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  • 自動運転車が事故を起こしたら?

    2016年03月03日

    21世紀の技術革新の象徴、「夢の技術」のひとつとして近年、自動運転車が世界的に話題になっています。

    実用化に向けて、各社が急ピッチで開発を進めていますが、まだ技術的にクリアすべき問題もあるようです。

    同時に、自動運転車が事故を起こした場合、法律をどのように適用するのか、現行の法律ですべて対応できるのか、という問題もあります。

    そもそも、現在の日本の法律上、自動運転車を公道で走らせることはできるのでしょうか?

    今回は、自動運転車と法律について解説します。

    「米グーグルの自動運転車が事故 過失でバスと接触」(2016年3月1日 日本経済新聞)

    今年2月中旬、アメリカのグーグル社が開発中の自動運転車がカリフォルニア州の公道での走行実験中にバスと軽い接触事故を起こしていたことがわかりました。
    ケガ人はいなかったようです。

    グーグル社は2009年に自動運転車の開発をスタート。
    現在までに累計140万マイル(約225万キロ)以上を自動運転モードで走行し、20件近い軽度の事故を報告していますが、いずれも相手側の過失による「もらい事故」か、人間のテストドライバーが運転中のものでした。
    しかし、今回の自動運転中の事故はグーグル側に過失がある初めてのケースとなったということです。

    グーグル社は、事故の責任の一部を認めるコメントを発表し、再発防止に向けてソフトウエアを改良したとしています。
    では最初に、今回の自動運転車の事故をケーススタディとして、現状の日本の交通に関する法律の中から「道路交通法」と「道路運送車両法」に照らし合わせて考えてみたいと思います。

    「道路交通法」
    道路交通法は、道路における危険を防止し、交通の安全と円滑を図ることを目的としていますが、第70条では「安全運転の義務」として次のように規定しています。

    「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。」

    運転者にはハンドルやブレーキなどの装置を確実に操作する義務があり、人に危害を与えるような運転をしてはいけない、とありますね。

    ということは、運転者がハンドルやブレーキを操作できる状況にないといけないということであり、完全な自動運転車は、今の法律では許されない、ということになります。

    つまり、自動で運転できるけれども、運転者も常に前後左右に注意して、ハンドルやブレーキを確実に操作しなければならないということであり、あまり、自動運転の意味がないかもしれません。

    したがって、完全な自動運転車を実現するには、道路交通法を改正する必要があるでしょう。
    「道路運送車両法」
    この法律には次のような目的があります。
    ・道路運送車両について所有権の公証等を行う
    ・安全性の確保、公害の防止、その他の環境の保全
    ・自動車整備についての技術の向上を図る
    ・自動車の整備事業の健全な発達に資することで公共の福祉を増進する

    そこで、第41条「自動車の装置」を見てみましょう。

    「自動車は、次に掲げる装置について、国土交通省令で定める保安上又は公害防止その他の環境保全上の技術基準に適合するものでなければ、運行の用に供してはならない。」として、20項目が規定されています。

    その中に、3.操縦装置と4.制動装置がありますが、これらが国土交通省令で定める基準に合致していなければ運行してはいけない、とあります。

    ということは、道路運送車両法も改正しなければ自動運転車を走らせることはできないということになります。

    次に、「自動車損害賠償保障法」で、自動運転車の事故で人に傷害を負わせた場合の責任について見てみます。

    この法律は文字通り、自動車の運行によって人の生命や身体が害された場合の損害賠償を保障する制度を確立することで、被害者を保護し、自動車運送の健全な発達に資する目的で施行されたものです。

    「自動車損害賠償保障法」
    第3条(自動車損害賠償責任)
    自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があつたこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたことを証明したときは、この限りでない。
    運行供用者とは、「自動車を運転していた人」、「自動車の運転・走行をコントロールできる立場にある人(自動車の管理と運転者への指導管理を含む)」、「自動車の運行から利益を受けている人」、となるので自動車の所有者も当てはまります。

    この運行供用者が賠償責任を免れるためには、以下のことを証明する必要があります。
    1.故意・過失がなかったこと
    2.被害者または運転者以外の第三者に故意・過失があったこと
    3.自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかったこと

    これは、実質的な無過失責任を認めたものといわれています。
    無過失責任とは、不法行為によって損害が生じた場合には加害者が、その行為について「故意・過失」がなくても、損害賠償責任を負うということです。

    ということは、自動運転車が事故を起こした場合でも、やはり車の所有者や運転者が訴えられてしまう可能性が、かなり高いことになります。

    もちろん、自動運転車の構造や機能に欠陥があった場合にはメーカーの責任が問われますが、訴訟実務の現場では被害者が加害者である運転車や所有者を訴えるということが当然に起きてくるでしょう。

    また、自動運転のシステムの違いによって、法律の解釈も変わってきます。

    たとえば、自動運転車といっても危険時の急制動、つまり運転者が急ブレーキをかけることができるような自動運転システムが採用されるのであれば、自動運転車に完全に任せきることはできず、普通の自動車を運転しているときと同様に道路や周囲に注意しておく必要があるわけですから、仮にブレーキが遅れたことで人をケガさせてしまえば、運転者の過失となり、民事事件では損害賠償責任は免れないでしょうし、刑事事件でも罪に問われる、ということになります。

    では、運転席では何もできない、する必要のない完璧な計算と技術で創られた自動運転システムの車の場合はどうでしょうか?

