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追突してポルシェ乗り逃げか
2007年03月03日3月29日午後8時15分ごろ、堺市の交差点で、信号待ちしていたポルシェ(時価900万円相当)に乗用車が追突し、運転手が事故処理について話し合おうと車を降りて、車から離れたところ、突然何者かがポルシェに乗り込み、追突した乗用車とともに急発進して車2台で立ち去ったとのことです。
警察は、は乗用車の男らが故意に追突して男性を車外におびき出したとみて、窃盗事件として捜査しています。
この種の事件は、模倣犯が出たり、応用型(ぶつかって、車を降りたところで恐喝、強盗)などが出やすいので、注意したいものです。
ちなみに、私は13年経過の国産車で、価値がないので大丈夫そうです。
THE 911 & PORSCHE MAGAZINE (ザ 911 ポルシェ マガジン) 2007年 04月号 [雑誌]
交通事故被害者のための損害賠償交渉術 -
勤務弁護士 募集
2007年02月22日みらい総合法律事務所では、勤務弁護士(経験弁護士)を募集しています。
詳しくは、こちらから→ みらい総合法律事務所
たまにアップしておかないと、検索に引っかからないので、書いておきます。
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川口園児交通事故で実刑5年
2007年02月17日2006年9月に川口市で、暴走自動車が園児の列に突っ込み、4人の園児が死亡した事件で、被告人に対する判決が、2007年3月16日、さいたま地裁でありました。
判決は、業務上過失致死罪では、最高刑の5年です。
しかし、判決は言います。
「業務上過失致死傷罪の法定刑の上限である懲役5年をもってしても、社会的非難、被告人の罪責を十分には評価しきれない」
被告人の罪責を評価するには、5年以上の刑罰が必要であるが、現行の法律においては、最高刑の懲役5年で臨むほかはない、という判断です。
今、この事件もきっかけにして、自動車による業務上過失致死傷の刑罰を7年に引き上げる法改正の動きがあります。
では、仮に今回のケース、懲役7年だったら社会的非難、被告人の罪責を十分に評価しきれるでしょうか。
将来のある4人の幼い子供の命を一瞬にして奪い、かつその両親に地獄の苦しみを与えた結果に対する償いとしてです。判決は、更に言います。「被告人は傍聴に訪れた被害者の遺族らに何の配慮も示さなかったばかりか、遺族の前で社会復帰後は再び車を運転したいとまで述べ、遺族らの感情を逆なでし、更に傷つけた。」
刑法では、人の物を盗む窃盗罪(235条)、詐欺罪(246条)、恐喝罪(249条)は、それぞれ10年以下の懲役です。
結果の重大性から考えると、刑罰が不均衡であるとしか思えません。
また、刑法の上位規範である日本国憲法は、財産権の保障もしていますが、最も重視するのは、「個人の尊厳」です。業務上過失致死は、その個人の尊厳の前提である命を奪ってしまう犯罪です。
結果の重大性、被害感情、社会的非難の程度、日本国憲法の立場から考えても、更に自動車による業務上過失致死傷罪の法定刑の上限を引き上げるべきだと思います。
事案毎の刑のバランスは、運用により実現できると考えます。
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医療費未収金を保険者が徴収
2007年02月17日患者が医療費を支払わず、医療費の未収金が病院などの医療機関の経営を圧迫していることが社会問題化しています。
そこで、厚生労働省は、支払い能力がありながら再三の督促にも応じない悪質な未払い者について、保険者(健康保険組合など)側から支払いを促す制度の導入を検討することを決めたとのことです。
この制度については、現状は、健康保険法や国民健康保険法などの規定があります。健康保険法を例にとります。
「保険医療機関又は保険薬局は、前項の一部負担金(患者負担です。)の支払を受けるべきものとし、保険医療機関又は保険薬局が善良な管理者と同一の注意をもってその支払を受けることに努めたにもかかわらず、なお療養の給付を受けた者が当該一部負担金の全部又は一部を支払わないときは、保険者は、当該保健医療機関又は保険薬局の請求に基づき、この法律の規定による徴収金の例によりこれを処分することができる。」(健康保険法第74条2項)
したがって、現在でも保険者が病院などにかわって徴収することができるはずですが、あまり活用されていません。
そこで、四病院団体協議会などは、未払保険料を保険者が肩代わりすべきなどと求めていました。
そのような動きの中、厚生労働省としては、黙認するわけにもいかず、今回の制度導入に踏み切ることにしたのでしょう。
医師は、医師法第19条により、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、診察治療を拒否することができません。
「患者がお金がなさそうだ。」というだけでは、診察治療を拒めないのです。
したがって、医療費未収金問題の解消は難しい問題であり、今回の制度導入は望ましいことであると考えます。
思いどおりに他人を動かす交渉・説得の技術―現役弁護士が書いた
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個人情報流出判決(TBC)
2007年02月10日大手エステサロン「TBCグループ」での個人情報流出事件において、2007年2月8日、東京地方裁判所は、被害者に対し、1人につき35,000円から22,000円の損害賠償の支払いを命じる判決をしました。
