未払賃金立替制度
2004年11月07日
破産した会社の破産管財人をやっていて、倒産のために未払いになってしまっている未払賃金の立替制度の手続で忙しくしています。給与生活者は、毎月給料日に給料が出ないなどということは信じがたいことだと思いますが、会社が倒産するときは、給料はおろか、退職金もないのがほとんどです。しかし、そのようなことになると、住宅ローンは払えなくなるし、サラ金の支払は滞るし、生活費にも事欠く結果となってしまいます。
そこで、労働者健康福祉機構(旧労働福祉事業団)が、倒産により、会社から給料の支払が受けられなかった人のために、未払賃金の80%ほどを立て替えて支払ってくれる制度があります。申請用紙は労働基準監督署に備え付けてあるのですが、これには、倒産会社の未払賃金の証明書が必要となります。しかし、破産した会社は、そのような証明書を発行することができないため、裁判所から選任された破産管財人が証明書を発行するのです。
今回は従業員が数十人規模ですが、数百人規模になると大変です。一人一人全てチェックしなければならないからです。しかし、労働者の場合には、すぐにも生活費に直結してきますので、なるべく急ぎで処理しています。
この未払賃金立替制度は、だいぶ認知されてきましたが、知っているのと知らないのとでは、ずいぶんと違ってきます。自分の会社もいつ倒産するかもしれませんから、是非知識としては知っておきましょう。