    もし、そうした自動運転車が完成したなら、現行の法律を相当改正しなければ公道を走行させることは難しいでしょう。

    もし、自動運転車で事故が起きた場合、加害者が保険に加入しておらず、資力もなかった場合には、自動運転車のメーカーを訴えていく可能性があります。

    しかし、被害者には、自動運転車の欠陥を証明してゆくことは難しいので、自動運転車の走行を認める時は、新たに「自動運転車による事故に基づく損害賠償法」というような法律を制定して立証責任を転換し、交通事故被害者の負担を軽減して欲しいと思います。

  • 自動運転車と法律の関係とは?

    2015年12月21日

    1985年に公開された映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。
    ロックとコーラが好きな高校生の主人公が、親友である科学者が開発した「デロリアン」という名の自動車型のタイムマシンで過去や未来にタイムトリップするが…というストーリーで大きな人気を博し、パート3まで製作・公開されました。

    パート2では、30年後の未来、つまり2015年の世界が描かれたことから、今年、ファンの間では現実の2015年との比較などでメディアを中心に盛り上がったようです。

    さて、現実に目を向けてみると、タイムトリップできる自動車はまだ開発されていませんが、自動運転で走行する自動車の開発は現実のところまできています。

    しかし、技術的な部分や事故時の損害賠償責任など、実用化にはまだ問題があるようです。

    そこで今回は、自動運転車と法律の関係について解説します。

    「自動運転実験車、公道で事故=民放リポーター乗車、けがなし―愛知」(2015年11月5日 時事ドットコム)

    名古屋大学が開発を進めている自動運転車が、公道実験中に自損事故を起こしていたことがわかりました。

    事故が起きたのは、10月22日。
    名古屋テレビの女性リポーターが運転し、助手席には実験責任者の准教授が同乗。
    名古屋市守山区の交差点を左折しようとした際、縁石に乗り上げて左前輪がパンク。
    乗っていた4人にケガはなかったようです。

    大学が事前に提出した計画書では研究者が乗ることになっていたようで、事故の報告を受けた愛知県産業振興課は、同大学に厳重注意をするとともに、再発防止のために実証実験に関するガイドラインの作成を求めたということです。

    実験車は市販のトヨタ・プリウスに自動運転機能を搭載したもので、運転席からハンドルやブレーキペダルなどは操作できるようになっていたようです。

    同課では、研究者以外の人間が運転席にいたため、ハンドルやブレーキの操作が遅れた可能性があるとみているということです。
    こうした自動走行する自動車は、現在、日本では「自動運転車」と一般的には呼ばれていますが、世界的にはドライバーレスカー、ロボットカーなどとも呼ばれるようです。

    じつは、自動運転車の歴史は長く、日本では1980年代に車線を自動認識して走行するシステムを試作していたようですが、実用化には否定的で消極的な風潮があったため、開発はあまり進展しなかったようです。

    ところが、2010年になるとアメリカやヨーロッパで公道実験が行われるようになり、アメリカでGoogle(グーグル)社やテスラー社などが積極的な開発に乗り出したことで、2013年、日本でも日産が公道実験を開始。
    トヨタやホンダ、スバルなども相次いで参入しています。

    2014年、グーグル社の自動運転車の総走行距離が100万キロメートルを突破。
    2015年には、テスラー社のシステムは日本以外では高速道路での走行が一部認可され、プログラムの配信を始めています。
    また、トヨタは今年、高速道路での報道陣向けの試乗会を開催し、日産は2020年の実用化に向けて早くも一般公道での報道陣向けの試乗会を開催しています。

    しかし、さまざまな問題も起きているようです。
    テスラー社は、「システムは未完であり、完全な自動運転ができるわけではない。自動運転中に起きた事故については一切責任を負わない」と警告しているにも関わらず、一部ユーザーが一般公道で、ハンドルから手を離して新聞や本を読む、運転席から離れて後部座席でふんぞり返るなどの運転をしている様子を動画に撮影し、投稿サイトに続々とアップ。
    中には、事故を起こしかけるなどの危険なシーンも投稿されているようです。

    今後、こうした事態が日本でも起きる可能性は十分あります。
    万が一事故が起きてしまえば、自分だけでなく他人を傷つけ、命を奪ってしまう危険もあります。

    では、法的に見ると、現状の日本において自動運転車には、どのような問題があるのでしょうか?

