死亡を条件とする自己株式の取得 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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死亡を条件とする自己株式の取得

2021年12月02日

今回は、【税理士を守る会】の質疑応答をご紹介します。

税理士の先生方の参考になるのではないか、と考えるためです。

(質問)

将来に株主(相談者)が死亡した場合に、会社に自己株式(金庫株)を買い取ってもらう予定です。

この買い取りを事前に会社と株主間で契約することは可能でしょうか。

(回答)

株主の死亡を停止条件として自己株式の取得をする契約をすること自体は契約自由の原則で有効と考えられます。

しかし、自己株式取得には、各種規制があります。

自己株式取得をするためには、非上場会社の場合には、株主総会決議(ミニ公開買付)、株主総会特別決議(特定の株主からの取得)が必要であり、次の事項を定めます。

・取得する株式の数
・金額等
・取得できる期間
・株主の氏名(特定の株主からの取得の場合)

問題は、このうち、取得できる期間であり、この期間は1年を超えることができないとされていることです(会社法156条1項)。

したがって、1年経過しても死亡していない場合には、再度、決議することが必要です。

そして、違法な自己株式の取得は、無効と解されています。

過去の裁判例には、株主全員の合意があることを理由として、決議後6年を経過した後に自己株式の取得をした事案について瑕疵が治癒され有効とした大阪地裁平成25年4月16日判決があります。

しかし、この裁判例を前提として助言をするのはリスクが高いです。

原則論どおりで助言をすることをおすすめします。

なお、配当財源規制など手続が要件が細かく定められておりますので、実行する際は、会社法の規制どおりに進めていくことにご注意ください。

「税理士を守る会」は、こちら
https://myhoumu.jp/zeiprotect/new/