会社法 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
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  • 取締役解任の際の注意

    2022年02月03日

    今回は、株式会社において、取締役を解任する場合の注意点について解説します。

    株式会社において、取締役を選任するには、株主総会の普通決議が必要です。

    反対に、解任にも、株主総会の普通決議で行うことができます。

    解任理由を問わず、任期中いつでも解任することができます。

    ここで、注意を要するのは、会社法339条2項です。

    ===========================

    1 役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。

    2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。

    ===========================

    解任するのは自由なのですが、「正当な理由」なく解任した場合には、損害賠償請求をされる可能性がある、ということです。

    この場合の損害額は、、原則として、残存任期中に得られるはずであった報酬相当額とされています。

    では、どんな場合が「正当な理由」か、ということですが、過去の裁判例では、以下のような場合に正当な理由あり、とされています。

    ・法令違反の職務執行をした

    ・病気で職務を続けられない

    ・経営能力不足(※ ただし、立証が難しいです)

    ・担当事業部門の廃業

  • 死亡を条件とする自己株式の取得

    2021年12月02日

    今回は、【税理士を守る会】の質疑応答をご紹介します。

    税理士の先生方の参考になるのではないか、と考えるためです。

    (質問)

    将来に株主(相談者)が死亡した場合に、会社に自己株式(金庫株)を買い取ってもらう予定です。

    この買い取りを事前に会社と株主間で契約することは可能でしょうか。

    (回答)

    株主の死亡を停止条件として自己株式の取得をする契約をすること自体は契約自由の原則で有効と考えられます。

    しかし、自己株式取得には、各種規制があります。

    自己株式取得をするためには、非上場会社の場合には、株主総会決議(ミニ公開買付)、株主総会特別決議(特定の株主からの取得)が必要であり、次の事項を定めます。

    ・取得する株式の数
    ・金額等
    ・取得できる期間
    ・株主の氏名(特定の株主からの取得の場合)

    問題は、このうち、取得できる期間であり、この期間は1年を超えることができないとされていることです(会社法156条1項)。

    したがって、1年経過しても死亡していない場合には、再度、決議することが必要です。

    そして、違法な自己株式の取得は、無効と解されています。

    過去の裁判例には、株主全員の合意があることを理由として、決議後6年を経過した後に自己株式の取得をした事案について瑕疵が治癒され有効とした大阪地裁平成25年4月16日判決があります。

    しかし、この裁判例を前提として助言をするのはリスクが高いです。

    原則論どおりで助言をすることをおすすめします。

    なお、配当財源規制など手続が要件が細かく定められておりますので、実行する際は、会社法の規制どおりに進めていくことにご注意ください。

    「税理士を守る会」は、こちら
    https://myhoumu.jp/zeiprotect/new/

  • 株主総会が取り消される場合

    2019年07月27日

    同族会社で、株式が分散していたり、役員が複数いたりすると、時として、内紛が起こることがあります。

    友人同士で会社を立ち上げたような場合も同様です。

    その場合、複数の仮処分や訴訟が起きることが多いです。

    たとえば、株主総会を開くと、手続きが違法だ、とか、決議内容が無効だ、などという訴訟を起きることになります。

    日常的には、取締役会や株主総会すら開かずに会社を経営しているところも多いのですが、ひとたび内紛が起こると、慎重に法律どおりに手続きを進めていかないと、決

    議が取り消され、または無効になってしまいます。

    たとえば、【株主総会決議取消訴訟】というものがあります。

    過去の裁判例で、株主総会決議が取り消された事例としては、次のようなものがあります。

    ●一部の株主に対して招集通知が漏れた。

    ●有効な取締役会決議を経ずに代表取締役会が株主総会を招集した。

    ●招集通知などに記載不備

    ●取締役等が説明義務に違反して株主の質問に答えなかった。

    ●株主が出席困難な時刻・場所であえて株主総会を開催した。

    ●議決権行使の代理人資格を株主に制限しているのに、株主以外の者を代理人とする議決権行使を認めた。

    したがって、会社の内紛が起きた場合には、

    ・全部事項証明書

    ・定款

    ・過去の議事録

    ・株主名簿

    などを確認して、法律上正確な手続きを進めていくことが大切です。

    そして、取締役会、株主総会などに弁護士を同席させ、不測の事態に備える、ということを検討することも必要でしょう。

  • 少数株主による会計帳簿閲覧請求を検討しよう

    2019年06月23日

    株式会社の株式が親族間で分散し、又は第三者が保有しているような場合に、内部紛争が起こる場合があります。

    株式会社は株主総会の議決権を支払する者が会社を支配することになります。

    少数株主の意思を実現していくことは容易ではありません。

    しかし、場合により、支払株主が会社を私物化し、会社に損害を与えている場合もあり、そのような場合には、少数株主であっても、その権利を守るため、株主代表訴訟その他の行動に出る場合があります。

    ところが、代表者が少数株主に対して、会計帳簿や決算書すら開示しない場合もあります。

    そのような場合には、情報を得るため、少数株主に、「会計帳簿閲覧請求権」が認められています。

    総株主の議決権の100分の3以上の議決権または発行済み株式の100分の3以上の株式を有する株主は、株式会社の営業時間内に、会計帳簿またはこれに関する資料の閲覧、謄
    写を請求することができる、とされています。

    そして、会社が拒否した場合には、裁判所に申立をすることにより、これをすることができます。

    私も過去、中小企業に関して、少数株主を代理して、会計帳簿の閲覧請求をし、代表者の不正の情報を入手した上で、株主代表訴訟を提起した経験があります。

    また、非公開会社において、株主が株式を第三者に譲渡する際には、適正価格を計算しなければなりませんので、そのためにも、会計帳簿等を閲覧する必要があるでしょう。

    もし、少数株主で支配株主から何の情報も得られないような時は、この会計帳簿閲覧請求権を行使することを検討してみてもよいかと思います。

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