    公道における道路交通に関する法律としては、

    「道路交通法」
    「道路法」
    「道路運送車両法」

    があります。

    道路交通法第70条は、「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」となっています。

    ということは、運転者がハンドルやブレーキなどを操作する義務があるので、自動運転車が走るためには、この部分を改正する必要がありそうです。

    また、道路運送車両法第41条は、操縦装置などについて、国土交通省令で定める基準に合致した自動車でなければならない、と定めており、この部分も見直す必要が出てきそうです。

    そして、自動運転車で事故があった時に、どうなるか、ということです。

    自動車損害賠償保障法では、自動車事故で他人に傷害を負わせた場合、自動車を運行の用に供している者(運行供用者)が賠償責任を負う、となっています。

    運行供用者が賠償責任を免れるためには、
    ①故意・過失がなかったこと
    ②被害者または運転者以外の第三者に故意・過失があったこと
    ③自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかったこと
    を証明しなければなりません。

    実質的な無過失責任を認めたもの、と言われています。

    したがって、自動運転車が事故を起こした時も、車の所有者や運転者が訴えられることになります。

    訴える方としては、その方が立証をしやすいためです。

    自動運転車の構造や機能に欠陥があった場合には、当然メーカー責任、ということになると思いますが、訴訟実務では、車の所有者や運転者が訴えられる、ということが起きてくるでしょう。

    また、自動運転車とは言っても、危険時の急制動などは、運転者が制御できるようにするでしょうから、急制動などの措置をとらなかったことが運転者の過失となると思います。

    となると、自動運転に完全に任せきることはできず、運転しているときと同様に道路や周囲に注意しておく必要がある、ということになります。

    それを怠った時は、過失あり、としては、刑事事件でも民事事件でも責任を問われる、ということになります。

    ただし、運転席では、何もできない、という自動運転車になると、また違った話になってきます。しかし、そうなると、かなり法律を変えないと、道路走行は難しいかもしれません。

  • フジテレビ「NON STOP!」出演

    2015年12月04日

    フジテレビ「NON STOP!」の2015年12月3日放送分から取材を受け、フリップ出演しました。

    内容は、最近多いように見受けられる高齢者による交通事故について、損害賠償責任や、高齢者の家族も責任が発生する場合があること、などを解説しました。

  • 交通事故弁護士による被害者のための【無料動画】+【無料小冊子】

    2015年10月10日

    colum01

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  • 葉山のひき逃げ交通事故は発覚免脱罪?

    2015年08月24日

    2015年8月23日夕方、神奈川県葉山町で海水浴帰りの男女3人がひき逃げされ死傷した事件がありました。

    男性一人が死亡したほか、女性が意識不明の重体、男性一人も大けがをしました。

    逮捕された男性からは、アルコールが検出されましたが、「事故を起こして自宅に戻ったあと、怖くなって酒を飲んだ」と説明しているということで、警察は友人らから話を聴くなどして当時の状況を詳しく調べています。
    酒を飲んで人身事故を起こした、ということであれば、当然「危険運転致死傷罪」が疑われますが、危険運転致死傷罪に問うことができるためには、事故を起こす時に、「酒に酔って正常な運転ができない状態」で運転したことを検察側が立証しなければなりません。
    それは、今回、難しいでしょう。
    しかし、法律では、酒に酔って自動車の運転に支障が生じるおそれがある状態で事故を起こし、その発覚を防ぐために酒を飲んだような場合には、「発覚免脱罪」として、罪を問われます。
    危険運転致死傷罪(死亡)の場合が最高懲役20年に対し、発覚免脱罪は、最高懲役12年です。
    しかし、発覚免脱罪は、たいてい「ひき逃げ」が加わります。
    発覚免脱罪に「ひき逃げ」が加わると、最高懲役18年になります。
    今回は、おそらく危険運転致死傷罪の適用は難しいでしょう。
    しかし、事故前に相当程度飲酒したことが認定できるのであれば、この「発覚免脱罪」と「ひき逃げ」の併合罪で、最高懲役18年、の適用が可能となるかもしれません。
    警察および検察の捜査を待ちたいと思います。

  • 自転車保険の契約者が急増中!その理由とは?

