片付けのマインドセット
こんにちは。
弁護士の谷原誠です。
これから大掃除に取り掛かる人もいると思います。
その時に役立つ情報です。
「プロスペクト理論」というものがあります。
これは、利益を得るよりも、損失を回避する方を選ぶという人間の傾向をといいます。
行動経済学の概念で、ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーが提唱しました。
プロスペクト理論の一つと位置づけられたものの中に「保有効果」があります。
これは、自分の所有物を実際の価値よりも高く見積もったり高い評価をしてしまうことで所有する前とあとでモノに対する価値観が変わってしまう心理です。
この結果、自分の所有物を捨てることに抵抗を感じることになり、家の中が物で溢れ返ることになります。
部屋を整理しようとして、物を一つずつ手に取ると、捨てるのがもったいないと感じるようになります。
近藤麻理恵さんの「人生がときめく片づけの魔法」は、大ベストセラーになりましたが、この片づけ方法は、実は、保有効果による影響を回避する手法が採用されています。
その手法は、簡単に言うと、「心がときめくモノだけを残し、あとは全部思い切って手放す」というものです。
しかし、この行動の前に極めて重要なステップがあります。
それは、例えば、洋服を片付ける際には、「家の中の全て洋服を引っ張り出して一箇所に集める」という行動です。
自分がクローゼットに行って、しまってある洋服を一つずつ触る方法では、「手放すかどうか」と考えて保有効果が働いてしまいます。
しかし、家の中の全て洋服を引っ張り出して一箇所に集めると、その時点で、一旦「手放し」たことになり、その中から「ときめく洋服だけを保有する」という思考に切り替わります。
その結果、保有効果が働かなくなる、というメカニズムです。
ですから、こんまりさんの方法をやってみる時には、そのとおりに行う必要がある、ということです。
この保有効果が強力ですので、
・モノを整理する時
・誰にモノをあげる時
・モノを売却する時
・モノを捨てる時
などの場合には、一旦、そのモノを手放すよう思考のフレームワークを転換することが望ましい、ということになります。
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