誤りを認められるか | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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誤りを認められるか

2024年01月15日

あなたは、自分が絶対に正しいと信じていたことについて、自分が間違っていたことが明らかになった場合、それを認めることができるでしょうか。

これは、なかなか難しい問題です。

あるカルト集団の教祖が、1954年12月21日に大洪水が発生して夜中に宇宙船が現れ、信じる者だけを救ってくれる、という予言をしました。

信者達は、この予言を信じて、教祖と共同生活を送っていました。

ところが、同日になっても、宇宙船は現れませんでした。

信者は、どうなったか。

「教祖の予言ははずれた。神とコンタクトできていないのだ」と悟ったでしょうか。

実は、そうはなりませんでした。

信者達は、より一層教祖を信じるようになり、「神は第二のチャンスをくれた。私達が世界を救った」などと考えるようになったそうです。

つまり、予言がはずれた時、それによって「自分の考え」を変えるのではなく、「事実の解釈」を変える方法を選んだ、ということです。

「自分が間違っていた」とは考えず、「予言がはずれたということは、神がチャンスをくれたのだ」と解釈を変えた、ということです。

この様子を観察していたのが、心理学者のレオン・フェスティンガーです。

なぜ、自分が間違っていたことを認められないか、というと、自尊心が傷つくからです。

自己否定につながってしまうからです。

一度ある主張をした場合に、後で間違いに気づいてもなかなか撤回できないのと同様です。

しかし、自分の間違いを認めなければ、正しい判断ができませんし、誤った信念に基づいて行動している時間を浪費していることにもなります。

勇気を持って、自分の誤りを認めることができる人間になりたいものです。

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