    2015年07月16日

    今年に入って、自転車保険の契約をする人が増加しているようです。
    今回は、その背景について考えてみたいと思います。

    「自転車保険、契約ペース倍増 賠償金の高額化など背景に」(2015年7月13日 朝日新聞デジタル)

    自転車で人にケガをさせたときに損害賠償金などが補償される「自転車保険」の契約件数が、前年の2倍以上のペースで伸びていると新聞が報じています。

    以前は、自転車の賠償責任保険といえば自動車保険や火災保険の「特約」が主流でした。
    しかし、近年では損保各社がコンビニで申し込める保険や、スマホなどインターネットから加入できる自転車単独の保険を本格的に売り出していて、昨年の2倍以上の伸びを示しているようです。

    年間保険料が4490円で1億円を保証するプランや、最大補償額2億円のプランなどもあり、各社とも事故の相手への賠償だけでなく、自分がケガをしたときの補償や自転車以外の交通事故、日常生活でモノを壊した際の賠償保障などもついているのが特徴だということです。
    自転車保険への加入が増加している背景には、自転車事故での損害賠償金の高額化など、さまざまな理由が考えられます。
    具体的に見ていきましょう。

    【なぜ高額賠償金の判決が増えているのか?】
    以前、自転車事故の高額賠償金について解説しました。
    詳しい解説はこちら⇒
    「自転車での死亡事故が多発中!損害賠償金は一体いくら?」
    http://taniharamakoto.com/archives/1648

    特に注目されたのは、兵庫県での判例でした。

    2008年9月、神戸市の住宅街の坂道で当時11歳の少年がマウンテンバイクで走行中、知人と散歩をしていた60代の女性に正面衝突。
    女性は頭を強打し、意識不明のまま寝たきりの状態が続いていることから、家族が損害賠償を求めて提訴。
    2013年、神戸地裁は少年の母親(当時40歳)に約9500万円の支払いを命じたというものです。

    子供が起こした自転車事故の場合、親には監督責任があるため多額の損害賠償金は親が支払わなければいけません。
    しかし、仮に保険に加入していなければ最悪は自己破産の可能性もあり、被害者も金銭的補償を得られず救済されないという問題が起こります。
    そうした万が一のときのために自転車保険は有効だということです。

    では、なぜ損害賠償額が高額化しているのでしょうか?

    最近になって裁判所の基準が変わったわけではありません。
    賠償額は、被害の程度に応じて高額化します。
    つまり、損害賠償額が高額化しているということは重大な被害を生じる自転車事故が増えているということになります。

    たとえば、上記の損害賠償額9500万円について見てみます。

    内訳は以下のようになっています。
    ・将来の介護費用:3940万円
    ・事故で得ることができなくなった逸失利益:2190万円
    ・ケガの後遺症に対する慰謝料:2800万円
    ・その他、治療費など。

    介護費用は、「女性の1日あたりの介護費8000円×女性の平均余命年数」、で算出されていますが、今後、将来にわたって毎日介護が必要となることを考えれば、介護者の精神的、金額的な負担は相当なものになります。

    逸失利益については、事故に遭わなければ将来得られたであろう収入ですから、専業主婦であったとしても、かなりの金額になります。

    また、後遺症に対する慰謝料としては事故状況を考えて高額になっています。

    9500万円は高すぎるのでは? と思う人もいるでしょうが、弁護士の立場からすれば、決して高くはない妥当な金額だといえます。
    【自転車の危険運転の罰則は厳罰化の方向に進んでいる】
    そこで、悪質で危険な自転車運転に対する罰則を厳しくするために2014年6月1日に「改正道路交通法」が施行されています。

    詳しい解説はこちら⇒「自転車の危険運転に安全講習義務づけに」
    http://taniharamakoto.com/archives/1854

    信号無視や酒酔い運転、歩道での歩行者妨害、遮断機が下りた踏切への立ち入り、携帯電話を使用しながら運転するなどの安全運転義務違反等、14項目の危険行為を規定し、これらに違反した14歳以上の運転者は、まず警察官から指導・警告を受け、交通違反切符を交付されますが、3年以内に2回以上の交付で安全講習が義務づけられることになりました。
    仮に受講しないと5万円以下の罰金が科せられることになります。
    【自転車保険の加入を義務化した県もある】
    これらの流れを受けて、なんと自転車保険の加入を県民に義務化した県もあります。

    詳しい解説はこちら⇒「兵庫県条例で自転車保険の加入が義務化!」
    http://taniharamakoto.com/archives/1911

    兵庫県では、自転車が加害者となる事故が増加傾向にあるため、利用者の意識向上と被害者救済を目的に、県条例で今年(2015年)の10月からの保険加入が義務づけられました。

    ちなみに、知らない人もいると思いますが、2013年には東京都と愛媛県で「保険加入を努力義務とする」条例が制定されています。
    交通事故の件数自体は年々減少傾向にありますが、警察庁が公表している統計資料「平成26年中の交通事故の発生状況」によると、自転車関連の事故は10万9,269件で、この数年、交通事故全体に占める割合は約2割のまま推移しています。

    不測の事態で困らないために保険に加入しておくのは大切なことですが、その前に大切なことは当然、事故を起こさないことです。

    手軽で便利だからといって、軽い気持ちでスピードの出し過ぎや、ながら運転、ひき逃げなどの危険行為はしないように十分気を引き締めて自転車に乗ってほしいと思います。

    万が一の自転車事故のご相談はこちらから
    ⇒「弁護士による自動車事故SOS」
    http://www.jikosos.net/

     

  • 北海道の4人死亡事故に危険運転致死傷罪を適用できるか?

