諦めない弊害
私達は、目標ややるべきことなど、前向きなことに目を向けがちです。
しかし、他方、「やめるべきこと」に目を向けることも大切です。
心理学者であるカーステン・ロッシュは,癌を患った子どものために治療法を探している親を対象に、研究を行ったそうです。
研究結果は、子どもの癌を治そうという目標に向けた決意が固い親ほどうつ病になりやすいことがわかったということです。
反対に、目標を変えたり諦めたりする能力が高い人のほうがうつ病になる確率は低かったということです。
達成不可能だとわかっていながら努力を続けるとストレスを感じ、コルチゾール値が高くなり、免疫機能も低下する、ということです。
反対に目標を断念した人は、身体的、精神的によい状態にあることに気づいたそうです。
やめるべきかどうか、悩んでいる人は多いと思います。
・今の仕事をやめるべきか。
・店を閉めるべきか。
・配偶者、恋人と別れるべきか。
・夢を諦めるべきか。
そのようなやめるべきかどうかを悩んでいること自体が精神と健康に悪影響を及ぼすということです。
これは、認知的不協和が生じているからと考えます。
認知的不協和とは、自分の思考や行動と矛盾する認知を抱えていると、人は不快感を感じるというもので、人は、その不協和状態を解消しようとします。
先程の例では、子どもの癌を治すという目標を持っていながら、それができない現状とのギャップにストレスを感じ、それがうつ状態を引き起こした、ということです。
しかし、夢や目標に向かいながら、ストレスを感じることなく、突き進んでいる人もいます。
この場合、夢や目標と現状との間にギャップがあるわけですから、ストレスを感じそうなものです。
しかし、この場合には、認知的不協和はありません。
なぜなら、この人は夢や目標を達成できると信じているからです。
現在は、その過程にあると認識しており、夢や目標と現状が一本の線でつながっており、認知的不協和状態が生じていない、ということです。
ですから、やめるべきかどうか悩んでいる時は、あるべき姿と現状との間が一本の線でつながっていることを信じることができるのであれば続け、信じることができないのであれば綺麗さっぱり諦める、というのがストレスを感じることなく生きるコツ、ということになります。
但し、そのためには予断を排した冷静な現状分析が必要となります。
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