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破産相談増加
2020年03月19日最近、急に会社の破産の相談が増えました。
新型コロナウイルスの影響です。
観光系やデパートでの販売系は、かなりの打撃を受けているようです。
資金繰りがつかなくなって倒産してしまう会社もかなり出てくるのではないでしょうか。
倒産といえば、「破産」を思い浮かべるでしょうが、会社が破産した場合には、どうなってしまうのでしょうか。
今回、簡単に説明しておきます。
まず、破産というのは、お金がないから行うものですが、実は、会社の破産というのは、結構なお金がかかります。
お金がないと、破産もできない、ということです。
どのくらいのお金が必要かは、その会社の資産や負債など規模にもよるので、一概には言えませんが、危ないと感じたら、すぐに弁護士に相談することをおすすめしてから、説明を始めたいと思います。
破産は、裁判所による手続です。裁判所に対して、破産手続開始の申立をします。
そうすると、裁判所が、債務超過か支払不能に該当するかどうかを審査し、要件を満たすようであれば、破産開始決定を出すとともに、破産管財人を選任します。
破産管財人は、破産会社と利害関係のない弁護士が選任されます。
その後は、破産管財人が債権者の債権額を確定し、会社の全財産を換金して、それぞれの債権者に配当を行います。
その手続が終了すると、会社は消滅します。
中小企業の場合、会社の代表者が借入金の連帯保証をしていることが多いので、会社と同時に代表者も破産することが多いです。
その場合には、代表者は、自宅その他、全ての財産を失うことになります。
さらに詳しくは、こちらをお読みください。
「会社の破産手続きの流れを徹底解説」
https://www.sai-sei.biz/knowledge/hasan-kaisetsu.html「会社の破産を弁護士に相談したほうがよい5つの理由」
https://www.sai-sei.biz/knowledge/hasan-soudan.htmlでは、会社が破産すると、その会社に勤務していた従業員はどうなるのでしょうか?
会社が破産すると、会社はその営業をすべて停止します。
営業を停止しますので、従業員は仕事がなくなりますので、破産申立の直前に解雇されるのが通常です。
労働基準法上、会社が従業員を解雇するときには、30日前にこれを予告するか、これに代わる解雇予告手当を支払わなければなりません。
しかし、債務超過や支払不能に陥っている会社が解雇予告手当を支払うことは難しい場合も多いです。
つまり、突然解雇を言い渡されて仕事を失い、給料が払われなくなってしまう、ということです。
この場合には、従業員は、会社に対する債権者として、配当を求めていくことになります。
給与債権は、取引上の売掛債権などよりは優先されますが、それでも全額払われない場合も多いです。
そのため、「賃金の支払の確保等に関する法律」というものがあり、「独立行政法人労働者健康福祉機構」が破産した会社に代わって未払い給料の一定の部分を立て替え払いする「未払賃金の立替払制度」が設けられています。
この制度により、原則として、未払い給料の8割が立て替え払いされることになっています。
会社から給料をもらっている人は、突然給料が払われなくなる、という事態など想定外だと思いますが、現実問題としては、そのようなことが起きています。
日本経済のためには、消費喚起が必要ですが、それも、自分の生活を守った上でのことになります。
いざという時のための資産をできる限り確保しておくこともご検討ください。
会社の破産手続のご相談は、こちらから。
「弁護士による破産・再生SOS」
https://www.sai-sei.biz/ -
破産手続きの流れと弁護士への相談のタイミング
2019年04月18日今回は、会社にとって、最も望ましくない結果、つまり、倒産及び破産について説明をしていきます。
例えば、製造業の場合、材料を仕入れて、加工し、商品や製品を完成し、それを売却することによって、売り上げを上げます。
材料を仕入れる場合には、当然、その材料を購入することになりますので、その代金を支払います。
仕入代金が足りない場合には、金融機関から融資を受けるなどして資金繰りをし、その代金を支払うことになります。
また、事務所や工場の賃料、人件費など、会社は、様々な支払いをします。
それらの支払いができなくなる場合、会社は倒産するに至ります。
会社が倒産した場合の処理については、民事再生や会社更生など、いくつもの法的手段がありますが、今回は、破産に限って説明をします。
破産は、裁判所を通じて行う法的な手続きですが、債務超過あるいは支払い不能を原因として破産開始決定がなされます。
破産申し立てをするには、様々な書類を添付し、かつ、法的に整った申立書を作成しなければなりませんので、社長が自分で行うのは難しいと思います。
やはり、弁護士に依頼して破産手続きを進めていくことになるでしょう。
破産手続を弁護士に相談するタイミング
では、いつのタイミングで、会社の社長は、弁護士に相談すれば良いのでしょうか。
タイミングとしては、資金繰りが厳しくなって、倒産の文字が脳裏をよぎった時点でまず相談するのが良いと思います。
なぜなら、会社が倒産した場合には、どのような処理の手続きがあり、それはどのように進んでいくかについて、あらかじめ頭に入れておいた方が、その後のいろいろな判断において有益だと考えるからです。
そして、弁護士に相談する際には、会社の状況がよくわかるような資料を持参することをお勧めします。
