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くつを投げただけで犯罪になる!?業務妨害には要注意

 >くつを投げただけで犯罪になる!?業務妨害には要注意

2013年12月14日




「特定秘密保護法案」の採決をめぐって、国会の内も外も大荒れだったようです。

「国会審議中に靴を投げ込んだ男を現行犯逮捕」

特定秘密保護法案の審議中、参議院本会議場に靴を投げ入れたとして、12月7日、警視庁麹町署は派遣社員の男(45)を威力業務妨害容疑で現行犯逮捕しました。

報道によると、男は6日午後10時50分頃、「強行採決するな!」と叫びながら履いていたスニーカーを傍聴席から本会議場に投げ入れ、議事を妨害したということです。

この日は、他に3人が大声を上げたとして退場させられ参院から厳重注意を受けたようです。

また、国会の外では法案に反対するデモ活動に参加していた無職の男(27)が、警備にあたっていた機動隊員につばを吐きかけ公務執行妨害の疑いで逮捕されたほか、道を通ろうとしたところを制止した機動隊員に体当たりをした男(63)も現行犯逮捕されたもようです。

それだけ国民の関心が高かったとともに、法案成立への危機感もあった、ということでしょう。

さて、「威力業務妨害」とはどのような罪でしょうか。

刑法234条では、威力を用いて人の業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する、と規定しています。

国会審議という国会議員の業務を、靴を投げるという威力で妨害したということです。

では、大相撲で、土俵に向かってみんな座布団を投げる行為は、どうなのでしょうか?

土俵上での相撲という業務の妨害行為にならないのか?

これは、なりませんね。

これは、座布団の舞と言われており、大相撲の取り組みにおいて、横綱が格下の力士に負けた時に、観客が土俵に向かって自らの座布団を投げる行為で、すでに相撲業界での風習になっているために、違法性がありません。

もちろん相撲の取組中に座布団を投げて、妨害をしたら、威力業務妨害罪になるでしょう。

 

ところで、「威力業務妨害」にあたる行為には、どのようなものがあるのでしょうか。過去にさまざまな判例があるので、その一部を紹介しましょう。

〇進行しようとする自動車の前後に石やドラム缶を置いた(東京高判 昭45.2.19判タ249-241)

〇演劇開始直前に土足で舞台に上がり、演劇を中止させると怒号した(仙台高判 昭25.2.14判特3-114)

〇競馬場の本馬場に平くぎ一樽をまいた(大判 昭12.2.27新聞4100-4)

〇タクシー会社の労働争議に際し、車両の車輪を撤去した(東京高判 昭43.11.28高集21-5-605)

〇デパートの食堂配膳部にヘビ20匹をまき散らした(大判 昭7.10.10集11-1519)

〇猫の死がいを被害者の事務机引き出し内に入れておき、同人に発見させた(最決 平4.11.27集46-8-623)

〇国体の開会式場で防犯ブザーを作動させ、発煙筒を点火して投げつけた(仙台高判 平6.3.31判時1513-175)

〇弁護士から重要書類の入ったカバンを奪取し隠匿した(最決 昭59.3.23集38-5-2030)

私的には、最後の弁護士のカバンを隠した事例が気になるところです。

カバンを奪われて隠されたら、私も大迷惑です。完全な業務妨害ですね。

すぐに刑事告訴ですね。

他の事例も、大人げないものからホラー的なものまで、人間というのは、じつにさまざまなことをしでかしてしまうものです。

しかし、たんなる「いやがらせ」では済まないことになってしまえば、法律的には「犯罪者」ということになります。

おそらくは、面白半分に行ったものか、感情的になって行ったものでしょう。

普段の生活でも感情に支配されて冷静に考えることができないこともありますが、そんな時は、次の賢人の言葉を思い出しましょう。

「怒りを感じたら、十数えよ。ひどく怒りを感じたら、百数えよ。それでも駄目なときは、千数えよ。」 トーマス・ジェファーソン

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