    2015年06月12日

    6月6日、北海道砂川市の国道12号で起きた交通事故で、運転していた会社員の男性とその家族、計4名が死亡しました。

    捜査が進むにつれ、事故の全容が徐々にわかってきていますが、今回は、この衝突事故において「危険運転致死傷罪」の適用があるかどうか、について検討したいと思います。

    「北海道4人死亡事故:飲酒は複数の店か 100キロ超走行」(2015年6月11日 毎日新聞)

    車2台が衝突するなどして一家4人が死亡した北海道砂川市で起きた事故で、死亡した長男(16)を車で引きずって逃げたとして、道交法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕された男が、事故前、砂川市内の複数の飲食店で飲酒していたとみられることが関係者への取材でわかったようです。

    また、事故現場近くの防犯カメラの映像を解析したところ、死亡した家族の乗った軽ワゴン車に衝突した乗用車と、ひき逃げをしたトラックが法定速度(時速60キロ)を上回る時速100~110キロで走行していたとみられることもわかったようです。

    北海道警砂川署は、容疑者の男が飲酒運転とスピードオーバーをしていた可能性があるとみて、事故前の行動を含め捜査しているということです。
    この事故について、まずは時系列で概要をまとめておきます。

    ・6月6日午後10時35分ころ、北海道砂川市の国道12号の交差点付近で、乗用車と軽ワゴン車の出会い頭の衝突事故が発生。
    ・7人が病院に搬送され、軽ワゴンを運転していた男性(44)と妻(44)、長女(17)が死亡。次女が重体。乗用車に乗っていた3人もケガをした。
    ・その後、現場から800メートル離れた路上で、長男(16)が死亡しているのが発見される。衝突事故で車外に投げ出された後、別の車に引きずられたとみて、ひき逃げの疑いで捜査が進められる。
    ・7日午前、ひき逃げをしたとして、男(26)が出頭。男は事故を起こした乗用車の後ろをピックアップトラックで走行していた。
    ・8日、道警砂川署は衝突現場に両方の自動車のブレーキ痕がないことから、どちらかが信号無視をした可能性があるとして捜査を続行。なお、乗用車は炎上、軽ワゴン車は現場から約60メートル飛ばされていた。
    ・現場付近の防犯カメラの映像から、乗用車と後続のトラックが猛スピードで走行していたことと、乗用車の進行方向側が赤信号だった可能性が判明。
    ・9日、ひき逃げをしたトラックが蛇行運転をしていた疑いが浮上。トラックに引っかかった被害者を振り落とそうとしていた可能性もあるとみて捜査を継続。なお、トラックの運転手と乗用車の運転手は幼なじみの友人であることが判明。
    ・出頭した男を、道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕。現場から立ち去った理由について、「任意の自動車保険に加入していなかった」と供述。
    また、事故前に同乗者と居酒屋でビールを飲んだと話したことから、飲酒の検知を避けるために逃げた可能性もあるとみて、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)容疑等での立件も視野に捜査。
    ・11日、乗用車に乗っていた3人とトラックに乗っていた2人、計5人が事故当日の夜、居酒屋で飲食していたことが判明。また、砂川署は容疑者の男を札幌地検岩見沢支部に送検した。同署は、乗用車を運転していた男性(27)ら3人のケガの回復を待って事情を聴く方針。
    では、現段階で判明していることから考えていきます。

    1.「危険運転致死傷罪」と「過失運転致死傷罪」の違いとは?
    2014年5月20日に施行された「自動車運転死傷行為処罰法」の中でもっとも重い罪が危険運転致死傷罪です。
    これは、以下の6つの行為を「故意」に行うことで成立します。
    ①アルコール・薬物の影響により正常な運転が困難な状態で走行
    ②進行を制御することが困難高速度で走行
    ③進行を制御する技能を有しないで走行
    ④又は車の通行を妨害する目的で走行中の自動車の直前に進入その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で運転
    ⑤赤色信号等を殊更に無視し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で運転
    ⑥通行禁止道路を進行し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で運転

    最高刑は懲役20年です。

    一方、過失運転致死傷罪は、前方不注視や後方確認義務違反などの「過失」によって自動車事故で人に怪我をさせたり死亡させたりした場合に成立します。
    法定刑は、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金です。

    詳しい解説はこちら⇒「自動車運転死傷行為処罰法の弁護士解説(2)」
    http://taniharamakoto.com/archives/1236
    2.容疑者に危険運転致死傷罪を適用することはできるか?
    前述の通り、故意か過失かによって刑の重さは格段に違ってきます。
    まずは、ひき逃げをした容疑者のケースから見ていきます。

