BATNAの力
交渉において、最大の武器となるものは、何でしょうか。
それは、「交渉が決裂しても構わない」という状態です。
交渉用語では、「BATNA(Best Alternative to a Negotiated Agreement)」と言われることもあります。
交渉が決裂した場合の最善の代替案となる選択肢という意味です。
たとえば、若い男女が交際しているとします。
男性の方は女性に執着しており、別れたら死んでしまうほどであり、女性の方は、別れたら、また他の男性を見つければいい、と考えていたとします。
この男女が交渉したら、どうなるでしょうか。
住む場所をどうするか、親と同居するかどうか、などについて、鋭く意見が対立し、双方が絶対に譲らない状態になったら、どうなるでしょうか。
おそらく男性の方が譲歩することになるでしょう。
女性の方は、自分の希望どおりにならなかったら、別れるのも仕方ない、と考えているため、最後まで譲歩しないからです。
ある会社に転職する際の給与額の交渉で、「合意できなくても、他の会社がある」という覚悟があるかどうかで、強い交渉ができるかどうかが決まります。
ある建設会社の下請けをしていて、建設会社から値切り交渉をされた場合に、「この会社から取引を打ち切られても構わない」という覚悟があるかどうかで、強い交渉ができるかどうかが決まります。
これはテクニック以前の問題です。
ですから、重要な交渉をする場合には、まず、テクニック以前の問題として、いかにして、「この交渉がまとまらなくても構わない」という状態を作り出すかが重要ということになります。
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