです。経験者によると、結婚の3倍はエネルギーを使う、ということでした。

    そんなことにならないようにしたいものですね。