身体的認知で説得する
こんにちは。
弁護士の谷原誠です。
私達は、身の回りの小さなことに影響を受けています。
「吊り橋効果」という言葉は聞いたことがある人が多いでしょう。
異性と一緒に高い吊り橋を渡っている時に、恐怖や緊張からくるドキドキ感を感じたら、一緒にいる異性へのドキドキ感と勘違いしてしまう、という心理効果です。
ハーバード大学の研究によると、登場人物の性格の評価をしてもらう実験で、やわらない毛布を触りながら評価した場合よりも、硬い木のブロックを触りながら評価した場合の方が、登場人物を頑固で厳格な性格と評価した人が多くなったということです。
だとするならば、自分を柔軟で優しい印象にしたければ、相手をやわらないソファに座らせると有効だ、ということです。
有効的な交渉をしたい時、クラブなど相手と有効的な関係を築きたい営業などの場合は、相手をやわらかいソファに座らせるという方法をとることで、効果を得ることができるでしょう。
反対に、自分を厳格に見せたい場合には、自分が硬い木の椅子に座る、という方法もあります。
この効果は椅子だけにとどまりません。
イェール大学の研究では、学生をホットコーヒーを持つグループとアイスコーヒーを持つグループに分け、相手に対してどんな印象を持つか、という実験を行ったそうです。
すると、ホットコーヒーを持ったグループは、相手を「やさしい」「おだやか」という印象を持った人が多く、アイスコーヒーを持ったグループは、「やさしくない」「利己的」という印象を持った人が多くなったそうです。
だとすると、会議などを有効的に進めたい時は、相手に温かい飲み物を出す、という方法が有効ということになります。
このように、身体が無意識に感じていることによって心理が影響を受けることを「身体的認知」といいます。
交渉、説得、営業、会議、など、他人とのコミュニケーションで少しでも効果を出したい、と考えるのであれば、このような方法をとるのもよいでしょう。
相手は決してコントロールされているとは思わないでしょう。
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