    今回の事故では、報道内容から危険運転致死傷罪の要件である、①飲酒運転、②スピードオーバーでの走行、⑤赤信号の無視、という可能性が指摘されています。
    また、ひき逃げをしていることから、アルコールの発覚免脱罪の可能性もあります。

    ところで、すでに容疑者は、道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕されていますが、「引きずっていることを知らなかった」と供述しているようです。
    しかし、蛇行運転をしていることから、仮に引きずった認識がなく蛇行運転をしたならば、飲んでいた量が「ビールジョッキ一杯」ではなく、大量に飲酒していたために「正常な運転が困難だった」となっていた可能性も視野に入ってくるでしょう。

    となると、危険運転致死傷罪と、ひき逃による道路交通法違反(救護義務違反)の併合罪となる可能性があります。

    また、飲酒の量が証明できず、危険運転致死傷罪に問うことができなくても、飲酒事故の発覚を免れるために逃げた、ということができれば、発覚免脱罪とひき逃げの併合罪で、最高刑18年の懲役、という可能性もあります。

    仮に引きずっている認識があり、振り払うために蛇行運転していたなら、「未必の故意」による殺人罪の目も出てくることになります。

    未必の故意とは、ある行為が犯罪の被害を生むかもしれないと予測しながら、それでもかまわないと考え、あえてその行為を行う心理状態をいいます。

    つまり、今回の事故では、容疑者が被害者を引きずることで死亡するかもしれないことをわかっていながら、蛇行運転をして振り払おうとしたかどうかの判断、ということになります。
    3.追突した乗用車の運転手の罪はどうなる?
    では、4人が死亡した軽ワゴン車に衝突した乗用車の運転手の罪はどうなるでしょうか?

    警察は、運転手ら3人の回復を待って事情聴取をするとしていますが、現段階でわかっているのは、飲酒運転、スピードオーバー、赤信号無視の可能性です。

    赤信号による交差点進入が立証できれば、危険運転致死傷罪が成立する可能性が高いでしょう。

    今回の事故現場は、約29キロの直線が続く「日本一長い直線道路」として知られ、とくに夜間はスピードを出す車が多く、これまでも度々、交通事故が起きていたようです。

    道警交通企画課によると、北海道内で4人以上が亡くなった事故は1990年以降、約20件あり、その4割が直線の国道で起きているようです。

    また、法定速度を30キロオーバーした場合の致死率は、そうでない場合と比較して63倍にもなるという分析結果があるとのことです。

    現代において、自動車は日常生活に欠かせない便利なものですが、同時に人の命を奪う凶器にもなりうることを今一度認識して、ドライバーのみなさんには安全運転に努めていただきたいと思います。


    交通事故の弁護士相談について
     

  • 平成26年度統計から見える交通事故の現状と問題点とは?

    2015年01月10日

    昨年の交通事故についての統計「平成26年中の交通事故死者数について」が、警察庁から発表されました。
    交通事故の件数、死傷者数ともに減少していますが、新たな問題が浮き彫りになってきたようです。

    「昨年の交通死4113人…高齢者の割合過去最高」(2015年1月5日 読売新聞)

    平成26(2014)年の全国の交通事故の死者は4113人で、前年よりも260人(5・9%)少なかったことが警察庁のまとめで分かりました。

    死者数は、平成13(2001)年から14年連続で前年より減少していますが、目立っているのは65歳以上の高齢者で、2193人が死亡。
    死者の総数に占める割合は53・3%で、統計がある昭和42(1967)年以降で最も高かったようです。

    原因について警察庁は、高齢者の人口が増えていることや、体力が衰えた高齢者の場合、事故にあった後に死亡する確率が若い世代に比べて高いためと分析しているということです。

    前者の理由はわかりますが、後者の理由は、死亡事故における高齢者の占める割合が増加した理由にはなりませんね。

    高齢者の体力が衰えているのは、昔も今も変わらないわけですから。
    さて、この統計からは交通事故に関するさまざまな事象が読み取れます。
    順番に見ていきましょう。

    【事故件数】
    まず事故件数ですが、前年より5万4783件少ない57万3465件で、昭和62(1987)年以来、27年ぶりに60万件を下回っています。

    ちなみに昭和23(1948)年以降のデータを見ると、ピークは平成16(2004)年の95万2709件で、比較すると約40%も減少しています。

    【死者数】
    死者数は4113人で、前年(平成25年)よりも260人(5・9%)減少しています。
    死者数のピークは、昭和45(1970)年の1万6765人だったことから比較すると、75.5%減少しています。

    【負傷者数】
    負傷者数は、70万9989人で前年よりも7万1505人の減少。
    ピーク時は、平成16(2004)年の118万3616人ですから47万3627人減少しています。

