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株主総会が取り消される場合
2019年07月27日
同族会社で、株式が分散していたり、役員が複数いたりすると、時として、内紛が起こることがあります。
友人同士で会社を立ち上げたような場合も同様です。
その場合、複数の仮処分や訴訟が起きることが多いです。
たとえば、株主総会を開くと、手続きが違法だ、とか、決議内容が無効だ、などという訴訟を起きることになります。
日常的には、取締役会や株主総会すら開かずに会社を経営しているところも多いのですが、ひとたび内紛が起こると、慎重に法律どおりに手続きを進めていかないと、決
議が取り消され、または無効になってしまいます。
たとえば、【株主総会決議取消訴訟】というものがあります。
過去の裁判例で、株主総会決議が取り消された事例としては、次のようなものがあります。
●一部の株主に対して招集通知が漏れた。
●有効な取締役会決議を経ずに代表取締役会が株主総会を招集した。
●招集通知などに記載不備
●取締役等が説明義務に違反して株主の質問に答えなかった。
●株主が出席困難な時刻・場所であえて株主総会を開催した。
●議決権行使の代理人資格を株主に制限しているのに、株主以外の者を代理人とする議決権行使を認めた。
したがって、会社の内紛が起きた場合には、
・全部事項証明書
・定款
・過去の議事録
・株主名簿
などを確認して、法律上正確な手続きを進めていくことが大切です。
そして、取締役会、株主総会などに弁護士を同席させ、不測の事態に備える、ということを検討することも必要でしょう。
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少数株主による会計帳簿閲覧請求を検討しよう
2019年06月23日
株式会社の株式が親族間で分散し、又は第三者が保有しているような場合に、内部紛争が起こる場合があります。
株式会社は株主総会の議決権を支払する者が会社を支配することになります。
少数株主の意思を実現していくことは容易ではありません。
しかし、場合により、支払株主が会社を私物化し、会社に損害を与えている場合もあり、そのような場合には、少数株主であっても、その権利を守るため、株主代表訴訟その他の行動に出る場合があります。
ところが、代表者が少数株主に対して、会計帳簿や決算書すら開示しない場合もあります。
そのような場合には、情報を得るため、少数株主に、「会計帳簿閲覧請求権」が認められています。
総株主の議決権の100分の3以上の議決権または発行済み株式の100分の3以上の株式を有する株主は、株式会社の営業時間内に、会計帳簿またはこれに関する資料の閲覧、謄
写を請求することができる、とされています。そして、会社が拒否した場合には、裁判所に申立をすることにより、これをすることができます。
私も過去、中小企業に関して、少数株主を代理して、会計帳簿の閲覧請求をし、代表者の不正の情報を入手した上で、株主代表訴訟を提起した経験があります。
また、非公開会社において、株主が株式を第三者に譲渡する際には、適正価格を計算しなければなりませんので、そのためにも、会計帳簿等を閲覧する必要があるでしょう。
もし、少数株主で支配株主から何の情報も得られないような時は、この会計帳簿閲覧請求権を行使することを検討してみてもよいかと思います。
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