これまでは、1人につき15,000円という賠償額を認めた「宇治市個人情報漏洩事件」がありましたが、それを上回る賠償金額です。賠償金額が増額された理由は、今回流出した個人情報が、住所、氏名、年齢などのほか、「関心のあるエステコース名」という秘匿性の高い情報が流出したこと、流出後に迷惑メールなどが届いたことなどが影響しているものと考えられています。
したがって、流出する個人情報の質や、流出後の被害により、さらに高額の賠償金が命じられる可能性があるということです。たとえば、病院による患者の病歴やクレジットカード会社による購入歴、借入金額などの場合には、更に高額になる可能性があります。
個人情報の管理体制をしっかりと確立したいものです。
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注意
2007年02月09日弁護士でない者が、私の名前を無断で使用して、事件の依頼を受けてお金を払わせた、という報告がありました。
詐欺なのか、弁護士法72条(非弁護士による法律事務の取扱)違反なのかは不明ですが、いずれにしても違法です。
ただちに警察署への被害届の提出と、弁護士への依頼をお勧めしました。
ご注意くださいませ。
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病院法務戦略セミナー
2007年02月07日みらい総合法律事務所主催の病院向けセミナーを開催致します。
次の問題にお悩みの病院の関係者は、ぜひご参加ください。
■医療費未収金問題
■患者の個人情報保護の問題
■クレーム対策
■MS法人問題
■病院の法務対策
詳しくは、下記をご参照ください。
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捜査資料1,300件流出
2007年02月04日山梨県警上野原署地域課の男性巡査長(25)が紛失した捜査資料約1,300件が記録されたUSBメモリーが紛失し、そのメモリーが、匿名で、山梨日日新聞社に郵送されたそうです。
この1,300件というのは、どういうカウントでしょうか。1,300件の事件に関する捜査資料だとすると、最低1,300人の被疑者らの個人情報が含まれていることになります。事件1件につき、何人もの関係者がいますので、推定で、この数倍の規模ということになります。
捜査員1人1人が情報の秘匿性の高さを再確認した方が良いでしょう。
ちなみに、弁護士になる前に司法研修所というところで2年間(今は1年半)研修をするのですが、そこで口を酸っぱくして言われたのは、事件記録を持ち歩くときは、決して鞄を手放してはならず、電車でも、網棚に乗せてはならない、ということでした。
事件記録には、大切な個人情報や証拠の原本などが入っていることがあるからです。
今は、小さいな記録媒体に大量の情報を記録できる時代です。
秘匿性の高い情報を扱う職業に就く者は、常に意識をしていなければならないでしょう。私も気を引き締めたいと思います。
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川口園児交通事故で5年求刑
2007年02月03日2006年9月に起きた、埼玉県川口市の保育園児4人が死亡した交通事故の加害者(38)の公判が、2007年3月2日に開かれ、検察側から、懲役5年の求刑がされました。
罪名は業務上過失致死傷罪(刑法211条)ですが、同条は、以下のとおりです。
「業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」
つまり、今回は、業務上過失致死傷罪の最高刑が求刑されたのです。おそらく判決でも懲役5年の判決がなされるのではないでしょうか。
4人の何の罪もない保育園児が死亡した結果を惹起して、懲役5年が最高の刑というのは軽いと思います。同時に10人の命が絶たれたとしても、やはり最高刑は、懲役5年なのです。
法務省は、このたび、自動車による過失致死傷罪の最高刑を7年とする改正案をまとめています。
他の犯罪の刑罰との兼ね合いもありますが、もう少し最高刑を引き上げた上で、事案に応じた柔軟な運用をするほうが良いと考えます。
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沖縄県立病院未収金を回収業者に
2007年02月03日沖縄県立病院の医療費などの未収金について、民間の債権回収業者に回収を委託したそうです。
「回収を委託」というのは違うような気がします。「民間の債権回収業者」というのは、「債権管理回収業に関する特別措置法」に基づいて設立された「債権回収会社」(サービサー)ですが、このサービサーが取り扱うことのできる債権は限定されており、医療費は入っておりません。
したがって、回収行為はできないはずです。医療費について、サービサーができることは、「回収に関する事務」を受託し、通知を発送したり、入金の案内をしたりすることです。未払いの患者と交渉したり督促したりすることはできません。
したがって、沖縄県立病院が、サービサーに委託したのは、回収ではなく、単に事務を委託しただけでしょう。
ニュースでは、「今回からは、支払い能力があるのに払わない悪質な者には強制執行をするつもりだ」と強調したとありますが、これもサービサーはできません。自分でやるか、弁護士に委託するか、ということになります。
さらに、対象となる債権は、3年以上経過した未収金を主な対象にするそうです。
しかし、医療費債権は、平成17年11月21日付け最高裁判決により、消滅時効は3年とされています。時効消滅した債権のみを主な対象として回収を開始するのはどうかと思います。
なお、私の法律事務所では、病院の医療費などの未収金回収業務を受託しております。
思いどおりに他人を動かす交渉・説得の技術―現役弁護士が書いた