    【月別交通事故死者数】
    12月が440人で最多、ついで10月の400人、11月の377人と続きます。
    最少は8月の301人となっています。

    過去15年分のデータを見ても、年末に死者数が増加する傾向は変わっていません。

    【都道府県別交通事故死者数】
    最も多かったのは愛知県で204人。
    ついで、神奈川県の185人、千葉県・兵庫県の182人、埼玉県の173人の順となっています。

    ちなみに、最も少なかったのは島根県の26人、ついで徳島県の31人、鳥取県の34人。
    都市部に多いことからも、人口と死者数は比例している傾向があります。

    【高齢者の死者数】
    65歳以上の高齢者の死者数は2193人で、死者の総数に占める割合は53・3%になりました。
    これは、統計がある昭和42年以降で最も高く、この10年間は毎年増加傾向にあります。

    【飲酒事故件数】
    飲酒運転による事故件数は、この10年で見ると、平成16(2004)年が最多で1万5180件。
    平成25(2013)年の飲酒事故件数は4335件ですから、この10年ほどで1万件以上減少しています。

    また、昨年の飲酒運転による死亡事故は227件で、統計がある平成2(1990)年以降で最少となっています。

    これには、ドライバーの安全運転への意識が向上していることや、飲酒運転の厳罰化が影響していると考えられます。
    以上、統計データから読み取れる現状の交通事故の問題点には以下のことが挙げられます。

    〇交通事故数、死者数ともに毎年減少しているが、交通事故死者数の減少幅は縮小している。
    〇交通事故による死者における高齢者の割合は年々増加傾向にある。
    〇「自動車運転死傷行為処罰法」(2014年5月施行)の悪質運転への抑制効果は確認できたが、依然として飲酒運転はなくならず、また危険ドラッグによる悲惨な死亡事故が増加している。

    「自動車運転死傷行為処罰法」の詳しい解説はこちら
    ⇒ http://taniharamakoto.com/archives/1236
    こうした統計を踏まえ、ドライバーの人たちには、さらなる安全運転への意識向上を目指してほしいと思います。

    我々も新年を迎え、今一度気を引き締め、今年も交通事故被害者の救済に全力を尽くしていきたいと思っています。
    交通事故の相談は、こちらから
    http://samuraiz.net/

  • 自転車での死亡事故が多発中!損害賠償金は一体いくら?

    2014年09月28日

    自転車による死傷事故が続発しています。注意してください!

    「自転車:女子高生が下り坂で衝突、歩行者が死亡 京都」(2014年9月18日 毎日新聞)

    京都府の府道で17日午後7時10分ごろ、歩いて横断していた女性(79)が府立高校2年の女子生徒(16)が運転する自転車と衝突。

    女性は頭を強く打ち、病院に救急搬送されたが約6時間後に急性硬膜下血腫などで死亡。
    女子生徒も転倒し、あごの骨にひびが入るなどの重傷とのことです。

    府警によると、府道は西から東に向かう下り坂で、女子生徒はクラブ活動の帰りに坂を下っている途中で衝突したとみられ、「ブレーキをかけたが間に合わなかった」と話しているようです。

    府道は西から東に向かう下り坂。
    散歩が日課の女性は当日、横断歩道や信号のない場所を横断していたようで、府警は女子生徒が前方をよく見ていなかった可能性もあるとして、重過失致死罪などの容疑で調べているとのことです。
    「自転車同士が衝突 高齢の女性死亡、男子高校生重傷 旭川の歩道」(2014年9月16日 北海道新聞)
    旭川市の道道の歩道上で、男子高校生(16)の自転車と、70代とみられる女性の自転車が正面衝突。

    女性は頭を強く打ち、脳挫傷のため搬送先の病院で約6時間後に死亡。
    男子高校生は鼻の骨を折る重傷を負ったということです。

    道警によると、現場は道路の片側のみにある平たんな歩道で、歩道幅は約2メートル。
    事故当時はすでに薄暗く、2人の自転車はともに無灯火だったとみられ、自転車のブレーキ痕はなかったということです。
    以前、子供が起こした交通事故などの高額賠償金について解説しました。

    詳しい解説はこちら⇒「子供が起こした事故の高額賠償金、あなたは支払えますか?」
    http://taniharamakoto.com/archives/1217
    交通事故の加害者には3つの責任が科せられます。
    「刑事責任」「民事責任」「行政責任」です。

    京都府の事件を例にとると、刑事では「重過失致死罪」に問われ、民事では損害賠償が発生します。

    法定刑は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金です。

    重過失とは、どんな結果となるのか容易にわかる場合や著しい注意義務違反のために、起こる結果を予見・回避しなかったことをいいます。

    また、未成年者の損害賠償責任について法的には、その未成年者に物事の是非善悪を理解する能力がある場合には、その未成年者本人が賠償義務を負い、その能力がない場合には親などが責任を負う、とされています。

