日赤に200万円寄付で執行猶予
2005年07月05日
「<児童ポルノ法違反>日赤に200万円寄付し猶予判決」という見だしで毎日新聞でニュースになっています。 (記事)
この記事を読んで誤解していただきたくない点があります。被疑者、被告人が読むと、実刑相当の罪を犯しても寄付をすれば執行猶予判決を勝ち取れるかのように読めてしまい、あらぬ期待を抱いてしまう可能性があります。
しかし、そのようなことは断じてありません。確かに贖罪寄付というのは、刑を軽くする一事情ではありますが、他の情状との総合評価で決められるのであり、一般にはそれほど重視されていないのが実務だと思います。
ただ単に一情状として判決に取り上げられたものを強調してしまうと、それが原因で執行猶予になったような印象を与える場合があります。
例えば、飲酒の上での犯行の場合に、「被告人は、酒を慎むことを誓っている上に、被告人は一家の大黒柱であり、被告人がいなければ一家が支柱を失ってしまうこと、まじめに働いていること」などを理由に執行猶予判決を受けた場合、
「禁酒で執行猶予!」という見だしも可能となってしまいます。嘘ではありませんが、読者に誤解を与え、適当ではない記事だと思います。
今回の記事は、日赤その他寄付を必要とする施設に対する寄付が増えることを願って書かれたのかもしれません。
しかし、私たちのように犯罪に関わる仕事をしている者が読むと、読み方が変わってくるものです。