ライブドアの捜査について | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
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ライブドアの捜査について

2005年12月23日

「今回のライブドアの証券取引法違反とかが、無罪だったらどうなるの?損害賠償がすごい金額なのでは?」

と、よく聞かれます。

逮捕まで持ち込まれない場合、起訴まで持ち込まれない場合、最終的に無罪になった場合には、ライブドアからは、巨額の損害賠償(国家賠償)が請求される可能性があります。

普通の損害賠償は、民法による損害賠償請求です。しかし、今回は、東京地検特捜部が行っている捜査であり、公務員が行う行為ですから、特別に「国家賠償法」に基づく損害賠償請求になります。

ただ、有罪が立証できなければ、全ての場合に損害賠償が認められるわけではありません。公務員の故意または過失があったことが必要になります。

今回のように、社会的影響が極めて大きいときには、捜査機関は、強制捜査に踏み切るのに、とても慎重になります。東京地検特捜部が、そこをあえて踏み切ったということは、相当有力な証拠をつかんでいる、と見ることができます。

仮に最終的に無罪だったとしても、国家賠償請求における過失の立証は極めて難しい、ということになるでしょう。

個人が逮捕勾留された場合には、刑事補償法による補償というのがありますが、とても逮捕勾留による損害をまかなえるものではありません。