    「その能力」は、11~12歳くらいが境界線とされているので、今回の事故での女子生徒は16歳ですから本人が損害賠償をしなければいけません。

    では、その金額は一体いくらになるでしょうか?
    おおよその概算で計算してみます。

    今回のケースは、ご高齢の方でしたが、ご高齢の場合、条件次第で金額にばらつきが出てしまうので、ここでは、専業主婦の女性(30)が、自転車事故で死亡してしまった場合を計算します。

    そうすると、なんと、概算で7,400万円もの賠償金を支払わなければならなくなります。

    自転車の危険性を認識せず、注意を怠ってしまったばかりに、人を死亡させてしまったことで約7,400万円もの損害賠償金を支払わなければいけないのです。

    現状、この女子生徒に支払い能力があるとは考えられないので、親が7,400万円もの損害賠償金を支払うことになるでしょう。

    一般的な家庭にとっては大変な金額です。
    簡単に支払えるものではないですね。

    仮に、この親が自己破産してしまった場合、被害者の女性の遺族は賠償金を回収できなくなってしまいます。

    このブログでは何度も書いてきましたが、交通事故では被害者も加害者も、お互いが不幸な結果になってしまいます。

    自転車は手軽で便利なものですが、一歩間違えば凶器にもなることを大人も子供も、今一度認識してほしいと思います。

    また、交通事故は、ある日突然起きるものですから、まさかの時の備えとして自転車保険への加入などを検討するべきだと思います。

  • 薬を飲んだだけで「危険運転致死傷罪」!?

    2014年09月25日

    飲酒運転が、もちろん犯罪であることは誰でも知っているでしょう。

    また、危険ドラッグに関する報道は最近特に多いので、使用が疑われる運転が発覚した場合、事故を起こしていなくても現行犯逮捕されることを知っている人も増えていると思われます。

    詳しい解説はこちら⇒「脱法ハーブで危険運転致死傷罪か!?」
    http://taniharamakoto.com/archives/1530

    「危険ドラッグで自動車運転しただけで現行犯逮捕です」
    http://taniharamakoto.com/archives/1592

    では、市販薬を服用して自動車を運転した場合はどうでしょうか?

    先日、薬物による危険運転致傷容疑で書類送検されるという事故が起きました。

    ドラッグストアで普通に買えるクスリを飲んで起こした自動車事故で書類送検とは、一体どういうことでしょうか?

    「鎮静剤12錠飲み運転、追突事故…女を書類送検」(2014年9月18日 読売新聞)

    宮崎北署は、鎮静剤を大量に服用し、正常な運転が困難な状態で車を運転していたとして、宮崎市在住の女を自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致傷)容疑で宮崎地検に書類送検しました。

    報道によると、容疑者の女は6月16日午後1時10分頃、同市の市道で乗用車を運転中、薬物の影響で正常な運転が困難になり、赤信号で停車していた軽乗用車に追突。
    男性(41)に首の捻挫など6日間のけがを負わせた疑いとのことです。

    女は運転前に、「1回1錠、1日3錠まで」と服薬方法が書かれた市販の鎮静剤を12錠飲んでいたようで、男性の110番で捜査員が現場に駆けつけた際、運転席で意識がもうろうとしていたということです。
    鎮静剤を一度に12錠も服用するとは、やはり飲みすぎです。
    今回の事故、まさにそこがポイントとなります。

    もちろん、鎮静剤を飲んで自動車事故を起こしただけでは「自動車運転死傷行為処罰法」の「危険運転致死傷罪」には該当しません。

    鎮静剤を大量に飲むことによって意識がもうろうとなり、“正常な運転が困難”になることを“認識しながら”運転したかどうかが問題となります。

    「自動車運転死傷行為処罰法」
    第2条(危険運転致死傷)
    次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。

    1. アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
    第5条(過失運転致死傷)
    自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
    「危険運転致死傷罪」と「過失運転致死傷罪」の違いは、「故意」か「過失」が問題になります。

    現段階では書類送検であり、まだそこまで認定されているわけではないので、今後の捜査次第ですが、容疑者がこれまでも12錠飲んで、意識がもうろうとなっていたにも関わらず、あえて今回も運転したなら危険運転致傷罪が適用される可能性があります。

    一方、今回初めて大量に飲んだので効き目がわからず、自分では正常に運転できる、と思っていた場合には、過失運転致傷罪が適用される可能性があります。

    いずれにしても、クスリは使用上の注意をよく守って服用しなければいけません。

    自分の身体のために飲むクスリですが、自動車を運転するときは要注意ですね。

    自動車を運転するときは、「クスリはリスク」なのです。

    逆から読んでも「クスリはリスク」ですから、くれぐれも気をつけなければなりませんね。(;´Д`)アウ…

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