例えば、確定申告書の写し直近3年分を持参するのが望ましいと言えるでしょう。
会社の倒産が間近という段階で弁護士に相談するには、さらに詳細な資料を持参することをお勧めします。
例えば、以下のような資料です。
債権者一覧表
借入金一覧表
借入金に連帯保証人がいる場合にはその一覧表
担保一覧表
租税公課一覧表
売掛金一覧表
資金繰り表その他、定款や、不動産の登記事項証明書などを持参することも有効です。
そして、弁護士に対しては、破産手続きの流れや、いつどのタイミングで依頼したら良いのか、費用はどの程度かかるのか、等について聞いておきましょう。
特に、破産手続きには、まとまったお金が必要です。お金がないから破産するにもかかわらず、まとまったお金が必要、ということを知らない人も多いので、費用の点は、必ず確認するようにしましょう。いざ、破産申し立てとなると、会社に関するたくさんの資料を準備する必要があります。
なぜ、そんなにたくさんの資料を準備する必要があるのかについて説明します。
破産手続きというのは、会社を消滅させる手続きです。
破産手続では、すべての債権者を明らかにし、その債権額を確定し、債権額に応じて配当してきます。
その配当の元となるのが、会社の財産ということになります。
したがって、破産手続では、会社の財産を、すべてお金に変えて、そのお金を債権者に配当することになります。
会社の財産の中には、売掛金等も含まれます。
したがって、支払い関係に関するあらゆる書類が必要になり、かつ、売掛金にを立証するための、資料も必要となります。
また、不動産を持っている場合には、その不動産を売却しなければなりませんし、賃貸借契約を締結している場合には、契約を解除して、原状回復し、賃貸人に物件を返還しなければなりません。
電気ガス水道電話等の契約等も全て解除します。
リース契約を解除し、リース物件を返還することになります。
このように、会社の破産手続きでは、会社を消滅させるために、会社に関するあらゆる情報を明らかにする必要があるのです。
そしてこれらの作業については、裁判所から選任された破産管財人が行うことになります。
会社の社長は、この破産管財人に協力し、破産手続きを進めていくことになります。
破産申立と破談手続きの流れ
さて、破産の準備をして、破産の申し立てを裁判所にすると、裁判所が、破産の要件が整っているかどうかを審査し、要件を満たしていれば、破産開始決定がなされます。
それと同時に、裁判所は、破産管財人を選任します。
破産管財人というのは、会社と利害関係のない弁護士が選任されることになります。
当然、会社の代理人である弁護士とは違う弁護士が選任されることになります。
そして、破産管財人が選任されると、すぐに会社の代表者は、代理人弁護士とともに、破産管財人と打ち合わせをします。
その打ち合わせによって、破産管財人は、当面どのような業務を行えば良いか、また、破産手続の処理に関して将来的な見通しを立てます。
そして、破産管財人から、会社の代表者や弁護士に対して、処理すべき事項について指示があることがあるので、なるべくその指示に従って協力をしていくことになります。
破産手続きは、破産開始決定が出た後、数カ月後に、第一回債権者集会が開催されます。
債権者集会は、裁判所において開催され、債権者が出席し、破産管財人が、行っている業務の報告をすることになります。
第一回はい債権者集会によって破産手続きが終了する場合には、数ヶ月で破産手続きが終わることになります。
不動産の売却や債権回収など時間がかかる場合には、数カ月ごとに、債権者集会が開催され、長いときには、何年も破産手続きの期間が終了するまでに時間がかかることもあります。
破産手続きは、すべての債権者の債権額を明らかにし、会社の財産を全て換価処分し、お金に変え、配当しなければ終わりません。
つまり、破産手続きがどの位の時間かかるかについては、これらの作業にどの程度時間がかかるかによって決まってくることになります。
したがって、破産手続きを早く終わらせるためには、賃貸借契約を解除して原状回復し、物件を変換しておくなど、なるべく身軽にしておくという方法も考えられます。
ただし会社財産を処分してお金に変えることについては、低すぎる金額で処分すると、破産管財人が後で問題にすることがありますので、換価処分には慎重な態度が必要です。
破産管財人により、債権者に配当が実施されると、破産手続はいよいよ終結ということになります。
破産手続きと代表者の破産
銀行から融資を受けていたり、リース契約があったりすると、会社の代表者が連帯保証人になってることが多いと思います。
したがって、会社の破産と同時に、代表者も破産申し立てをすることが多くあります。
代表者の破産申し立てをした場合、破産開始決定が出た後は、個人に入ってくる収入は、自分のものになりますので、破産開始決定が出た後、就職するのは自由ということになります。
ただし、破産手続において管財人に協力しなければなりませんので、ある程度、時間が自由になる仕事についておく必要があります。
いずれにしても、破産手続きは、会社ごとにいろいろな問題が発生しますので、この説明だけでは説明しきれません。
さらに詳しくは、こちらから。
https://www.sai-sei.biz/knowledge/hasan-kaisetsu.html破産しそうな場合には、必ず弁護士に相談するようにしましょう。
相談は、こちらから。
https://www.sai-sei.biz/knowledge/hasan-soudan.html