医療費未収金回収に動き(保険者徴収制度)
2008年02月03日
医療機関の医療費未収金問題については、全国の医療機関において深刻な問題となっており、厚生労働省がついに腰を上げました。
ニュースによると、厚生労働省は、国民健康保険などの保険運営者(市町村や企業の健康保険組合など)に治療費回収の肩代わりを求める「保険者徴収制度」の運用を強化するため、訪問回収や資産差し押さえを含めた法整備に乗り出す方針を固めたとのことです。
この問題については、国民健康保険法で次のような規定があります。
「保険医療機関又は保険薬局は、前項の一部負担金(患者負担です。)の支払を受けるべきものとし、保険医療機関又は保険薬局が善良な管理者と同一の注意をもってその支払を受けることに努めたにもかかわらず、なお療養の給付を受けた者が当該一部負担金の全部又は一部を支払わないときは、保険者は、当該保健医療機関又は保険薬局の請求に基づき、この法律の規定による徴収金の例によりこれを処分することができる。」(健康保険法第74条2項)
この「善良な管理者と同一の注意をもってその支払いを受けることに努めた」といえるための要件を明確にし、保険者による徴収を制度化することと、その制度を全国の医療機関に周知することが当面の課題となるでしょう。
みらい総合法律事務所では、複数の病院から未収金回収を受託して医療費の回収業務を行っております。また、病院と顧問契約を締結させていただき、クレーム問題、労働問題、医療事故問題などにも積極的に取り組んでいます。